Webサイトやオウンドメディアで、コラム記事のディレクションを行う際、執筆者・ライターから受け取る原稿のチェックや修正に時間がかかっていませんか。
原因の1つは、依頼者とライターの間で想定読者のイメージが合っていないこと。ライターへの指示が曖昧な状態で進めると認識齟齬が生じやすくなります。
記事を作成する際は、本文執筆に入る前に「誰に、何を、どのような構成で伝えるか」をまとめることが大切です。ライターに丁寧に共有し、理解してもらうことで、原稿の手直しや手戻りが減って生産性が向上します。
本記事では、記事作成を依頼するときの執筆要件をまとめた「コラム記事作成テンプレート」を解説します。記事作成の効率化の一助になれば幸いです。
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コラム記事とは?ブログとの違い
オウンドメディア文脈においてコラム記事とは、根拠に基づき論理的に意見や見解を記述した記事のこと。似たような言葉にブログがありますが、ブログは個人の主観や感想を自由に書いたものです。
コロナ禍でBtoBマーケティングのデジタル化が加速しました。デジタル施策の1つとして、コラム記事を発信する企業も増えています。
見込み顧客の持つ課題を解決する情報をコラム記事で提供することは、見込み顧客との接点を創出する有効な手段です。なぜなら、BtoBの購買目的が「課題解決」にあるからです。
BtoBマーケティングの考え方については「SAIRU NOTE」の別記事や書籍でも詳しく解説しています。
※ BtoBマーケティングの手法大全 – 社内会議で使える79個の施策アイデア
※『事例で学ぶ BtoBマーケティングの戦略と実践』
コラム記事をうまく活用し、リード獲得や見込み顧客とのコミュニケーションにつなげましょう。
コラム記事の作成でよくある悩み
記事作成段階において、次のような課題や悩みはありませんか。
- クラウドソーシングでライターに発注したが、記事のクオリティに愕然とした…
- 記事執筆後、構成ミスにより手戻りが発生し書き直しになった…
- 社内の有識者に記事を書いてもらったが、依頼者の意図が伝わっていなかった…
- 書いて欲しいテーマを伝えたら「どのような内容を書けばよいかわからない」と言われた…
オウンドメディアの編集者にとってメインの業務は企画と進捗管理なので、できるかぎり大幅な修正は避けたいところです。作業負荷が大きい”手戻り”を防ぐためには、執筆依頼のタイミングで記事の意図を的確に伝えましょう。
意図を的確に伝え、手戻りを防ぐ「記事作成テンプレート」
有益な情報や見解を示すコラム記事を書く際のポイントは「誰に、何を、どのような構成で伝えるか」を整理すること。記事のテーマと記事構成だけを記載するのではなく、次の3点もまとめましょう。
- 想定読者(ペルソナ)を設定する
- 読者が記事を読む前の課題やニーズ、固定概念を記載する
- 期待する読後の反応を記載する
それでは、記事作成テンプレートの各項目について、解説します。
概要
まずは、コラム記事の概要をまとめます。
- テーマ
何について記事を書いて欲しいのかを記載します
SEOを意識する記事の場合は、次の3つの項目を記載することをおすすめします。
※ SEOを意識しない記事の場合は、空欄のままで構いません。
- 対策キーワード
どのようなキーワードでSEOを狙うかを記載します - 月間検索数
月間検索数は、「Google 広告キーワード プランナー」や「Ahrefs(エイチレフス)」などのツールで調査できます
※参考:SEOツール「ahrefs(エイチレフス)」の使い方を目的別に解説 - 共起語
共起語とは、あるキーワードと一緒に使われる言葉のこと。記事内に共起語を含めることで、検索エンジンから有益なコンテンツと認識される可能性が高くなります。 共起語は「ラッコキーワード」で調査できます
ペルソナ
次に、ペルソナをまとめましょう。読者を想定することで、記事の方向性や内容にズレが生じにくくなります。特に、記事要件シートを記載する担当者(ディレクター)と執筆者が異なる場合は、共通の読者像をイメージすることで認識の齟齬が少なくなります。
- 部署
部署が明確な場合は記載しましょう - 企業規模
BtoBビジネスでは、企業規模によって課題感や前提条件が異なる場合があります。従業員数や売上などで区切る必要がある場合は記載しましょう - 業種
業種によって共通言語が異なることがあります。ターゲットにしたい業種があれば記載しましょう - 記事を読む前の課題・ニーズ・固定概念
BtoBの場合、読者は何らかの目的をもって能動的に記事を読みます。BtoCのように受動的に記事に触れることはほぼありません。従って、読者が記事を読む前に考えている「課題」や「ニーズ」「固定概念」を記載しましょう。この項目が埋まっていると、記事の構成がまとまりやすくなり、読者を満足させる記事になります
CTA
CTA(Call To Action)とは、行動喚起のこと。ここでは、記事を読んだ後に行動してもらいたいことをまとめます。記事コンテンツの場合、関連したホワイトペーパーの資料ダウンロードやメルマガ登録などが一般的です。CTAを記載することで、記事の方向性が定まりやすくなります。
CTAがない場合は、記載不要です。
- プロダクト・サービス名称
プロダクト・サービス名称を記載します。執筆者は、プロダクトやサービスの特長や導入事例を調査することで、記事テーマに対する理解が深まります - CTA種類
「資料ダウンロード」「メルマガ登録」などを記載します - 資料名
資料名を記載します - 記事とのすみ分け
記事と資料の内容が重なっていると、執筆者は資料の内容についてどのくらい記事内で触れて良いのか迷う場合がありますので、記事とのすみ分けを伝えることは大切です。「資料をダウンロードしてほしいので、記事内では触れてほしくない」「資料の内容に沿って記事を書いて欲しい」などの意思を伝えましょう
記事構成
テーマとペルソナを設定してから、記事構成を検討します。
- タイトル案
タイトル案があれば記載します。執筆者にタイトルも考えていただく場合は記入不要です。タイトルは執筆途中や執筆後に再考することが多いので、執筆前は「案」としておくことをおすすめします - リード
空欄のままで構いません。執筆者によってリード文が長い、またはリード文がない場合があるので、目安の文字数を備考欄に記載することをおすすめします - 記事構成
記事構成を指定する場合に使用します。見出しをh2レベルでまとめると、記事の方向性が固まります。h3レベルまでまとめればズレが生じません
※ テーマのみで執筆を依頼する場合は、空欄のままで構いません - 文字数について
文字数を指定したい場合は、記載しましょう。文字数が多ければ良いわけではありませんが、一定レベル以上の記事品質を担保するために「xxxx字以上」「目安:xxxx〜xxxx字」などと記載する方法があります
読後の反応
良い記事を書くポイントは、読者が記事を読み終わった後でどのように態度変容するかを意識すること。この欄にはどのような態度変容をして欲しいかを記載します。
例:「○○会社は、△△に詳しい」といった第一想起の醸成、もっと詳しく知りたいから資料をダウンロードしたい
備考
- 執筆時の注意事項
記事執筆時の注意事項を記載します。よくある注意事項の例は次のとおりです。- 文体は「ですます」調
- 他のWebサイトからテキストをコピペしないように。ツールでチェックします
- 見出し、タイトルは仮のため、変更しても構いません
- 画像や図版は各見出しに1つ程度あると、視覚的に見やすくなります
- 画像も調達してください/編集部で用意するので調達不要です
- 図版はラフ素材も添付してください。編集部で整えます
- 参考サイト
執筆の参考になるサイトがあれば、URLを記載しましょう
コラム記事を書くときは、まず骨子を固めよう
コラム記事を作成する際は、テーマだけを決めて記事を書き出すと、何を書いて良いかわからず筆が止まってしまいます。また意図とは異なる原稿が仕上がってくるといったことがあります。
初校段階で構成を見直すなどの大幅な手戻りを防ぐには、想定ペルソナや読後の反応、構成案などの骨子を固めることをおすすめします。
紹介した「記事作成テンプレート」に沿って骨子をまとめることで、手戻りを防ぎ、効率的に記事を作成することができます。ぜひご活用ください。
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