150億円で買収されたリスティング広告運用ツールWordStreamの成長要因 | DOER NOTE

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150億円で買収されたリスティング広告運用ツールWordStreamの成長要因
黒須敏行
  • 著者/ 黒須敏行
  • BtoBマーケティングコンサルタント

150億円で買収されたリスティング広告運用ツールWordStreamの成長要因

インターネットの広告は

 

 

これらがすぐにわかるので、金融の仕組みに似ているとよくいわれます。

 

2018年のニュースでゴールドマン・サックスの500人の株式運用担当が3人のエンジニアに代替されているというニュースが話題になりました。遠くない未来、広告運用の世界も近い状況になるのではないでしょうか。

 

本記事では、インターネット広告の技術先進国であるアメリカで、特に大手のリスティング広告自動運用ツールがどれくらいの売上規模なのか、どうやってサービスを成長させたのかを調べてみました。

 

そもそもどういった会社があるのか?

そもそも、インターネット広告の自動運用ツールといってもインターネット広告の定義によって大きく変わります。

 

例えば日本にも進出しているリーチローカル社は、自動運用ツールを人が販売するビジネスモデルで、2012年のデータで年間4億ドル近くの売上があり、アメリカで既に上場しています。

 

今回はGoogle上で”PPC management tool”で検索し、8つのランキング記事を抽出したうえで、71の企業を抽出し、売上を調査しました。

 

このなかでも、セルフサーブ方式(営業を通さずにインターネットで直取引)で年間50億円程度の売上を誇るWordStreamという会社を紹介します。

 

Marin SoftwareKenshoo Searchは、日本に提携という形で進出しており、知られざるツールではないと判断し省略しました。

 

アメリカのデジタルマーケティングツールの市場規模

Grand View Research社のレポートによると、米国におけるデジタル・マーケティングツール(PPC広告運用ツールも含む)の市場規模は、2017年に352億4000万ドル(約3兆5240億円、1ドル100円で換算)です。

 

一方、IDC Japanのレポートによると日本でのデジタルマーケティングツールの市場規模は593億7,200万円(2016年時点)にすぎません。

 

米国ではいかに、ツールが活用されているかがわかります。

 

WordStreamとは?

https://www.wordstream.com/

 

WordStreamとは、一言でいえば中小企業のビジネスに特化した広告最適化ツールです。Adwords(現在:Google広告)に代表される検索連動型の広告改善に強みがあります。

 

WordStreamの創業者であるラリー・キムはカナダのウォータールー大学で電気工学の学士号と修士号を取得し、ソフトウェア会社で働いていたときにAdwords(現在:Google広告)と出会いました。

 

自分のコーディングスキルを使えば、Adwords(現在:Google広告)のアカウントをより効率的に管理できると気がついた彼は、WordStreamの原型となるプログラムを開発しました。

 

しかし、WordStreamを製品化する際にVCを回ったところ誰からも相手をされませんでした。そこで、エンジニアからSEMコンサルタントに転職して現金を稼ぎ、その資金でプロトタイプをつくり、その実績をもとに資金調達を成功させたのです。

 

WordStreamには、The 20-Minute Work Week(週に20分の作業)という機能があります。これは、GoogleアカウントをWordStreamのシステムに入力すると、自動で広告やキーワードの設定状況を解析し、最適化できる点を指摘してくれるもの。

 

例えば、下記のようなアドバイスが届きます。

 

 

このような作業を週20分だけ行うことで、広告ランクが上がり、キーワードが最適化され、広告コストを最小化できる仕組みです。

 

また、広告アカウントの問題点だけでなく、広告のリンク先であるランディングページに対するアドバイスも届きます。

 

WordStreamが成長したきっかけは?

初期のWordStreamは、高い広告効果を見込めるキーワードを発見する機能が特長でしたが、

 

 

といった問題を抱えていました。

 

当時、キーワード発見ツールの開発に既に数百万ドルを使っていましたが、Google以外の広告プラットフォームが成長していることを感じたラリー・キムは、ツールのコンセプトを下記のように劇的に変更させました。

 

 

要は、一つの管理画面でGoogle、Facebook、instagramなどの広告を管理できるようにしたのです。

 

このコンセプト変更が大ヒットし、売上は2倍、3倍と伸びるようになり、2018年には1億5000万ドル(約150億円)で買収されました。

 

アカウント診断をCTAにおき、CVRが20倍に

元々、WordStreamでは数年間をかけて下記のような施策に取り組んでいましたが成果が出ませんでした。

 

 

そこでラリー・キムは、顧客の関心は

 

 

にあることに気が付き、Adwords Graderという広告アカウントのチェック(診断)ができるサービスを作りました。

 

 

Adwords Graderは、Adwords(現在:Google広告)アカウントを連携させると、アカウントが業界平均でどれくらいのパフォーマンスなのかを伝えてくれるツールです。

 

また、もし依頼している広告代理店がAdwordsアカウントを見ていなかった場合は

 

「あなたのアカウントを管理している機関は◯◯日間あなたのアカウントにログインしていません。そして彼らは本当に何もしていません。」

 

といったメッセージを表示させました。

 

当初のCTAは無料の製品トライアルでしたが、これをAdwords(現在:Google広告) Graderに変えたところ、コンバージョン率は2%から40%に劇的に増えたのです。

 

議論を呼ぶコンテンツ制作でナチュラルリンクを獲得

また、WordStreamはコンテンツマーケティングも成功しています。

 

2012年にFacebookがIPOする3日前に、Facebook広告の品質がGoogleのそれと比べて劣っているレポートを発表すると、そのレポートは世界中にシェアされ、何百というナチュラルリンクを獲得しました。これはSEO的にとてもプラスでした。

 

 

WordStreamは、同様の方法で

 

 

など議論を呼ぶレポートを出しており、かなりの数の被リンクがつきSEOが強くなっています。

 

ちなみに、国内の媒体であるLISUKULと比較すると、かなりの被リンク(ドメイン)がついていることがわかります。

 

# URL 参照元ドメイン数 # URL 参照元ドメイン数
1 https://www.wordstream.com/articles/most-expensive-keywords 828 1 https://liskul.com/ 239
2 http://www.wordstream.com/articles/most-expensive-keywords 660 2 http://liskul.com/ 175
3 https://www.wordstream.com/articles/what-is-google-adwords 550 3 https://liskul.com/freefont-2626 55
4 https://www.wordstream.com/articles/internet-search-engines-history 398 4 https://liskul.com/search-console-13563 77
5 http://www.wordstream.com/articles/what-is-google-adwords 314 5 http://liskul.com/freefont-2626 39
6 https://www.wordstream.com/articles/google-earnings 357 6 https://liskul.com/what-is-listing-95 42
7 http://www.wordstream.com/articles/internet-search-engines-history 297 7 https://liskul.com/lp-toha-1530 46
8 http://www.wordstream.com/articles/google-earnings 311 8 https://liskul.com/wm_st6-5140 37
9 https://www.wordstream.com/articles/facebook-vs-google-display-network 265 9 http://liskul.com/what-is-listing-95 32
10 http://www.wordstream.com/articles/facebook-vs-google-display-network 249 10 http://liskul.com/wm_st6-5140 29
  平均 422.9   平均 77.1

WordStreamとLISUKULの参照元ドメイン数・比較表

 

実際にアメリカのGoogleで「adwords」と検索すると、2位、3位にWordStreamが表示されています。

 

 

さらに、コンバージョン率が高そうなキーワードで軒並み上位を獲得しています。

キーワード 順位
social media marketing 1位
PPC 1位
keyword generator 2位
chatbot 3位
keyword tool 3位
SEO 10位

 

まとめ

ポイントとしては

 

 

このあたりだと思います。

 

ぜひ参考にしてみてください。

 

参照元:3 Growth Marketing Principles You Need to Create Your Unicorn

 

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黒須敏行
  • 著者/ 黒須敏行
  • BtoBマーケティングコンサルタント

2006年にIT企業に入社しコンサルタントとしてウェブサービスのマーケティング改善案件に携わる。ラクスル、ベネッセなどの顧客を担当し、SEO経由のMAUを月間200万純増、年間粗利2億創出などの成果を出す。 様々な企業のビジネスモデルやマーケティングを分析した「ちびクロの細かすぎて伝わらないノート」を連載中。

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