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エレベーターピッチの作り方を事例で解説【テンプレート付き】

新規事業
コンサルタント
野田 拓志

社内でのプレゼン、投資家への売り込みなど、自社の事業内容をわかりやすく、簡潔に伝えなければならないシーンは数多くあります。そこで有効なのが、15〜30秒程度の短い時間で行うプレゼン「エレベーターピッチ」です。

本記事では新規事業の担当者に向けて、そもそもエレベーターピッチとは? といった基本的な内容、エレベーターピッチの作成方法について、事例も交えながら解説します。

さらに自社の事業でエレベーターピッチを活用・検討できるように、テンプレートも用意しました。ぜひあわせてご覧ください。

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エレベーターピッチとは

エレベーターピッチは、15〜30秒程度の短い時間で行うプレゼンのこと。

起業家が、多忙な投資家に対して、エレベーターに乗り合わせたわずかな時間で自社のプロダクトを売り込んだことに由来します。2000年頃にアメリカのシリコンバレーで始まりました。

現在は、限られたわずかな時間で、簡潔に、わかりやすく伝えるテクニックとして、「投資家に対して、自社のプロダクトを短い時間で説明する」「社内のプレゼンで、新規事業について説明する」といった目的で取り入れられるケースが多いです。

また、自社の事業の価値が整理されるため、社内の目線合わせのために取り組む事例も増えてきました。

才流(サイル)でも事業紹介用として、以下の9つの項目で構成されるテンプレートを用意し、コンサルで使用しています。

  1. 潜在的なニーズ/抱えている課題
  2. ターゲットユーザー
  3. プロダクト名
  4. プロダクトのカテゴリ
  5. 重要な利点、対価に見合う説得力のある理由
  6. 最も保守的な代替手段
  7. 差別化の決定的な特徴
  8. 実績や強み+社名
  9. 自社が取り組む理由、圧倒的な優位性

エレベーターピッチ

[ ❶ 潜在的なニーズ/抱えている課題 ]を満たしたい/解決したい。
[ ❷ ターゲットユーザー ]向けの、
[ ❸ プロダクト名 ] は、
[ ❹ プロダクトのカテゴリ ]である。
これは[ ❺ 重要な利点、対価に見合う説得力のある理由 ]ができる。
[ ❻ 最も保守的な代替手段 ]とは違って、
[ ❼ 差別化の決定的な特徴 ]が備わっている。
そして[ ❽ 実績や強み+社名 ]だからこそ、
[ ❾ 自社が取り組む理由、圧倒的な優位性 ]がある。

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エレベーターピッチを作る3つのメリット

新規事業の担当者が事業のエレベーターピッチを作るメリットは以下の3つです。

  1. 事業内容をわかりやすく、簡潔に伝えられるようになる
  2. 誰のために・何を・なぜ・やるのか、が明確になる
  3. 意識が顧客に向く

第三者にわかりやすく、簡潔に伝える以外のメリットも得られるため、新規事業の担当者は一度作成してみることをおすすめします。

1.事業内容をわかりやすく、簡潔に伝えられるようになる

とくに経営者や事業責任者、営業パーソンは、自社の事業について説明する機会が多くあります。そのときに時間をかけてだらだらと事業を説明しても、残念ながら相手の印象には残りません。むしろマイナスの印象を与えてしまう可能性もあります。

しかし、エレベーターピッチを作成し、全社で共有すれば、社内の全員が30秒以内で簡潔に、わかりやすく事業について説明できるようになります。

エレベーターピッチをベースとして、相手の立場や興味に合わせて詳細を伝えることで、説明内容の質も向上するでしょう。

2.誰のために・何を・なぜ・やるのか、が明確になる

エレベーターピッチを作成する際は、事業の骨格を改めて考える必要があります。そして、作成プロセスを通して、自社やチームが、誰のために、何を、なぜ、やるのか、という点が明確になります。

また、完成した文章を社内に共有することで、メンバーの事業への理解を統一できます。

事業理解はメンバーそれぞれが置かれた状況によって、異なるケースがあります。たとえば、営業と開発の間で事業への理解が異なっている場合、コミュニケーションのすれ違いが頻繁に起こります。エレベーターピッチは、それらを防止することにも役立ちます。

3.意識が顧客に向く

エレベーターピッチは、チームの意識を顧客に向けることにも寄与します。

エレベーターピッチの項目に、以下の2つが存在するからです。

  1. 潜在的なニーズを満たしたり、抱えている課題
  2. ターゲットユーザー

これら2つは、プロダクトアウト的な視点で開発していると見逃しがちです。しかし、この2つから始まるエレベーターピッチは、顧客を意識せざるを得ないのです。

エレベーターピッチの作り方

エレベーターピッチ作成の大まかな流れは、以下のとおりです。

  1. 9つの問いに回答する
  2. 回答内容をフォーマットに落とし込む

1.9つの問いに回答する

まずはエレベーターピッチを構成する要素を考えるために、以下の9つの問いに回答します。

  1. ターゲットユーザーは?
  2. (ターゲットユーザーの)抱えている課題や潜在的なニーズは?
  3. プロダクトの名称は?
  4. プロダクトのカテゴリは?
  5. プロダクトの重要な利点、対価に見合う説得力のある理由は?
  6. プロダクトの最も保守的な代替手段は?
  7. (保守的な代替手段と比べて)差別化の決定的な特徴は?
  8. 自社の実績や強み+社名は?
  9. 自社がこのプロダクト開発に取り組む理由、圧倒的な優位性は?

まずは自社の現状をすべて書き出すことが大切なので、短く回答する必要はありませんエレベーターピッチを作るための素材を準備しているという意識で取り組みましょう。

2.回答内容をフォーマットに落とし込む

9つの問いに回答できたら、エレベーターピッチのフォーマットに落とし込んでいきます。

テキストの流し込みが終わった後は、時間を計りながら声に出して読んでみましょう。30秒以内に収まるか?伝わりにくい部分はないか?などをチェックしてください。

テキストを入れるだけでエレベーターピッチが完成するテンプレートを用意しました。ぜひご活用ください。

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※個人情報の入力は必要ありません。クリックするとファイルがダウンロードされます

エレベーターピッチの事例

参考として、9つのプロダクトの事例を紹介します。

なお、今回ご紹介するエレベーターピッチは、いずれも作成当時のものです。現在のプロダクトの内容と異なる場合があります。あくまでも言い回しや表現方法の参考としてご活用ください。

フリマアプリ「メルカリ(初期)」

フリマアプリ「メルカリ(初期)」のエレベーターピッチです。

メルカリのエレベーターピッチ

[ ❶自分の持ち物が売れず、捨てるしかないこと ]を解決したい。

[ ❷主として若い女性 ]向けの、

[ ❸メルカリ] は、

[ ❹フリマアプリ ]である。

これは[ ❺持ち物の出品と販売をすること ]ができる。

[ ❻ヤフオク ]とは違って、

[ ❼モバイルアプリだけで簡単に出品する機能 ]が備わっている。

そして[ ❽株式会社メルカリ ]だからこそ、

[ ❾業者の出展を制限し、CtoCに特化し、ユーザーの使いやすいアプリに素早い改修対応 ]がある。

※参考:

UXデザインワークショップ資料 by ATOMOS DESIGN

ビジネス+IT『フリマで「ヤフオク」が「メルカリ」に勝てない理由、戦略の決定的な違いとは?(2/2) 』より一部加筆して掲載。

開発チームの貸し出しサービス「開発チームレンタル」

開発チームの貸し出しサービス「開発チームレンタル」のエレベーターピッチです。

[ ❶開発知識やノウハウを持つ開発者を見つけにくいこと ]を解決したい。

[ ❷サービス企画者 ]向けの、

[ ❸開発チームレンタル] は、

[ ❹月額制の開発チームの貸し出しサービス ]である。

これは[ ❺欲しいプロダクトを探求(仕様変更)しながら作っていくこと ]ができる。

[ ❻普通のアジャイル受託会社 ]とは違って、

[ ❼事業立ち上げの知見を活かして主体的に事業にコミットする開発チーム ]が備わっている。

そして[ ❽新規事業に特化した渋谷の開発会社である株式会社mofmof ]だからこそ、

 [ ❾新規事業立ち上げに沿った開発思想の理解 ]がある。

※参考:

メイン事業のインセプションデッキを改めて作ってみたらテンションが上がった話

株式会社mofmof より一部加筆して掲載。

オンライン英会話サービス「レアジョブ」

オンライン英会話サービス「レアジョブ」のエレベーターピッチです。

レアジョブのエレベーターピッチ

[ ❶忙しくて英会話学習の時間を確保できない悩み ]を解決したい。

[ ❷英語学習者 ]向けの、

[ ❸ レアジョブ ] は、 

[ ❹オンライン英会話 ]である。

これは[ ❺オンラインで本格的な英会話レッスンの受講 ]ができる。

[ ❻対面式の英会話教室 ]とは違って、

[ ❼いつでも・どこでも、思い立ったときに利用できる仕組み ]が備わっている。

そして[ ❽株式会社レアジョブ ]だからこそ、 

[ ❾15年以上の英語学習研究の成果 ]がある。

※参考:

デジタルマーケティング入門ガイド『なぜ「エレベーターピッチ」を作ると、アイディアの検証ができるのか?

株式会社レアジョブ より一部加筆して掲載。

小型水筒「ポケトル」

小型水筒「ポケトル」のエレベーターピッチです。

ポケトルのエレベーターピッチ

[ ❶重く大きい水筒を持つことに対する抵抗感 ]を解決したい。

[ ❷OL・ママ・シニア層 ]向けの、

[ ❸ポケトル ] は、

[ ❹極小サイズのステンレスボトル ]である。

これは[ ❺お気に入りの飲み物をどこにでも持ち歩くこと ]ができる。

[ ❻従来サイズの水筒 ]とは違って、

[ ❼おしゃれで超軽量、ポケットに入るサイズの設計 ]が備わっている。

そして[ ❽株式会社DESIGN WORKS ANCIENT ]だからこそ、

[ ❾とらわれない発想と実行力 ]がある。

※参考:

デジタルマーケティング入門ガイド『なぜ「エレベーターピッチ」を作ると、アイディアの検証ができるのか?

プレジデント ウーマン『ポケトル開発者が語る、大ヒット商品を生むための「数字や論理よりはるかに大切な力」とは』 より一部加筆して掲載。

グルメ情報アプリ「ランチおみくじ」

グルメ情報アプリ「ランチおみくじ」のエレベーターピッチです。

ランチおみくじのエレベーターピッチ

[ ❶お昼のお店選びが面倒だと思っていること ]を解決したい。

[ ❷ビジネスパーソン ]向けの、

[ ❸ランチおみくじ ] は、

[ ❹グルメ情報アプリ  ]である。

これは[ ❺お昼の時間になるとユーザーにおすすめのお店をランダムに提示すること ]ができる。

[ ❻ランチ占い ]とは違って、

[ ❼歩いていける、かつ志向にマッチするお店を提示する機能 ]が備わっている。

そして[ ❽1980年創業の株式会社システムサポート]だからこそ、

[ ❾SIerとして培った技術力 ]がある。

※参考:So-da『新人の呼びかけで企画がスタート!スマホアプリ「ランチおみくじ」開発者インタビュー』 より一部加筆して掲載。

計算ツール「quitcost」

計算ツール「quitcost」のエレベーターピッチです。

quitcostのエレベーターピッチ

[ ❶無職になったら「どんな」個人負担が「いくら」増えるのかがわかりづらいという問題 ]を解決したい。

[ ❷転職準備のためにしばらく無職になる人 ]向けの、

[ ❸quitcost ] は、

[ ❹計算ツール  ]である。

これは[ ❺ 年収や基礎データ(年齢、郵便番号など)、無職期間を入力すると個人負担となる保険、年金、税金の額を知ること ]ができる。

[ ❻各料金ごとに手計算やシミュレーターで算出するの ]とは違って、

[ ❼計算式を意識せずに、全料金を一括で計算できる機能 ]が備わっている。

そして[ ❽ikuma-t ]だからこそ、

[ ❾自分自身が当事者として経験した知見 ]がある。

※参考:

「困りごと」から始める個人開発

ITmedia NEWS『「無職になると税金っていくらかかるの?」 質問に答えるだけで金額がざっくり分かるWebフォーム 個人開発者が開発 』より一部加筆して掲載。

キャリア特化型SNS「Resumeの裏側」

キャリア特化型SNS「Resumeの裏側」のエレベーターピッチです。

Resumeの裏側のエレベーターピッチ

[ ❶自分ひとりでキャリアの見直し・振り返りをしなければならない状態 ]を解決したい。

[ ❷目標を明確化できないエンジニアやデザイナー ]向けの、

[ ❸Resumeの裏側 ] は、

[ ❹キャリア構築特化型SNS  ]である。

これは[ ❺これまでのキャリアや資格/スキルをみること ]ができる。

[ ❻LinkedIn、Twitter、note]とは違って、

[ ❼キャリア選択や変更、資格取得理由や背景に紐づけてコミュニケーションする機能 ]が備わっている。

そして[ ❽各社のPMが有志で集まったプロダクト筋トレ会 ]だからこそ、

[ ❾全員がPM視点でニーズを捉えてWhyを決定している過程 ]がある。

※参考:仲間を集めて一ヶ月本気でプロダクトを作ってみた話 より一部加筆して掲載。

アイデア探しツール「アイデアストック」

アイデア探しツール「アイデアストック」のエレベーターピッチです。

アイデア探しツールのエレベーターピッチ

[ ❶自分ひとりで考えるアイデアには限界があること ]を解決したい。

[ ❷新製品企画者 ]向けの、

[ ❸アイデアストック ] は、

[ ❹アイデア探しツール ]である。

これは[ ❺既存アイデアから他のアイデアを派生させて増やすこと ]ができる。

[ ❻マインドマップ、アイデアメモ ]とは違って、

[ ❼自分のアイデアから連想される新しいアイデアが自動的に増える機能 ]が備わっている。 

そして[ ❽新規事業に特化した渋谷の開発会社mofmof inc.を経営するエンジニア兼代表・原田敦 ]だからこそ、

[ ❾アイデア発想の効率化をずっと考え続けてきた経験(ユーザー視点) ]がある。

※参考:エレベーターピッチの作り方 – シンプルな言葉でプロダクトを表現する方法 より一部加筆して掲載。

才流の新規事業マーケティング支援

株式会社才流の新規事業マーケティング支援のエレベーターピッチです。

才流の新規事業マーケティング支援のエレベーターピッチ

[ ❶トップダウンで予算と目標は決まっているが、新規事業の経験がなく、どうやってマーケティングに取り組めばいいか分からないという課題 ]を解決したい。

[ ❷新規事業部門 ]向けの、

[ ❸才流の新規事業マーケティング支援 ] は、

[ ❹新規事業コンサルティング ]である。 

これは[ ❺マーケティング戦略の提案から売れるまでの検証をワンストップで支援を受けること ]ができる。

[ ❻自分たちで書籍やセミナーで学びながら新規事業を取り組むこと ]とは違って、

[ ❼ノウハウがほとんど出回っていないBtoB新規事業の課題解決方法のスピーディーな提供 ]が備わっている。

そして[ ❽BtoBマーケの専門家集団である株式会社才流 ]だからこそ、

[ ❾BtoB業界の新規事業・新市場参入の専門家の伴走支援 ]がある。

※関連ページ:新規事業のマーケティング支援|才流

よくある質問と回答

才流 野田

才流のコンサルタント野田がお答えします!

Q.エレベーターピッチは何文字くらいがいいでしょうか?

A.聞き手が最も話の内容を理解しやすい速度は、1分間に300文字のペースだといわれています。 これはちょうど、NHKのアナウンサーがニュースで原稿を読む速度と同じです。それを参考にすると30秒でおさめるのであれば、150文字を一つの目安にするのがよいかと思います。

Q.エレベーターピッチは30秒を超えてもいいでしょうか?

A.はい、15秒〜30秒はあくまでも目安ですので、超えても問題はありません。ただ、1分を超えると情報量も多くなり、理解が追いつかないと感じる人もいます。最大でも1分を目安にされるのがよいかと思います。

おわりに

エレベーターピッチは、対外的な説明だけでなく、社内での目線合わせ、共通言語の基盤構築としても役立ちます。

今回ご紹介したテンプレートを活用し、ぜひ一度作成してみてください。

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