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「バケツに穴は空いていないか?」BtoBサイト専用の健康診断レポートを公開

マーケティングやセールス領域では、バケツに注ぐ水を「集客のための投資」、バケツの穴から流れる水を「逃している顧客や機会」に例えて表現することがあります。

穴が空いたバケツにどんなに水を注いでも、バケツは満杯にはなりません。どんなに集客をしても、失うお客様が多ければ、いつまでも売上は上がらないのです。

これをオンラインマーケティングに置き換えてみましょう。

広告費をかけてどんなにアクセス数を伸ばしても、ユーザーが離脱し続け、コンバージョン率が上がらなければ成果は出ません。

「Webサイトやページをリニューアルしたが、リード獲得数が伸びない…」「施策の優先順位がわからない」という課題をよく耳にします。しかし、まず実施すべきはバケツに穴が空いていないかをチェックし、穴をふさぐこと。Webサイトやランディングページで製品やサービスの価値を訴求し、コンバージョン率をアップさせることなのです。

本記事では、まず「バケツに穴は空いていないか」を判断する指標や確認方法を紹介します。あわせて、指標をひと目で確認できるレポート(Googleデータポータル版)を用意しました。

無駄な広告費をかけ続けないための健康診断だと考え、定期的に確認することをおすすめします。

バケツに穴は空いていないかを確認できる!BtoBサイト専用の健康診断レポート(Googleデータポータル版)はこちら
※レポートは個人情報の入力なしでコピーを作成できます。自由に加工してご利用ください。

※ バケツの穴については、「BtoB企業向け オンラインマーケティングはじめの一歩」で詳しく解説していますので、参考にしてください。

目次[非表示]

  1. 1.BtoBサイトにおけるアクセス解析の基本
    1. 1.1.コンバージョン
    2. 1.2.アクセス解析の基本公式
  2. 2.自社のWebサイトで「バケツに穴が空いていないか」を確認する指標と目安の数値
    1. 2.1.1. コンバージョン率(CVR)
    2. 2.2.2. フォーム通過率
    3. 2.3.3.フォーム到達率
  3. 3.「Googleデータポータル」のレポート作成がおすすめ
  4. 4.BtoBサイト専用の健康診断レポート(Googleデータポータル版)の設定手順
    1. 4.1.自社Webサイト用に、レポートをコピーする
    2. 4.2.フォーム到達数のフィルタを、自社Webサイト用にカスタマイズする
  5. 5.コンバージョン率が改善したら、認知獲得を強化する

BtoBサイトにおけるアクセス解析の基本

まず前提として、BtoBサイトのアクセス解析の基本をおさえておきましょう。

コンバージョン

BtoBサイトの場合、問い合わせ、資料請求、無料トライアルやお役立ち資料ダウンロードなどをコンバージョンとして計測します。

また、コンバージョンに誘導するボタンやリンクのUI要素を、CTA(Call To Action)といいます。

CTAは「目立つ位置に、目立つ色で」とよくいわれますが、置く場所や色以上に重要なのは、見込み顧客の購買プロセスや心理状態に合わせて掲示する設計です。

弊社ではこれを階段設計と呼び、BtoBマーケティングのコミュニケーション戦略立案時に活用しています。

階段設計とは

コンバージョン数を改善するためには次の取り組みを検討してみましょう。

  • グローバルナビゲーションにCTAを設置する
  • サービスサイトのホームのファーストビューにCTAを設置する
  • CTAは、コンテンツに合わせて内容やテキストを変える
  • CTAにはボタンを置きすぎない。コンテンツの文脈に合わせて自然な流れになるCTAのみを強調する

コンテンツに合わせて内容やテキストを変えるとは、ユーザーの心理状態に沿った内容にすることです。

例えば、料金ページでユーザーが知りたいのは料金に関すること。当然、設置するCTAは「問い合わせ」や「資料請求」ではなく、「見積り依頼」や「価格表ダウンロード」が適切です。

同様に、お役立ちコラム記事であれば、コラムに沿ったホワイトペーパーをCTAにします。あわよくばと「問い合わせ」や「個別相談会」のCTAを設置しても、コンバージョンは発生しません。

アクセス解析の基本公式

コンバージョン数を求める基本公式は、次のとおりです。

アクセス解析の公式:サイト訪問者数 × コンバージョン率(CVR) = コンバージョン数

サイトへの訪問者数を増やしてコンバージョン率を上げれば、コンバージョン数は増えます。そして、コンバージョン数を増やすには、コンバージョンまでの導線を因数分解して考えると改善点が見えてきます。

コンバージョンに至るまでの導線は「自社のWebページ → フォームページ → コンバージョン」です。コンバージョンするためには、必ずフォームを通過するので、まずはフォームへ誘導することが重要です。

※コンバージョン数やコンバージョン率は、公式にはセッション単位での数値ですが、本ページではわかりやすさを重視し、セッションではなく「サイト訪問者数」と記載しています

自社のWebサイトで「バケツに穴が空いていないか」を確認する指標と目安の数値


それでは、バケツの穴が空いていないかを確認する指標を解説します。見るべきは、コンバージョン率(CVR)、フォーム通過率、フォーム到達率の3指標のみ。コンバージョン率が目安(1〜3%)を超えると、バケツの穴が塞がった状態といえるでしょう。フォーム通過率やフォーム到達率は、コンバージョン率が目安の数値を下回った場合に、どこを改善すべきかを判断するために使用します。

詳しく解説していきます。

指標
ページ種類
目安
コンバージョン率
記事ページ(ブログなど)
0.25〜0.30%
サービスサイト全体
1.0〜3.0%
フォーム通過率
-
20〜30%
フォーム到達率
-
10%

1. コンバージョン率(CVR)

Webサイトのコンバージョン率(CVR)とは、資料請求など各種コンバージョンの合計数をWebサイトのセッション数(サイト訪問者数)で割り、割合を出した数値です。コンバージョン率は1〜3%が適正値の目安です。

ただし、Webサイト内に流入数が多いブログ記事がある場合は、前述の数値にはなりません。ブログ記事経由のコンバージョン率については、0.25〜0.30%を目指しましょう。

コンバージョン率に課題がある場合は、BtoBサイトの改善に役立つチェックリストを確認し改善することをおすすめします。

2. フォーム通過率

フォーム通過率とは、フォーム経由のコンバージョン数をフォーム到達セッション数(訪問者数)で割った数値です。エントリーフォームからコンバージョンに遷移する率のことです。目安として25〜30%を目指しましょう。

この数値が目安より低い場合は、フォームページの見直しを検討しましょう。

  • フォームの入力項目数を必要最低限に絞る。任意項目は削除する
  • 入力エラーの場合は、どこを入力し直すべきか明確に示す
  • 入力後の確認ページを削除する
  • セキュリティや個人情報の取り扱いについて示す
  • ページ内にあるヘッダーやフッターなどの余計な遷移を削除する(※参考事例:bellFaceのフォームページ

※ BtoBサイトのフォームに関する研究は、株式会社WACULが公開しているB2Bサイトのフォームにおける研究レポートにわかりやすくまとまっています。参考にしてください。

3.フォーム到達率

フォーム到達率とは、問い合わせや資料請求などのエントリーフォームに遷移する割合のことです。到達セッション数(訪問者数)をWebサイトのセッション数(サイト訪問者数)で割った数値で、母数はWebサイトの訪問者数です。

流入数が多いブログ記事を除き、目安として10%程度を目指しましょう。

この数値が目安より低い場合は、CTAの見直しを検討しましょう。

  • コンテンツを読み終わった後にCTAが設置してある
  • グローバルナビゲーションにCTAが設置してある
  • ホームのファーストビューにCTAもしくはフォーム(全部/一部)が設置してある
  • ペルソナの検討フェーズごとに最適なCTAを設計する

「Googleデータポータル」のレポート作成がおすすめ

上述の3指標を確認する代表的なツールはGoogleアナリティクスです。しかし、Googleアナリティクスでこれらの指標を確認するためにはさまざまな画面を見る必要があり、初心者には難易度が高いと考えています。

そこで、おすすめしたいのがGoogleデータポータルでレポートを作成する方法です。

Googleデータポータルは、無料のBIツール。GoogleアナリティクスやGoogleサーチコンソールなどのアカウントと連携することで、タグの設置なしですぐに利用できます。

以下にレポートを無料公開しています。コピー可能な権限設定にしているので自由に加工してご利用ください。

バケツに穴が空いていないかを確認できる!BtoBサイト専用の健康診断レポート(Googleデータポータル版)はこちら
※レポートは個人情報の入力なしでコピーを作成できます。自由に加工してご利用ください。

BtoBサイト専用の健康診断レポート(Googleデータポータル版)の設定手順

Googleデータポータルのレポートでは、「コンバージョン数」「コンバージョン率」「フォーム通過率」「フォーム到達数」を中心に見ます。

フォームは、Webサイトによって配置しているURLが異なるため、レポートの設定を変更する必要があります。

設定の手順は、まず自社Webサイト用にレポートをコピーすること。次に、フォーム到達数のフィルタを、自社Webサイト用にカスタマイズすることです。

自社Webサイト用に、レポートをコピーする

1. Googleデータポータルの健康診断レポートURLを開く

2. 右上の[︙]アイコン - [コピーを作成]をクリックする

3. 画面右に表示されている[新しいデータソース]のプルダウンメニューから、自社のGoogleアナリティクスデータソースを選択し、[レポートの作成]をクリックする

※レポートのコピーについては、Googleデータポータルの公式ヘルプを参考にしてください。

フォーム到達数のフィルタを、自社Webサイト用にカスタマイズする

「フォーム到達数」はレポートのサマリーページ内に3か所あります。この設定内容を変更してください。

1. [サマリー]レポート上部の[フォーム到達数]のスコアカードを選択し、画面右側のプロパティエリア内の[スコアカードのフィルタ]の編集アイコンをクリックする

自社WebサイトのフォームのURLを入力し、[保存]をクリックする
※ フィルタ条件は「次に等しい」「含む」などがあります。適宜、変更してください。

  • 一番上に表示されている[フォーム到達数]は、全体のコンバージョン数に関わるフォームのこと。コンバージョン設定が、「問い合わせ」と「資料請求」の2つであれば、2つのフォームURLを設定します
  • 目標1に表示されている[フォーム到達数]は、Googleアナリティクスの目標設定画面の「目標 ID 1」につながるフォームURLを設定します
  • 目標2に表示されている[フォーム到達数]は、Googleアナリティクスの目標設定画面の「目標 ID 2」につながるフォームURLを設定します

これで、全体のコンバージョンに関わるフォーム到達数の設定が終わりました。

同様の手順で、[目標1のフォーム到達数]と[目標2のフォーム到達数]も設定してください。

コンバージョン率が改善したら、認知獲得を強化する

コンバージョン率が一定以上(目安:1〜3%)を超えると、これ以上のコンバージョン率の大幅な改善は見込めなくなります。訪問者数を増やすために、認知獲得にアクセルを踏みましょう。

 サイトのコンバージョン率は、健康診断のように定期的に確認することをおすすめします。コンバージョンまでの導線のどこに課題があるかを分析する際は、本記事で紹介したGoogleデータポータルのレポートをぜひご活用ください。

バケツに穴が空いていないかを確認できる!BtoBサイト専用の健康診断レポート(Googleデータポータル版)はこちら
※レポートは個人情報の入力なしでコピーを作成できます。自由に加工してご利用ください。

著者/ 桂川 誠
株式会社才流 コンサルタント

メーカー系商社キヤノンマーケティングジャパンにて、SE・法人営業を経て、10年に亘り事業のPMMとしてBtoBマーケティング全般に従事。その後、本社組織で全社のデジタルマーケティングを推進。マーケティングサイトへの変革、営業活動のオンライン化を展開。メディアへの寄稿やライター活動なども行っている。2021年より株式会社才流にてコンサルタントとして活動。

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