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新規事業で最初の10社を獲得するための打ち手大全|フローチャート付き

新規事業開発
コンサルタント
細田 祐平

新規事業では、「最初の10社を獲得するのがむずかしい」という声をよく耳にします。たしかに、実績がなく、誰に売れるのかはっきりと分からない商品・サービスを売るのはハードルが高いものです。

才流(サイル)では、新規事業のマーケティングや市場調査もご支援しています。その経験から、最初の10社の獲得方法にはパターンがあることが分かってきました。

そこで本記事では、新規事業で最初の10社を獲得する際に有効な打ち手を解説します。自社の商品・サービスに適切な打ち手が分かるフローチャートも用意したので、あわせてご覧ください。

才流では「新規事業を立ち上げたが売れない」「新規顧客の獲得方法がわからない」企業さまを支援しています。新規事業でお困りの方はお気軽にご相談ください。⇒資料の無料ダウンロードはこちら

商品・サービスが企画段階であったとしても、まずは売ってみる

新規事業においては、商品・サービスを作ってから売るべきか、売ってから作るべきか悩むケースも多いと思います。商品・サービスがまだ企画段階であるにもかかわらず売りはじめるのは、リスクを伴う懸念があるからです。

しかし才流では、たとえ商品・サービスが企画段階であったとしても、まずは売ってみることをおすすめしています。理由は以下の3つです。

1.売れることが実証される

実際に見込み顧客に商品・サービスを売ってみることで、現実的に売れるかどうかの実証になります。商品・サービスを作ったにもかかわらず売れない状況に陥るリスクを低減できるでしょう。

企画やMVP(※)段階で商品・サービスが売れるかどうかを検証し、商品・サービスを作ったのに売れない状況を回避しましょう。

※MVP:Minimum Viable Product(ミニマム・バイアブル・プロダクト)の略。完成された商品・サービスではなく、顧客に価値を提供できる最小限の状態の商品・サービスのこと

2.商品・サービスを改善できる

実際に見込み顧客に対して商品・サービスを売ることで、さまざまなフィードバックが得られます。

たとえば営業をするなかで、見込み顧客が抱える課題が明らかになるでしょう。実際にMVPを提供すれば、商品・サービス自体へのフィードバックも得られます。

その結果、売り方や商品・サービス自体も改善され、より売りやすくなっていくのです。

3.導入事例が作れるようになる

実際に商品・サービスを売ることで、初期の事例を集められます。

イノベーター以降の層に商品・サービスを売っていくためには、必ず事例が必要になります。実際に商品・サービスを売ることができれば、事例の獲得にも貢献します。モニター価格でも構わないので、売っていきましょう。

最初の10社を獲得するための適切な打ち手が分かるフローチャート

では、最初の10社はどのように獲得すればよいのでしょうか。最初の10社を獲得するための打ち手は大きく分けて、以下の4つに整理できます。

  1. コネクション
  2. Web広告(リスティング広告、SNS広告)
  3. 展示会
  4. アウトバウンド営業

それぞれの打ち手の詳細は後述します。まずは以下のフローチャートを使って、自社の商品・サービスに適切な打ち手を確認してください。

なお、フローチャートの「検証予算」は、マーケティング予算として100万円程度の金額を想定しています。展示会に出展する場合はもう少し必要になる可能性があります。

最初の10社を獲得するための打ち手を選定するフローチャート。起点は「自社の商品・サービスカテゴリの月間検索ボリューム」。検索ボリュームが「1,000件未満」か「1,000件以上」かで分岐する。■1,000件未満の場合・「ニッチな市場」: → 打ち手は①コネクション、②アウトバウンド営業(特に注力)・「市場は大きいが潜在的」: → さらに検証予算の有無で分岐 - 予算なし:①コネクション、②アウトバウンド営業 - 予算あり:①Web広告(SNS広告を特に重視)、②コネクション、③展示会、④アウトバウンド営業■1,000件以上の場合・「商品・サービスに優位性がない/未検証」: → 打ち手は①コネクション、②アウトバウンド営業・「商品・サービスに優位性がある」: → 検証予算の有無で分岐 - 予算なし:①コネクション、②アウトバウンド営業 - 予算あり:①コネクション、②Web広告(リスティング広告を特に重視)、③展示会、④アウトバウンド営業補足:番号は優先順位、★は特に注力すべきチャネルを示す。
適切な打ち手は、自社の商品・サービスのカテゴリの月間検索ボリュームが1,000件以上あるかどうかで変わる

最初の10社を獲得するための主な打ち手

ここからは、最初の10社を獲得するための打ち手について、それぞれメリット・デメリットを交えて解説していきます。

1.コネクション

コネクションは、多くのケースで最初に選択すべき打ち手です。

既存顧客やハウスリスト、社員の知り合いから商品・サービスを導入してくれそうな人を探しましょう。チームでブレストを行い、リスト化し、知り合いの中から顧客になり得る人たちをピックアップします。

営業するのがむずかしそうな場合は、課題のヒアリング、もしくは事例化を前提にした無料モニターを打診するとよいでしょう。

メリット

  • 信頼関係があるため、顧客紹介や商品・サービスへのフィードバックなどの協力を得やすい

デメリット

  • 商品・サービスへのフィードバックがポジティブなものに偏ってしまい、検証不十分になる可能性がある

すでに関係性ができているゆえに協力を得やすい反面、商品・サービスへの本音やネガティブなフィードバックを引き出しづらいという弱点があります。

2.Web広告(リスティング広告、SNS広告)

商品・サービスのカテゴリについて月間検索ボリュームが1,000件以上の場合はリスティング広告、1,000件未満の場合はSNS広告を実施しましょう。

ちなみに、PR TIMESのようなサービスを使ってプレスリリースを打てば、潜在層とも接点をもてます。

メリット

  • コネクションがなくても売れることが実証できる
  • 低コストで始められる
  • クリエイティブや文言の検証ができるのでPDCAを回しやすい

デメリット

  • 少額ではあるものの、コストがかかる
  • 広告運用経験がない、少ない場合は実施のハードルが高い

実際にWeb広告を使って初期顧客を獲得したプロジェクトの事例もあります。詳細は以下の記事をご覧ください。実際に出稿した広告クリエイティブも掲載しています。

3.展示会

予算を確保できる場合に限られますが、展示会出展も有効な打ち手です。とくにWebで見込み顧客と接点をもつのがむずかしい商品・サービスの場合は、効率のよい打ち手となるでしょう。

メリット

  • 多くの潜在層と接点をもてる
  • 展示会会場で商品・サービスへのフィードバックが得られる
  • 潜在層のリードを一気に獲得できる

デメリット

  • 人的リソース、金銭的なコストがかかる
  • 商品・サービスによっては、見込み顧客が集まるイベントが存在しない場合がある

4.アウトバウンド営業

アウトバウンド営業(テレアポ・新規訪問など)は、初期フェーズにおいて難易度が高い手法です。しかし、ターゲット企業が限定的でコネクションがない場合には有効な打ち手となります。

メリット

  • 予算や既存のコネクションがなくても、即座に実行できる
  • Web広告や展示会では接触できない層へダイレクトにアプローチできる
  • 自社主導の能動的な働きかけで売れることを実証できる

デメリット

  • 約束していない訪問や連絡は、相手にネガティブな印象を与えるリスクがある
  • アプローチの質が低いと、企業のブランド棄損につながる可能性がある

アウトバウンド営業には、フォームやSNSを通じたダイレクトメッセージなども含まれます。これらの施策で前提となるのは、丁寧なコミュニケーションです。「最初の10社」からフィードバックを得るために、将来の顧客を失うことのないよう、相手の課題に寄り添ったアプローチを心がけましょう。

5.その他

ほかにも以下のような打ち手があります。必要に応じて取り組みましょう。

  • 見込み顧客が特定のエリアにいる場合は、ダイレクトメールやFAXを送る
  • 見込み顧客が大企業の場合は、顧問サービスや銀行のビジネスマッチングサービスなどを活用し、自社の商品・サービスを紹介してもらう
  • 商品・サービスのカテゴリやテーマに関連するイベントを開催し、Peatixのようなイベントプラットフォームを使って見込み顧客を集める
  • 見込み顧客が目にしやすいメディアを特定し、記事広告を出稿する
  • 交流イベントなどに参加し、顧客を紹介してもらう

最初の10社を獲得するときのポイント

ここからは、上で紹介した打ち手をより効果的に使うためのポイントを紹介します。

1.売り方を検証する

商品・サービス自体に興味があったとしても、実績のない商品・サービスを購入するのは顧客にとってはハードルの高い行為です。

買ってもらうことが難しい場合は、「どうすれば買いやすいか」を顧客にヒアリングしましょう。提供期間を短くしたり、導入規模を小さくしたりして買いやすい商品・サービスに調整することも大切です。

また、「売れる検証」を成立させるためにも、しっかりと対価をもらって価値提供できるように売り方を改善しましょう。どうしてもすぐの購入がむずかしい場合には、テストユーザーや相談相手として協力してもらう選択肢を持っておくこともおすすめです。

2.効率性を求めない

商品・サービスの売り方について、効率性を求めない、最初から型を作ろうとしすぎないことも大切です。売りはじめたばかりの商品・サービスは効率よくは売れません。なかなか売れないのが当たり前で、すぐに大きな成果は得られないものです。

営業目標の設定や、資料や営業トークの精度を上げるのに時間を使うよりも、まずは見込み顧客に接して、顧客理解を深めましょう。詳細は以下の「3.顧客の購買活動を理解する」で説明しています。

3.顧客の購買活動を理解する

営業活動がうまくいかない場合は、顧客が抱える課題や購買活動に関する情報収集を行いましょう。

見込み顧客が普段どうやって商品・サービスを探すのかをヒアリングする、同じような顧客をターゲットにしている商品・サービスがどのような営業活動を行っているのかを調査するのも購買活動を理解するのに有効です。

自信を持っているのに成果が出ない広告がある場合は、見込み顧客に見せて買いたいと思わない理由をヒアリングするのもよいでしょう。

※関連記事:見込み顧客インタビューのメソッド/進め方

4.アーリーアダプターを探す

新しいサービスを買ってくれる可能性の高いアーリーアダプターを探しましょう。

初期からリスクや実績を重んじる顧客を狙うとリードタイムが長くなり、営業やプロダクトの改善も進みづらくなります。

アーリーアダプターを探すときは、同じような業界向けの新しい商品・サービスを導入している企業を調べるのがおすすめです。近い領域の、新しい商品・サービスに関するプレスリリースや事例記事を調査してみましょう。

顧客を獲得できなかった場合にすべきこと

ここまで説明した内容を実践しても売れなかった場合は、売れなかった理由にあわせて以下のように対処しましょう。

理由対処方法
「売れるロジック」がない【不要】「売れるロジック」をつくる
導入が面倒【不適】手軽に導入できる商品・サービスを切り出す
バーニングニーズだけ解消する
実績・事例がない【不信】満足できない場合に返金対応する
別の商品・サービスで事例をつくる
今すぐ必要ではない【不急】顧客への伝え方を変える
時間をかけて商品・サービスを浸透させる
赤字で提供しても値段が高い現状では売れないためピボットを検討する
明らかに需要がない現状では売れないためピボットを検討する

※関連記事:売れるロジック

以下の記事では、各社が最初の100社を開拓した方法についてインタビューしています。ぜひあわせてご覧ください。

※関連記事:

fondeskは最初の100社の顧客をどう開拓したのか?

Bizerは最初の100社の顧客をどう開拓したのか?

boardは最初の100社の顧客をどのように開拓したのか?

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