「ベルフェイス?あぁ、インサイドセールスの会社だよね。」
このように思われている読者の方もいるかもしれない。かく言う私もその一人だった。しかし、取材を通してイメージは一転。組織としての実行力の高さに驚かされた。
ベルフェイス独自のKPI管理手法や、オフラインマーケティング施策の鉄則、照英さんを起用したCMの効果、いま抱える課題と今後の展望、SDRチームを新設した背景など。これまでのベルフェイスの変遷から、具体的なマーケティング施策やインサイドセールス施策まで、取締役マーケティング事業部長・西山 直樹氏と、SDRチーム責任者・横山 豊氏のお二方に話をうかがった。
(※本記事の初回公開は2019年2月です。当時の情報をもとに執筆しました)
初代ベルフェイスの失敗。そこからPMFの実感にいたるまで
ベルフェイスが、PMF(プロダクト・マーケット・フィット)の達成を実感したタイミングはいつだったのか。
実は、創業当初のベルフェイスは、今とまったく違うプロダクトだったという。もともとは、サイトの画面を共有するプロダクトを提供しており、当時は画期的といえるものだった。
そんななか、ベルフェイスの利用履歴をよく見ると、1つのオプションに過ぎなかった資料共有機能が多用されていたことに気づく。というのも、ほとんどの営業パーソンは、自社サイトを見ながら話すのではなく、資料を用いて営業をするからだ。
この気づきから、資料共有をベースにした今のベルフェイスへと一気に舵を切ることに。この意思決定を行ったのは、社長の中島 一明氏だった。
西山氏:当時は、資料共有メインのものを「ベルフェイスネクスト」と呼んでいました。
会社を創業したのが2015年の4月で、「ベルフェイスネクスト」をリリースしたのが2015年の10月頃。ここからがようやくスタートです。資料共有をベースにしてからはプロダクトも安定し、少しずつクライアントに受け入れられるようになり、僕らのプロダクトを使ったその先の顧客が問い合わせをしてくれるというサイクルが出来はじめていったんです。
そして、顧客開拓を進めていくとターゲット顧客が見え始めてきました。それが、低価格のWebサービスを提供している会社(SaaSベンダー、ポータルサイト運営会社、Webマーケティング 支援会社)だったんです。導入後、著しく成果を上げ、アップセルにも繋がっていました。それが分かったタイミングで、ある程度PMFしたという実感がありますね。
顧客開拓において意識したこととしては、影響力のある企業を開拓することだ。というのも、プロダクト設計において、「BtoBかつ営業特化型ならバイラル効果が一番作用しやすい」と考えていた経緯があるからだという。
営業が強い、あるいは誰もが知っている会社の営業がベルフェイスを使っていれば、まわりの企業にも波及して「対面営業ではなく、インサイドセールスというものがあるんだな」と納得してもらえる。
その好事例が、リクルートや楽天だった。導入後、カスタマーサクセスによる導入支援を続けたことで成果が現れ、次々と他の部門にも導入が広がっていった。
立ち上げ数ヶ月で高い成果を出すマーケティング
ここからは、ベルフェイスのマーケティング施策について深掘りしていく。
下記画像は、ベルフェイスのマーケティングプロセスの全体像だ。
マーケティングチームのミッションと体制
西山氏が統括するマーケティング事業部には、マーケティングチーム、SDR(Sales Development Representative)チーム、そしてセールスチームがある。
各チームのミッションおよび、具体的体制は以下のとおり。
ミッション
- 新規リード獲得を行う(ターゲット比率の向上)
- ナーチャリング実施によるリード掘り起こしと再案件化を行う
体制
- ディレクター(リーダー):1名
- グロースハッカー:1名
- 広告:1名
- 展示会やセミナー、MAを活用したナーチャリング:1名
マーケティングのKPIはリード数(社数)ではなく、”ポイント”で追う
ベルフェイスでは、マーケティングのKPIの管理において、他社ではあまり見られない手法を、2018年10月から取り入れている。それは、KPIをリード数(社数)ではなくポイントで追っているところだ。価値をつけて重み付けをしている。
その理由は、以下の3つだ。
①ターゲット企業(営業活用・IT系企業)と非ターゲット企業(非営業活用・非IT系)では、商談受注率(約3倍の差)・アップセルの可能性・リードタイム・LTV(約6倍の差)に大きな差が出る。
②バイラル効果の影響もあり、毎月3桁台でリードを獲得できている現状。リード数を追うと、本来の目的と結びつかないまま満足してしまうから。
③ターゲット企業からの問い合わせを増やすための力学を働かせるため。
問い合わせの内のターゲット比率は20%弱だったが、KPIをポイントで追うようになってからは、数ヶ月でターゲット比率が約30%になったという。
「ターゲット企業のリード比率を高めることは、ベルフェイスの命運を握っていると言っても過言ではない」と、西山氏は語る。
西山氏:ターゲット企業は非ターゲット企業に比べて、カスタマーサクセスしやすくチャーンもしにくいんです。顧客を獲得する入り口の段階でターゲット企業が入ってくれば、ビジネス的にもプラスになりますよね。
ターゲット企業が成功していけば、成功の輪がちょっとずつ広がるはずです。そうすれば、次のマーケット、まさしく商社やメーカーのような産業にもターゲットを広げられるでしょう。そのためにもまずは、ターゲットと決めた領域でやり切ることが重要だと信じています。
そして、広告を担当するSDRチーム責任者・横山豊氏は、広告クリエイティブや出稿する枠なども検証している。たとえば、以下のようなことに取り組んでいる。
- 広告クリエイティブ:検証した結果、ターゲット企業以外からの問い合わせが来るように。
- 広告出稿枠:ターゲット企業が見ていそうなメディア(MarkeZine、ビジネス+IT)に広告(ebook)を出稿。結果としては、それぞれのターゲット比率は40%、30%くらい。他に、Eightアドでターゲット企業に近い業種に絞って配信も行う。
セミナー施策の鉄則「やると決めること、名のある会社と組むこと」
横山氏含め、4人体制で始まったマーケティングチーム。
さまざまなマーケティング施策を行うなかで、西山氏がもっとも手応えを感じているのは、セミナーや展示会などのオフライン施策だという。鉄則は「やると決めること、そして名のある会社と組むことだ」と強調する。
西山氏:セミナーは、上期のタイミングで半年間は何があってもやり続けると決めました。内容はともかく、最初は月1ペースでやることを目標におき、もう一人のセミナー担当の評価をそこに置いたほどです。そうすれば、途中でセミナー開催を辞めてしまうこともありませんよね。
最初の3ヶ月間は、毎月1回セミナーを開催しているうちに、ビズリーチさんやパーソルキャリアさんと共催する機会に恵まれました。共催セミナーを繰り返し開催するうちに、まわりの会社さんがベルフェイスに興味を持ってくれ、同じように声をかけてくれるようになったんです。
下期は月に2回開催することを目標におき、12月は月に4回以上やってましたね(笑)。セミナー開催のポイントは、自分たちだけで最初はやろうとしない、いかに自分たちより有名な会社と組めるのかが重要です。
名のある会社と組むには、まずそこと取引をすること、あるいはサービスを導入することが必要だという。
たとえば、SalesforceやMarketoがそれにあたる。まずは有名な会社のサービスを導入し、その方たちが提供するユーザー向けのカスタマーサクセスをまず学ぶこと。そして、価値ある顧客だと思われれば一緒にセミナーを開催してくれる可能性もあるとのことだ。
他社よりも先に全件電話をかけることが差別化につながる
競合製品との違いを感じてもらうには、体験してもらうことが一番だ。
展示会では、ベルフェイスの体験ができるようにと、ブース内に商談セットを用意した。ベルフェイスによる商談の画面がブース上の大きいモニターに映るように設計し、来場者の興味関心をうながし、実際の体験へと誘導。
5分ほどの体験を経て、次の商談に繋がる布石を打つ。展示会施策においても、組織としての実行力の高さがうかがえる。
そして、展示会で得たリードに対して「他社よりも先に電話を全件かけ切ること」で展示会施策を最大化する。
横山氏:展示会の1日目が終わったら、次の日には獲得したリードに対して電話をするんです。初日に展示会にいる方は2日目にはほとんどいないですからね。
初日に獲得したリード(名刺)は、Salesforceと連携した名刺管理ツールにあげておきます。 次の日には Salesforceに情報が入っているので、アポ設定を行うSDR チームが次の日に電話をかけ、アポイントを取りに行きます。ここで一歩遅れてしまうと、アポが取りづらい状態になってしまいます。他の会社さんも電話するのでお客さんも困ってしまうからです。
先に先に、という意識が重要ですね。優先順位もつけていますが、基本的には獲得したリードには全部電話をかけています。
西山氏も、すぐに全件電話をかけることの重要性を強調する。
西山氏:獲得したリードには、非ターゲットの会社であろうと全部電話します。「メールだけ出しておしまい」では、もったいないでしょう。
前職の経験から言うと、名刺だけを集めて全然アプローチしていない会社はたくさんいるんですよ。それでは、本当にブースを出している意味がありません。アプローチすることが当たり前だと思うんですけど、それが徹底できていないところが多いので、速やかに電話をかけるだけで差別化できます。
資料請求一辺倒から一転。ebookを充実させてライトCV獲得
「実施しているマーケティング施策のなかでも、とくに成果が出た施策は?」という問いに対して、横山氏は、ライトコンバージョンの設置を挙げる。
2018年の下期がスタートする以前、コンバージョンポイントは資料請求のみに置いていたという。現在は、ebookに代表されるようなライトコンバージョンも設置している。
横山氏:「とりあえずお問い合わせください」という形で広告を回していたんですが、いつしか頭打ちになってしまったんです。そこから、もっとライトコンバージョンを取りに行くようになりました。
具体的には、ebookの充実(ex.セールスツールを選ぶ上で必要なもの)です。ベルフェイス色を一切出していない内容であるため、アポ獲得の難易度はもちろん上がります。しかし、ベルフェイスの潜在的なユーザーのリストが作れましたし、その後はステップメールを送ったり、リターゲティング広告を配信したりとナーチャリングしていくことで、資料請求へつなげました。
制作コストは高いですが、施策の幅も広がりましたし、着実に成果が出ているのは良かったですね。
複合的にプラス効果をもたらしたベルフェイスのCM
ベルフェイスでは、2018年10月より都内のJR線・東京メトロ・タクシーなどを中心に、CM(タクシー、交通広告などの動画広告)を出稿した。
対面で営業することにこだわる営業パーソンを演じるタレントの照英氏が、「営業は、足が命!足で稼ぐのが、営業だ!」とヒラメ筋を新人の営業パーソンに見せる。これに対して「それ違います」と、外勤営業以外の選択肢を提示するというユーモアあるクリエイティブだ。
CMにより、どのような変化があっただろうか。
西山氏:結論から言うと、回収した期間は数年かかるものの、投資した金額の1.5倍程度は回収できると見込んでいます。
計算方法としては、新規受注による直接的なリターンに加えて、副次的な効果を足してそれを投資した金額で割り出したものです。CMの効果を測ることは本当に難しいのですが、営業が必ず確認をするようにしています。今のところ、だいたい数十社はCMを見たことが1つの要因になっているようです。
実は、単純な受注へのリターンだけではなく他のプラスの効果もありました。たとえば、ベルフェイスの検索数が1.5倍、サイト訪問数は1.3倍、既存顧客の利用商談数が1.2倍と上がり、チャーンレートも若干下がったんです。
面白かったのが採用ですね、かなり応募が増えました。一番大きな目的は、数字以外のブランディングという点なので、回収期間はあれど総合的に判断すればプラスですね。急きょ決まったのですが、年明けからはテレビCMも始めています。
ベルフェイスのCMがプラスの効果を生み出した背景には、2つのポイントがある。
1つ目は、メディアを考えて選んだこと。普段から山手線やタクシーで移動する営業パーソンのなかにも、CMを見てハッとした方もいることだろう。そして2つ目は、CMのストーリーにこだわったことだ。対面営業を真っ向から否定せず、営業スタイルに新しい価値を提案する内容になっている。
いま抱える課題と今後注力していくマーケティング施策
ここまで見てきたように、ベルフェイスはマーケティングチーム発足から、わずか数か月しか経っていないにもかかわらず、さまざまなマーケティング施策を展開し成果を出している。
背景には、優秀なマーケターを採用できたことに加えて、創業当初からずっと開発とカスタマーサクセスに注力してきた骨太ベンチャーの気質を持っているからだろうと社長・中島氏のnoteからも推察している。そんなベルフェイスが、マーケティング施策について今抱える課題と今後注力していく領域をうかがった。
1.MA(マーケティングオートメーション)の活用
リードの合計が1万件を超えるようになったタイミングで、MAツールのMarketoを導入した。
このリード件数であれば、すべてのリードに架電するよりも、見込み度の高いリード(ホットリード)を見つけて架電したほうが、生産性の向上につながる。ホットリードの定義および、ホットリードの増加に向けては、現在進行形で試行錯誤しているという。
2.SEO施策:オウンドメディア「SalesTech Hub」の新設
マーケティングにおいて、弱点だったのがSEO施策だという。その状況を打開すべく、ベルフェイスでは2018年11月から「Sales Tech Hub」というオウンドメディアを立ち上げた。このタイミングでSEO施策に取り組む理由を、西山氏は次のように語る。
西山:リード獲得において広告は即効性があるし、媒体を選べばターゲット企業のリードを集めることはできます。しかし、そこには限界も波もあるんです。だからこそ、価値あるコンテンツを発信し、ファンを作っていくことで、安定的に相談が来る体制を作りたいですね。
【まとめ】ベルフェイスが実施しているマーケティング施策
ベルフェイスのインサイドセールス
ここからは、ベルフェイスのインサイドセールス施策について深掘りしていく。
下記は、セールス・SDR・マーケティングチームの連携フロー図だ。
ミッション
- 資料請求者に対する架電・見極め・商談設定をする
- ebookダウンロード者への架電・見極め・プレ商談設定、商談設定を行う
- 過去リードに対して掘り起こしを行う
体制
- ディレクター(リーダー):1名 ※マーケティング(広告)と兼務
- 架電担当者:4名
- プレ商談担当者:1名
※正社員2名、業務委託1名、アルバイト2名
SDRチーム新設の背景には、過去の失敗があった
インサイドセールス施策において、最も取り組んで良かった施策は2018年12月からSDRチームを設置したことだという。
SDRチームを立ち上げる以前は、問い合わせに対してアルバイトに初動対応を任せ、質の精査はせず、ひたすらアポを獲得することをKPIにおいていた。
その結果、問い合わせに対して半分くらいはアポに転換できていたが、営業1人あたりの商談数が、1日に6、7商談ほど、多いときには1日10商談までになってしまったのだ。
西山氏:振り返ると、残業に次ぐ残業で疲弊していく営業、受注につながらない商談ばかりという状況になっていました。これでは、営業の効率化とはいえません。
そこで、お客さまのニーズの精査とリードナーチャリングを目的にSDRチームを作ったんです。SDRチームを立ち上げてからは、商談の質も上がり、商談の受注率も倍くらいになりました。商談の数は6割くらいまで減りましたが、12月の月間売り上げは社内のギネス記録を更新したんです。
SDRチームのKPIはアポ設定数ではなく”商談数”
アポ獲得数をKPIにおいて、過去失敗した経験があるため、SDRチームではKPIを商談数においている。その理由を横山氏は次のように語る。
横山氏:SDRチームがアポ獲得数を追ってしまうと、その後にしっかり商談したのか追わなくなってしまうんです。全部アポを設定しようが、有効な商談に繋がらなければ意味がないですよね。
だからこそ、商談数を追っています。KPIを商談数においてから、SDRチームが商談を行ったものに、「このアポどうでしたか?」とヒアリングをしっかりしに行くようになったことがとても良かったですね。
アポイントには、ライト・ミドル・ヘビーというランク付けを行っている。
- ライト:営業活用を想定しない、例えば社内会議や採用に使いたいお客さん。アポ設定は行うが商談としてはカウントしないようにしている。
- ミドル:営業活用を前提としているが、非ターゲット企業の場合。
- ヘビー:営業活用かつターゲット企業。ホットリードである。
このヘビーとミドルの商談数を足したものがKPIになっている。
ちなみに、ライト・ミドル・ヘビーというネーミングは西山氏と横山氏が元ボクサーであることに由来している。
ベルフェイスの録画機能は、営業のブラックボックス化をなくす
もう一方のセールスチームにおいては、録画機能の活用が非常に有効な施策となっているという。
録画機能とは、ベルフェイス接続時にどの資料を、どんな順番で、どれくらい見せたかを記録するもの。通常の営業ではブラックボックス状態の商談をベルフェイスを使って録画すれば可視化することが可能だ。そのため、新人の研修やトップセールスのベストプラクティスから学習することも容易になるという画期的な機能である。
西山氏:ベルフェイスでは、新人が入社をする前にNDA(秘密保持契約書)を結んで、録画した動画のURLを送り、受注した企業の一覧、失注した企業の一覧、ベストプラクティス集、失敗集など全部を見てきてもらいます。
そうすると、入社した時には受注する勝ちパターンが頭の中に入ってるんです。新人教育に限った話ではありません。営業同士が見合うようになると本当に良いですよ。隣の席にいるライバルの営業がどんな営業をしているのかって、意外と皆さん知りませんよね。でも、ライバルの営業がやっていることにこそ、勝ちパターンのヒントがいっぱい詰まっています。
そこでお互いに営業の様子を見合い、フィードバックし合うことで、ノウハウがシェアされるという。本当に、この機能はベルフェイスの宝ですね。
インサイドセールス成功のカギは、仕組み化と人材
1.仕組み化する会社の徹底した姿勢
インサイドセールスが定着する企業の特徴に、徹底してやり切る組織力がある。たとえば、ベルフェイスを導入すると決めたら、検証すべき項目をまず整備する。検証項目をクリアしたら、責任者が先導して全員に使わせることで、しっかりと根付くという。
このとき、責任者の影響力がカギにもなる。営業パーソンはその性として、どうしてもすぐにフィールドに行きたがる傾向にある。
まずは、責任者が積極的にベルフェイスを使うことで、インサイドセールスを用いる目的や意義、それに伴う生産性の上がり方を啓蒙する。そして、それをルール化してやり切ること。ここをやり切れるかどうかで、インサイドセールス導入が成功するか否かは決まるのだ。
2.人材の質
そのうえで、人材の質、インサイドセールスへの評価制度やモチベーション管理、そして育成制度を整備することが重要になる。たとえば、SalesforceやMarketoはそのレベルが極めて高いという。
西山氏:SalesforceやMarketoのような企業では、インサイドセールスを行なっている人たちが使命感を持ってやっています。卑屈な様子が一切ないんです。まわりの方も含めて、インサイドセールスがすごく重要なポジションであることをそれぞれが理解しています。
ここがいい加減だと、せっかくマーケティングチームがリードを獲得しても有効な商談は設定されません。誰がかけてもアポ設定できるものを、ただセッティングしているだけならば、アルバイトやインターンでも良いんです。
でも、潜在的なニーズしかないものを、事例などを織り交ぜながら見込みレベルを少しあげて、それでもアポにならないなら、いつならなるのかを聞いてもう一度待つ。これって、完全に営業の入り口ですよね。しっかりやり切れるのは、営業経験者だったり、元カスタマーサクセスで事例を語れる人だったりするんです。
以上、ここまでベルフェイスの変遷、マーケティング施策、インサイドセールス施策について深掘りしてきた。取材を通して終始感じたのは、とにかくベルフェイスは「徹底してやり切る力」が非常に高い筋肉質な組織であるということ。
プロダクトで差別化をはかることが容易ではないBtoB SaaS企業にとって、組織力は非常に重要な競合優位性になるだろう。もちろん容易に模倣できないことは承知のうえだが、他社にとっても参考にできる点は多いのではないだろうか。
(写真撮影:山田健司氏)
本記事の初回の公開は2019年2月でした。
以降もベルフェイスは、環境の変化や市場ニーズにあわせ、プロダクトの改善やセールス組織の最適化に取り組み続けています。
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ベルフェイスに聞く、エンタープライズ営業の生産性を最大化する営業プレイブックのつくり方(2023年3月取材)
パートナーセールスの苦戦、エンタープライズシフトを乗り越える、ベルフェイスの共創アライアンス(2023年3月取材)