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LTV・CACの計算方法とよくある質問への回答

サブスクリプション型のビジネスモデルが増え重要性が増してきた指標、LTV(ライフタイムバリュー・顧客生涯価値)と、CAC(Customer Acquisition Cost・顧客獲得コスト)。

本記事では、BtoB企業の初心者マーケターの方に向け、LTVとCACの計算方法を解説します。

LTVとCACを計算することで、適切な投資対効果のもとでマーケティング活動が行われているかを判断できます。

もし、適切な投資対効果が生まれていない場合は、コストを削減する(CACを下げる)または収益性を上げる(LTVを上げる)ための取り組みが必要となります。

現状を正しく把握し、適切な次の打ち手を考えるための指標として、LTVとCACを活用しましょう。後半には、LTVとCACの「よくある質問と回答」を掲載しています。

目次[非表示]

  1. 1.LTVの計算方法
  2. 2.CACの計算方法
  3. 3.よくある質問と回答
  4. 4.まとめ

LTVの計算方法

LTV(Life Time Value・ライフタイムバリュー)は「顧客生涯価値」とも言われ、1顧客が生涯にわたって生み出す粗利の合計のことです。

LTVとは

SaaSなどのサブスクリプション型ビジネスの場合は、以下の計算式で算出できます。

LTV=1顧客あたりの月次粗利×平均継続月数

平均継続月数とはユーザーの延べ継続期間をユーザー数で割ったものです。例えば、1顧客当たりの月次粗利が10万円で、平均継続月数が24カ月の場合、LTVは240万円となります。

サイト制作などのスポット型ビジネスの場合、以下の計算式で算出できます。

LTV=1取引あたりの粗利×平均リピート購買回数

例えば、1取引あたりの粗利が30万円で、平均のリピート購買回数が5回の場合、LTVは150万円になります。

CACの計算方法

CAC(Customer Acquisition Cost・カスタマーアクイジションコスト)は「顧客獲得コスト」のことで、新規顧客を1社獲得するためにかかったコストを意味します。

CACとは

CACは新規顧客獲得にかかった営業・マーケティング費用の合計を、新規顧客獲得数で割ると算出できます。

CAC=新規顧客獲得に関する営業・マーケティング費用の合計÷新規顧客獲得数

例えば、新規顧客獲得に関する営業の費用が50万円/月、広告費などのマーケティング費用が30万円/月、新規顧客獲得数が2件/月だった場合、CACは80万円÷2=40万円となります。

営業・マーケティング費用は、あくまで新規顧客獲得に関する費用のみを対象としてください。

また、月によって費用の変動が大きい場合、4半期や1年と、より長い期間で区切ってCACを算出してみましょう。

よくある質問と回答

Q1. LTVとCACが適切であるかはどのように判断すればいいでしょうか?
ユニットエコノミクス(LTV÷CAC)が「3」以上であれば、収益性のあるビジネスとみなせます。

Q2. LTVを売上で計算してもいいでしょうか?
LTVは、売上ではなく必ず粗利(売上総利益)で計算ください。

Q3. 顧客によってLTVの値の差が大きい場合、平均値での計算で問題ないでしょうか?
異常値が平均値をゆがめていると考えられる場合、中央値で計算するか、異常値を外して平均値を算出することを推奨します。
またセグメントによってLTVの差が顕著な場合、ターゲットごと、用途ごとなどのようにセグメントを分けた上でLTVを計算することもあります。

セグメント
業種
LTV
優先度
A
製造業
1,000万円
B
建設業
800万円
C
情報通信業
500万円

Q4. CACは間接費(管理部門の費用、賃料など)まで含めた方がいいでしょうか?
営業・マーケティング部門を維持する上で必要な間接費まで含めて費用を算出したほうが正確な数値といえます。

Q5. 新規顧客獲得だけを行う営業がいない場合、営業の費用はどう計算すべきでしょうか?
新規顧客獲得に費やしている業務割合に応じ、営業の費用を算出してください。
例えば、営業全体の費用が200万円、新規顧客獲得に費やしている業務割合が20%の場合、CACに組み入れる営業の費用は40万円となります。

Q6. ユニットエコノミクスを強くするにはどうすればいいでしょうか?
弊社代表栗原のnoteで以前公開した「BtoB事業のユニットエコノミクスを強くする33個の方法」にて、具体的な方法を説明しています。

スライド共有サービス『Speaker Deck』でも同様のノウハウを公開しています。

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また、ユニットエコノミクスについては「LTVの高さが、BtoBマーケティングの自由度を決める」でも解説しています。参考にしていただければ幸いです。

まとめ

LTVが大きければ大きいほど、許容できるCACは大きくなります。許容できるCACが大きいほどマーケティング施策には選択肢が増え、スケールのスピードを上げやすくなります。

LTVとCACを正しく理解し、マーケティング戦略策定に役立てましょう。

著者/ 土山 勇人
株式会社才流 コンサルタント

インターネット広告代理店メディックスにて、営業・マーケティング・サービス開発を担当。10年以上に亘り、300社以上のBtoB企業のマーケティング戦略立案やプロモーション実行を支援。オウンドメディアの立上げや、ワークショップファシリテーター、営業マネジメントの経験も有する。2020年より株式会社才流にてコンサルタントとして活動。

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