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新規事業の仮説検証や認知拡大へ。SNS(DM・投稿)のコネクション活用メソッド【テンプレート付き】

新規事業開発
コンサルタント
小東 真人

本記事では、新商品やサービスの仮説検証や認知拡大のために、SNSのDM(ダイレクトメール)や投稿を活用する方法を解説しています。文面テンプレートも用意していますので、ぜひご活用ください。

アプローチにSNSのコネクション活用をすすめる理由

新商品・サービスの開発過程では、ユーザーテストやプレ商談などで仮説検証を行うために、見込み顧客にアプローチをすることがあります。また、リリース後はできるだけ多くの人に認知してもらうために、さまざまな施策を検討することでしょう。しかし、新規事業であるがゆえに、時間や予算、リソースの制約があることも少なくありません。

少しでも多くの見込み顧客に、予算をかけずに素早くアプローチしたいとき、おすすめしたいのがSNSを活用したアプローチです。

SNSで日頃からつながっている人からのDMや投稿であれば、一定の信頼関係や関心がある状態だと考えられるため、反応率を高められる可能性があります。

DMによるアプローチ

まず、DMでアプローチする方法について解説します。

利用するSNSは、BtoBビジネスで利用者が多い「Messenger」と「X」、ユーザーの母数は少なめであるものの特定の業種・外資系企業が集まりやすい「LinkedIn」を想定しています。

DMによるアプローチの手順

手順は、以下のとおりです。

  • 01 社内のSNS利用規定を確認する

    SNS投稿に比べて拡散性は低く、接点のある方へ向けたDMのためリスクは低いと考えられますが、社内規定がある場合は規定に沿って進めましょう。

  • 02 自分のアカウントを確認する

    次に、自分のアカウントを確認します。DMの場合は、量よりも質が重要です。つながりの濃さや相手の関心度を優先し、一人でもビジネス上で関係がある方がいれば、積極的にDMを送ってみましょう。

  • 03 送信対象リストを作成する

    リストは、相手の氏名、DM送信日、社内の送信者名、オファー内容、返信の有無や返信内容についてわかるようにしておきます。最初に送信した人が責任を持って次のアクションを行うようにしましょう。

    社内で複数の人からDM送信する場合には、重複を避けるためにリストを作成しておきます。社内の誰がアプローチしたほうが効果的なのか検討し、送信担当者を決めるとよいでしょう。

  • 04 画像やURL、文面を準備する

    DMの場合は、画像は必須ではありません。画像や図などがあったほうが、訴求したいことが伝わりやすくなるようであれば、用意しましょう。文面は、次に紹介するテンプレートをコピーし、ご活用ください。

    商品・サービスの詳細を知れるように、ランディングページのURLも用意しておきましょう。

  • 05 DM後、反応があった人には丁寧なコミュニケーションをとる

    興味を持ってくれた人は、次のステップ(詳細説明や打合せの打診など)へすみやかに誘導しましょう。自身で詳しく説明ができない場合は、営業担当者との調整や引継ぎも行います。

  • DMのテンプレート

    DMは数よりも質が重要です。テンプレートの要素をふまえつつ、送る相手との関係性やその人の興味に応じて、適宜文面をアレンジしてください。

    ①お名前

    • 〇〇さん
    • 〇〇様

    ②挨拶

    • お世話になっております。
    • ご無沙汰しております。
    • 最近のご活躍は、Facebookで拝見しております。

    ③前回会った際の話題や共通の関心事に触れる

    • 先日の△△セミナーでお世話になった◇◇です。
    • 〇〇で名刺交換をさせていただいた〇〇です。

    ④相手の課題や業界特有の事情に触れる

    • セミナー〇〇活用についてご関心をお持ちと伺いましたが、このたび、〇〇活用支援のサービスを開始することになりました。
    • 〇〇業界の方から、~~という声をよく聞くため、〇〇活用支援サービスにご興味を持っていただけるのではないかと考え、ご連絡いたしました。

    ⑤相手にとっての具体的なメリットを示す

    • 実は同業種の会社で導入され、工数を約〇%削減できた事例があります。
    • モニターとしてご協力をいただけますと、無償でサービスを体験いただけます。

    ⑥サービスサイトのURL、詳細を説明するページへの誘導

    ▼詳細はこちらからご覧いただけます

    サービスサイトURL  

    ⑦次のアクションを促すCTA

    もしよろしければ、〇〇さん/〇〇様の会社でも活用できそうなポイントを、15分程度でご説明させていただけないでしょうか。

    ▼こちらから日程をお選びいただけます。

    日程調整ツールのURL  .

    ポイント
    日程調整ツールは、便利だと感じる方もいれば、馴染みのない方もいます。相手の状況に応じて、使用するかどうかを決定しましょう。使用しない場合は、相手の方から反応があった場合に、日程候補のやりとりをDM上で行いましょう。

    ⑧締めの挨拶

    ご多忙のところ大変恐縮ですが、ご検討いただけますと幸いです。

    以下は、①~⑧の要素をふまえた文例になります。

    例:AI活用支援のコンサルティングサービスのDM文面

    ※「一度名刺交換をしたのみ」「SNS上でのつながりのみ」などに送信する場合


    〇〇さん


    お世話になっております。 先日の△△セミナーでお世話になった◇◇です。 
    セミナーでAI活用についてご関心をお持ちだとお聞きしたため、当社でリリースした新サービスをぜひご紹介させてください。AI活用支援のコンサルティングサービスです。


     ▼具体的なサービス内容

     ・業務プロセスの分析とAI活用提案

     ・ChatGPTなどのAIツール導入支援 

    ・社内向けガイドライン策定

     ・従業員向け活用研修の実施

    ▼詳細はこちらからご覧いただけます

    サービスサイトURL  

    実は〇〇さんと同業種の企業で本サービスを導入いただき、〇〇の工数を約40%削減できた事例があります。 もしよろしければ、〇〇さんの会社でも活用できそうなポイントを、15分程度でご説明させていただけないでしょうか。


    ご多忙のところ大変恐縮ですが、ご検討いただけますと幸いです。

    より関係が近い方、友人に送る場合などは、以下の例のように、普段やりとりをしている言葉遣いを使ったり、短く簡潔にするのもよいでしょう。

    例:AI活用支援のコンサルティングサービスのDM文面

    ※関係が近い相手に送信する場合

    〇〇さん 
    お久しぶりです! △△セミナーでお会いした◇◇です。セミナーでAIについていろいろとお話できて楽しかったです!

    実は、このたびAI活用支援のコンサルをスタートすることになりました。

    ▼サービスサイトURL  

    ××業界のお客様の例では、 営業資料作成の工数が4割も減った事例が出てきています。もし興味があれば、〇〇さんの会社でも使えそうなポイントを15分くらいでお話させてもらえませんか。

    ▼日程調整URL  .
    お忙しいところ恐縮ですが、ご検討いただけると嬉しいです!

    DMによるアプローチのFAQ(よくある質問)

    Q1.DM経由でのコンバージョン率は、どの程度見込めばよいでしょうか?

    相手との関係性やオファーの内容にもよりますが、30人に送信する場合、関係性が近い人は10%程度、関係性が遠い人は3%程度のコンバージョン率が目安と考えましょう。

    Q2.DMを送るのに適した時間はありますか?

    DMは忙しい時間に送ると、未読のままになったり、開いたのに忘れられてしまったりすることがあります。基本的に就業時間内は避け、就業時間の前後や昼休み、夜などに送るとよいでしょう。

    Q3.相手にあわせてカスタマイズするのが、難しいです。どのようにすればいいでしょうか?

    DMの文面を作るまえに、SNSで相手の近況を確認し、挨拶がてらその話題についてコメントすると、自然な文面作成が可能です。

    例:最近はイベント登壇に注力されているとのこと、Facebookで拝見しました。実は弊社のメンバーも、よく〇〇さんのイベントで勉強させていただいています。

    Q4.1日あたりのDM送信数に、上限はありますか?

    スパム行為防止の目的で、プラットフォームが1アカウントにおける1日の送信数に上限を設けている場合があります。またプラットフォームのなかには、送信の上限数や規制条件を明確に公表しないところもあるため、自分の担当するリストが100件を超える場合は、数日に分けて送るのがよいでしょう。

    投稿によるアプローチ

    投稿で利用するSNSはDMと同様に「X」「Facebook」「LinkedIn」を想定しています。Xは無料アカウントの文字制限があるため短文が主流、FacebookやLinkedInは比較的長文に寛容であると覚えておきましょう。

    投稿によるアプローチの手順

  • 01 社内のSNS利用規定を確認する

    まず、社内のSNS利用規定がある場合は、必ず確認したうえで発信を行いましょう。たとえ個人名のアカウントだとしても、自社のビジネスに関する発信であれば、会社からの発信であると認識される可能性があります。

    とくに投稿は、不特定多数の人の目に留まる可能性があるため、注意が必要です。もし社内規定で利用が制限されている場合は、管轄する部署に相談しましょう。

  • 02 自分のアカウントを確認する

    次に、自分が持っているアカウントを確認し、「ビジネス領域に関心のあるフォロワーが300人以上」いるSNSを選びましょう。「300人以上」はあくまでも目安ですが、自社のビジネスに関心を持つフォロワーが多ければ多いほど、成果につながりやすくなります。

    もし自分のアカウントでフォロワーが少ない場合は、社内でフォロワー数が多い人に発信を依頼してもよいでしょう。

  • 03 投稿する画像やURL、文面を準備する

    SNS投稿の場合、画像や動画がついている投稿のほうが、ついていない投稿よりもインプレッション(表示回数)が増えやすい傾向にあります。新商品の画像や動画、オファー文面を画像化したものなどを用意しましょう。

    また、興味を持った人がより詳細の内容について知れるよう、ランディングページのURLも用意しておきます。

  • 04 投稿し、反応があった人には丁寧にコミュニケーションをとる

    反応があった方には「いいね」や返信を行い、次のアクションを後押しします。SNS上での活発なコミュニケーションは、アルゴリズムの評価で好影響を与えることもあるため、積極的にコミュニケーションをとりましょう。

  • 投稿のテンプレート

    ここからは、才流が作成したテンプレートに沿って解説します。基本の要素は①~③です。

    長文に寛容なFacebookやLinkedIn、Xの有料アカウントを利用する場合は、④投稿の背景、⑤個人的な想い、⑥顧客の声などを加えると、印象に残るメッセージとなります。もし仮説検証段階で体験した顧客がいれば、体験談や成果なども掲載できるとよりイメージがつきやすいでしょう。

    ①タイトル

    • 〇〇のお知らせ
    • 〇〇のご案内
    • 〇〇のリリース

    ②ターゲットとオファーを端的に説明する一文

    • 今回はXXの方に向けて、新商品のご案内です。
    • ~~の方におすすめコンテンツのご案内です。
    • 〇〇業界のモニター企業募集のお知らせです。
    • △△によって〇〇のお悩みを解決するサービスとして□□をリリース
      しました。

    ③次のアクションを促すCTA

    • ぜひリンクから(閲覧/お問い合わせ/フォームの入力)をお願いします。
    • お気軽にコメント、DMもお待ちしております。〜URL(※OGPを設定する)〜

    ④投稿の背景

    • 最近〇〇のお悩みを持つお客様から多くご相談をいただいています。
    • SNS上でも、~の課題をよく目にするようになりました。

    ⑤個人的な想い

    私自身、営業職のころには、みなさまと同じような課題を抱えていました。当時こんなサービスがあったら、もっと早くに成果を出せていたと思います。△△でお悩みの方は、ぜひ一度体験していただければ幸いです。

    ⑥顧客の声

    「~~で効率が悪い状態が続いていましたが、〇〇によって訪問件数が〇倍に増えました」

    以下は①~⑥の要素をふまえた文例です。

    例:AI活用支援のコンサルティングサービスの投稿文面(長文)

    【お知らせ】AI活用支援コンサルティングサービスのご案内

    今回は、業務効率化や生産性向上に課題を感じる中小企業の経営者・業務担当の皆さまに向けて、最新のAI技術を活用し、煩雑な業務プロセスの自動化・最適化を実現するためのコンサルティングサービスをリリースしました。

    最近、多くの企業さまより「属人的な作業や手間のかかる業務に悩まされている」というお声を伺い、実際に現場でも効率化の必要性が高まっていると実感しています。この課題解決のため、最新のAI技術を基盤とした支援策として、コンサルティングサービスを立ち上げました。

    ▼具体的なサービス内容

     ・業務プロセスの分析とAI活用提案

     ・ChatGPTなどのAIツール導入支援

     ・社内向けガイドライン策定

     ・従業員向け活用研修の実施

    ▼サービスサイトURL  

    私自身、かつては手作業に追われ、業務効率の低さに苦しんだ経験があり、その悩みを解消できるソリューションを求めていました。そんな経験から、AI技術の可能性に大きな期待を寄せ、今回のサービスには情熱を込めています。かつて自分が抱えていた課題を、少しでも多くの企業様に解決していただきたいと心から願っています。

    導入いただいたお客さまは「コンサルティングを受けたことで、業務プロセスが自動化され、作業時間を半分以下に削減。重要な戦略プロセスに集中できるようになった」(B社 経営者様)との声もいただいております。

    今なら【初回相談無料】のキャンペーン中です。ビジネスを次のステージへ引き上げるチャンスを、ぜひこの機会にご活用ください。

    Xの無料アカウントで投稿する場合は、1投稿140文字の制限があるため、最初の投稿のコメント欄に追加投稿してカバーします。

    例:AI活用支援のコンサルティングサービスの投稿文面(短文)

    ーー投稿①

    【お知らせ】

    「AIを活用してビジネスを加速させたいけれど、何から手をつけたらいいかわからない」そんな課題を抱える方に向けて、AI導入~運用までをトータルでサポートする新サービスを開始しました!業務プロセスのAI分析、社内向けガイドライン策定や研修設計などをご支援します。

    ーー①のコメント欄に投稿

    現在、【初回相談無料】を受付中です。AIによってビジネスを次のステージへ引き上げるチャンスを、ぜひこの機会にご活用ください。

    ▼サービスの詳細・お申し込みはこちら
    サービスサイトURL  

    実際の投稿もご紹介します。以下は、才流の社員が新商品リリースをお知らせしたXの投稿です。コメント欄を活用して投稿しています。

    投稿によるアプローチのFAQ(よくある質問)

    Q1.フォロワーが300名以下であれば、投稿しないほうがいいのでしょうか?

    SNS投稿は全件が表示されるわけではなく、フォロワー数が少ないとあまり効果が見込めないために目安の数字を設けました。しかし、300名はあくまでも目安です。フォロワー数が30名でも、ビジネス領域に非常に関心の高いフォロワーであれば、一定の効果が得られます。逆にフォロワーが1,000名いても、趣味の投稿でつながった人々であれば、効果は見込めないでしょう。

    Q2.投稿からのコンバージョン率は、どの程度見込めばよいでしょうか。

    フォロワーの属性やオファー内容にもよりますが、フォロワー300人の場合、目安は0.3~0.5%程度です。

    Q3.投稿に最適な時間はありますか?

    SNSは、投稿に対するユーザーの反応率(エンゲージメント率)が高いコンテンツを優先的に表示しています。そのため、見てほしいユーザーがいない時間帯に投稿すると、拡散しにくくなります。一般的には、就業時間を避け、昼の休憩時間や就業前後、夜の時間帯などが良いでしょう。LinkedInは他のSNSに比べて、就業時間に見られていることが多いとされているため、就業時間内に投稿してもよいでしょう。

    Q4.しっかりと伝えたいので、FacebookやLinkedInなどで長文の投稿を検討しています。文字数の目安はありますか?

    長すぎる投稿は読む人の負担になることがあります。就業時間以外のリラックスタイムに、タイムラインで2,000~3,000文字を熟読できる人はそう多くないでしょう。まずは伝えたいことを簡潔に、読みやすく、わかりやすい文章を作成することに注力することをおすすめします。

    【事例】β版のテストアカウント約100社をSNS経由で獲得

    実際に、新規事業の仮説検証や営業にSNSを活用した例を紹介します。

    以前才流で取材をさせていただいたヴェルク株式会社では、中小企業・個人事業主のための業務システムboardを開発した際、SNSを使って、β版を約100アカウントの方に使ってもらうことに成功しました。

    パブリックβ版の期間は3か月あって、100アカウントくらいの方に使っていただきました。直接の知り合いは20くらいで、基本的にはTwitter(※当時、現在はX)かFacebookで知り合いの方がシェアをしてくれて、そこから増えたという印象です。ランディングページのコピーの「バックオフィス業務のために起業したのではない」という言葉が、ベンチャーの経営者層に刺さったんじゃないかと思います。今はもう出してないんですが、当初はキーワードとして「受託特化型」と書いていたんです。同じ受託開発の方たちが興味を持って見てくれて、シェアしていただけたんじゃないかと思います。(ヴェルク株式会社 田向氏)

    ※出典:才流メソッド「boardは最初の100社の顧客をどのように開拓したのか?

    直接の知り合いは少なくても、見込み顧客に刺さるキーワードを盛り込むことで、シェアを拡大できた好事例です。

    記事のまとめ

    本記事では、新商品やサービスの認知拡大や仮説検証の際に、SNSのつながりを活用して見込み顧客へアプローチする方法をお伝えしました。

    新規事業には、予算や人手といったリソースの制約が付きものです。そんなときでもSNSをうまく活用すれば、低コストで短期に見込み顧客へアプローチできます。

    ぜひ本文中のテンプレートを活用し、取り組んでみてください。

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