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ガイアックスでたどり着いた「手放す経営」とは
管大輔
  • 著者/管大輔
  • 株式会社ガイアックス ソーシャルメディアマーケティング事業部 事業部長

ガイアックスでたどり着いた「手放す経営」とは

私が2015年9月から部長として率いている、株式会社ガイアックスのソーシャルメディアマーケティング事業部(以下、SOC)では、この2年半さまざまな働き方改革を行なってきました。

 

前回の記事ではその一つである、積極的なアウトソーシング活用についてお伝えしています。

 

たしかにアウトソーシングの活用によって、メンバーがやるべき仕事に集中できる環境を用意できました。ただ、私が目指したかったのは、事業部長になる前に感じていた働き方を含めたさまざまな事業的課題の解決です。

 

結果どこまで進んだのか、今の現在地までをまとめてみました。


ハピネス経営を志す

私は、2013年に新卒でガイアックスに入社しました。当時は「成果を出したい」「成長したい」という一心でとにかく働いていましたが、2年ほど経つとその環境に違和感を感じるようになりました。

 

その頃のSOCは、とにかく過酷。「利益を確保する部署」として位置付けられていたので、原価・販管費は可能な限り削られていました。終電帰りは当たり前、利益の追求のために一人が抱える案件数は増える一方、にも関わらず給与は横ばい。ボールペン一本購入するにも詳細な理由が必要と、働きやすいとは言い難い環境でした。

 

結果としてメンバーは疲弊し、次々と離職してしまう(当時の離職率は40%ほど)のでナレッジが蓄積されず、いつまでもサービスの質が上がらない。多忙なのに給与は増えず、組織としての成長もできていないという負のスパイラルに入っていたと思います。

 

2年目が終わる頃、私も当然のように転職を考え、他社の内定も獲得していました。しかし、ちょうどそのタイミングでガイアックスに新しい本部長が加わり、これが大きな転機になりました。私が当時感じていた現状の部署の課題や改善策を「クビになっても転職先あるし」ぐらいの気持ちで積極的に直訴するようになった結果、本部長から「それならお前がやってみろ」という思いがけない一言が。内定を辞退し、私は2015年9月から事業部長を務めることになりました。

 

そこから私は、先輩に教えを請うたり、書籍を読み漁ったりしてやるべきことを考えていたのですが、そこで出会ったのが「ハピネス経営」という言葉です。「がむしゃらに働くことが善である」と思い込んでいた私は、「社員が幸せな状態で働けることが大きな成果に繋がる」という考え方を知り、衝撃を受けました。


働き方改革の目的は、メンバーが幸せな状態で働けるようにすること

「幸せなメンバーを増やす」、といっても幸せは人それぞれ。なので、まずはコミュニケーションを取ることに注力しました。

 

最初の頃に特に意識したのは、不満のヒアリング。無駄なストレスが解消されたフラットな状態にしなければ幸せな状態は作れないと思い、不満を聞いてはその解決に取り組むことをひたすら繰り返しました。

 

その時に始めた大きな施策が、アウトソーシングの活用とリモートワークです。

 

アウトソーシングは、発注を躊躇するメンバーもいたので、発注の”下限”を設けて半ば強制的に導入を進めました。私個人としてはすでに半年以上活用した経験があったので、「絶対に導入した方が良い」という確信がありました。結果、今ではアウトソーシング無しでは事業が成り立たなくなっています。詳細については、こちらの記事で紹介しています。

 

リモートワークについては、一人で集中して業務をしたい時や少し体調が悪い時などに、無理に出社をしてストレスがかからないようにという目的で導入しました。カフェやコワーキングスペースを気軽に利用できるように、リモートワーク費として一人あたり月2万円を支給しています。

 

無駄なストレスを排除し、メンバーが本来取り組むべき仕事に100%注力することで、労働時間ではない価値形成を行った結果、自然と業績は向上しました。

 

「ホラクラシー経営」へのチャレンジ

今年から本格的に取り組んでいるのが組織形態の改革です。具体的には「ホラクラシー経営」への移行を進めています。

 

ホラクラシーとは、階層のない組織形態のことで、上からの指示で動くのではなくメンバーが主体的に意思決定し事業を推進していくというもの。ときには、リーダー的なロールを担う人が出てくることもありますが、明確な階層構造は持たない組織です。

 

元々のSOCには事業部長以外に副部長、マネージャーといったポジションが用意されていましたが、今年からは役職毎の特権などは失くし、メンバー全員が組織に主体性を持てるように尽力しています。

 

この変化の背景には、メンバーからの不満があります。昨年まではかなりのトップダウン型組織だったため、「上で勝手に施策が決められて、私たちはそれをこなすだけ」「組織に対して貢献してる実感が持てない」などの声が徐々に出てくるようになりました。その状況を打破するために、メンバー全員で組織を運営するモデルにチャレンジしています。

 

わかりやすい変化としては、マネージャー会議の廃止、プロジェクトのアサイン制の廃止、合議制の導入、などがあります。部長や副部長にはもはや組織をコントロールする力はありません。ミッションやビジョンも廃止し、その時々に集まっているメンバーの合意で方向性が決まる、というやり方をしています。

 

約半年経ちましたが、特に問題は感じていません。むしろ私自身も手放すことが増え、やりたいことに注力しやすくなったので、前よりも格段に楽に仕事ができるようになっています。
「事業部長だから僕が頑張らないと!」みたいな気負いも今は全然ありません。


クライアントへの貢献、に純粋に向き合いたい

組織や仕組みの変化を経て、メンバーの満足度が向上し、結果的には売上も離職率も大幅に改善することができました。次の課題はクライアントとの関係性です。

 

今年から、無理に売上を伸ばす方針も手放しました。当初は昨年の2倍の売上を目指す予定でしたが、部内のオフサイトMTGで誰もそれを目指したくないことがわかり、目標を変えました。

 

その代わりに大切にしているのが、クライアントへの貢献です。

 

今、私たちがお仕事を受ける基準は、「自分たちが関わることでどれだけの価値を提供できそうか」です。相談内容によっては、競合企業を紹介することもよくあります。大事なのは、「あなたたちに相談して良かった」「また仕事がしたい」と言ってもらえること。数字目標を手放したからこそ、提供できる”価値”について純粋に向き合うことができるようになる。自信を持って提供できるサービスを、積極的に作っていきたいと思っています。

管大輔
  • 著者/管大輔
  • 株式会社ガイアックス ソーシャルメディアマーケティング事業部 事業部長

(株)ガイアックス所属。2013年新卒入社。SNSマーケティングのコンサルタントとして従事した後、2015年9月に事業部長に就任。クラウドソーシングの活用、リモートワークの推進など働き方の多様化を積極的に進めた結果、2年間で離職率を40%から0%に、売上が5倍に成長。2017年上半期ガイアックス全社MVP受賞。働き方改革関連の取材、イベント登壇実績多数。

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