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FAXのDM送信で成果を出すためのチェックリスト

マーケティング活動をしていると、オンライン施策で成果を出せない、もしくは出にくい業界があります。

「メールアドレスの獲得が困難、メールDMが読まれない、テレアポでも突破できない......」

どうすれば見込み顧客の手元に情報を届けられるのか、課題を抱えている方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、オンライン施策で情報を届けにくい業界やエリアの顧客に向けた「FAXDM」について解説します。相性が良い業界は、製造業、建設業、不動産業、コンサルティング、介護業、病院・薬局、飲食業、人材関連業などです。

※本記事は、FAX DMや営業電話代行のクラウドサービス「NetReal+」を提供する、NetReal株式会社 室木 輝彦様に監修いただきました。

本記事の内容をまとめたチェックリスト資料もダウンロードできます(Word形式)
※個人情報の入力は不要です。

目次[非表示]

  1. 1.送るべきFAXDMチラシはどのようなものか?
  2. 2.実践事例
  3. 3.FAXDM施策設計のチェックリスト
    1. 3.1.目標設定
    2. 3.2.ターゲット設定
    3. 3.3.ヘッドライン(タイトル)設定
      1. 3.3.1.「~の方法」
      2. 3.3.2.「もし~ならどうしますか?」
      3. 3.3.3.「なぜ~なのか?(どうして~なのか?)」
    4. 3.4.CTA設定
    5. 3.5.予算の確保
  4. 4.チラシ作成のチェックリスト
  5. 5.目的別の4つのテンプレートをダウンロードできます
  6. 6.配信結果に対するフォロー対応
    1. 6.1.送信成功先
    2. 6.2.送信失敗(宛先間違い、宛名不明など)
    3. 6.3.受け取り拒否
    4. 6.4.クレーム電話
  7. 7.さいごに
    1. 7.1.監修協力者

送るべきFAXDMチラシはどのようなものか?


FAXDMチラシのサンプル1

資料提供:NetReal様

まず、FAXDMのチラシ作成のポイントを凝縮したサンプルをご紹介します。ポイントは次のとおりです。

  • 誰に読んでほしいのかを書き、ターゲットを絞る
  • キャッチコピーの部分は二重線や黒線(少し目立つ太い線)で囲み、視線が向くように目立たせる
  • リード文はAIDAの法則に沿い、「Attention(注意)」と「Interrest(興味を引く)」を意識して記載する
  • お客さまの声を入れることで、信頼性を生み出す。第三者の証拠を出すことが重要
  • なぜ選ばれるのかを書くことで説得力が増す
  • 特典を白抜きにして目立たせる
  • FAXの返信番号は大きめにする
  • 返信欄は少し大きめに作り、書きやすいように配慮する
  • 申し込み期限を入れて行動を促す
  • 以後配信不要の欄を設ける。お客さまからのクレームを防ぐために必ず入れる

実践事例


事例1:セミナー申込み
大手コピー機器販売会社で約10,000件のFAXDMを配信し、自社セミナーの集客を実施。約40件の参加申込みを獲得した。

ターゲット:既存顧客と見込み顧客業種
リスト:持ち込みとレンタルを併用、
配信時期:セミナー開催1ヶ月前(その後、フォローコールを実施)

この事例の獲得率約0.4%は高い水準ですが、既存顧客のリストも含まれている点と、フォローコールを実施している点の考慮が必要です。

純粋な新規リストに対するFAX DMで、フォローをしない場合の反応率は0.1%程度が一般的です。

FAXDMチラシのサンプル2

事例2:不動産業界の法人営業DM
不動産客付け会社様で、約250件の見込み顧客リストに対して不動産物件の紹介をFAXDMを配信。問い合わせ30件、申込み6件、クレーム2件という結果に。

ターゲット・リスト:対象エリアなどを絞り込んだ約250件の見込み顧客リスト

件数は多くありませんが、かなり絞り込んだ施策のため反応率が12%と非常に高くなっています。対象を絞り込み、ターゲットに合った訴求内容で届けた成果が明確に表れています。

クレーム率が0.8%というのは高い印象ですが、こちらも件数を絞り込んでいる影響と考えられます。(一般的なクレーム率は0.01~0.1%程度)

事例3:美容院向けの法人営業DM
Web制作会社で、美容院向けの新規開拓のためにFAXDMを配信。12件のお問い合わせを獲得(反応率0.24%)、クレームが20件という結果でした。

ターゲット・リスト:東京の5,000件のリストを一部持ち込み、一部レンタルリストを使用

配信コストが45,000円だったため、1件のお問い合わせ獲得単価が3,750円というのは割安と言えそうです(チラシの制作費用、リストの費用除く)。一方でクレームは20件と数は多いですが、比率としては0.4%になりますので事例2より低い水準です。

FAXDM施策設計のチェックリスト

ここからは、FAXDM施策を設計するための具体的な流れを解説します。

目標設定

まずセミナー集客、問い合わせ獲得、デモ依頼など配信する顧客に期待するアクションを決定します。

一般的にFAXDMで新規のリストに対して配信した場合の反応率は0.1〜0.3%程度と言われているので、獲得したい件数から逆算し、送信通数を算出します。

例えば30件のセミナー集客を集めたい場合は、申し込み率が0.1%とすると30,000件のリストが必要になります。(すべてを新規リストに対してFAX DMから集客する場合)

ターゲット設定

相性が良いと言われる業界は前述のとおり、製造業、建設業、不動産業、介護業、病院・薬局などがありますが、さらに詳細のターゲット設定を行うと効果的です。

事例2では高い反応率(12%)となっていますが、これもエリア、ターゲットの属性をかなり絞り込んだためです。

例えば「歯医者のみなさまへ」ではなく「歯周病学会のみなさまへ」など、絞れるだけ絞った方が、FAXを受け取った方は自分ごととして感じやすくなります。

一方でターゲットを絞るとリスト数も減るので、狙いたいターゲットを分解し、それぞれに対してメッセージを作ると考えておいたほうが良いでしょう。

ヘッドライン(タイトル)設定

ヘッドラインとはFAXDMのタイトルのことです。DMを読んでもらうためには、冒頭の言葉で興味を持ってもらうことが非常に重要です。NetReal室木様によれば、ヘッドラインの成功パターンは次の3つです。

  • 「~の方法」
  • 「もし~ならどうしますか?」
  • 「なぜ~なのか?(どうして~なのか?)」

「~の方法」

「~の方法」とは、主に情報商材やシステム、サービスを販売するときによく使われるフレーズです。

例:「営業を効率的に仕組化する方法」「マーケティングを成功させる方法」

このヘッドラインは昔から使われているもので、どのキャッチコピーの本にも必ず出てくるような鉄板の言葉です。

『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』という本のタイトルは、「~の方法」の応用だと言えます。悪い状況から良い状況に好転したギャップを利用し、好奇心を持ってもらう仕掛けです。

「もし~ならどうしますか?」

「もし、すばやく売り上げを2倍にできるとしたらどうしますか?」
「もし、効率的にDMを出して反応が2倍になったらどうしますか?」

このような形式で「~」のところに、現実ではありえないような可能性が低いことが書かれていると、人は惹きつけられやすいものです。

「本当かな?」という疑問を持ち、本文も読みたくなるという心理です。「どうしますか?」と聞かれることで、読んだ人はイエスかノーでは答えられず、立ち止まって考えざるを得ないという効果があります。

「なぜ~なのか?(どうして~なのか?)」

「なぜ、営業マンはすぐに売ろうとするのか?」
「なぜ、この会社はこんなに短期間で売れるのか?」

など疑問に思いそうなことを書いて惹きつけます。

これはよく本のタイトルになっていることが多いです。これも人が「えっ!」と思わせるような疑問が書かれていると続きを読もうという心理になることを活用しています。

CTA設定

問い合わせ、セミナー申し込み、資料請求、デモ機申し込みなど様々なCTA(Call To Action)がありますが、なるべく販売から遠く、申し込みのハードルが低いCTAに設定することが望ましいです。

才流でいう「階段設計」の手前の部分です。最終的には販売を目的としていますが、階段の手前でCTAを設定し、営業が電話でフォローして商談に導くなど、段階的な設計にしておくことが効果的です。

階段設計の図

※出典:『階段設計』のメソッド

また、返信方法は電話あるいはFAXが効果的です。QRコードからウェブに誘導する方法もありますが、手間がかかるので離脱する可能性が高くなります。さらに、FAX返信欄を大きくしたり、太字で囲ったりするなど、アクションしやすいように工夫しましょう。

届いたチラシからすぐにアクションを取れるように設計することが、反応率を上げるポイントとなります。

CTAの種類を次に挙げますが、上から順にお客様の反応するにあたってのハードルが低い内容です。

  • お役立ち資料(ハンドブック、事例集)
  • 資料請求
  • セミナー参加
  • デモ希望
  • 説明・面談希望、問い合わせ
  • 購入申込み

予算の確保

FAXDMを実行するにあたって必要になる予算は3つあります。

  • リスト費用
  • チラシの制作費用
  • FAX配信費用

FAX配信自体は代行会社へ依頼するケースが多いですが、リストやチラシの制作を自社で準備するのか、外注するのかを決定しましょう。

FAX番号がない、ターゲット業界のリストがない、という場合はFAX DM会社でリストを購入することも可能です。施策のスピードを重視するなら、無理に自前で準備するのではなく購入したほうが早いでしょう。

チラシ作成のチェックリスト

施策設計内容のチェックが終わったら、実際に配信するチラシを作成する段階です。大きくチェックすべきポイントは次の3点です。

  • 顧客が自分ごととして興味を持つか
  • 顧客のベネフィットが明確になっているか
  • 顧客が反応しやすいCTAとなっているか

さらに詳細に分解し、次の9つをチェックしてみてください。冒頭のサンプルもあわせて参照してください。

  • ターゲット顧客はどの業界の方か
  • どの職種、あるいはどういう業務に関わる方か
  • その方の課題、ニーズは何か
  • 製品・提案によって得られる顧客ベネフィットは何か
  • 権威性を伝えられるような工夫があるか
  • 顧客が知らない情報を想定して、よみがなや補足説明などを入れているか
  • 顧客がチラシを見て取るべきアクションはなにか
  • CTAは電話、FAX返信のいずれかになっているか
  • 具体的な返信方法についてわかりやすく記載されているか

目的別の4つのテンプレートをダウンロードできます

今回は特別にNetReal様より4つのテンプレートを無償でご提供いただきました。PDFのサンプルだけでなく、編集可能なパワーポイント形式ファイルもありますので、ぜひご活用ください。

個人情報なしでダウンロードができますので、ぜひ参考にしてみてください。

配信結果に対するフォロー対応

FAXDMは単体で成果を出すのではなく、フォローと組み合わせてより費用対効果を高める工夫が重要となります。

送信成功先

送信が成功したら、事例1のようにフォローコールを入れ、DMを見たかどうかの確認と申込みの打診を行います。

申込みをいただけない場合、どのような理由かを聞きましょう。情報を蓄積して振り返ることで、顧客にとってメリットのある提案やターゲティングの修正を行うためにも、申し込みNGの理由を把握することは非常に重要です。

送信失敗(宛先間違い、宛名不明など)

送信が失敗した場合には、再送あるいはハガキDMなど別のアプローチでのフォローを行います。フォローを積み重ねて、到達率を高めましょう。

受け取り拒否

FAXDMの返信欄に設定した受け取り拒否にチェックが入ったものは、今後配信しないように管理をしましょう。

自社リストの場合は社内で共有し、FAXDM会社に提供してもらった番号の場合は、その旨をFAXDM会社に報告してください。FAXDM会社の配信リストから除外してもらいましょう。

クレーム電話

一定の比率でクレーム電話(問合せ電話)が掛かってくることがあります。電話でクレームが掛かってくるのは0.1~0.3%程度です。対応としては受け取り拒否の返信と同様に、不要な情報を届けてしまったことに対しての謝罪と今後配信しないことを丁寧にお伝えしましょう。また、相手先のFAX番号、会社名を聞き取り、次回以降の配信停止設定などをするリストを整備しましょう。

さいごに

FAXDMは、Web広告、メールマーケティングなどに比べると効果測定は難しいですが、一度に多くの情報を伝達でき、到達率も高い施策です。セールス、販売促進はもちろん、集客などに広く活用できます。

また、アンケート形式の見せ方をすることで、ユーザーの声を聞くツール=見込み客リストの創出などの活用もありえます。

監修いただいた室木様からは、「優良情報を定期的に(あるいは不定期に)配信することで、ファンの醸成と特定情報の提供をするツールとしての運用がオススメです」とコメントをいただきました。

メールやWebの施策だけにとらわれず、目的を達成するための手段としてオフライン施策も組み合わせて実行することは、マーケターとして重要です。施策の検討材料のひとつとして、参考になれば幸いです。


監修協力者

室木 輝彦 様 @netreal_jp
NetReal株式会社 Executive Producer

広告代理店等を経て、2015年NetReal株式会社に入社。セールス&サポート全般の業務に従事。自社ツールNetReal+を活用した販売支援、営業支援、業務支援のアドバイスから、PR、webコンテンツ制作、web広告運用などの営業、制作のプロデューサーとして営業全般を担当

著者/ 岸田 慎平
株式会社才流 コンサルタント

IBMコンサルティング部門で業務プロセス標準化プロジェクトを経験後、BtoB製造業に特化して150社以上のマーケティング施策のコンサルティングから実行までを支援。その後、BtoB製造業向けサービス提供企業にて営業企画、営業マネジメント、マーケティングなどを経験し、2020年より株式会社才流にてコンサルタントとして活動。

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