リファラル採用がうまく行く会社は、何が違うのか? 清水巧×山根一城(前編、DOER Night #2) | DOER NOTE

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リファラル採用がうまく行く会社は、何が違うのか? 清水巧×山根一城(前編、DOER Night #2)

リファラル採用がうまく行く会社は、何が違うのか? 清水巧×山根一城(前編、DOER Night #2)

DOER NOTEが主催する、時代の最先端に挑戦する実践者をつなげるイベントコミュニティ・DOER Night。第二回は、株式会社リフカム代表取締役・清水巧氏、株式会社ポテンシャライト代表取締役・山根一城氏をお招きし、リファラル採用の要諦について現場感あふれるお話を伺った。今回は、その一部をお届けする。(聞き手:栗原康太[株式会社才流]、編集:澤山大輔)

 

 

インセンティブを設ければうまくいくのか?

――お二方、まずは自己紹介をお願いします。

 

清水巧(以下、清水) 株式会社リフカムの清水と申します。当社はリファラル採用に特化したクラウドサービスを提供していまして、現在まで約500社さんを支援してきました。今回は30-100名前後の規模の会社でのリファラル採用事例を知りたい方が多いと思いますので、そうしたお話をしていければと思っております。

 

山根一城(以下、山根) 株式会社ポテンシャライトで代表をやっております、山根と申します。ウチは、ベンチャー企業に特化した採用コンサルティングをやっています。リフカムさんとお客様の領域としては若干被るか被らないぐらいで、お客様のメインターゲットとしては20名以下の人事がいらっしゃらない会社様が多いですね。それ以上の規模の企業様もお取引をさせていただいています。

 

――会場の皆さんに質問です。リファラル採用に取り組まれている会社さんってどのぐらいありますか?(会場、手を挙げる)だいたい半分ぐらいですね。半分ぐらいが「これからリファラル採用を始める」という会社様だと思いますので、リファラル採用のオーソドックスな流れをお教えいただけますか?

 

清水 初めてリファラル採用をスタートされる会社さんの場合、よくあるのが「インセンティブを設ければうまくいくんじゃないの」という意見ですね。でも、実際やるとうまくいかなかったりします。

 

僕らは、まず「創業期からリファラルで入った人、呼んだ人がどれぐらいいるか」という現状分析から入ります。例えば過去に10名いたとしたら、その方々をインタビューして「なぜその人を呼ぼうと思ったのか」「なぜ入社しようと思ったのか」を記事にしつつ把握します。そうすると「自社はこういう人を呼ぶ」「こういう口説き文句で呼ぶ」というパターンが見えてくるんですね。

 

そこを踏まえ、より(人を)呼びやすくするためにはどういったことが必要か、「ここでサポートがあったらよかった」「インセンティブがあったらよかった」といった現場からの声を元に施策を作っていきます。

 

――リフカムさんの場合、外部コンサルみたいな形でお手伝いしてらっしゃるんですか?

 

清水 そうですね。当社は基本クラウドサービスなので、そこをベースにサポートさせていただいています。ただ、ここを切り出して「クラウドなしでも事業をやれたらいいですね」という話を先ほど山根さんともしていたので、これを機会に仕掛けていければと思っています。現状、その辺のノウハウはリフカムのブログでどんどん発信しています。

 

――現場の人にヒアリングしてから制度設計まで、どれぐらいの期間が必要ですか? 

 

清水 社内の現状を1週間ほどで調査し、2週間ぐらいでそれを元に制度のたたき台を作って、社内で合意形成して、1ヶ月後にリリースして推進していくのが基本形になります。

 

インタビューは5組も聞けばだいたいわかってくるので1週間ほどで聞いて、カメラマンもつけてコンテンツにしていますね。呼んだ人・呼ばれた人のストーリーって、感動的なものが多いんですよね。最初は会社からやらされたリファラル採用であっても、ストーリーが形として見えるようになると社内の人も感じ入るところがありますし、社外へのアピールにもなります。「友達を呼ぶって相当な覚悟が必要だよね」とか。

 

 

ドリルを売りたいなら、穴をイメージさせよ

――山根さんのクライアント企業でリファラル採用に対する意識、優先度の上がり具合はどういったものですか?

 

山根 意識はすごく高いですね。ただ、採用経路分析をするとエージェント、媒体、リファラルとある中ではリファラルの割合は10パーセントほどだったりします。ですので、実際はリファラル採用をやりたくてもノウハウがない、どうやって進めていいかわからない会社様も相当数おられます。潜在的な需要はかなり大きいでしょう。

 

――どういったサポートをされていらっしゃるんですか?

 

山根 僕はリファラルの専門家ではなく採用の専門家なので、細かい部分まで支援できていませんが、個人的な意見としてはリファラル採用で重要なのは啓蒙とリスト作りだなと思います。よくあるのは「リファラル採用をやる理由はわかったんですけど、そんなに友達いないですよ」という意見です。そういうケースではFacebookのリストを作って、月に1回全部の友人を見せてもらったりしました。まあ、結構パワー勝負ですね。リファラル採用の正攻法については、それこそリフカムさんが作られているのかなと思います。

 

――それは、人事の方にリストアップしてもらうのですか? 

 

山根 あるクライアント企業では、マネージャーの方でした。担当部署のメンバーから挙がってくる人をスプレッドシートに記載してもらって、マネージャーの方に確認してもらい、上げっぱなしにならないよう人事の方に週イチで見てもらっていました。

 

――「この方にメッセージを送ってください」とか「食事に行きましょう」と指示されるんですか?

 

山根 そうですね。ただ、実際は候補者様へメッセージを送っていない方が圧倒的に多いですね。「やりましょう」という話をしても、次の週も送ってないこともあったり。そこはガンガン言っていくしかないですね(笑)。言ってもやる人とやらない人が出てくる場合はチーム制にして何人ぐらい名前が上がってくるかを集計するなど、いろいろ地上戦をやっています。

 

――リフカムさんは、そのあたりをツールでカバーされるんですか?

 

清水 そうですね、確かにツールで管理しやすくはなるのですが、やっていることは山根さんが仰るように地道な作業です。

 

社員の方をインタビューしていくと、どういった方々なら(リファラル採用で)呼べるかというペルソナが徐々にできてくるんです。例えば、前職は広告代理店で働いていた人が多いとか、何歳から何歳までとか、コミュニケーション能力が高いとか。そういう要素をポストイットに挙げるイメージで分類して、「こういう人たちが友人にいる人は誰か」という観点で協力してくれそうな社員の方を呼んで、10分ほどFacebookをチェックしてピックアップしてもらったりしています。

 

ただ、絞り込んだ人に「転職意志があるかどうか」はいったん無視します。例えば「今度ご飯行かない?」という温度感のコミュニケーションでいきなり「転職考えてる?」って聞かないと思うんです。まずはご飯を食べに行って接点を作って、そこで意欲があるかを把握してからネクストアクションに移るのが大事ですね。

 

――まずはご飯に行って、そこで会社の説明をしてもらうと。

 

清水 「SPIN型営業」って言葉を聞いたことある方、おられますか? 潜在課題を掘り起こして、課題に対しての解決策を提案していく手法です。ドリルを売るときには、穴をイメージさせてから売った方が売れるということですね。穴がないのに売ろうとしても売れないわけです。

 

会食中に「そんな仕事をしてるんだね、そんな課題があるんだね」みたいな課題が見えてくるんですよね。例えば給与とか、環境とか。そこに自社の魅力をうまく当てていって、「だったら一度オフィスに遊びに来ない?」みたいにすると。そういうSPIN式の会食をみんなができたらいいと思うんですが、なかなか難しいですね。山根さんは、会社の魅力をうまく伝える口説き方をお持ちだったりしますか?

 

山根 僕は、会社の魅力は23個に分かれると考えています。23個をさらに5つの軸に分類にすると、1つめは会社の想いが強い会社、2つめは事業内容がキャッチーな会社、3つめは社長や取締役など人推しの会社、4つめは福利厚生が整っている会社、そして5つめは業界に特徴がある会社です。そこに会社の魅力をうまく伝えるための特徴が出るかなと。

 

今お手伝いさせていただいているクライアントに、「業界の変革をしたい」というミッションを持つ会社があります。この会社では、全社員に対して「ウチのプッシュポイントはどこなのか」を認識させるところからスタートしました。

 

お客さまに対して23個のブランディング項目の中で、何が該当するのかを僕がピックアップをして、「御社は、他社に比べてここが秀でています。こんな質問をされたら自信を持って回答してください」とお話するとうまくいくケースは多いですね。

 

細かい口説き方は、そこまで踏み込んだことがなかったですね。ただ清水さんが仰った通り、全社員でリファラル採用するのであれば「全社員が、自社のキーポイントを言える」というコンサルティングをやりたいと将来的には思っています。

 

――会食の度に営業力が上がるなら、かなり強力ですね。

 

 

リファラル採用は、総合格闘技である

山根 過去の話ですが、新卒採用コンサルを受けた時のことです。そのコンサル会社曰く、新卒採用における質問の2大事例は「なぜこの会社に入ったんですか」「仕事のやりがいは何ですか」だったんですね。その会社では、その質問に対しての回答を研修でめちゃくちゃ練習するんです。マネージャーと役員と社長、計7人ぐらいの前で「なんで才流さんに入ったんですか」みたいに。なかなかしんどい経験だったと記憶しています(笑)。

 

「情景をイメージさせろ」「普通に喋っても面白くないよ」とかフィードバックを受けたり。細かい口説き方はたくさんあるので、社員全員がそれを共有できればすごく強いですね。

 

――清水さんの所はいかがでしょうか? 

 

清水 私はよく「リファラル採用は総合格闘技だ」と言っているのですが、そもそも社員はエンゲージメントが高い状態、「自社を紹介したい」と思っていないと動いてくれません。

 

そして動ける状態にあるのに動いてくれない場合は、例えば魅力の伝え方がよくわからない(採用ブランディングができていない)とか、うまく外に発信できていないとか、記事がシェアしやすくないといった採用PRの領域になりますし、それらを効率化するリファラル採用に特化したサービスの話になると思います。本質的な部分はもっともっとあると思うので、その辺はわれわれもノウハウをどんどん貯めて提供していきたいと思っています。

 

――山根さんは、先ほどおっしゃっていた5つの軸はオープンにしているんですか?

 

山根 そうですね、別の取材でも取り上げていただいて、オープンにしています。5つの軸の中で、「業界を変革したい」軸の幅はかなり大きいですね。業界軸はさらに10つぐらいに細分化していて、なぜこの業界がこのタイミングで立ち上がったのか、業界成長率はどうか、海外でどれぐらい伸びているのか等の基準があります。

 

例えば日本では現状認知度が低くてもアメリカではものすごく成長している、そういうサービスであれば日本でも伸びる可能性があります。そういうことを考えてプランニングするケースは結構ありますね。

 

 

――山根さんは有名な成長ベンチャーに入られていることが多いと思いますが、そういう会社では人に対する口説き文句は入る前に固まっているのでしょうか、それとも山根さんたちが入ることで言語化されるケースが多いですか?

 

山根 会社様によりますが、僕らの方で言語化するケースが多いですね。社長さんが喋れるケースは多いですけど、社員の方まで社長さんを代弁するテンションや言葉遣いができるケースは多くないので。文字化して、社長と役員に確認して、納得感を持たせてから面接官の方々にテキストを配ってもらうケースはあります。

 

――うちの会社も山根さんの会社に採用ブランディングを手伝っていただいたのですが、非常に良い成果が出ました。びっくりしたのが、視点の違いですね。僕の喋る内容って、僕の視点がすごく強いんですね。社長の気持ち視点というか。でも山根さんから出てきたドキュメントは求職者視点、ユーザー視点で。「ああ、こういう切り口もあったんだ」という驚きがありました。

 

山根 会社がPRしたい内容と求職者の方が知りたい内容って、ずれていることが多いと思います。前職でキャリアカウンセリングをたくさんやったのですが、内定辞退された方々の理由を分析するとだいたい4つに大別されるんですね。事業内容、職務内容、福利厚生、そして人です。でも、企業様がPRしたいことってそれ以外のことだったりしますから。

 

――山根さんが採用ブランディングに入る中で、「これはあまり魅力がないな」と思われるパターンはありますか?

 

山根 難しいなと思うのは、商品を持っていない事業ですね。苦戦するのは、そのパターンかなと思っています。

 

例えば代理店事業、コンサルティング事業、それからSES事業をやっていらっしゃる会社。自社の商材がないと、事業内容でのプッシュがなかなかできないんです。先ほど言った5つの軸のうち、1つが消えちゃったりするんですね。ジャンケンでいうとグーとチョキしか出せないというか、そういうブランディングを強いられてしまうと思います。そういうときは、人で勝負したり福利厚生をアピールしたりという工夫をしています。

 

<後編へ続く>

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