「インバウンドマーケティング」は、従来のマスマーケティングやアウトバウンド型の営業に対立する概念として2000年代にアメリカで生まれました。インターネットが急速に普及し顧客の購買行動が大きく変化するなかで、その重要性は増しています。
本記事では、インバウンドマーケティングについて網羅的に知りたいという方向けに、アウトバウンドマーケティングとの違い、代表的な手法や戦略について解説します。従来型の営業組織から脱し、マーケティング活動を前進させるヒントになれば幸いです。
■監修:才流 代表取締役社長・栗原 康太
インバウンドマーケティングとは
インバウンドマーケティングとは、「見込み顧客の情報収集行動に合わせてコンテンツ提供やコミュニケーション設計を行い、リードを獲得・育成し、顧客化する」という一連のマーケティングプロセスや考え方のことです。マーケティングの現場では、一般的に「Web上でCV(※)を発生させ、受注や商談につなげるマーケティング施策」を意味することが多いです。
※CV(コンバージョン/Conversion):Webサイトに訪れたユーザーが何かしらのアクションを起こし、成果に「転換」すること。一般的には、商品購入や会員登録、問い合わせ、資料ダウンロードなど。
インバウンドマーケティングは、大きく以下の3つのプロセスに分けられます。
①集客…見込み顧客が自社サイトへ訪問する接点をつくる
Web広告やSEO、SNS、YouTube動画などの施策で情報収集フェーズの見込み顧客とのタッチポイントを作り、自社サイトへの訪問を促します。
②リード獲得…Web上でのCVによってリードを創出する
CVポイントとして、ホワイトペーパーダウンロード、セミナー申し込み、メルマガ申し込み、問い合わせなどを設計し、CVを促します。自社のWebサイトやLPの改善といった、CV率を高める施策も重要です。
③リード育成…リードに対して段階的なアプローチを重ねて商談につなげる
リード情報(※見込み顧客のデータ)を収集し、それぞれの興味や検討状況などに合わせて、メールマーケティングやインサイドセールスによるフォローを行い、商談や受注へと引き上げていきます。
※関連動画:インバウンド100%【才流のコンテンツマーケティング】5年間のプロセス全公開
アウトバウンドマーケティングとの違い
一般的にアウトバウンドマーケティングとは、企業側から一方的に顧客へ向けてメッセージを発信するマーケティングです。たとえば、第三者から購入したリストに対する架電やダイレクトメール、CXOレター、テレビCM、新聞・雑誌広告、展示会などです。
インバウンドマーケティングは顧客側から企業に向かう「プル型」、アウトバウンドマーケティングは企業側から顧客に向けた「プッシュ型」と類別できます。
インバウンドマーケティングとアウトバウンドマーケティングとの違い
インバウンドマーケティング | アウトバンドマーケティング | |
説明 | 見込み顧客の興味や検討状況に合わせてコンテンツ提供やコミュニケーション設計をする | 見込み顧客の検討状況に関わらず、企業側のメッセージを発信する |
対象 | 問題意識や興味を持つ見込み顧客 | 不特定多数 |
手法例 | SEO、オウンドメディア、SNS、動画、セミナー、ホワイトペーパー、メールマーケティング、Webサイト/LP改善 など | (リストを購入した)架電、ダイレクトメール、CXOレター、テレビCM、ラジオCM、新聞・雑誌広告、展示会、キャンペーン など |
メリット | ・自社でリードを獲得できる仕組みを作れる ・広告のターゲティングやセグメント配信によってマーケティング効率が良くなる ・ブランドへの信頼感を醸成しやすい | ・短期間に幅広いPR効果が見込める ・自社がマーケティング資産を保有していなくても認知拡大やリード獲得できる |
デメリット | ・SEOやSNS、セミナーなどは効果が出るまでに時間がかかる ・大量のコンテンツを作るためにリソース投下が必要 ・リードを育成する体制がなければ、購入につながらない | ・施策を止めると効果が薄くなる ・マス広告を打つ場合、ある程度大きな予算が必要 |
向いている企業・商材 | ・リードの定義がはっきりしている企業(BtoB企業やEコマースなど) | ・新商品など、認知拡大フェーズにある商材 |
特徴的な点を取り上げまとめましたが、マーケティング手法は日々進化を遂げ、多様化・複雑化しています。あくまでも「インバウンド」や「アウトバウンド」というのは概念なので、その中間のような施策もありますし、両者を組み合わせて効果の最大化を図る施策もあります。
どちらがよい/悪い、新しい/古いというものではなく、両方にメリットとデメリットがあります。両者の特徴を理解したうえで、自社の課題に対して有効な施策から優先的に取り組みましょう。
インバウンドマーケティングがなぜ重要なのか
昨今とくにインバウンドマーケティングの重要性が増しているのは、顧客の購買行動が変化しているからです。
従来、消費者の主な情報源はカタログや営業担当者の話など、企業側の視点から発信されるメッセージが中心でしたが、インターネットの普及によって、顧客の購買行動は大きく変化しました。現在では顧客が能動的に企業のWebサイトやSNS、動画、口コミを調べ、購買の意思決定を行うのが一般的になっています。
BtoBの顧客においては、仕事上の製品・サービスの情報源として6割以上が「企業のWebサイト」を挙げており(※)、購買プロセスの57%が営業担当者に会う前に終わっているともいわれています。今や見込み顧客は、企業から一方的に発信される情報を鵜吞みにせず、自ら情報収集し判断する存在なのです。
※ 出典:トライベック・ブランド戦略研究所「BtoBサイト調査 2019」
また、メディックス社による2021年の調査では、IT製品や製造製品における情報収集源として、「ホームページ」の割合が2019年と比較して増加しているという結果もあります。
※参考:コロナ前後で、BtoB企業のWebマーケティングの割合は増加。ユーザの情報収集は、デジタルへシフト。「2021年版アンケート調査」結果発表
なお、新型コロナウイルスの影響で情報収集行動のオンライン化は加速しています。企業が見込み顧客に「見つけてもらう」には、オフラインのマス的な施策だけでは不十分であり、顧客の購買行動に合わせて顧客接点を作る施策が欠かせません。
インバウンドマーケティングの代表的な16の手法
インバウンドマーケティングの代表的な手法を、3つのプロセスごとに16個ご紹介します。各施策に関するくわしい解説や、実務で使えるテンプレートは本文の下の「※関連記事」をご参照ください。
集客フェーズの手法
1.SEO
SEOとは、Search Engine Optimizationの略で「検索エンジン最適化」のことです。自社サイトへの流入を増やすために、Googleなどの検索エンジン上で、自社サイトが上位表示されるようにさまざまな施策を行います。とくに悩みや課題が顕在化しているニーズにおいて有効な施策で、自社の社名やサービス名を知らない見込み顧客とも接点を持つことができます。
※関連記事:
・BtoBのSEOの基本!記事コンテンツによるSEOを成功させる方法
・【コラム記事作成テンプレート】BtoBオウンドメディアの記事作成を効率化!
2.オウンドメディア
オウンドメディアとは、自社が保有するメディアを意味しますが、会社のホームページ(いわゆる「公式サイト」)とは役割が異なります。ホームページは企業情報や製品・サービスを紹介するのに対して、オウンドメディアは会社や製品・サービスを認知してもらうため、そして“好きになってもらうため”に情報を発信します。
SEOとオウンドメディアを混同して考える方もいますが、SEOはオウンドメディアの集客方法のひとつに過ぎません。オウンドメディアで発信するコンテンツは、必ずしも検索流入を意識する必要はありません。
※関連記事:
・BtoB企業がオウンドメディアを成功させるために必要な4つのポイント
・オウンドメディアの成功事例を分析してわかった、共通点と意外な事実
3.調査コンテンツ
調査コンテンツとは、市場調査や自社の顧客へアンケート調査などを実施して、その結果をもとに作成するコンテンツです。客観的データを用いるので説得力が高く、汎用性が高いため拡散されやすい特長があります。
※関連記事:アンケート調査コンテンツ入門~BtoB企業向けに作り方と事例を解説~
4.リスティング広告
リスティング広告とは、ユーザーが検索したキーワードに連動して、検索エンジンの結果画面に掲載されるテキスト広告です。検索行動を起こしているユーザーを対象としているので、比較的見込み度の高い顧客を集客できます。
また、SEOでは記事公開後に順位がつくまでに1か月程度かかりますが、リスティング広告の場合は出稿すればすぐに広告(スポンサー)欄に表示されるので、即効性があります。
※関連記事:【BtoB企業向け】リスティング広告の64のチェックリスト
5.SNS
Facebook、Twitter、Instagram、LINE、LinkedInなどのSNS上における施策も有効です。ICT総研社による利用動向調査では、日本国内のSNSの利用者は8,270万人、普及率は8割以上にもなるといい、マーケティングチャネルとしての重要性を増しています。
SNSでは直接的に顧客とコミュニケーションができ、相互に反応しながら関係を構築できます。フォロワーや登録者を増やすことで発信力の拡大につながります。
※参考:2022年度SNS利用動向に関する調査|ICT総研【ICTマーケティング・コンサルティング・市場調査はICT総研】
6.SNS広告
SNSプラットフォームに配信する広告は、悩みの解決策が顕在化していない潜在層にアプローチできます。ほかの投稿のフォーマットに合わせて広告を表示できるので違和感なく広告を見てもらえる、ユーザーの特性や条件によって出し分けする「ターゲティング」の精度が高いなどのメリットがあり、認知拡大の効果が期待できます。傾向としては、ホワイトペーパーやウェビナーなど、情報収集層向けのコンテンツと相性がいい施策です。
※関連記事:ウェビナー集客をFacebook広告で実施するためのステップを詳細解説 – BtoB企業向け
7.YouTube
18歳以上の日本人の65%以上が利用しているといわれる、動画プラットフォームYouTube。動画は大量の情報を短時間で伝えられるため情報伝達効率がよく、アップロードした動画コンテンツは蓄積されるので継続的な集客が可能となります。
また、制作した動画を自社サイトの記事内に挿入してSEO強化を図る、公式SNSで紹介して拡散するなど、他のメディアとの相乗効果も期待できます。
※関連記事:
・ゼロから学ぶBtoB企業のYouTube運営【基礎編】
・BtoB企業のYouTube運営【実践編 – 制作】
リード獲得フェーズの手法
8.Webサイト/LP改善
リード獲得において、自社のWebサイトや広告用のLP(ランディングページ)はもっとも重要であり、集客した顧客を効率的にCVにつなげるためには、ページ設計や内容を改善する(「バケツの穴をふさぐ」)ことが何よりも大切です。
BtoB商材の購買行動に関するITコミュニケーションズ社の調査によると、製品・サービスが選ばれなかった理由として、約4分の1が「Webサイト上のコンテンツやその他の販促物が不十分」と回答しています。まずは、製品情報や企業情報、料金や事例など、購買の意思決定に必要な情報をサイト内に充実させることが重要です。
※関連記事:
・BtoBサイト制作の『型』となるワイヤーフレームと180項目のチェックリスト
・読んでそのまま使える、BtoBサイトのCVRが改善する打ち手10選
・BtoB商材のLP(ランディングページ)の標準ワイヤーフレーム
※参考:コロナ禍以降のBtoB商材検討における購買行動(意思決定)の実態を調査!2023年版「BtoB商材の購買行動に関する実態調査レポート」
9.CTA設計
CTAとは、Call to Actionの略で、「行動喚起」を意味します。リード獲得においては、集客した見込み顧客にどのような行動を促すのか、その設計は非常に重要となります。たとえば、ブログに訪問した方にいきなり「問い合わせ」を促しても、検討中ではない見込み顧客にとってはハードルが高く、CVにはつながりにくいです。
リードを増やすには、「お役立ち資料ダウンロード」「オンライン相談会申し込み」など中間のCTAを複数用意し、興味関心や検討状況に応じて選べるようにすることが大切。このようなコミュニケーション設計を、才流では「階段設計」と呼んでいます。
※関連記事:
・階段設計
・読んでそのまま使えるBtoBオウンドメディア版CTAの設置パターン
10.ホワイトペーパー(eBook)
ホワイトペーパー(もしくはeBook)とは、PDFやWebビューアで閲覧できる資料のことです。ダウンロードの際にメールアドレスや会社名などの個人情報を要求することで、リード情報を獲得できます。
情報収集段階のターゲットには調査結果やノウハウ、セミナーレポート、比較・検討段階のターゲットには製品資料など、さまざまな内容を提供することで幅広いフェーズの見込み顧客と接点をつくれます。広告のCVポイントや、プレスリリースのネタとしても活用できます。
※関連記事:
・ホワイトペーパーの制作と活用の際に役立つ28のチェックリスト
・お役立ち資料(eBook、ホワイトペーパー)のテンプレートを公開。デザイン発注までの3ステップを解説
11.事例
事例は、実際に製品・サービスを利用した顧客に、検討プロセスや利用した感想、成果を伝えてもらうコンテンツ。見込み顧客にサービスの価値を訴求し、購買を「疑似体験」してもらえます。とくに、導入までの意思決定フローが複雑で、口コミが生まれにくいBtoB製品・サービスにおいては理解を促進するために有効な手法です。
※関連記事:BtoB導入事例の作り方【事例インタビューのテンプレート付き】
12.セミナー/カンファレンス
セミナーやカンファレンスなどのイベントもリード獲得に有効な施策です。イベントそのものがCVポイントとなるだけでなく、アーカイブ動画やレポートなどをコンテンツ化し再利用することもできます。昨今ではWeb上でセミナーを開催する「ウェビナー」も浸透しつつあり、遠方の見込み顧客に対してもアプローチしやすくなりました。
※関連記事:
・BtoBセミナーで成果を上げる企画・集客・フォロー方法
・ウェビナー開催の基礎知識/目的やテーマ選定のポイントをBtoB企業向けに解説
・ウェビナー講演時に使えるスライド資料のテンプレート
リード育成フェーズの手法
13.メールマーケティング
メールマーケティングは、リードが次のステップへ進むきっかけとなる重要な施策です。一律的に同じ内容を送るメールマガジンだけではなく、リードの属性やWeb行動履歴に合わせて配信を行う「セグメント配信」や、あらかじめ設定されたスケジュールに沿って順次配信する「ステップメール配信」などが有効。リードと継続的にコミュニケーションをとることで、自社サービスに対して理解を促進できます。
※関連記事:
・BtoBメールマーケティングで成果を上げる38のチェックリスト
・BtoB製造業向け|成果につながるメルマガ配信の基本
・文面の工夫で成果が変わる インサイドセールスのケース別メールテンプレート
14.MAツール
MA(マーケティングオートメーション)ツールとは、顧客データに基づくマーケティング施策の自動化をサポートするツール。設定した「シナリオ(※)」に沿って、自動でメールを送信したり、行動履歴をトラッキングして点数化(スコアリング)することで、顧客の状況に合わせたコンテンツを効率的に提供できます。
※シナリオ:顧客が購入に至るまでの行動プロセスを予想し設定したもの。顧客のある行動に対してどのような対応を行うのか(メール送信や広告表示など)を設定できる。
※関連記事:
・MA(マーケティングオートメーション)ツール導入のポイントと活用戦略【MAツール比較検討シート付き】
・MAツール活用のための60のチェックリスト
・【文面サンプルあり】おすすめの5つのMAシナリオ設定例
15.インサイドセールス
「見込み顧客」を「顧客」に転換させるには、見込み顧客の状況に合わせてフォローを行い、リードを育成する体制が必要です。インサイドセールスとは、見込み顧客との関係構築から商談創出までを担当する内勤営業のこと。「リードは増えたが商談が増えない」という問題が発生している場合、インサイドセールスの立ち上げが有効といえます。
※関連記事:
・インサイドセールスとは?成果に繋げる113のチェックポイント
・インサイドセールスの立ち上げ方と2社の成功事例【SDR・BDR】
16.営業資料改善
商談化率を高めるために欠かせないのが、わかりやすい営業資料です。インバウンドマーケティングでは、資料請求した方に対して自動的に資料が送付されるため、口頭説明ができません。
見込み顧客に「この会社と商談をして詳細な説明を聞きたい」と思ってもらうためには、視覚的に理解しやすく、要点がまとまっているスライドやドキュメントが必要。投資対効果や実績、競合他社や代替手段との違いなど、意思決定に必要な情報が抜け漏れなく入っているかを確認しましょう。
※関連記事:
・営業資料の作成・改善に使える62のチェックリスト【テンプレートあり】
・営業資料の作成と改善に役立つテンプレート
・成果につながるサービス紹介資料・営業資料の改善プロセス
インバウンドマーケティング戦略の原則
上記でご紹介したとおり、インバウンドマーケティングにはさまざまな手法があります。戦略を立てる際に重要なのは、自社の課題に合わせて優先度の高い施策から行うことです。優先順位を考える上で基本となる原則を2つご紹介します。
コンバージョンに近い部分から改善する
インバウンドマーケティングでは、コンバージョンに近い部分から改善するのが効率的です。自社サイトのCV率が改善されていない状態で認知拡大・集客強化をしたとしても、CV数は格段には増えません。WebサイトやLPが最適化されていない状態は、まさに「穴が空いているバケツ」であり、集客が増えても見込み顧客を取りこぼしてしまいます。
インバウンドマーケティングを展開する場合は、下図の順番で進めていくのが基本といえます。
チャネルは見込み度の高い層から拡大する
また、チャネルを拡大する際は特定のサービスを使いたい明確層、悩みを解決したがっている顕在層にアプローチできるものから優先的に進めるのが原則です。潜在層や準顕在層を対象とした施策から進めてしまうと、顧客の検討度合いが低いため、リードは取れてもリードタイムが長くなりがちで、商談にもつながりにくいです。
なお、どのチャネルが効果的かわからない場合は、見込み顧客にヒアリングするのもおすすめです。製品やサービスを探す際にどのような行動を起こすのか、普段どのような方法で情報収集をしているのかを聞いてみましょう。
事例にみる、インバウンドマーケティングを実践する上で大切なこと
インバウンドの思想を体現するオウンドメディア【Hub Spot Japan株式会社】
インバウンドマーケティングの提唱者であり、インバウンドマーケティングのプラットフォームを展開するHub Spot。Hub Spot 日本語公式ブログでは、顧客が何を求めているのか、どんな課題感を持っているのか、顧客の声を聞いてトピックを選定するといいます。
同ブログの編集長である水落さんは、インバウンドの思想を「相手の課題を解決するような価値あるコンテンツをこちらから率先して提供し、良好な関係を築いて、結果として自社にもなんらかの利益が返ってくる状態」と話すように、それを体現するために、まずは顧客の声を拾い集めることが欠かせないといいます。
※関連記事:「インバウンド」なマーケティングの体現者であれ。HubSpotブログの裏側
顧客と向き合うことでマーケティング活動に変化【株式会社リンクアンドモチベーション】
才流がご支援した株式会社リンクアンドモチベーション様は、モチベーションにフォーカスした経営コンサルティング会社であり、同社が展開する「モチベーションクラウド」は2016年のリリース以降、順調に成長していました。しかし、コロナ禍の影響で新規顧客数が低迷、復活に向けて、マーケティングに活路を見出します。
才流とのプロジェクトでは、見込み顧客から既存顧客だけでなく、過去の顧客にもインタビューを実施。「なぜ解約してしまったのか」「なぜ今使い続けているのか」などを聞き、顧客理解を深めていきました。
顧客理解はリスティング広告のキーワード選定や広告テキストの文章作成に活かされ、以後のマーケティング活動においても「自社が思うわかりやすさ」ではなく、「外から見たわかりやすさ」を重視するようになったといいます。
先のHub Spotの例からも分かるように、インバウンドマーケティングを実践する上では、顧客理解を深めることは最重要事項といえるでしょう。
※関連記事:「自分たちが伝えたいメッセージは、本当に顧客が求める情報なのか」社内に根付いた顧客視点の議論
まとめ
インターネットの登場により、顧客の購買行動は大きく変化しました。コロナ禍もまた、情報収集行動のデジタルシフトに拍車をかけたといえます。旧来型のマーケティングと営業活動だけでは、新しい顧客と接触すらできないリスクがあるのです。
企業が新規顧客を増やすには、インバウンドマーケティングの考え方を取り入れて、オンラインでリードを獲得、育成できる仕組みづくりが必要不可欠。そして、インバウンドマーケティングにはさまざまな手法があり、課題や状況によって戦略は異なります。
才流では成果が実証されたメソッドにもとづき、マーケティング戦略立案から施策実行まで支援しています。マーケティング活動で課題を感じている方はお気軽にご相談ください。
(文:大江 健七郎)
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監修
東京大学卒業。2011年に株式会社ガイアックスに入社し、BtoBマーケティング支援事業を立ち上げ。事業部長、経営会議メンバーを歴任。「メソッドカンパニー」をビジョンに掲げる株式会社才流を設立し、代表取締役に就任。著書に『事例で学ぶ BtoBマーケティングの戦略と実践』(すばる舎)、『新規事業を成功させる PMFの教科書』(翔泳社)など。