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営業マニュアルの作り方【テンプレート付き】

法人営業
才流コンサルタント
井出 孝尚

営業力が高い企業は営業活動の進め方がきちんと定義されており、目指すべき行動や教育方針が明確です。

営業マニュアルの作成は、営業の平準化を実現して組織のパフォーマンスを向上させる第一歩。指針が定まっておらず属人化している営業組織には、とくにおすすめしたい取り組みです。

    【こんな課題がある組織におすすめ】
  • 営業活動の進め方が定義されていない
  • マネージャーによって教え方や評価がばらばら
  • 新人は受注/失注の結果以外に、自身の活動の善し悪しがわからない
  • 結果的に、営業活動の進め方が属人化して組織のパフォーマンスが安定しない

本記事は、平準化の軸になる営業マニュアルの作り方を解説します。営業メンバーのパフォーマンス向上と研修資料にも役立つ、以下のテンプレートとあわせて参考にしてください。

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また、才流では「営業マニュアルの作成がわからない」「営業マニュアルを改善したい」企業さまを支援しています。営業マニュアルの作成でお困りの方はお気軽にご相談ください。⇒サービス紹介資料の無料ダウンロードはこちら

営業マニュアルとは?

営業マニュアルとは、営業活動を進める手順や、進めるうえで必要な基礎知識、ルールを明記した資料のことです。新人メンバーの早期戦力化や営業の平準化、各営業パーソンが得たノウハウを集約する目的で作ります。

そのため「アポ獲得 → 初回商談 → 見積もり・提案 → クロージング → 契約」といった大まかな手順にとどまらず、以下のような情報を記載します。

    【具体的な情報】
  • 商材の提供価値
  • 具体的な顧客像
  • 市況や競合状況
  • 商談事前準備のやり方
  • よくあるケースの対応例

効果的なケース

営業マニュアルの作成を面倒に感じる方も多いでしょう。しかし、現場の実務を通してメンバーを教育するOJT(※)中心の企業は、営業マニュアルの作成効果をとくに実感しやすいはずです。

※OJT:On the Job Trainingの略。現場の実務を通して、部下を教育する指導法のこと。指導者の能力に依存しがちで、体系的な教育には不向き。

営業マニュアルがない状態でOJTをおこなう場合、「指導担当者によって営業方針がばらばら」「1人でおこなった商談の振り返り方がわからない」「機会に依存し、網羅的な学習が難しい」といった問題が発生します。

新人メンバーによって知識やスキルにむらがあったり、組織の目指すべき方向性やロールモデルがなかなか浸透しない場合、原因は営業としての基礎知識や営業活動の進め方が言語化されていないことにあります。営業マニュアルを作成していないなら、ぜひ取り組んでください。

    【実感できる効果例】
  • 新人メンバーでも営業活動の進め方を理解できる
  • 営業活動の進め方がわかると、型の改善やアップデートができる
  • 営業活動の進め方に基準があると、指導担当者のフィードバックの質も担保される
  • 商材・顧客・競合・営業活動のポイントなどの基礎知識を全員が備えられる
  • 基礎知識がある状態でOJTに移行できると、新人メンバーの成長スピードが上がる

営業マニュアルに必要な項目とテンプレート紹介

営業マニュアルには、現場で役立つ3つの項目を入れましょう。

  1. 商材の理解
  2. 顧客の理解
  3. 営業活動の進め方の理解

営業マニュアルの目次

営業組織の状況や目的によって適切なマニュアルの項目は異なりますが、本記事では基礎的な3つである「商材の理解」「顧客の理解」「営業活動の進め方の理解」で何をまとめるべきか解説します。

1.商材の理解

単純に商材の機能・サービス内容をまとめるのではなく、商材が求められている背景、解決できる課題、競合との違いなど、「その商材がどのような位置づけで求められているのか」まとめましょう。

商材の理解

商材を理解することは非常に重要ですが、機能・サービス内容の理解で留まってしまいがちです。「顧客が望んでいる価値」「自社が提供できる価値」「競合他社が提供している価値」を理解し、マクロな視点で商材を理解すると、商談の場で話せる内容が広がります。

本記事でご紹介しているテンプレートは、商材の理解を図でイメージできるようにしました。
自社の価値や立ち位置もわかるようになっています。 

「商材の理解」※テンプレートより一部抜粋

バリュープロポジション
P20より。
バリュープロポジション(自社が提供できて競合他社が提供できない、顧客が求める独自の価値を表したもの)の理解を促す
ポジショニングマップ
P25より。
ポジショニングマップ(競合各社と比較した自社の立ち位置、主要各社のポジショニング)を理解し、競合対策力を高める
エレベーターピッチ
P26より。
エレベーターピッチ(短時間で説明できる自社の価値)をまとめる項目を設け、提供価値の伝え方を均一化する

2.顧客の理解

この項目では、商材と相性がよい属性や具体的な顧客像をまとめます。

顧客を理解するための内容

新人メンバーや若手の営業パーソンの課題として、「顧客の発言の背景を理解できない」「顧客が困っているポイントを想定して先回りできない」があります。これらは顧客解像度の低さが原因です。

多くの営業組織では、この問題を場数で解決しようとしてしまいがちです。しかし、きちんと言語化して学習可能な状態にすれば、顧客理解のスピードは各段に速くなります。

「顧客の理解」※テンプレートより一部抜粋

ペルソナのイメージ
P31より。
ターゲット属性だけでなく、具体的に顧客がどのような人物なのかを基礎知識として提供する
購買プロセス
P34より。
顧客の購買活動の進め方を理解することで、顧客視点で不適切なアクションを減らすことができる
購買を検討する背景
P35より。
検討開始のトリガーを網羅的に理解しておくことで、商談での話題や課題ヒアリングの切り口が広がる
購買事例
P38より。
実際に購入してくれた既存顧客の購買プロセスを学ぶことで、納得感が増す

3.営業活動の進め方の理解

「営業活動の進め方の理解」では、おおまかな営業の流れだけではなく、「アポ獲得」「初回商談」など各アクションの準備方法や進め方の指針をまとめます。

営業活動の進め方

営業活動の進め方は属人的になりがちです。才流(サイル)は企業様の営業を支援するときに商談へ同席しますが、同じ商材の初回商談にもかかわらず、人によって進め方が異なる営業組織がほとんどです。

「この商材の初回商談の進め方、おこなうべきことはこれ」と言える基準を規定すれば、営業活動は平準化できます。

もちろん属人的な部分は、個人の強みとなる部分でもあります。しかし、基本的な進め方が規定されていない状態では、非効率な進め方の商談が増えるリスクのほうが高くなるでしょう。

「営業活動の進め方の理解」※テンプレートより一部抜粋

営業プロセス
P43より。
アポ獲得~受注/失注までのプロセスを分類し、各場面ごとに進め方を言語化する
営業プロセスと営業フェーズ
P46より。
営業フェーズを定義し、案件進捗の評価基準を明確にする。営業プロセスとは必ずしも連動しない
アポイント獲得の事前準備
P49より。
アポイント獲得の事前準備。ポイント・必須事項・尚可事項など、メリハリをつけた記載とする
初回商談の流れ
P54より。
定型化しやすい初回商談は、実施事項を細分化し、理想的な時間配分まで設計する
よくある営業ケースと対応例
P69より。
よくあるケースと対応の一例。ポイントだけでなく、おこなうべきことを併記すれば行動できる状態になる

自社に営業マニュアルの型がなかったり、改善したい場合は、ご紹介した才流のテンプレートを利用してください。大枠の骨子を整理しているぶん、収集するべき情報のイメージがついてスムーズに作成できるはずです。

営業マニュアル・研修資料のテンプレート(PowerPoint)をダウンロードする

※個人情報の入力は必要ありません。クリックするとファイルがダウンロードされます。

営業マニュアルの作り方

Power Pointを開いて、いきなり資料を作ろうとしても効果的な内容になりません。まずは、商材・顧客・営業活動の進め方をまとめるための情報収集からはじめましょう。

作成は営業部門の責任者が舵を取り、中堅以上の社員が実働することをおすすめします。マニュアルをはじめて作る場合は一定の手間がかかるため、営業経験がある社員を営業企画として配置することが理想的です。

営業マニュアルの作り方

STEP1.基礎知識の言語化

基礎知識とは、商材のスペックだけではありません。ふんわりとはイメージできていても意外と言語化されていないのが、想定している市場規模や顧客像です。

主要顧客はどの業界や役職でどんな課題を抱えているのか、過去の受注データなどをもとに洗い出してみましょう。そこから、顧客の課題解決につながる自社の価値も言語化できるはずです。競合とのちがい、自社の強みも新人に必要な基礎知識です。

サービスのペルソナ像など、サービス開発部門やマーケティング部門がまとめている情報も参考に、商材・顧客・競合の理解に必要な知識を整理していきましょう。

※関連記事:BtoBマーケで役立つペルソナ作成3つのステップ

STEP2.ハイパフォーマーの観察・成功事例の調査

数人のハイパフォーマーを観察すると、効果的な営業活動の進め方が見えてきます。

商談前にどんなことを準備しているのか、直接インタビューしましょう。顧客解像度をどれくらい高めているのか、そのために何を調べているのかも教えてもらいます。さらに商談へ同席して、顧客へのヒアリング内容やアクション、状況判断の軸など商談の進め方をメモしていきましょう。

また、ハイパフォーマーではなくとも、受注できた成功体験を持っている営業パーソンは多くいるはずです。成功事例をいくつかピックアップし、どのような取り組み方をしたのかをヒアリングすることも重要です。

ハイパフォーマーは再現性が低い能力で成果を上げていることも多々あります。その場合は、一般的な営業パーソンの成功事例も調査し、再現性のある営業活動の進め方を検討します。

※関連記事:顧客理解に役立つ、見込み顧客インタビューシート

STEP3.知識・プロセスの言語化

STEP2.からわかったハイパフォーマー・成功事例に共通する営業活動の進め方を、新人でもわかるように噛み砕いて言語化します。まずはWordやGoogleドキュメントでよいので、ハイパフォーマーや成功事例に共通する言動を営業プロセスごとに書き出し、成功につながっているであろうポイントとしてまとめます。

※関連記事:顧客からの問いや反論に切り返すためのトーク集

STEP4.営業マニュアルの作成

STEP3.で書き出した内容は、誰が使っても役立つ情報になっているかチェックしましょう。チェックは、営業部門の責任者、ハイパフォーマー、新人メンバーなど立場のちがう複数人で行ってください。

内容が確定したら、営業マニュアルに書き込んでいきます。本記事でご紹介しているテンプレートのようにPower Pointで作成すれば、視覚的にわかりやすく、新人研修の資料としてそのまま利用できます。

テキストベースで作成しても問題ありません。構図の検討やデザイン調整が必要ない分、作成や更新は手軽におこなえます。実際にWordやGoogleドキュメント、Notionなどでマニュアルを作成している企業もあります。

STEP5.マネジメントに取り入れて、ブラッシュアップ

作成した営業マニュアルは、新人メンバーの研修に用いるだけではなく、現場のマネジメントに取り入れることが重要です。1on1などフィードバックの場で、マネージャーが積極的に利用してください。たとえば、商談の進め方についてアドバイスする際は、マニュアルに記載された内容を引き合いに「ここはできるようになったが、次はこれをできるようにしよう」といった話し方をしましょう。

営業マニュアルを用いた研修は事前準備にすぎません。研修で学んだ基準に沿ったフィードバックを受け続けることで、ようやく「あるべき姿」を身につけることができます。

よって、営業マニュアルをブラッシュアップする際も、営業マネージャーへのヒアリングから課題や改善点を抽出します。新人や若手にフィードバックする際に、フィードバックしたい内容が営業マニュアルに「網羅されているか」「理解しやすいように表現されているか」を確認し、不足があれば追加・修正してください。

営業マニュアルは一度作って終わりではありません。育成ツールとしてフル活用される状態になるまで現場に浸透させ、現場からのフィードバックを得てブラッシュアップし続けましょう。

まとめ

営業マニュアルを作成しただけでは売上は上がりません。しかし、営業マニュアルで基礎知識と、あるべき行動様式を定め、それに沿ったフィードバックや支援を続ければ新人や若手の立ち上がりは間違いなく加速します。

極端にいえば、ひとりの立ち上がりが1か月早まる仕組みをつくれれば十分成功です。今後配属されるであろう数十名、数百名の営業パーソンの売上が1か月早まることになり、中長期的には非常に大きな売上インパクトがあるためです。

営業マニュアルの作成については「重要だが急ぎではないので、後回しになってしまう」というご相談をよくいただきますが、早く着手した分リターンが大きくなる取り組みです。本記事とテンプレートが、営業マニュアル作成に取り組むきっかけになれば幸いです。

才流では成果が実証されたメソッドにもとづき、営業活動型化の支援をしています。営業活動で課題を感じている方はお気軽にご相談ください。⇒才流のサービス紹介資料を見る(無料)

また、本記事でご紹介したテンプレートや、営業マニュアルの作成で悩むことがあればお気軽に相談してください。ご相談はこちら

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