新規事業におけるフィットジャーニーの初期段階、CPF(Customer Problem Fit)において行うのが課題探索インタビューです。顧客となりえる人の実態や課題を把握し、理解を深めることを目的に行います。
才流(サイル)では、初心者でもスムーズにインタビューを進められるよう、「課題探索インタビューテンプレート」を用意しました。本記事では、テンプレートの使い方を解説します。

※個人情報の入力は必要ありません。 クリックするとファイルがダウンロードされます。
課題探索インタビューのメソッドや進め方については、以下の記事で解説しています。
※関連記事:課題探索インタビューのメソッド/進め方
課題探索インタビューテンプレートについて
本テンプレートは「インタビュー企画シート」と「インタビュー設計・実践シート」の2つで構成されます。インタビューの企画段階から、質問の準備、メモに至るまで、課題探索インタビューの一連の流れをサポートする役割を果たします。
1.インタビュー企画シート
まず、インタビュー企画シートを使ってインタビューの実施目的や対象者、現状持っている仮説などを整理します。事前に方向性を明確にしておくことで、後のインタビュー項目がぶれにくくなり、必要な情報を得やすくなります。
(所要時間の目安:30〜60分)

2.インタビュー設計・実践シート
「インタビュー企画シート」で整理した情報をもとに、実際に聞く質問を追加・削除しながら、「インタビュー設計・実践シート」に具体的な質問内容を記入していきます。
(所要時間の目安:30〜60分)

本テンプレートが解決する課題
本テンプレートを活用すれば、インタビューでよくある課題や悩みを解決できます。
インタビューでよくある課題・悩み
- 最初の企画段階で何をどう決めればいいのかわからず、足踏みしてしまう
- インタビューの質問項目を一から考えるのが大変
こうした声は、新規事業開発やマーケティング戦略の立案を進める企業で頻繁に聞かれます。インタビュー対象者や質問項目を明確にしないまま始めると、集まった情報をいかしきれないでしょう。
本テンプレートで実現できること
- 目的の整理から質問設計までをスムーズに進められる
- 既存の質問項目を使うため、質問を追加・削除するだけで完成度の高い質問設計ができる
- インタビュー企画の初期段階で生じる迷いや、質問設計の負担を軽減できる
結果として、インタビューの準備が効率化され、顧客となりうる方の実態を深く把握できる可能性が高まります。
課題探索インタビューテンプレートをダウンロードする
「課題探索インタビューテンプレート」は、無料、かつ個人情報の入力なしで利用できます。
課題探索インタビューテンプレート(Excel形式)をダウンロードする※ クリックするとファイルがダウンロードされます。

課題探索インタビューのメソッドや進め方については、以下の記事で解説しています。
※関連記事:課題探索インタビューのメソッド/進め方
課題探索インタビューテンプレートの使い方
ここからは、課題探索インタビューテンプレートに含まれるシートの目的や役割、仕様について解説します。
それぞれにチェックリストを用意しているので、作業の抜け漏れを防ぎ、精度の高いインタビューを実現するためにも活用してください。
1.インタビュー企画シート
インタビューの実施目的や対象者、検証したい課題、仮説などを整理するためのシートです。
このシートを事前に埋めることで、よりスムーズなインタビューが可能です。

インタビュー企画シートは、横に入力欄、記入例、備考と並んでいます。備考には記入のヒントが書かれていますので、参考にしてください。
また入力項目は、以下のとおりです。
- インタビューの実施目的
- インタビュー対象者
- インタビュー対象者のセグメント
- インタビュー実施数
- 現状把握している情報
- 特に知りたいポイント
- 把握したい顧客の実態
- 現在持っている仮説
- キーとなる質問
すべての項目を記入したら、以下のチェックリストと照らし合わせて、入力内容が適切かどうかを確認しましょう。
チェックリスト
- 具体的な記述がなされているか(インタビュー対象者、把握している情報)
インタビュー対象者は、実際に候補者を十分に確保できるレベルで設定できているか(条件が狭すぎると対象者が見つからないことも考えられる)
仮説について、考えられるものがすべて挙がっているか
インタビューで確認したいポイントは必要十分な内容になっているか
2.インタビュー設計・実践シート
実際にインタビューを実施する際の質問内容を設計し、当日メモをするためのシートです。
インタビュー設計・実践シートは、インタビュー情報と詳細、入力欄、記入例と並んでいます。

インタビュー情報と詳細には、あらかじめベースとなる項目を用意しています。インタビューの目的に沿って質問の追加・削除を行い、インタビューで扱う大枠の内容を固める際に活用してください。
インタビュー情報 | インタビュー実施日 |
インタビュー時の動画URL | |
基本情報 | 氏名 |
性別/年齢(層) | |
職種/役職 | |
企業名 | |
サイトURL | |
業種 | |
売上規模 | |
その他(会社の特徴) | |
顧客の現状理解 (知りたい内容に応じて変更) 1つの質問を起点に深ぼる | どのような役割を担っているか? |
どんな体制で取り組んでいるか? | |
どれくらいのコスト(時間/工数/費用)をかけているか? | |
どういう流れで業務をしているか? | |
どんな課題があるか? | |
その課題に対して、現在どのような手段を取っているか? | |
現在の手段における問題はなにか? | |
優先順位付け | これまで出てきた課題の中で、最も重要なものは? |
その課題に対する今後の取組は?かけるコストは? | |
なぜこれまでコストをかけて取り組まなかったのか? | |
解決策の探索 | 今どんな解決策を考えているか? |
その課題解決をした他社の話を聞いているか?調査しているか? | |
解決に向けたアクションで何から取り組むか? | |
◯◯(新規事業の仮説)という方向性の検討はあるか? | |
メモ | インタビューを通じて知った参考情報 |
考察・解釈 | インタビューを通じて解釈した内容、発見した内容 |
すべての項目を入力したら、以下のチェックリストと照らし合わせて、入力内容が適切かどうかを確認しましょう。
チェックリスト
基本情報を事前にわかる範囲で埋められているか
- 特に知りたいポイント、把握したい実態について適切な粒度の質問項目か
- 「インタビュー企画シート」に記入した仮説を検証する質問項目があるか
- 時間配分のイメージはついているか
(例)時間配分
内容 | 時間配分 | 詳細 |
---|---|---|
アイスブレイク | 3分 | 挨拶、主旨の説明、簡単な雑談 |
現状理解 | 30分 | 顧客の状況を把握する |
優先順位づけ | 15分 | 現状理解で聞いた話から、課題をさらに深掘りする |
解決策の探索 | 10分 | 課題に対し、現在取り組んでいる解決策や行動を把握する 自社の新規事業の仮説をあててみる |
クロージング | 2分 | お礼、次につながる関係構築 |
記事のまとめ
本記事では、初心者でも簡単に課題探索インタビューを実施できるテンプレートを紹介しました。
課題探索インタビューテンプレート(Excel形式)をダウンロードする※個人情報の入力は必要ありません。 クリックするとファイルがダウンロードされます。
本テンプレートは、 「インタビュー企画シート」 と 「インタビュー設計・実践シート」 の2つで構成されています。
- インタビュー企画シート:実施目的や対象者、仮説などを整理し、方向性を明確にする。
- インタビュー設計・実践シート:質問内容を具体化し、当日のメモや振り返りに活用する。
課題探索インタビューのメソッドや進め方については、以下の記事で解説しています。本記事とあわせてご覧ください。
※関連記事:課題探索インタビューのメソッド/進め方