【BtoBマーケター必見】ベルフェイスのマーケティング超詳細解説|やり切る力が競争優位になる | DOER NOTE

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【BtoBマーケター必見】ベルフェイスのマーケティング超詳細解説|やり切る力が競争優位になる
金森悠介

【BtoBマーケター必見】ベルフェイスのマーケティング超詳細解説|やり切る力が競争優位になる

「ベルフェイス?あぁ、インサイドセールスの会社だよね。」
このように思われている読者の方もいるかもしれない。かく言う私もその一人だった。しかし、取材を通してイメージは一転。ツール云々ではなく、組織としての実行力の高さに驚かされた。

 

ベルフェイス独自のKPI管理手法や、オフラインマーケティング施策の鉄則、照英さんを起用したCMの効果、いま抱える課題と今後の展望、SDRチームを新設した背景など。これまでのベルフェイスの変遷から、具体的なマーケティング施策やインサイドセールス施策まで、取締役マーケティング事業部長・西山直樹氏と、SDRチーム責任者・横山豊氏のお二方に話を伺った。

 

2018年、急成長を遂げたベルフェイスの裏側

取締役マーケティング事業部長・西山直樹氏

 

昨年より、俳優の照英さんを起用したCMを展開、オフィスをWeWorkへと移したりと、急成長の様子を見せるベルフェイス。その背景にはどんなことがあるのだろうか。この問いに対して、取締役マーケティング事業部長の西山直樹氏(以下、西山氏)は、「インサイドセールス」というキーワードが時流に乗ったことを大前提としてあげる。

 

西山氏: 我々が創業した2015年当時、インサイドセールスを支援するソフトウェアはありませんでした。タイミングが少し早すぎたかなと思っていたものの、辛抱強く続けてきた結果、独自のポジションと時流が噛み合い始めたのが2018年ですね。興味深いことに、検索数において「インサイドセールス」というキーワードが「WEB会議」や「テレビ会議」というキーワードを超える勢いを示しています。つまり世間の関心が集まるようになってきたことはデータからも明らかなんです。

 

※参照:https://twitter.com/nishiyama620/status/1076054885295054849

 

「インサイドセールス」そのものは最近出てきたものでは決してない。5年以上も前から、楽天やGMOなど一部の大企業はすでにインサイドセールスに取り組んでいた。しかし、それは一部のイノベーターだけだった。それが今や、ナショナルクライアントと呼ばれるような大企業の中にも、インサイドセールスに取り組み始める企業が出てきた。これまでは一部のイノベーターしか取り組んでいなかった「インサイドセールス」がアーリーアダプターにまで広がり始めたのだ。

 

こうして、時代の流れとBtoB営業特化型のインサイドセールス支援システムという独自のポジションがうまく噛み合ったことで、MRR(月間経常収益)も着実に伸長。投資家からの関心もどんどんと集まり、2018年8月には5億円の資金調達を実施。その資金でCMを展開したり、オフィスをWeWorkへ移したという。

 

「インサイドセールス」がさらに広がるために必要なこと

以前に比べれば「インサイドセールス」は広がっている。ただ、今後より一層「インサイドセールス」が広がっていくためには何が必要なのだろうか。

 

この問いに対して、現状の課題は、インサイドセールスというものを組織化することで得られるメリットの大きな会社が限定的であることを西山氏はあげた。現状、一定のリードがある会社、すなわちアプローチすべき対象が多い会社であれば、「インサイドセールス」で効率的にセールスを行うことは非常に有効だが、まだそれほどリードを集められる会社は多くはないという。

 

「インサイドセールス」という市場がアーリーアダプターの次のフェーズに行くには、中小企業でもリードを集められるようにする必要がある。あるいは、東京都内でしか営業活動をしていない、逆に地方でしか営業活動をしていない会社がエリアを超えてインサイドセールスを活用するようになれば、商圏も広がってアプローチすべき対象も広がる。そこまで行くと、インサイドセールスを組織化することで得られるメリットの大きな会社が増えるわけだ。

 

また、会社として成長し続けるためには、中小企業の開拓だけではなく、ナショナルクライアント(大企業)への導入も更に進めていきたいとSDRチーム責任者・横山豊氏(以下、横山氏)は語る。

 

初代ベルフェイスの失敗。そこからPMFの実感に至るまで

今でこそ、順調に成長しているベルフェイス。創業当初から顧客獲得は順調だったのだろうか。そして、PMF(プロダクトマーケットフィット)の達成を実感したタイミングはいつ頃のことだったのか。

 

実は、創業当初は今の資料共有ベースのベルフェイスとは全く違う形をしていたという。元々は、サイトの画面を共有するプロダクトを提供しており当時は画期的といえるものだった。

 

しかし、この「初代ベルフェイス」には大きな問題があった。導入前に2,3週間かけて検証スタッフがチェックを繰り返そうが、途中で画面が動かなくなるなど、不具合が多発。まさしく、マーケットに全くフィットしていない状態だったのだ。

 

そんな中、クライアントが使っている履歴をよく見ると、一つのオプションに過ぎなかった資料共有機能を多用していたことに気づく。というのも、ほとんどの営業パーソンは、自社サイトを見ながら話すのではなく、自分がやりやすいシナリオに作り変えた資料を用いて営業をするからだ。

 

この気づきから、資料共有をベースにした今のベルフェイスへと一気に舵を切ることに。この判断を下したのは、社長の中島氏だった。

 

(2019年2月現在のベルフェイス トップページ)

 

西山氏:当時は、資料共有メインのものを「ベルフェイスネクスト」と呼んでいました(笑)。会社を創業したのが2015年の4月で、「ベルフェイスネクスト」をリリースしたのが2015年の10月頃で、ここからがようやくスタート。資料共有をベースにしてからはプロダクトも安定し、徐々にクライアントに受け入れられ始め、僕らのプロダクトを使ったその先の顧客が問い合わせをしてくれるというサイクルが出来はじめていったんです。

 

そして、顧客開拓を進めていくとターゲット顧客が見え始めてきました。それが、低価格のWebサービスを提供している会社(SaaSベンダー、ポータルサイト運営会社、Webマーケティング 支援会社)だと判明しました。導入後著しく成果を上げ、アップセルにも繋がっていたからです。それが分かったタイミングで、ある程度プロダクトマーケットフィットしたという実感がありますね。

 

顧客開拓において意識したこととしては、影響力のある企業を開拓することだ。というのも、プロダクト設計においてBtoBかつ営業特化型ならバイラル効果が一番作用しやすいと考えていたという経緯があるからだという。営業が強い、あるいは誰もが知っている会社の営業がベルフェイスを使っていれば、それが周りの企業にも波及して「対面営業ではなく、インサイドセールスというものがあるんだな」と納得してもらえる。

 

その一例が、リクルートや楽天。導入当時は「初代ベルフェイス」の頃だったが、必死に導入支援を続けたことで、次々と他の部門などを紹介してくれるようになり、その都度サポートをしっかりすることでその輪が広がっていき、継続的に関係が続くようになった。まさにカスタマーサクセスが売り上げに直結するのだ。

 

立ち上げ数ヶ月で高い成果を出すマーケティング

ここからは、ベルフェイスのマーケティング施策について深掘りしていく。
まず、上記画像がマーケティングプロセスの全体像だ。

 

マーケティングチームのミッションと体制

西山氏が統括するマーケティング事業部は3つチームがある。10月に発足したマーケティングチーム、12月に発足したSDR(Sales Development Representative)チーム、そしてセールスチームだ。ミッションおよび具体的体制は以下のようになる。

 

◉ミッション

 

◉体制

 

KPIはリード数(社数)ではなく、”ポイント”で追う

ベルフェイスは、KPIの管理において他社ではあまり見られない手法を2018年10月から取り入れている。それは、KPIをリード数(社数)ではなくポイントで追っているところだ。要は、価値をつけて重み付けをしている。

 

その理由は、以下の3つだ。

 

①ターゲット企業(営業活用・IT系企業)と非ターゲット企業(非営業活用・非IT系)では、商談受注率(約3倍の差)・アップセルの可能性・リードタイム・LTV(約6倍の差)に大きな差が出る。

 

②バイラル効果の影響もあり、毎月3桁台でリードを獲得できている現状。リード数を追うと、本来の目的と結びつかないまま満足してしまうから。

 

③ターゲット企業からの問い合わせを増やすための力学を働かせるため。

 

このような目標設定にしてから、問い合わせの中のターゲット比率が元々20%弱だったものが開始数ヶ月で30%くらいまで上がってきたという。

 

獲得するリードにおいて、ターゲット企業の比率を増やすことはベルフェイスの命運を握っていると言っても過言ではないと、西山氏は語る。

 

西山氏:ターゲット企業は非ターゲット企業に比べて、カスタマーサクセスしやすくチャーンもしにくいんです。顧客を獲得する入り口の段階でターゲット企業が入ってくれば、ビジネス的にもプラスになりますよね。現時点でターゲット企業と決めているところが成功していけば、成功の輪がちょっとずつ広がるはずです。そうすれば、次のマーケット、まさしく商社やメーカーのようなレガシー産業にもターゲットを広めることができるでしょう。そのためにもまずは、ターゲットと決めたところでやり切ることが重要だと信じています。

 

ターゲット企業からの問い合わせを獲得することに意識を向けつつ、主に広告担当の横山氏は広告クリエイティブや出稿する枠なども検証している。たとえば、以下のようなことに取り組んでいる。

 

 

 

セミナー施策の鉄則「やると決めること、名のある会社と組むこと」

横山氏に加えて、10月から3人の優秀なマーケターが入り4人体制で始まったマーケティングチーム。様々なマーケティング施策を行う中で、西山氏が最も手応えを感じているのはセミナーや展示会などのオフライン施策だという。鉄則は、「やると決めること、そして名のある会社と組むことだ」と強調する。

 

西山氏:セミナーは、上期のタイミングで半年間は何があってもやり続けると決め、今年の4月から開始しました。内容はともかく、最初は月1ペースでやることを目標におき、もう一人のセミナー担当の評価をそこに置いたほどです。そうすれば途中でセミナー開催を辞めてしまうこともありませんよね。最初の3ヶ月間は、毎月1回セミナーを開催しているうちに、ビズリーチさんやパーソルキャリアさんと共催する機会に恵まれました。共催セミナーを繰り返し開催するうちに、周りの会社さんがベルフェイスに興味を持ってくれ、同じように声をかけてくれるようになったんです。下期は月に2回開催することを目標におき、12月は月に4回以上やってましたね(笑)。セミナー開催のポイントは、自分たちだけで最初はやろうとしない、いかに自分たちより有名な会社と組めるのかが重要です。

 

名のある会社と組むには、まずそこと取引をすること、あるいはサービスを導入することが必要だという。例えば、SalesforceやMarketoがそれにあたる。まずは有名な会社のサービスを導入し、その方たちが提供するユーザー向けのカスタマーサクセスをまず学ぶこと。そして、そこから価値ある顧客だと思われれば一緒にセミナーを開催してくれる可能性もあるとのことだ。

 

他社よりも先に全件電話をかけることが差別化につながる

ベルフェイスの体験がその場でできる展示会。Skypeなどの競合製品との違いを感じてもらうには、体験してもらうことが一番だ。ブース内にはその場で商談できるセットを15個くらい用意し、写した画面がブース上の大きいモニターに映るようにする。これにより来場者の興味関心を引き、実際の体験へと誘導。5分くらい冒頭の部分だけ行い、次の商談に繋がる布石を打つ。そんな展示会施策においても、組織としての実行力の高さが伺える。ポイントは、「他社よりも先に電話を全件かけ切ること」だ。

 

SDRチーム責任者・横山豊氏

 

横山氏:展示会では、1日目が終わったら次の日に獲得したリードに対して電話をするんです。初日に展示会にいる方は二日目にはほとんどいないですからね。初日に獲得したリード(名刺)は、Salesforceと連携した名刺管理ツールにあげておきます。 次の日には Salesforceに情報が入っているので、アポ設定を行うSDR チームが次の日に電話をかけ、アポイントを取りに行きます。ここで一歩遅れてしまうと、アポが取りづらい状態になってしまいます。他の会社さんも電話するのでお客さんも困ってしまうからです。先に先に、という意識が重要ですね。優先順位もつけていますが、基本的には獲得したリードには全部電話をかけています。

 

西山氏も、即日全件電話をかけることの重要性について重ねて強調する。

 

西山氏:獲得したリードには、非ターゲットの会社であろうと全部電話します。メールだけ出しておしまい、では勿体無いでしょう。前職の経験から言うと、名刺だけを集めて全然アプローチしていない会社はたくさんいるんですよ。それでは、本当にブースを出している意味がありません。アプローチすることが当たり前だと思うんですけど、それが徹底できていないところが多いので速やかに電話をかけるだけで差別化できます。

 

資料請求一辺倒から一転。ebookを充実させてライトCV獲得

「実施しているマーケティング施策の中でも、うまくいった施策はあるか。」という問いに対して、横山氏は、オフラインマーケティングに加えて、ライトコンバージョンを設置したこともその一つだと付け加える。元々は、2018年の下期がスタートする以前、コンバージョンポイントは資料請求の一辺倒だったという。その状況を打開しつつあるのが、ebookに代表されるライトコンバージョンの設置だ。

 

横山氏:「とりあえずお問い合わせください」という形で広告を回していたんですが、いつしか頭打ちになってしまったんです。そこから、もっとライトコンバージョンを取りに行くようになりました。具体的には、ebookの充実(ex.セールスツールを選ぶ上で必要なもの)です。ベルフェイス色を一切出していない内容であるため、アポ獲得の難易度はもちろん上がります。ただ、ベルフェイスには直接興味のない潜在的なユーザーにも、ステップメールを送ったり、リターゲティング広告を当てることで最終的に資料請求まで漕ぎ着けることが出来たりと、取りうる施策の幅が広がりました。制作コストは高いですが、着実に成果が出ているのは良かったですね。

 

下記がベルフェイスが注力しているebookになる。2019年1月の取材当時は、既に5つのebookが用意されている。11月からスタートした施策だが、徐々に受注が出始めているため、さらにebookを充実させる予定だ。

 

【ebook例】

 

複合的にプラス効果をもたらしたベルフェイスのCM

こちらの、ベルフェイスのCMを観たことがある方はきっといるだろう。対面で営業することにこだわる営業パーソンを演じる照英さんが、「営業は、足が命!足で稼ぐのが、営業だ!」とヒラメ筋を新人の営業パーソンに見せる。これに対して「それ違います。」と外勤営業以外の選択肢を提示するというユーモアあるCM。このCM前後において、いったいどれほどの変化があったのか。

 

西山氏:結論から言うと、回収した期間は数年かかるものの、投資した金額の1.5倍程度は回収できると見込んでいます。計算方法としては、新規受注による直接的なリターンに加えて、副次的な効果を足してそれを投資した金額で割り出したものです。CMの効果を測ることは本当に難しいのですが、営業が必ず確認をするようにしています。大体数十社は今のところ、CMを観たことが一つの要因になっているようです。

 

実は、単純な受注へのリターンだけではなく他のプラスの効果もありました。例えば、ベルフェイスの検索数が1.5倍、サイト訪問数は1.3倍、既存顧客の利用商談数が1.2倍と上がり、チャーンレートも若干下がったんです。面白かったのが採用ですね、かなり応募が増えました。一番大きな目的は、数字以外のブランディングと言う点なので、回収期間はあれど総合的に判断すればプラスですね。急遽決まったのですが、年明けからはテレビCMも始めています。

 

数年できちんと投資回収できるくらいになった理由は、きちんとメディアを考えて選んだこと。普段から山手線やタクシーで移動する営業パーソンの中にも、CMを見てハッとした方もいることだろう。そしてもう一つは、CMのクリエイティブにこだわったこと。フィールドセールス自体を真っ向から否定するわけではないのが重要だと語る。

 

いま抱える課題と今後注力していくマーケティング施策

ここまで見てきたように、ベルフェイスはマーケティングチーム発足から、わずか数ヶ月しか経っていないにもかかわらず、様々なマーケティング施策を展開し成果を出している。

 

背景には、優秀なマーケターを採用できたことに加えて、創業当初からずっと開発とカスタマーサクセスに注力してきた骨太ベンチャーの気質を持っているからだろうと社長・中島氏のnoteからも推察している。そんなベルフェイスが、マーケティング施策について今抱える課題と今後注力していく領域を伺った。

 

①MA(マーケティングオートメーション)の活用

全部のリードを合わせて1万件は超えるようになったタイミングで、MAツールのMarketoを導入した。総リード数が1万件を超えたら、全てに架電するよりも、見込み度の高いリード(ホットリード)を見つけて電話をかける方が生産性も高いからだ。ホットリードの定義および、ホットリードの増加に向けては現在進行形で試行錯誤している最中であるという。

 

②SEO施策:「SalesTech Hub」というオウンドメディアの新設

マーケティングにおいて、弱点だったのがSEO施策だという。その状況を打開すべく、2018年11月より主にグロースハックを担当している林氏がオーナーとなり、「Sales Tech Hub」というオウンドメディアを立ち上げた。このタイミングでSEO施策に取り組む訳を、西山氏は次のように語る。

 

西山:リード獲得において広告は即効性があるし、媒体を選べばターゲット企業のリードを集めることはできます。しかし、そこには限界も波もあるんです。だからこそ、価値あるコンテンツを作り、発信していきファンを作っていくことで安定的に相談が来る体制を作りたいですね。

 

【まとめ】ベルフェイスが実施しているマーケティング施策

 

ベルフェイスのインサイドセールス

ここからは、ベルフェイスのインサイドセールス施策について深掘りしていく。

 

まず、上記画像がセールス・SDR・マーケティングチームの連携フロー図だ。

 

ベルフェイスでは、横山氏が責任者を担うSDRチームも、その次の工程であるセールスチーム、どちらも一般的に言われているインサイドセールスである点が特徴的だ。どちらもベルフェイスを使って最終的なクロージングまで行う。滅多なことがない限り、フィールドに出ることはないという。インサイドセールス向けの営業支援ツールを行うベルフェイスが、相手先に対面で営業をしに行っていたら説得力がないからだ。

 

こちらがアポ設定などを行うSDRチームのミッションと体制。2018年の12月に立ち上がったばかりのチームである。

 

◉ミッション

 

◉体制

※正社員2名、業務委託1名、アルバイト2名

 

SDRチーム新設の背景には、過去の失敗があった

インサイドセールス施策において、最も取り組んで良かった施策は2018年12月からSDRチームを設置したことだという。

 

SDRチームを立ち上げる以前は、問い合わせに対してアルバイトに初動対応を任せ、質の精査はせず、ひたすらアポを獲得することをKPIにおいていた。

 

その結果、問い合わせに対して半分くらいはアポを設定できるほどになってはいたが、一人当たりの営業が1日6,7商談程度、多い時は1日10商談くらいまでになってしまったのだ。

 

西山氏:振り返ると、残業に次ぐ残業で疲弊していく営業、受注につながらない商談ばかりという状況になっていました。これでは昔と何も変わっていない、これはまずいと思い、しっかりニーズを精査すること、そしてリードナーチャリングを目的にSDRチームを作ったんです。SDRチームを立ち上げてからは、商談の質も上がり、商談の受注率も倍くらいになりました。商談の数は6割くらいまで減りましたが、12月の月間売り上げは社内のギネス記録を更新したんです。

 

SDRチームのKPIはアポ設定数ではなく”商談数”

アポ獲得数をKPIにおいて、過去失敗した経験があるため、SDRチームではKPIを商談数においている。その理由を横山氏は次のように語る。

 

横山氏:SDRチームがアポ獲得数を追ってしまうと、その後にしっかり商談したのか追わなくなってしまうんです。全部アポイント設定しようが、有効な商談に繋がらなければ意味がないですよね。だからこそ、商談数を追っています。KPIを商談数においてから、SDRチームが商談を行ったものに、「このアポどうでしたか?」とヒアリングをしっかりしに行くようになったことがとても良かったですね。

 

アポイントには、ライト・ミドル・ヘビーというランク付けを行っている。

 

 

このヘビーとミドルの商談数を足したものがKPIになっている。

 

ちなみに、ライト・ミドル・ヘビーというネーミングは西山氏と横山氏が元ボクサーであることに由来している。

 

ファイティングポーズを決める横山氏・西山氏

 

ベルフェイスの録画機能は、営業のブラックボックス化をなくす

もう一方のセールスチームにおいては、録画機能の活用が非常に有効な施策となっているという。録画機能とは、ベルフェイス接続時にどの資料を、どんな順番で、どれくらい見せたかを記録するもの。通常の営業ではブラックボックス状態の商談をベルフェイスを使って録画すれば可視化することが可能だ。そのため、新人の研修やトップセールスのベストプラクティスから学習することも容易になるという画期的な機能である。

 

西山氏:ベルフェイスでは、新人が入社をする前にNDA(秘密保持契約書)を結んで、録画した動画のURLを送り、受注した企業の一覧、失注した企業の一覧、ベストプラクティス集、失敗集など全部を見てきてもらいます。そうすると、入社した時には受注する勝ちパターンが頭の中に入ってるんです。新人教育に限った話ではありません。営業同士が見合うようになると本当に良いですよ。隣の席にいるライバルの営業がどんな営業をしているのかって、意外と皆さん知りませんよね。でも、ライバルの営業がやっていることにこそ、勝ちパターンのヒントがいっぱい詰まっています。そこでお互いに営業の様子を見合い、フィードバックし合うことで、ノウハウがシェアされるという。本当に、この機能はベルフェイスの宝ですね。

 

インサイドセールス成功のカギは、仕組み化と人材

①仕組み化する会社の徹底した姿勢

インサイドセールスが定着する企業の特徴としては一つ、徹底してやり切る組織力がある。例えば、ベルフェイスを導入すると決めたら、検証すべき項目をまず整備する。検証項目をクリアしたら、責任者が先導して全員に使わせることでしっかりと根付くという。

 

この時、責任者の影響力がカギにもなる。営業パーソンはその性として、どうしてもすぐにフィールドに行きたがる傾向にある。まずは、責任者が積極的にベルフェイスを使うことで、インサイドセールスを用いる目的や意義、それに伴う生産性の上がり方を啓蒙する。そして、それをルール化してやり切ること。ここをやり切れるかどうかで、インサイドセールス導入が成功するか否かは決まるのだ。

 

②人材の質

その上で、人材の質、インサイドセールスへの評価制度やモチベーション管理、そして育成制度を整備することが重要になる。例えば、SalesforceやMarketoはそのレベルが極めて高いという。

 

西山氏:SalesforceやMarketoのような企業では、インサイドセールスを行なっている人たちが使命感を持ってやっています。卑屈な様子が一切ないんです。周りの方も含めて、インサイドセールスがすごく重要なポジションであることをそれぞれが理解しています。ここがいい加減だと、せっかくマーケティングチームがリードを獲得しても有効な商談は設定されません。誰がかけてもアポ設定できるものを、ただセッティングしているだけならば、アルバイトやインターンでも良いんです。でも、潜在的なニーズしかないものを、事例などを織り交ぜながら見込みレベルを少しあげて、それでもアポにならないなら、いつならなるのかを聞いてもう一度待つ。これって、完全に営業の入り口ですよね。この辺りをしっかりやり切れるのは、営業経験者だったり、元カスタマーサクセスで事例を語れる人だったりするんです。

 

以上、ここまでベルフェイスの変遷、マーケティング施策、インサイドセールス施策について深掘りしてきた。取材を通して終始感じたのは、とにかくベルフェイスは「徹底してやり切る力」が非常に高い筋肉質な組織であるということ。代表の中島氏が自身のnoteにて骨太ベンチャーと自称していたのもわけはない。

 

プロダクトで差別化をはかることが容易ではないBtoB SaaS企業にとって、組織力は非常に重要な競合優位性になるだろう。もちろん容易に模倣できないことは承知の上だが、他社にとっても参考にできる点は多いのではないだろうか。

(写真撮影:山田健司氏)

 

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金森悠介

早稲田大学在学時代、複数のベンチャー企業にてメディア運営、法人営業、広報等に従事。ブログでSaaS関連の情報発信をしていたことをきっかけに、株式会社才流に2019年新卒入社。マーケティングプロジェクトのアシスタントコンサルタントや、編集を担当する。

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