もはや、リファラル採用以外でエンジニアは獲れない。清水巧×山根一城(後編、DOER Night #2) | DOER NOTE

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もはや、リファラル採用以外でエンジニアは獲れない。清水巧×山根一城(後編、DOER Night #2)

もはや、リファラル採用以外でエンジニアは獲れない。清水巧×山根一城(後編、DOER Night #2)

DOER NOTEが主催する、時代の最先端に挑戦する実践者をつなげるイベントコミュニティ・DOER Night。第二回は、株式会社リフカム代表取締役・清水巧氏、株式会社ポテンシャライト代表取締役・山根一城氏をお招きし、リファラル採用の要諦について現場感あふれるお話を伺った。後編では、より実践的で踏み込んだお話をしていただいた。(聞き手:栗原康太[株式会社才流]、編集:澤山大輔)

 

 

社員数が少ない頃に浸透できるかがカギ

参加者 リファラル採用がうまくいく会社といかない会社で、違いはありますか?

 

清水 回答になるかわからないのですが、「リファラル採用をやりたい」と当社にお問い合わせいただくお客様に「やりたい理由」のチェックボックスをつけていただくと「採用コストを下げたい」という回答が1番多いんですね。7割がたがそうです。そういうケースでリファラル採用をスタートするとどうなるかというと、最初の1、2カ月は全社員の1割ぐらいの方が動いてくれて、成果は多少出るんです。

 

でも、問題はそのあと。大きい会社になると協力的な方は10パーセント、中立的な方が20パーセント、残りの70パーセントの方は全くやらないという動きになることが多いです。もっと協力者を増やしていくためには社員のエンゲージメントを計測し、「ああ、彼らはこれぐらいしか盛り上がっていないんだ」と認識してもらい、PDCAを回してもらわないといけないですね。

 

1回やって、うまくいかない中で何をするべきか考えていただく。あるいは、施策をやる前に「この状態だとリファラル採用はうまく行きません、現状分析からやりましょう」と正面からご提案する。このいずれかしかないなと思います。

 

――協力してくれる社員の割合が10パーセントというのは、エンゲージメント率としては低めですか? 

 

清水 そうですね。ポイントは、社員数が少ない時点で当たり前のようにリファラル採用をやれるかどうかだと思います。

 

弊社のお客様は社員数でいうと平均250人~300人ぐらいで、飲食や製造業の会社様が増えています。支援させていただいているサイバーエージェントさんは6,000人ほどですが、そうこでの協力社員率は20パーセント以上に登り、これは相当に高い数字です。

 

しかし、10~20名規模だと9割の社員様に協力いただくことが可能です。社員数が少ないときが勝負ですね。数百名、数千名になってからやろうとすると10パーセントからの戦いになってしまいます。スタート地点で導入できるかどうかが、数年後の採用コストを大きく分けると思います。

 

――最初からリファラル採用をできれば良いけど、後からやるのは大変ということですよね? 

 

清水 そうですね。コンサルに入ることはできるんですけど、期待値として従業員100名の会社が9割の社員を動かすのは厳しいです。逆に10~20名のところが9割動かすのは現実的なので、大きな成果を出すには早ければ早いほど良いです。

 

――そこがキーポイントになりそうですね。 

 

 

エージェント経由ではエンジニアを採用しにくくなっている

――山根さんの会社のクライアントさんは20~30名ぐらいの会社さんが多いと思うんですが、各社の人事部の意識はどうですか? 

 

山根 社長さんのコミット具合でうまくいくかいかないか決まるイメージがありますね。採用がうまくいきづらい会社は、「山根さんに頼んでおけばなんとかなるでしょ」みたいな雰囲気があるところですね。そういった会社では、リファラル採用も進みません。採用に関して情熱がある会社様は、社員様にも事業への情熱があるんですよね。結果として、リファラル採用がうまくいきやすくなると思います。

 

2014年頃でしょうか。ビズリーチさんの採用支援をした際に、人事の方が「エージェント経由での採用は少ない」と言っていました。当時はリファラルという単語はあまり出てきてなかった頃ですが、彼らはすでに「リファラルで1番頑張っているのが社長です」と言っていました。ちなみにその次が取締役だそうで、リファラル採用を推進していくには会社の上層部の方から積極的に取り組んでいかないとワークしづらい、と言っていましたね。

 

――社員が、リファラル採用の重要性を理解しているのですね。さっき話しててすごく衝撃的だったのが、「もはやエージェント経由ではエンジニアを獲れない」という話でした。これ、ぜひ皆さんにもシェアしてほしいです。

 

山根 僕が独立した頃、今から1年半くらい前ですが、当時は「エージェントに頼めばスペックの高いエンジニアの紹介が来るだろう」という前提で採用活動を進めていました。

 

でも、今はその前提が崩壊しています。仲が良いエンジニアに何名か聞いてみたのですが、「エージェントに登録に行く前に、リファラルで各社から声をかけてもらうことがすごく多い」と言っていました。

 

エージェントはリクナビやビズリーチなどにスカウトメールを送って集客するのが主流なんですが、ここに登録に行く前にリファラルで転職がきまってしまう方が多いんですよね。あるエンジニアに聞いたら「週1ぐらいでリファラル関連の連絡が知人からくる」と言ってたんです。 そこまでいってしまうとエージェントさんに頼りっきりではダメだなと、リファラルやるしかないなと。

 

――もはやエンジニアに関しては、リファラル採用をやった方が良いというより「やらないと獲れない」ということですよね。

 

山根 そうですね、やってない会社は成長する気がないのかな? という世の中になっていくと思います。

 

 

社員1人あたり3名のタレントプールを。

――お昼に社員50人ぐらいのベンチャー企業の方とランチをしたのですが、その会社はリファラルがあまりうまくいかず、エージェントやWantedlyで採用をしているそうなのですがそちらもうまくいかないと。結果、エンジニアやデザイナーに良い人が来なくて、経験1~2年の人しか入ってこないと。そうなるとサービスを大きくピボットさせたいとか、大きな開発をやりたい時にプロジェクトが全く進められないので大変だという話でした。

 

ガイアックスの大久保さんは所属されているソーシャルメディアマーケティング事業部で、2年で20名ぐらいリファラル採用するなど、かなりうまくいっている方だと思いますが、貴社ではどういう体制でやられていますか?

 

大久保 誰がやるか、というのはあまり決めてないですね。事業部長が引っ張って来るケースが多いと思います。あとは自分が所属しているチームはリソースが足りない時に外から引っ張って来る文化があるので、外から業務委託の人を獲得する場合、その社員自身が動くケースですね。

 

――協力を求められたりしないんですか? 事業部長から「誰か誘っておいてよ」みたいに。

 

大久保 あまりないと思います。どちらかというと、自然と誘うみたいな感じですね、組織のことを話していると友達が興味を持ってくれるみたいな。

 

山根 素晴らしいですね、1番良い状態ですね。

 

大久保 質問なのですが、リファラルの場合だと採用時期が決められないですよね。その人が転職をするタイミングでお声がけするわけなので。リファラル採用において、タイミングを調整するコツはありますか?

 

清水 難しい質問ですね。リファラルの場合いわゆる「潜在転職者」が多いので、最初は転職を匂わせないで会うとなってもだいたい5人中4人は決まりそう、1人はちょっと検討中ぐらいな感じです。SPIN型に課題を抽出して、いかに意思決定者に早く紹介し採用までの展開を早めるか。そういう勝負だと思っています。

 

タレントプールを20人ぐらい確保していると、月に1~2人ぐらいは変化が起きるようなサイクルに入っていきます。御社の部署が30名弱ぐらいだとしたら、可能であれば社員1人あたり3人くらい、計100名ぐらいのタレントプールを作っていただく。それで3カ月に一度メッセージを送るぐらいの関係性になっておけば、月に1、2件は具体的な話になっていくと思います。

 

ただ、タレントプールに入っている人といざ面接した時に「この人、うちと合わないな」となるのは勿体ないですよね。それを防ぐためには、意思決定権がある人とランチだけでも良いので一度会って、採用基準に達しているか早めに見極めるのが良いと思います。そうすれば、転職移行するタイミングで即採用になりますから。

 

 

マイナス面含め、正直に見せること。

参加者 採用ハードルが高い会社と、低い会社がありますよね。リファラル採用をやるうえで、採用ハードルを上下させることはありますか? また、社員として現場があまりにハードワークすぎて、「僕自身はハードワークできるけど、ここに知り合いを巻き込みたくない」という思いがあったりしますがそういう場合はどういう解決策がありますでしょうか。

 

清水 まず採用ハードルは、一切変えない方が良いと思っています。2つの軸があるとすると1つは「紹介した人が落ちた時に気まずくなったりしないか」、もう1つは「現場がハードすぎて、その人がアンハッピーになるんじゃないか」ですね。

 

1つめに関しては、例えば最初に面接確定させるのは良いとして、「内定が確定しているよ」という風に紹介しないよう社員に浸透させることですね。「受かるかはわからないけど、人事に会うだけでもキャリアの整理になるよ」ぐらいの温度感で声をかけて、人事・候補者双方が良い印象を持った場合のみ選考を促すようにするとか。相手に意思決定をさせるのがポイントだと思います。

 

もう1つは条件面でのアンマッチですが、相手が3年後から5年後に何を実現したいのかという部分を聞いた上で「ハードだけどコミットする力を身につけられるよ」「スキルを身につけられるよ」と伝えるとか。デメリット、捨てるものをちゃんと提示したうえで、win-winな関係を築けそうなら選考に進んでもらう。

 

いずれも正直にやりとりすることが大事ですね。リファラル採用は、そこを前提で回すのがよいのかなと思います。山根さんはいかがですか。

 

山根 ミスマッチは正直ありますね。あとは認知の問題かなと思っていて、僕が支援しているある会社では「(エンジニアの採用は)むちゃくちゃハードルが高い」というのを社員の方々はある程度理解しているものの、そのハードルが他社と比較してどの程度かはまだ理解されていないなと。

 

いま現場でバリバリに働いている人は、「エージェントから紹介は来る」と思っている方もいるので、自社が書類選考を見送りにした求職者の方が他社様で通過している事例を提示したりします。例えば、メルカリ、DeNA、クックパッドで書類通過をしているのに自社で見送りにしていたら、明らかに目線が高すぎますよね。

 

そういった情報を与えながら「ほら、貴方たちが採用したいスキル感の方はエージェントさんに全然人いないでしょ」というのを認知させることを何社かやっています。「リファラル採用をやらないと、他に手はないですよ」と。

 

そうして「なるほど、うちって偏差値65のエンジニアしか獲らないんだ」「世の中に10万人エンジニアがいたら、1,000人以内のエンジニアを獲りに行くつもりなんだ」「それならエージェント経由では無理だね」「リファラルもみんなでやるしかないよね」というような認知の持って行き方になるようにやってました。

 

 

「採用」を「仲間集め」に再定義せよ

山根 清水さんに伺いたいのですが、リファラル採用の本質は運用やツールではなく、結局はエンゲージメントだと思っています。ベンチャーの時に何をやったらリファラル採用が浸透するのか、「これだけは押さえておけ」というものがあればアドバイスいただきたいです。

 

清水 そうですね、会社が小さな頃から「社員にとって紹介したい会社づくりをしておく」ということですね。大きい会社でうまくいかない時は、要は社員にとって紹介したい会社づくりができてないということですよね。その点、ベンチャー企業では社風を作っている最中だと思います。その中で重要なことは、会社づくりをみんなでやっていく、ということです。

 

そのためには情報の透明化、フラットに発言できる空気、「自分でやっちゃいなよ」と言える自律性、この3つのポイントを元に会社づくりをどれだけできるか。そこが大事かなと思います。

 

山根 よく「採用広報を頑張ろう」と言われるじゃないですか。リファラルやるんだったら「採用広報をやることで、自社への帰属意識も上がります」という話がありますが、実際そういうものなんでしょうか? 

 

清水 1つの手法としては良いと思うんですけど、あくまで「紹介したい会社づくり」という流れの要素として捉えることが大事かなと。「もっといろんなインタビューを出せると良いよね」とか「こういう風に改善していったストーリーを出せると良いよね」みたいなアウトプットの中で、採用広報があるといいのかなと思います。

 

――最後に質問のある方はいらっしゃいますか?

 

参加者 リファラル採用ってトレンドワード過ぎて、やり方に目が行き過ぎるなと思っていて、シンプルに「仲間集め」って考えをしましょうという話をしています。リフカムさんでは、こういうウェットな面をどう捉えてらっしゃいますか?

 

清水 うちの会社も、ミッションとして「採用を仲間集めに」というものを掲げています。

 

面白い話があって、某大手居酒屋チェーンの創業者さんとやりとりする中で「楽しむセンスがある人が良い」という話が出てきました。仕事になると遊んでいた人が急に真面目になるんですけど、その会社は「友達と遊ぶように仕事をしてほしい」「どうやったら、この仕事を面白おかしくできるかというセンスを持ってほしい」と。

 

一緒に遊ぶ友達・仲間を集めていくほうが楽しい会社になると思うので、「楽しい職場とは何か」をゼロベースから考え、「仕事って面白おかしくやるもんだよね」というところからコンテクストをチェンジしていく。非常に面白い考え方だと思います。

 

――最後までいいお話をありがとうございます。まだまだ伺いたいところですが、ここで一旦締めさせていただきます。ありがとうございました!

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