BtoBマーケティングにおいて、WEB広告を中心にプロジェクトを進めていると「これ以上の獲得件数は期待できないな…」という場面に遭遇するでしょう。
そうなるとオフライン広告の施策が検討に上がってくるのですが、どうやって費用対効果を算出すればよいのか、それを判断する情報すらないのでプロジェクトが全く前に進まないといったケースをよく耳にします。
今回お話を伺ったとあるBtoBマーケターは、タクシー広告の実施によって投資した広告予算の130%以上を回収できたそうです。本記事では、そもそもなぜタクシー広告を始めたのか、タクシー広告はどのような業種に向いているのか等を伺いました。
- BtoB領域
- WEB広告の上限が見えている(オフライン広告の実施を考えている)
- タクシー広告を検討してる
上記に少しでも当てはまるマーケターの方は、ぜひ参考にしてください。
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ニッチなマーケットでも、タクシー広告で130%の投資対効果
─ 簡単に自己紹介と、タクシー広告を実施した背景を教えてください
人材系サービスのマーケティング責任者をしています。若年層向けの求人媒体を運営しており、これまではテレアポをメインに掲載企業を増やしてきましたが、より効率的に事業を成長させるため、新たにマーケティング部を立ち上げました。
私たちが扱っている領域は人材系のマーケットであるものの、少しニッチなマーケットです。例えば「体育会系採用」「留学生採用」ですね。そこで特定の言葉の認知を広げなければならないというマーケティング上の課題をずっと感じていました。
そうしたなかで、「タクシー広告の施策を実施する」という案が浮かんできました。
「タクシー広告」と「WEBプロモーション」を3ヶ月間の短期集中で実施した結果、2,300万円の広告投資に対して、受注総額で3,100万円を達成しました。つまり、投資対効果として、およそ130%以上の成果があったんです。
─ どうやって効果検証をしたのでしょうか?
タクシー広告出稿以前と出稿後の問い合わせ数を比較したところ、わかりやすく伸びていました。
出稿前 | 出稿後 | 出稿後 | 出稿後 | |
3ヶ月平均 | 初月 | 2ヶ月目 | 3ヶ月目 | |
問い合わせ | 15 | 21 | 61 | 55 |
商談化件数を見ても、およそ90%近くの商談化率を達成しました。
- 初月:19件
- 2ヶ月目:54件
- 3ヶ月目:45件
これはCTAを「問い合わせ」に設定していたのも大きいと思います。
─ クリエイティブはどのように制作されたのでしょうか?
マーケティングコンサルティング会社に依頼をしてトータル480万円ほどをかけて用意しました。監督の方がナショナルクライアントを過去に担当していた方で、動画のクオリティにも満足しています。
動画制作で大切なことは「誰を」ターゲットにして、「何を」伝えたいのかという点をしっかりと絞ることだと思います。
─ 制作したクリエイティブとその比較結果について教えてください。
タクシー広告のクリエイティブは、以下の2つを用意しました。
A:すでにある採用方式を経験した人がぶち当たる壁を紹介
B:ある採用方式を想起させる内容
前者と後者で特定のキーワードを検索してもらうように設計しており、それらの受け皿のページ(LP)でのユーザー数の増加を定点観測していました。
Aクリエイティブ
出稿以前 | 出稿後 | |
3ヶ月平均 | 3ヶ月平均 | |
GAユーザー数 | 5,500 | 11,000 |
Bクリエイティブ
出稿以前 | 出稿後 | |
3ヶ月平均 | 3ヶ月平均 | |
GAユーザー数 | 17,000 | 37,000 |
結果、数字を見ると「B」のほうが効果がよいことが分かりました。
さらに受注単価や問い合わせの質も良くなりました。
具体的には、これまでプッシュ広告でアプローチしていた既存顧客の企業は、
- 製造業
- 社員数50名以下
といった特徴を持つ企業が多かったんです。
しかし、タクシー広告の実施によって、
- サービス業
- 従業員数200名以下
という企業から問い合わせが増え、そのなかには上場企業も含まれていました。
受注単価もおよそ20%アップしています。
これからタクシー広告を検討している方向けに、ポイントを3つに絞ってお伝えします。
ポイント①タクシー広告はしっかり出稿し続けることが大事
弊社ではベクトル社の『GROWTH』を利用しました。タクシー広告は再生が始まる順番によって金額が変わっており、一番はじめに再生される動画が最も高い価格設定です。
再生順番による価格は以下のように設定されていました。
- 初回再生:400万
- 2番~5番目:200万
- 6番目以降:100万
※すべて1週間の配信
しかし、今はその価格が上がっているようです。もともとタクシー広告は2ヶ月間だけの予定でしたが、2ヶ月目でかなりの成果がでたので3ヶ月目以降も出稿しました。
3ヶ月目は6番目以降に再生される、最も安いプランだったのですが、それでも狙った成果が出ましたね。
タクシー広告はしっかり出稿し続けることが大事だと思っています。
肌感覚ですが、最低1ヶ月以上は投資しないと厳しいと思います。
弊社でも、広告を出稿して最初の1~2週間は数字が増えませんでした。
何度も何度も視聴させることで、ようやく検索につながるものだと思います。
ポイント②BtoBなら『GROWTH』、BtoCなら『Japan Taxi』
ベクトル社の営業資料でHR系の事例があったので、HR系は相性がよいのではと思います。タクシー広告の視聴者のおよそ20%が経営者というデータもあり、BtoB企業は相性が良いはずです。
企業の経営課題は、人材や生産性向上といったものが多いので、そうした領域のサービスは、はまりやすいと思います。
BtoB企業であれば、やはりベクトル社の『GROWTH』がよいと個人的には考えています。
『GROWTH』は東京特化のため、都内で1万台近くのタクシーで広告を出せます。
一方で、Japan Taxiは全国で1万台になるので、BtoCであればJapan Taxiのほうが向いてますね。
地方ではタクシーのビジネス利用率が減って、観光利用の割合が高くなるからです。
ポイント③CTAのハードルを下げること、CTAを複数用意すること
CTAのハードルが高かったので、まずはセミナーの開催やホワイトペーパーを用意するべきだったと思っています。現在はそのためのホワイトペーパー制作に着手しているところです。
インタビューは以上です。
今回の事例における成功要因は以下の2点です。
- タクシー広告(GROWTH)に適した商材であった
- 比較的長期間で実施した
タクシー広告の実施以前は、Facebookでの問い合わせ単価が10万円前後だったそうです。ただし、タクシー広告のプロモーション強化によって、CPAが10万→15万と上がったものの、受注件数が大きく増えたことで広告費を回収することができました。
BtoBマーケターで、タクシー広告に関心がある方は『GROWTH』までぜひ一度問い合わせてみてください。