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自社に合った新規リード獲得施策の見つけ方

BtoBマーケティング
コンサルタント
小島 瑶兵

新規リードの獲得を効率的に行うための考え方を3記事にわたって紹介する当企画。本記事では自社にあった新規リードの獲得を3パターンに分類し、それぞれのポイントを抑えて解説します。

新規リード獲得施策の優先順位をつけたい方、これからBtoBマーケティングに取り組みたい方は参考にしてください。

2021年11月に小島がマーケジンに寄稿した記事です。

※関連記事:検索されない製品・サービスのBtoBマーケティング#2
※関連記事:ターゲット企業が少ない製品・サービスのBtoBマーケティング#3
※関連動画:【企業タイプ別】3つのおすすめマーケティング施策

製品・サービスの特性によって成果が出やすい施策は異なる

「BtoBマーケティングを強化したい」「新規リードを獲得したい」という場合、一体何から始めればいいのでしょうか?

Webサイトの改善やWeb広告、SEOやウェビナーの実施など、施策ごとのノウハウや成功事例は大量に存在する一方で、その中から優先順位を付けるための考え方はなかなか見当たりません。

そこで本稿では製品・サービスの特性から新規リード獲得の方向性を3つに分類し、それぞれに合ったマーケティング施策をご紹介します。

新規リード獲得の方向性は3パターン

製品・サービスが「購買目的の検索がされているか」と「対象企業が幅広いか」の観点から、新規リード獲得の方向性を3パターンに分けることができます(図表1)。

図表1 新規リード獲得の方向性診断チャート

パターン1:Google/Yahoo!の検索から新規リードを獲得する

まず、第一の分かれ道は「購買目的のキーワードが検索されているか否か」です。GoogleやYahoo!で検索されていれば、検索面の露出拡大とWebサイト(LP)改善を行うことで、新規リードの獲得が見込めます。

たとえば、「経費精算システム」や「MAツール」などのキーワードは検索回数が多いため、これらの製品を取り扱っている企業は、検索面の露出拡大と、Webサイト改善に注力するのが良いでしょう。

パターン2:軸ずらし施策から新規リードを獲得する

一方で、明確な市場が存在しない新しい製品群や、対象となる市場が限定的な場合には、購買目的のキーワードがほとんど検索されていないことがあります。

対象となる企業が幅広い(目安:数千社以上)場合には、「軸ずらし施策」がポイントになります。「軸ずらし施策」とは、セミナーやお役立ち資料などのコンテンツを、商材が訴求したい軸ではなく、顧客の関心ごとに近い軸で作成したものです。

たとえば、スポットコンサルティングサービスを展開するビザスクは、大手企業の新規事業担当者にとって有益なセミナーやお役立ち資料を数多く公開しています。

パターン3:特定企業にピンポイントでアプローチする

購買目的のキーワードが検索されておらず、かつ対象企業が限定的(目安:数千社未満)な場合には、幅広くリード獲得を行うこと自体が非効率となります。

そういったケースでは、ターゲットとなる企業をバイネームで特定し、ピンポイントでアプローチする「ABM(アカウント・ベースド・マーケティング)」が有効になります。

たとえば、業界特化型や東証上位500社がターゲットとなる製品(サービス)を担当している場合には、幅広くリードを獲得するのではなく、狙った企業に対してピンポイントでアプローチする方が効率的です。皆様が担当している製品・サービスは、3つのうちのどのタイプでしょうか? 

実際には「購買目的のキーワードは少しだけ検索されていて、対象企業は幅広い」などといった複合的なパターンも数多く存在します。その場合には、「検索面の露出拡大&Webサイト改善」と「軸ずらし施策」を併せて検討することをお勧めします。

検索キーワード/検索回数の把握から始めよう

私がある製品・サービスの新規リード獲得に取り組むとき、最初に確認しているのが、その製品・サービスがどのようなキーワードで検索されているか、どのキーワードにどれくらいのボリュームがあるかということです。検索キーワードは、目的別に3パターンに分類することができます。

購買目的のキーワードで検索されていれば、「検索面の露出拡大」と「Webサイト(LP)改善」によって新規リードの獲得が見込めます。

一方で、情報収集目的のキーワードでは露出を増やしても新規リードにつながりづらい場合があるので注意が必要です。

情報収集目的の露出拡大そのものを否定しているわけではなく、情報収集目的の検索から新規リードの獲得を行う際には、CTA(コール・トゥ・アクション)の最適化や販売プロセスの階段設計など、他の要素を掛け合わせる必要があるという意味です。

実際に検索されている回数が知りたい場合は、Googleが提供している「キーワードプランナー」や、「Keyword Tool」などのツールによって調べることが可能です。

近年、BtoBの製品・サービスをWebで探しているケースは増加傾向にあります。

以下に例を示すように「経費精算システム」や「MAツール」といった多くの企業が導入・検討する分野だけでなく、「3DCAD」や「イメージセンサ」など、一部の業界で使われている製品群でも調べられています。

ちなみに私たち才流にとっての購買目的のキーワードである「BtoBマーケティングコンサル」は検索回数が非常に少ないこともあり、マーケティング活動において「検索面の露出拡大」はそこまで重要視していません。

必要な検索回数は競合性や目標のリード獲得数によって異なりますが、購買目的で検索している方は検討度合いが高く、リードを獲得できれば受注につながる可能性が高いので、担当されている領域の検索回数は一度確認してみることをお勧めします。

検索からリード獲得を目指す際のポイント

続いて、パターン1を採用しGoogle/Yahoo!の検索から新規リードを獲得しようとする場合のポイントをお伝えします。

(1)Webサイト(LP)を改善してバケツの穴を塞ぐ

露出を増やす前に、WebサイトやLPがきちんと選ばれる状態にして、バケツの穴を塞ぎましょう。検索のボリュームが多い場合には、検索キーワード別にLPを用意しても良いかも知れません。

(2)検索面の露出シェアを高める

あなたの担当する製品・サービスがWebで検索されている場合、重要なのは「検索面の露出拡大」です。検索広告への出稿、自社ドメインでのSEO、既に上位表示をしている比較サイトへの掲載などで、露出を増やしましょう。

ポイントは、「検索結果における自社関連情報のシェアを高める」ことです。広告だけ、自社ドメインのSEOだけでなく、複数の施策を組み合わせて、検索結果に占める自社製品の割合を高めましょう。

併せて認識しておきたい注意点

上述の対策と併せて、認識しておくことが重要な3つの注意点も挙げておきます。

(1)リード発生後のフォローが成果を左右する

購買目的で検索している方は、複数の会社に問い合わせや資料請求をしている場合がほとんどです。その場合、リード発生からフォローの電話(メール)対応のスピードや回数、内容によってアポイントの獲得率が大きく異なります。

たとえば、新規リード発生から1回目のフォロー電話を翌日から1時間以内に短縮することでアポイントの獲得率が2倍以上に向上したケースもあります。

(2)コンペで勝てる製品力・営業力が必要とされる

前出の通り、Webで探しているユーザーは複数社を同時に比較しているケースが多いため、競合製品と比較された際に選ばれる製品力や営業力が必要となります。

顧客の抱いている課題に対して、自社の製品・サービスは何が優れているのかを、顧客目線で伝える必要があります。

(3)競争が激化したら、認知施策を強化する

以前は効率よくリード獲得できていた企業でも、競合の参入が過熱するにしたがって、広告単価やSEOの難易度が上がってしまい、獲得効率が悪化してしまう場合があります。そういった場合には、認知施策の強化を検討しましょう。

たとえば、ネット印刷事業などを展開するラクスルは、50億円をテレビCMに投資して大規模な認知獲得施策を実施しています。

ここまで、新規リード獲得の3つの方向性、検索キーワードの分類、そしてGoogle/Yahoo!の検索から新規リードを獲得する際のポイントと注意点を解説しました。

BtoBマーケティングの強化に取り組む企業が増えている一方で、多くの企業が新規リード獲得に苦戦しています。その理由の1つには、そもそもWebで探されていないにもかかわらず検索対策を重視していたり、対象企業が限定的なのにもかかわらず幅広いリード獲得を目指していたりといった、成果の出づらい手法を選んでいることが挙げられます。

本稿がそういった失敗を回避し、自社製品・サービスに合ったマーケティング施策を見つけるヒントになれば幸いです。

まとめ

本稿でご紹介した購買目的の検索キーワードでリード獲得を行う手法は、新規事業や勝ちパターンが見つかっていない製品・サービスにもお勧めの手法です。

購買までのリードタイムが短いので、短期間で「本当に商談化するのか?」「実際に受注できるのか?」などの検証を行うことが可能です。また、どういったキーワードで問い合わせに至ったかを分析することで、顧客ニーズの把握にも役立ちます。

次回はパターン2にあたる、「軸ずらし施策」で新規リードを獲得していく方法について詳しくお伝えします。

※出典:MarkeZine / 公開日: 2021/11/29

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