6月18日(木)・19日(金)、弊社初となるオンラインカンファレンス「BtoBデジタルシフト2020」を開催いたしました。当日は2日間で延べ2,000名を超える方が参加され、Twitterのタイムラインでは、多くの反響をいただきました。
まずはご参加の皆さま、運営にご協力いただいた皆さまに、御礼申し上げます。
このたび弊社がカンファレンスを開催した背景には、コロナ禍による企業活動の急激なデジタルシフトと、それに伴うBtoB営業・マーケ活動の変化があります。
- 「展示会などのオフライン施策が実行できない」
- 「営業電話をしても繋がらない」
- 「訪問営業できない」
弊社に寄せられる相談も「BtoBマーケティングのコンサルティング」から「BtoB営業・マーケティングのオンライン化支援」とビフォアコロナとは変化しており、多くの企業がテレワーク対応に苦慮している状況が明らかになってきました。
BtoB営業・マーケティングは、今何をすべきなのか。
この問いの答えを得るべく、カンファレンスでは10のセッションを実施。有識者に最新事情や具体的な施策などについて語っていただきました。
- 法人営業のデジタルシフト、マーケティングの仕組みづくりなどで課題を抱える企業の方
- 営業/マーケティングの最新事情を知りたい方
ぜひ参考になさってください。
また本記事では、弊社栗原のセッションレポートを最初にお届けいたします。その他登壇者はサマリーでのセッションのご紹介とSpeaker Deckによるスライド配布とさせていただきます。登壇者によるエンディングディスカッションは別記事にて後日公開いたします。
- BtoBデジタルシフトのこれから
- DXの本質と成果を出すマーケターのあるべき姿
- 小さなPDCAの回し方と才流から学ぶ運用【Sponsor Session】
- 米国マーケティングの最新事情
- After The MODEL インサイドセールスのこれから
- フルオンラインのBtoBマーケティング
- メールマーケティングのすべて
- オンラインで質の高いリードを獲得するために知っておきたい「ハイブリッド広告」最新事例と始め方【Sponsor Session】
- オンライン営業概論と先進企業の取り組み事例
- 変化の時代に生き残るオンラインセールス、成功のポイント
- 才流がわかる3点セット(会社概要・支援実績・サービスの特徴)をダウンロードする
BtoBデジタルシフトのこれから
登壇者:栗原 康太 @kotakurihara(株式会社才流 代表取締役社長)
セッション冒頭、栗原は最近よく聞かれる質問として、次の二つを紹介した。
- 「オンライン化、デジタル化はIT業界だけの話ですよね?」
- 「デジタルシフトって、何からはじめたらいいのかわかりません」
栗原によれば、まず一つ目の問いに対する答えは否である。
「購買担当者はオンラインで情報収集し、自分で購買の意思決定をしています。これはIT業界の商材のみならず、BtoBの商材全体に言えることです。トライベック・ブランド戦略研究所が毎年発表している『BtoBサイト調査』によれば、仕事上の製品・サービスの情報源の第1位はWebサイトとなっています。また米国の調査では、『購買プロセスの57%が営業担当者に会う前に終わっている』という結果も出ています。Self-Educating Buyersという言葉のとおり、まさに自分で学び、自分で購買を決めているのです」(栗原 康太)
一方で、多くの企業のWebサイトは、見込み顧客にとって十分な情報を提供できていないと栗原は指摘する。
- サービス内容が正しく伝わっているのか
- 提供サービスの範囲や費用はわかりやすいか
企業は見込み顧客の視点に立ち、サイト改善に望む必要があるだろう。
BtoB企業の多くは、いまだにオフラインの「営業マンファースト」な世界を生きており、購買担当者のデジタルファーストな世界に対応できていない。今後、20~30代のデジタルネイティブ世代が購買の意思決定に影響を及ぼす情報収集者であることを理解し、対応していく必要があると栗原はまとめた。
では、二つ目の問い「デジタルシフトは何からはじめればいいのか」。
多くの企業担当者は、以下の施策を思い浮かべるだろう。
- サイト改善
- コンテンツマーケティングの強化
- デジタル広告の出稿
- MA(マーケティングオートメーション)ツール導入
しかし栗原は、これらすべての前にやるべきたったひとつのことを提示した。それが「顧客理解」だ。
「弊社のセミナーに参加したマーケターに対して実施したアンケートでは、顧客の購買プロセスを理解している人は25%、見込み顧客にインタビューしたことがある人は21%しかいませんでした。つまり、BtoBマーケターのほとんどが見込み顧客のことを理解できていません。せっかくリードを獲得してもその後の動きで顧客とのギャップが生まれてしまうのは、顧客理解を怠っているためです」(栗原 康太)
才流のクライアントの中には、実際に顧客理解を深めることによって、以下のようなポジティブな成果が上がった事例もあったという。
- 受注率の向上
- 新しいチャネルの発見
- メッセージングの改善によるCV数増加
BtoBデジタルシフトの本質は、より良い顧客体験を提供するためのものであると栗原は語る。テクノロジーやツールは、カスタマージャーニーを理解するための手段なのだ。顧客体験の向上こそ、結果としてビジネスを成長させる。
顧客理解のために明日からできることについては、スライドの中でも紹介されているのでぜひ参考にしてほしい。
まとめ
- ビフォアコロナから顧客はオンラインで情報収集し、製品を買いたいと思っていた
- コロナ禍で一気にオンラインにシフトした
- 現状はWebサイトのコンテンツが不足し、サービス内容を適切に伝えられていない会社がほとんど
- ツール導入やオンラインマーケの前に、顧客理解を深めることが重要
(文/安住 久美子 @081123tadatama)
才流 栗原のエンタメコーナーでの紹介
栗原からの紹介は、書籍2つと映画1つと陶器のECサイト。
- 書籍『medium 霊媒探偵城塚翡翠』
- 書籍『言い訳 関東芸人はなぜM-1で勝てないのか』
- 映画『ANNA』
- カネコ小兵製陶所
特にカネコ小兵製陶所の陶器は栗原も愛用しているとのことです。
DXの本質と成果を出すマーケターのあるべき姿
登壇者:垣内 勇威 @yuikakiuchi(株式会社WACUL 取締役 Chief Incubation Officer)
- DXはスペースXではない
- DXに夢を見てはいけない。DXとは古臭い業務のコストカットである
- DXには定石がある
- Digital活用には長い歴史がある。定石を使えば回り道せずに済む
- デジタル専門部署がDXを遅らせる
- 本来はDXを推進するために生まれた「デジタル専門部署」がDXを妨げる
WACUL 垣内氏のエンタメコーナーでの紹介
垣内氏が紹介されたのは、東京メトロ丸ノ内線「茗荷谷駅」から徒歩3分に店を構える、和食や日本料理が中心の居酒屋「和来路 (わらじ)」。
垣内氏は「安い、旨い、速い」と大絶賛。庶民派との紹介通り、しっかりお酒と食事を愉しんでも3,000円〜4,000円とリーズナブルでお財布にフレンドリーです。
小さなPDCAの回し方と才流から学ぶ運用【Sponsor Session】
登壇者:川鍋 裕輔 @y_kawanabe(株式会社ベーシック SaaS事業部 マーケティング部 部長)、栗原 康太
このスポンサーセッションでは、ferret Oneを導入した才流のマーケティング成果向上事例を栗原による講演。その後才流 栗原とベーシックの川鍋氏によるトークセッションがあり、川鍋氏の講演へと続きました。
ベーシック 川鍋氏のエンタメコーナーでの紹介
川鍋氏が紹介されたのは、飲食店と書籍の2つ。
飲食店の紹介は、ベーシックのオフィスにほど近く、東京メトロ半蔵門線「半蔵門駅」近くに店を構える中華料理屋「北国の春」。
書籍の紹介はデービッド・アトキンソン氏の著書『日本企業の勝算』です。
米国マーケティングの最新事情
登壇者:戸栗 頌平 @ShoheiToguri (株式会社LEAPT 代表)
- 米国のデジタルシフトに対する考え
- 日米のマーケティングに対する土壌の違い
- 米国のトレンドから考える日本のマーケティング
LEAPT 戸栗氏のエンタメコーナーでの紹介
戸栗氏が紹介されたのは、二子玉川徒歩5分の昔ながらの定食屋「たぬき」。
戸栗氏自身が長年の行きつけのお店とのこと。また、漫画「ROOKIES」のメンバーもよく訪れていたそうです。
After The MODEL インサイドセールスのこれから
登壇者:茂野 明彦 @insidesales_job(株式会社ビズリーチ HRMOS事業部 インサイドセールス部 部長)
- インサイドセールスとは
- インサイドセールスの変化
- インサイドセールスの教育
- 栗原とのディスカッション
ビズリーチ 茂野氏のエンタメコーナーでの紹介
茂野氏が紹介されたのは、飲食店と「HRMOS」が主催するウェビナーの2つ。
紹介された飲食店は、茂野さんによると「世界一美味しいイタリアン」。東銀座に店を構える「ラ・ボッテガイア」です。
もうひとつは6月24日に開催されるウェビナー「HR SUCCESS Online」。
フルオンラインのBtoBマーケティング
登壇者:枌谷 力 @sogitani_baigie (株式会社ベイジ 代表取締役)
- BtoBのフルオンライン化
- 活動の前提
- ベイジの取り組み
ベイジ 枌谷氏のエンタメコーナーでの紹介
もとはというと、こちらのエンタメコーナーは枌谷氏の一声からはじまりました。そんな枌谷氏が紹介したのは、2つの飲食店。
ひとつは、自身が好きすぎてサイト制作、ブランド撮影のディレクションまで担当した四川料理「老四川 飄香(ピャオシャン)」
もうひとつは、枌谷さんによるとミシュラン星付きを超える青山のフランス料理店「ラ・ブランシュ」。「老齢なシェフが作り上げるフルコースは、前菜からデザートに至るまでのすべてがスペシャリテ」と枌谷氏は高い評価をされた。
メールマーケティングのすべて
登壇者:安藤 健作 @comune1128(株式会社ラクス MC事業部 部長)
- なぜメールマーケティングが注目されているのか
- メルマガとメールマーケティングの違い
- 必ず理解しなければいけない法律 〜特定電子メール法〜
- KPIに使用する用語解説
- メールマーケティングのすべて
ラクス 安藤氏のエンタメコーナーでの紹介
溢れ出るプロレス愛からか、安藤氏のエンタメーコーナーは「プロレス行こうぜ!」
「興行収入で成り立つプロレス、このStayHome期間にYouTubeで予習して現場に見に行きましょう」(安藤氏)
飲食店のご紹介は、新宿にあるスタッフ全員がプロレスラーの「エビスコ酒場」でした。
オンラインで質の高いリードを獲得するために知っておきたい「ハイブリッド広告」最新事例と始め方【Sponsor Session】
登壇者:瀧沢 貴浩 @080fe121(株式会社 キーワードマーケティング 取締役COO)
- まずは「今すぐコンバージョン広告」に投資する
- リード獲得には「ハイブリッド広告」を活用する
- 顧客との距離を意識したコンテンツを配信する
キーワードマーケティング 瀧沢氏のエンタメコーナーでの紹介
瀧沢氏が紹介されたのは、築地駅に位置する本社から徒歩5秒の場所に店を構える「天花そば」。
瀧沢氏によると、おすすめメニューは“15時過ぎに食べる”春菊天そばだそうです。ランチタイムは忙しさゆえ揚げたてが提供されにくいのですが、ピークタイムを過ぎると揚げたての春菊天を楽しめるのだとか。薄衣と芳醇な春菊の香りがたまらない一品だそうです。
オンライン営業概論と先進企業の取り組み事例
登壇者:西山 直樹 @nishiyama620(ベルフェイス株式会社 取締役)
- ベルフェイスとは
- オンライン営業とは
- 実施されている営業シーンとそのメリット
- オンライン商談の変遷
- 活用事例
ベルフェイス 西山氏のエンタメコーナーでの紹介
西山氏が紹介されたのは、武蔵溝ノ口駅から徒歩2分の居酒屋「鮒忠」。会社仲間、友達と宴をするのにもってこいのお店だそうです。
店主はThe人間味があり、名物は熊本から仕入れた馬刺し。
変化の時代に生き残るオンラインセールス、成功のポイント
登壇者:鈴木 淳一 @J_TheModel (株式会社セールスフォース・ドットコム 執行役員 セールスデベロップメント本部 本部長)
- 分業による変化に対応する
- 顧客中心の管理体制
- オンラインセールス体制の確立
- ビジョン、KPI
セールスフォース・ドットコム 鈴木氏のエンタメコーナーでの紹介
鈴木氏が紹介されたのは、農家や漁師など生産者とダイレクトで繋がることができるサービス「食べチョク」鈴木氏はこのStayHome期間にフル活用し、ホタテを5kgも注文されたとか。
2日間渡ってご参加いただいたみなさま、誠にありがとうございました。エンディングディスカッションのレポートは後日公開いたします。
才流では、定期的にウェビナー(オンラインセミナー)を開催しておりますので、ぜひご参加くださいませ。
(文・編集/中島 孝輔 @KosukeNakajima_)