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切り返しトークの作り方【応酬話法ワークシート付き】

法人営業
才流コンサルタント
宮戸 章光

顧客の反応に対してうまく切り返すトークのテクニック「応酬話法」。商談を着実に前に進めるべく、応酬話法を活用したトーク集や想定問答集をつくっている企業も多いと思います。才流(サイル)でも以前、全89個の切り返しトークを公開したところ、大きな反響がありました。

しかし、切り返しトークは不変のものではありません。商品・サービスはもちろん、環境の変化や事業のステージに応じて磨いていく必要があります。そこで切り返しトークを作成し、アップデートしていくためのワークシートを用意しました。

本記事ではワークシートの使い方とともに具体的な例を用いて、効果的な切り返しトークの作り方を解説します。

また、才流では「顧客からうまくトークを切り返せない」「商談の成功率を上げたい」企業さまを支援しています。営業活動でお困りの方はお気軽にご相談ください。⇒サービス紹介資料の無料ダウンロードはこちら

応酬話法ワークシート(Googleスプレッドシート形式)を開く

※個人情報の入力は必要ありません。クリックするとフォーマットのコピーができます。

※関連記事:顧客からの問いや反論に切り返すためのトーク集

応酬話法ワークシートを使う目的と運用ルール

はじめに、応酬話法ワークシートを使う目的と運用ルールから説明します。

応酬話法ワークシートは組織で切り返しトークを作成、アップデートするために使います。切り返しトークは作って終わり、ではなく環境の変化や事業ステージに応じてアップデートしていく必要があるからです。また、反論のパターンは限られてくるため、個人で知見を蓄積するのではなく組織で取り組むことも大切です。

効果的な切り返しトークを作成するために、以下の3つのルールに則って運用していきましょう。

  1. 商談のたびに質問・反論を応酬話法ワークシートへ追加する
  2. 個人の主観を排除し、組織で合意を得る
  3. 四半期ごとに応酬話法ワークシートの内容を見直す

応酬話法ワークシートの使い方

ここからは、応酬話法ワークシートの具体的な使い方を説明していきます。

応酬話法ワークシートは以下の9つの項目で構成されます。

  1. 商談プロセス
  2. パターン
  3. 頻度・重要度
  4. 状況・反論
  5. 背景・目的
  6. 切り返しトーク
  7. 文脈・意図
  8. エビデンス・事例

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A列:商談プロセス

切り返しトークを使用する主なタイミングを整理するための項目です。

すべての商談プロセスで使える「共通」に加えて、「アプローチ」「ヒアリング」「プレゼン」「クロージング」の合計5つの種類があります。

たとえばヒアリングの場面で使う切り返しトークを作成する場合は、A列が「ヒアリング」の部分に行を新規追加してください。

B列:パターン

切り返しトークが使われる場面や種類を整理するために使います。入力すべきキーワードは、事業や商品・サービスによって異なります。

たとえば営業研修の企業であれば、「カスタマイズ」「商材が特殊」といったよくあるキーワードを入れます。ワークシートに記入例として入力しているBANTCH(※1)や4つの不(※2)などが有効なケースもあるでしょう。

どんなキーワードで管理するのが有効なのか、社内で検討してみてください。

※1 BANTCH(バントチャンネル):Budget(予算)、Authority(決裁者)、Needs(ニーズ)、Timing(検討時期)、Competitor(自社の競合相手)、Human resources(組織の人員体制)の略

※2 4つの不:顧客が検討を止める理由(営業上の壁)を以下の4分類(4つの不)で整理し、それぞれに対策を用意するメソッド

C列:頻度・重要度

すべての切り返しトークを覚えることはできないため、C列で使用頻度を定義し、優先順位を整理します。

使用頻度は高・中・低で分けています。高と中は各2個まで、それ以外は低とします。自分の経験だけでなく、同僚や上司の意見も参考にするとよいでしょう。

D例:状況・反論

顧客からよく聞かれること、営業として回答に困る質問などを入力します。

まずは営業全員で、商談のたびに気になったものをひたすら入力するルールにするのがおすすめです。

E列:背景・目的

顧客の反論の背景・目的を入力します。切り返しトークを作成する際の重要な要素のひとつです。

たとえば一口に「高い」といっても、予算に対してなのか、競合と比べてなのか、機能を考慮しての判断なのか、それとも単に値下げしたいだけなのか、さまざまな背景や目的が考えられます。「忙しい」も同様です。本当に忙しくて時間がないのか、それともただの断わり文句なのか、さまざまなケースがあるでしょう。

まずは会話の文脈から仮説をたて、難しい場合は周囲に相談しながら考えられることを追加していきましょう。

F列:切り返しトーク

E列で整理した背景・目的に基づいて、切り返しトークを作成します。切り返しトークを作成するときのコツは、以下のステップでストーリーを構成することです。

  1. 顧客の反論の背景・意図について仮説を持つ(=E列)
  2. 自社が誘導したいゴールを明確にする
  3. 顧客に配慮した言い回しになっていることを確認する

また、まずは「そうですよね」「おっしゃるとおりです」と顧客の発言を受け止める姿勢を見せましょう。

G列:文脈・意図

作成した切り返しトークの意図を記入します。

文脈・意図の例(「忙しい」と言われた場合)

興味がないから適当な理由で断っている→興味がないということは興味喚起が必要、かつ早く切り上げたいはずなので端的に伝えることが重要→しかも断られているので強行突破は逆効果。一旦引いた態度を示す必要がある

トークだけを真似していては、顧客の心証が悪くなってしまうケースがあります。作成されたトークには、それぞれ文脈や理由、目的があるもの。トークの背景や目的を理解することで、正しい言い回しや臨機応変な対応ができるようになります。

詳しくは、このあとの「切り返しトークの例と背景にある考え方」で例文を用いて解説しています。

H列:エビデンス・事例

エビデンスや事例を入力します。必須項目ではありません。

たとえば顧客に「最安値で探している」と言われた場合、すぐにエビデンスや事例を添えて自社が最安値であることを示す必要があるでしょう。その際に参照すべき資料を明確にしておけば、営業全員が効率的に営業活動をできるようになります。

なお、事例を作成する際は以下の記事を参考としてご覧ください。

※関連記事:商談トークで使える「営業部の共有用|顧客事例シート」

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切り返しトークの例と背景にある考え方

応酬話法ワークシートでとくに重要なのが、G列の文脈・意図です。ここでは参考として、切り返しトークの例と背景にある意図や考え方を紹介します。

応酬話法ワークシートの中にも記入例として入れています。ぜひあわせてご覧ください。

「忙しい」と言われた場合

トーク①「お忙しいところ失礼しました。ご都合の良いタイミングで、改めて連絡させていただいてもよろしいでしょうか。連絡のつきやすい時間帯を教えていただけませんでしょうか」

トーク②「お忙しいところ失礼しました。近年話題となっている〇〇の最新情報や御社の業界の事例について、要点のみ説明させていただきたいのですが、5分ほどお時間をいただけませんでしょうか」

「忙しい」には、時間があれば話は聞きたいが今は本当に忙しいという場合と、断わり文句の場合があります。いずれにしても、強引に突破することは避けましょう。仮に話を聞いてもらえたとしても、信頼が損なわれ、今後の商談に支障をきたす可能性があります。

顧客が興味を抱くような理由を端的に述べたうえで、「10分だけ」「後日改めて」などと一歩引いた要望に切り替えましょう。顧客にとって有益な情報があり、なおかつ状況に配慮した姿勢だと感じてもらえれば、話を聞いてもらいやすくなります。

ニーズや課題を聞き出したい場合

トーク③「現在、すでに取り組みをされているかと思いますが、状況はいかがでしょうか(なぜ解決できないのでしょうか)」

トーク④「御社が現在、最も実現させたいことで、実現できていないことは何でしょうか」

③は顧客も答えやすい質問です。顧客が現在取り組んでいることは、優先的に解決したい課題であるはず。進捗が芳しくないのであれば、理由や背景をヒアリングしていきましょう。

一方、課題ではなく理想について尋ねるのが④です。

顧客の課題認識が希薄、言語化できていないといったことはよくあります。その状況でヒアリングを進めても、真のニーズはつかめないでしょう。しかし実現したいことであればクリアに描けている可能性が高いです。

たとえば「売り上げを10%増やしたい」「業務の効率化を図りたい」といった実現したいことの阻害要因が課題です。顧客が実現したいことを確認し、逆算思考で課題を抽出しましょう。

「高い」と言われた場合

トーク⑤「何と比較して高いと思われますでしょうか」(利用中の商品、代替品、競合、予算、機能など)

トーク⑥「たしかに競合より多少割高ではありますが、御社の課題を最も解決することができるのは、弊社です」

高いと言われた場合は、比較対象を把握することが重要です。比較対象には現在利用中の商品・サービスや競合、代替品、予算、機能などさまざまなものがあります。⑤を使って比較対象を明確にし、その後の商談を正しく推進しましょう。

比較対象が判明し、明らかに自社の商品・サービスが高額だった場合は、⑥を使って顧客の目的にフォーカスします。商品・サービスの購買は目的を達成するために行うものですが、顧客もつい価格にだけ目が向いてしまう傾向があるからです。顧客が最も重要視すべきことを確認しましょう。

※関連記事:顧客からの問いや反論に切り返すためのトーク集

まとめ

応酬話法ワークシートでは、切り返しトーク(F列)と文脈・意図(G列)がとくに重要です。日々の営業活動で状況・反論(D列)を収集し、組織として定期的に整理してください。

収集と整理を繰り返すことで、ヒアリング時に顧客の心理を理解できるようになったり、営業スキルの向上につながったりします。営業パーソンとしての成長にも大きく寄与するでしょう。

また、当たり前のことですが、ワークシートに入力するだけでは切り返しトークは使いこなせません即座に切り返すことができるよう、ロープレにもしっかり取り組んでおくことが大切です。ぜひ以下の記事も参考としてご覧ください。

※関連記事:営業ロープレの正しい運用方法【評価シート付き】

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