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失敗しないデジタルマーケティング支援会社の選び方

BtoBマーケティング
CMO兼マーケティング部門長
松下 雅征

こんにちは。
才流の松下(@msykmatsushita)です。

デジタルマーケティングに注力していくため、デジタルマーケティング支援会社に依頼したけれども、

  • 「期待よりも成果が出ない
  • 「想定よりも自社の工数が多くて大変
  • 「担当者の業務が不透明かつレスも遅くて不安

など、当初の期待とギャップが生じる結果になってしまったことはないでしょうか。

そこで本記事では、企業規模は中小から大手まで、業界も多様な10名以上のBtoB事業の決裁者にインタビューし、失敗しないデジタルマーケティング支援会社の選び方を伺いました。

インタビューした方々の数々の経験を通じて明らかになったことは、失敗しないデジタルマーケティング支援会社の選び方には共通点があるということ。本記事では10名へのインタビューをもとに、デジタルマーケティング支援会社への

  • 発注理由
  • 具体的な発注内容
  • 発注後のよくある失敗
  • 発注先企業の選定方法

などをまとめて紹介します。

これからデジタルマーケティングに取り組む企業様、すでに取り組んでいるが発注先の変更を検討されている企業様は本記事を参考にしてみてください。

※なお、本インタビューではデジタルマーケティング支援会社のうち、以下の企業への発注経験を中心に話を伺いました。

広告代理店、Webサイト制作会社、クリエイティブ制作会社、ツール(MAやSFAなど)提供会社、イベント主催及び制作会社、マーケティングデータの調査会社 など

目次

デジタルマーケティング支援会社に発注する理由

第1位:マーケティングの全体像が不明で、何をやるべきかわからない

  • 売上や業績を高めたいが、具体的な方法は不明
    • とりわけ新規顧客の獲得につながる「問い合わせ」や「資料請求」の数を増やしたいが、そのためのマーケティング施策が不明
  • デジタルシフトの必要性はわかるが、そもそも何から手をつければいいか不明
  • マーケティングの機能が社内になく、専門家(ノウハウ)が不在

第2位:社内のリソース不足で、人手が足りない

  • 社員は本業のコア業務に忙しく、マーケティング業務まで手が回らない
  • 新しい役割を増やしたり、評価制度を変更したりするための社内調整が困難で、社内でマーケターを配置できない
  • 現状の社員のスキルと求めるマーケターのスキル要件に大きな差があるため、社内でのマーケター育成が難しい

第3位:マーケティング施策が散漫で、精度が低い

  • 広告運用ができる人、ランディングページ制作ができる人はいるので、とりあえず施策を実施している。しかし、広告を配信するだけ、ランディングページをつくるだけになってしまい、それぞれの施策精度は低い
  • 広告運用やサイト制作など各領域ごとに担当者はいるが、領域横断でマーケティング戦略の全体像を描ける人が不在
  • 現状の施策では不十分と感じてはいるが、次に何をすべきか不明

第4位:顧客情報が未整備で、うまく活かせていない

  • 設立年数が一定以上ある企業ほど、顧客情報は豊富だが効果的に活かしきれていない
  • セグメント別の商談数/受注率/受注単価などが把握しきれていないため、数値に基づく施策を実行できていない
  • 営業パーソンが蓄積したデータを活用しておらず、生産性向上につながっていない

デジタルマーケティング支援会社に発注後、不満になりやすいこと

担当者が受け身で御用聞き

  • 指示した業務はやってくれるが、目的や未来を見据えた提案がない
  • 自社に寄り添う、親身な姿勢が感じられない
  • 他社事例を踏まえた、業界を俯瞰した提案がない
  • スケジュールありきの進め方ばかり提案される

担当者からのレスが遅い

  • 担当者が案件を抱えすぎて、なかなか気軽に相談できない
  • 相談しても、返信がくるまで時間がかかる

担当者がいつも何をしているかわからない

  • 定例会の直前まで、何も連絡がない
  • 毎回の定例会で、同じような内容ばかり提案される

担当者によって対応クオリティの差が大きい

  • 営業は良かったけど、ディレクターがいまいち
  • ディレクターは良かったけど、制作がいまいち

想定以上に自社の工数がかかる

  • 自社で修正を何度も入れなければならない
  • 確認の回数や工程の出戻りが多い

提出された資料やレポートがわかりにくい

  • マーケティングに精通する人じゃないと、内容を読み解けない
  • 内容は何となくわかるけど、具体的なアクションにつながらない

プロジェクト進行やPDCAの精度が低い

  • スケジューリングが大雑把で、行き当たりばったりな提案が多い
  • PDCAを日や週単位で回したいが、月単位でしか回せない

デジタルマーケティング支援会社の見つけ方

自分の経験に頼る

  • 過去の経験上、品質の高かった会社に再度依頼
    • 高額商材や大手企業の担当者は、特にこの傾向が強い
    • 「失敗できない」というプレッシャーが強いほど、自分の経験をもとに判断する場合が多い

信頼する人から紹介をもらう

  • 自分の経験から目ぼしい発注先が見つからない場合、社内や知り合いに紹介を依頼
    • 特に大手企業の場合、人数も多いため社内に聞けば見つかるケースが多い
    • 今回インタビューした方々の話によると、実際に発注を決めた会社を見つけたきっかけは「自分の経験」と「信頼する人からの紹介」が90%以上

指定代理店のなかで探す

  • 外資系企業の場合、グローバルで代理店が指定されていることが多い
    • この場合は、本社から指定された会社の中から発注先を選ぶ
  • 一方、ローカルの責任者が「ローカルで発注先を選んだ方が良い」と判断をして、ボトムアップで提案し、指定外の会社に依頼するケースもある

インターネットで検索して探す

  • GoogleやYahoo!などの検索エンジンを利用して、自ら検索して探してみる
    • 1~2ページ目あたりで表示された、目ぼしいところに声をかける
  • 一方で「自分の経験」や「信頼する人の紹介」で発注先のあたりをつける人が多いので、インターネット検索の場合は相見積・コンペに呼ぶための会社を探している場合もある

直近で営業を受けた企業を思い出す

  • 発注先を探そうと思った際、自分の名刺を見返すパターンもある
  • インタビューを受けた方の中には、過去に参加したイベントで名刺交換した人、営業を受けた人などを思い出して問い合せをする方もいた

失敗しないデジタルマーケティング支援会社の選び方

発注候補先の過去実績をみる

  • 公開されている事例の数をみる
  • 自社と同じ規模や業界での事例を確認する

発注候補先からアウトプットのサンプルを出してもらう

  • 納品物が明確な場合には、他社のレポートや制作物などを見せてもらう
  • レポートの中身はもちろん、レポートにバグがないか、デザインが綺麗かどうかを確認するパターンもある

発注候補先の担当者を指名する

  • 評判の良い担当者を指定する
    • 会社によっては担当指定は難しい場合もある

自社で丁寧にRFP(提案依頼書)を作成する

  • 工数はかかるが、きちんとRFP(提案依頼書)を作成することで、初めて依頼するデジタルマーケティング支援会社でも良い提案をもらえることがある

デジタルマーケティング支援会社への発注内容

認知拡大目的のマーケティング施策

  • テレビCM、交通広告、大規模イベント(展示会)への出展など
  • 最も多くの予算が使われる施策の1つ

リード獲得目的のマーケティング施策

  • 広告出稿、Webサイト改善、広告配信用のコンテンツ制作など
  • ハウスリスト数が多くない企業の場合、もっとも多くの予算が割かれる場合もある

リード育成・活用目的のマーケティング施策

  • MAやSFAの活用、デジタルコンテンツ(営業資料、事例などを含む)への投資など
  • 設立から一定の年数が経ち、顧客接地面が多い会社は注力するケースが多い

市場調査・マーケティングリサーチ

  • アンケート調査やインタビュー調査など
  • 事業会社が直接依頼するパターンや、広告代理店が顧客へサービスを納品するために依頼するパターンもある

まとめ

ここまで、10名以上のBtoB事業の決裁者にインタビューをした結果をもとに、デジタルマーケティング支援会社の見つけ方や選び方などを紹介してきました。

インタビュー結果を踏まえて、これからデジタルマーケティングに取り組む企業様、すでに取り組んでいるが発注先の変更を検討されている企業様が、発注前に取り組むべきことを2つあげさせていただきます。

1つ目は、自社の現在地を明確にすることです。マーケティング施策は手段であり、施策を成功に導くには目的や課題の明確化が求められます。

  • なぜデジタルマーケティングに取り組みたいと考えるのか
  • 自社の課題はどこにあるのか
  • 自社の目指したい未来を実現する上で、自社の現在地はどのあたりなのか

まずは上記のクエスチョンに対するアンサーをを明確にすることで、「何を発注すべきか」といった発注内容が明確になります。

2つ目は、発注先の選定基準を、定量及び定性の両面から言語化することです。発注内容が決まると「どこの会社に発注するか」の発注先候補を考えます。

RFPで盛り込む内容は、主に課題、予算、目標KPIなどの定量的、具体的な内容が一般的です。定量内容に加えて

  • どのような姿勢を発注先の担当者に求めるか
  • このプロジェクトをどんなものにしたいと考えるか

といった定性的、抽象的な内容もRFPに盛り込んでみてください。

プロジェクト開始後、多くのBtoB事業の決裁者が「自社のこだわりポイントがすり合うまで時間がかかる」と口を揃えます。この定性的な基準がすり合わないことが不満に繋がっています。

たとえ抽象的な内容でも、あらかじめ言語化して伝えることで、プロジェクト開始後に自社のこだわりポイントが発注先とすり合う時間が短くなるはずです。

本記事が、これからデジタルマーケティングに取り組む企業様、すでに取り組んでいるが発注先の変更を検討されている企業様にとって、少しでも役に立てば幸いです。

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