コロナによる社会活動の変化から対面での商談が減り、Zoomやベルフェイス、Google Meetなどを活用したオンライン商談が増加しました。そこで、より重要性が増したのが営業資料です。
本記事では、営業資料を作成・改善するときに気をつけたいポイントについて解説しました。自社の商品・サービスの情報を入力するだけで営業資料を作れるテンプレートもダウンロードできるので、ぜひ活用してください。
営業資料の作成・改善に使える62のチェックリスト(PDF形式) をダウンロードする営業資料テンプレート(PowerPoint形式|4:3版) をダウンロードする営業資料テンプレート(PowerPoint形式|16:9版) をダウンロードする※ 個人情報の入力は必要ありません。クリックするとファイルがダウンロードされます。
才流では「営業資料を作成・改善したい」「営業の成果が出ない」とお困りの企業さまを支援しています。⇒資料の無料ダウンロードはこちら
営業資料にこだわるべき3つの理由
なぜ営業資料にこだわるべきなのか。理由はざまざまありますが、以下の3つに整理できます。
1.オンライン営業では資料に視線が集まる
オンライン営業においては、画面共有によって資料に視線が集まります。そのため資料のインパクトは大きくなります。また資料は口頭説明を補完する役割も担うため、提案がより伝わりやすくなるという効果もあります。
2.クオリティの高い営業資料は提案内容の標準化と底上げにつながる
営業部門のスキルやノウハウは属人化されやすいもの。そこでクオリティの高い営業資料があれば、営業時に個々の説明がバラバラになってしまうのを防げます。また売れる営業パーソンの提案内容を資料に反映すれば、営業部門全体の成果の底上げにもつながります。
3.営業資料は顧客社内で展開される可能性がある
口頭での説明と違い、資料は顧客の手元に残るもの。いくら営業パーソンの説明がうまくても、営業を受ける側は内容を完璧に覚えて社内に展開できるわけではありません。そこで資料は、決裁者をはじめとする、顧客社内にいる会えない人たちにアピールできる数少ない手段となるのです。
また、資料の内容や体裁を見て企業や商品・サービスへの信用を判断する人も一定数存在します。
営業資料の作成・改善で気をつけたいポイント
「読者や聞き手は、営業資料を読みたいと思っているわけではない」
この前提を踏まえ、営業を受ける見込み顧客である読者や聞き手にできるだけ負担をかけない構成やストーリーラインを考えましょう。
ポイントはサービス概要が簡潔。そして、効果や特長が数字や事例で明確に表現されていることです。こうした営業資料であれば、見込み顧客はストレスを感じることなく理解できます。
整理すると、営業資料の作成・改善で気をつけたいポイントは以下の3つです。
- 簡潔に伝える
- 数字で語る
- 疑問や不安を解消する
営業資料の作成・改善に取り組むときは意識しましょう。
62のチェックリストを網羅した営業資料のテンプレート
このあと紹介する62のチェックリストをもとに、営業資料のテンプレートを作成しました。自社の商品・サービスの情報を入力するだけで、62のチェックリストをすべてカバーした営業資料を作成できます。
※ 個人情報の入力は必要ありません。クリックするとファイルがダウンロードされます。
営業資料の作成・改善に使える62のチェックリスト
ここからは営業資料の作成・改善に使えるチェックリストについて解説していきます。
以下は営業資料のアウトラインと各セクションの内容です。
表題 | 掲載内容 | |
---|---|---|
1 | 表紙(タイトル) | 資料の主旨 |
2 | サービスのサマリー | どのようなサービスを提供しているのか |
3 | よくある課題 | 課題の喚起 |
4 | サービス紹介 | サービス利用によって解決できる課題、見込める効果 |
5 | 導入後の効果 | サービス導入の効果をグラフ・数字を用いて視覚的に |
6 | 選ばれる理由 | サービスへの信頼性を高める内容 |
7 | 事例紹介 | サービスを利用した企業の事例 |
8 | 事例一覧 | 実績となる導入企業 |
9 | 料金 | サービス利用にかかる費用を料金表で |
10 | ご利用の流れ | サービス利用前後の作業フロー |
11 | よくある質問 | 商談時によくある質問と回答 |
12 | 会社概要 | どのような会社かわかるような会社概要 |
13 | メディア掲載歴・執筆歴 | 業界専門誌への寄稿や執筆歴、受賞歴など |
14 | CTA | 問い合わせ先 |
1.表紙(タイトル)
表紙は資料の趣旨、商品・サービスの概要を伝える最初のページ。とくに商談前に見込み顧客に送る場合は、会社や商品・サービスの第一印象に影響を及ぼします。影響力が高いことを意識して作成しましょう。
表紙改善のチェックリスト
- 資料の概要がわかるタイトルを設定
- 「この資料で何の情報が得られるか」を端的に記載
- 「何を解決するサービスなのか」を端的に記載
- 英語や専門用語、抽象的な言葉は使用しない
- 商品・サービスや会社のイメージを想起できるビジュアルを設定
- Webサイトや広告のクリエイティブなど、他媒体とテイストを合わせる
2.サービスのサマリー
ふたつめは、サービスのサマリーを紹介するページです。誰に向けた、どのようなサービスで、どのような課題解決につながるのかを簡潔にわかりやすく表現しましょう。
また、実際のデモ画像やフローチャートなどが掲載されていると、見込み顧客は利用イメージをつかみやすいです。
サービスのサマリーページ改善のチェックリスト
- 初見の人のために、概要や誰向けの商品・サービスなのかを説明
- 英語や専門用語、抽象的な言葉は使用しない
- 画像は商品・サービスの仕組みや、実際の画面などを使用
- 顧客が利用イメージを解像度高く想起できるように
- もしくは、Webサイトで使用しているメインビジュアルを挿入し、イメージに差が出ないようにする
3.よくある課題
見込み顧客の課題を喚起するためのページです。顧客が直面している問題、解決すべき課題を端的、かつ具体的に表現しましょう。
抽象度が高く誰にでも当てはまる訴求だと、見込み顧客には刺さりません。顧客が自社に置き換えて考えられるように、ターゲット顧客・状況・課題を具体的に記載するとよいでしょう。
よくある課題ページ改善のチェックリスト
- 商品・サービスの導入で解決できる課題を記載(後述のサービス紹介の内容につなげる)
- 具体的に挙げられる場合は、失敗ストーリーを想起できるように記載
- 誰が(経営者、経理担当者、営業…など)
- どのような状況で(人材が不足、兼務で忙しい…など)
- どのような課題に直面しているのか(新規獲得ができていない…など)
- 自社のトップセールスパーソンが課題喚起に実際に使っているセールストークと揃える
4.商品・サービス紹介
先ほどの「よくある課題」に対して自社の商品・サービスで解決できることを記載します。商品・サービスの利用によって解決できることや、見込める効果を端的、かつ具体的に記載しましょう。
商品・サービス紹介ページ改善のチェックリスト
- 前述の「よくある課題」に対して、解決できることを記載
- 商品・サービス内容を詳しく解説
- 仮に、飛ばし読みされても理解できるように見出しは簡潔に記載
5.導入後の効果
ここでは、先ほどの商品・サービス紹介で示した課題解決のポイント(コスト削減や売上拡大など)をより具体的に説明していきます。
商品・サービス導入後の効果をひと目で伝えるためにグラフや数字を使って、視覚的に表現しましょう。
導入後の効果ページ改善のチェックリスト
- 商品・サービスの導入によって得られる成果を見える化
- 「コスト削減」なら削減できる項目や金額を、「効率アップ」なら削減できる作業や時間の目安を記載
- 過去の事例において、効果の高かった成果をピックアップ
- ROI(費用対効果)が示されているとベスト
6.選ばれる理由
商品・サービスの信頼性を高める内容を端的に列挙しましょう。
選ばれる理由で記載する情報は、既存顧客の受注理由や見込み顧客へのヒアリングから分析して、商談相手に最適化した情報をピックアップするようにしましょう。
選ばれる理由ページ改善のチェックリスト
- 競合他社と差別化できる自社ならではの強みを記載
- 顧客メリットにつながるポイントかどうかを見直す
- 自社の商品・サービスの受注理由を分析し、実際に選ばれている理由を記載
- 例
- ●●でNo.1
- 利用社数が多い
- 専門領域に特化している
- 支援領域が広い(業界、地域)
- 上場している
- 導入・利用時の手間が少ない
- 満足度が高い など
- 例
7.事例紹介
事例のページでは、導入前の課題と導入後の効果を端的、かつ具体的に表現しましょう。導入企業の情報を詳細に記載することで信頼性の向上にもつながります。
事例は事前にいくつかのパターンを用意して、商談相手の状況や課題、求める成果に適した事例を掲載しましょう。
事例紹介ページ改善のチェックリスト
- 信頼性の向上につながる企業や、ターゲットに近い企業を3〜5つ紹介
- 社名のほか、業種や規模など、企業情報の記載
- 利用前の課題と、利用後に実現した成果が比較できるよう記載
- 効果はできるだけ数字で表現
- 効果の大きさがわかる数字はハイライトに
- 数字で表現できない場合、担当者のリアルな声がわかる内容を記載
- 具体的にどんなことをしたのかを説明
- グラフや実際の写真がある場合、画像を挿入
- 単なるイメージ画像は使用しない
8.事例一覧
詳細に紹介した事例を含め、導入企業を一覧で掲載します。業種・業界、企業規模、導入理由で分類して見やすさも工夫しましょう。
事例一覧ページ改善のチェックリスト
- 商品・サービス導入企業を一覧で記載
- 業種・業界、企業規模、導入理由などで分類して、記載
9.料金
商品・サービスの導入や利用にかかる費用と、プランごとのサポート内容を料金表の形式で掲載します。中価格プランを「おすすめプラン」として配置することで、高価格プランと、低価格プランの金額の差が与える抵抗感を調整できます。
料金ページ改善のチェックリスト
- プランが複数の場合、比較できるように併記
- 金額を公開できない場合、目安となる利用形態や金額例を提示
- 通常の利用料金以外に別途発生する費用(導入時にかかる初期費用や導入サポート費など)があれば、それも明記
- 低価格プランと高価格プランの間に「おすすめプラン」を配置し、金額が与える抵抗感を調整
- クラウドツールの場合、決済手段(クレカ払い、請求書払い、銀行振り込みなど)や、支払いサイトを明記
10.ご利用の流れ
お問い合わせからサービス利用までの流れを、フェーズごとに区切って説明し、見込み顧客がページを見るだけで契約までの流れを想像できるように作成しましょう。
運用フェーズで発生する細かい作業工程や工数、金額が発生するタイミングなども記載すると見込み顧客は利用の流れを想像しやすいです。
ご利用の流れページ改善のチェックリスト
- 作業工程や、金額が発生するタイミングなどを記載
- 登録必須のサービスは、登録に要する時間の目安、トライアルの期間なども明記
- 利用開始後の運用フェーズで発生する作業工程も記載
11.よくある質問
よくある質問ページでは、商談時に頻出する質問を洗い出し、質問・回答を記載します。
こちらも商談相手の企業規模や業種によっても出てくる質問は異なるため、多めによくある質問リストを作っておくとよいでしょう。また、ネガティブな印象を与える可能性のある質問は回答の表現を工夫して記載しておきましょう。
よくある質問ページ改善のチェックリスト
- 細かい疑問を事前に解決しておくことでユーザーの不安を解消できる
- ネガティブな印象を与える回答にならないよう表現を工夫
- ✕ :サポート外なので、できません。
- ○:そのような方には△△△というプランをご用意しております。
- サービスの検討、契約、利用、継続または解約など段階にあわせて列挙
- 営業現場で聞かれる質問を記載し、随時更新しつづける
12.会社概要
どのような会社が商品・サービス提供しているのかを記載します。会社によっては、資本金や出資先から信頼性を確認するケースもあるため、自社の企業情報を書ける範囲で詳細に書いておきましょう。
会社概要ページ改善のチェックリスト
- 事業内容、ミッション、企業情報を記載
- 従業員数や拠点数、資本金、上場有無など、信頼に繋がる情報があればあわせて記載
- 社風や会社のイメージ想起につながる写真があれば掲載
- 業界団体への所属がある場合も記載
13.メディア掲載歴・執筆歴
受賞歴や、業界専門誌への寄稿実績や執筆歴、カンファレンスやイベントの登壇歴などがある場合はあわせて掲載しておきましょう。
メディア掲載歴・執筆歴ページ改善のチェックリスト
- 執筆歴のほか、登壇歴やオウンドメディアの情報を記載
- コンサルティングや技術開発など人物が重要視される分野は、代表メンバーの経歴や受賞歴など、実績となるプロフィールを記載
14.CTA(問い合わせへの導線)
資料の最後には問い合わせ先を掲載します。メールアドレスや電話番号、FAX番号など、さまざまな連絡手段の情報を掲載しておきましょう。
CTAページ改善のチェックリスト
- 検討中にすぐ問い合わせができるよう、次のアクションを提示
- すぐに確認をしたい人もいることを考慮し、電話番号も記載
- 業種によっては資料の郵送、FAXが好まれる場合もあるため、必要があれば記載
- メールアドレスやホームページのURLには、すぐ展開できるようにリンクを設定
その他重要な改善ポイント
その他の営業資料作成・改善における細かいポイントは以下のとおりです。顧客社内で展開され、決裁者を含む多くの人に読まれることを想定して、完成度が高い営業資料を作ることを心がけましょう。
とくに表記ゆれやフォントの種類、文字サイズ、資料内のデザインなどの細かい部分が統一されていると会社やサービスの信頼にもつながっていくため、細部までチェックしましょう。
- 読みやすい文字サイズにする
- 1ページの文字量はできるだけ少なくする
- 丁寧な説明が必要な場合、1ページに無理やり入れず、複数ページに切り分ける
- 掲載しきれない情報は別資料でまとめる
- 例:事例集、操作手順書、成果を出すための方法 など
- 意味を持たない画像や、サービスのイメージに合わない画像は使用しない
- 制作者によって資料の内容やテイストがバラバラにならないよう、使用するテンプレートを社内で決めておき、作った資料はメンバーに共有しておく
- 見込み顧客・既存顧客に一度見てもらい、フィードバックをもらう(刺さる内容か、わかりにくい表現はないかを検証)
- 一度に完成を目指すと時間がかかるため、実際に営業で使いながら改良を重ねる
- サービスイメージに関わる重要な資料は、デザインや写真撮影の外注も検討する
さいごに
繰り返しになりますが、営業資料を改善するメリットをお伝えします。
- 口頭説明しきれない部分を資料の情報で補完できる
- 売れる営業パーソンのトークを資料へ反映することによって営業組織全体の底上げにつながる
- わかりやすい資料で顧客社内の稟議が通しやすくなる
営業組織全体の成果創出のため、本記事とチェックリストを参考に、ぜひ自社の営業資料の作成・改善に役立ててみてください。
才流では「営業資料を作成・改善したい」「営業の成果が出ない」とお困りの企業さまを支援しています。⇒資料の無料ダウンロードはこちら