日々の営業活動や営業育成においてこんな課題はありませんか?
・顧客の課題やニーズを深掘りできない
・顧客とのディスカッションがいまいち盛り上がらない
・顧客との認識齟齬が生まれ、的外れな会話・提案をしてしまう
・顧客の現状整理に抜け漏れがあり、質の高い提案ができない
このような場合、顧客から提示された情報の整理や認識合わせをしないまま商談を進めているケースがほとんど。顧客との認識のズレが生じやすく、提案の質も高まりません。
こういった課題を解決するのが、顧客から提示された情報をもとに、提案内容で満たすべき条件を明確にする与件整理です。
そこで才流(サイル)では、情報の整理や顧客との認識合わせに使える与件整理フォーマットを、目的別に5種類作成しました。本フォーマットを活用することで、顧客のニーズを整理する能力が高まり、さらに深いヒアリングやディスカッションが可能になるでしょう。
5種類の中から目的に合ったフォーマットを選び、自社に合わせてアレンジしてご利用ください。
与件整理フォーマット(PowerPoint形式)をダウンロードする※個人情報の入力は必要ありません。 クリックするとファイルがダウンロードされます。
才流(サイル)の「セールスイネーブルメントコンサルティング」では、営業活動型化を支援しています。お気軽にご相談ください。⇒才流のサービス紹介資料を見る(無料)
与件整理とは
与件整理とは、営業活動や商品・サービスの提供において、顧客から与えられた要望や情報をもとに、提案内容や商品・サービスで満たすべき条件を整理することです。
与件整理によって顧客ニーズを正確に把握することで、営業活動自体の効率が向上し、精度の高い提案が可能になります。
取り組みの前提条件やゴールの達成基準などの認識を顧客とすり合わせることで、顧客をより深く理解したうえで支援できるほか、顧客の期待と異なる提案内容やサービスの提供を防ぐことにもつながります。
与件整理を営業活動に取り入れるメリット
与件整理は、営業活動に欠かせないプロセスです。「ここまで伺ったお話、このように理解していますが合っていますか?」というように、顧客が語った課題に対する自社の理解を示すことで、認識を合わせ、議論を深めることが可能になります。また、ヒアリング内容を整理することで、顧客との食い違いを防ぐ効果もあります。
与件整理を営業活動に取り入れるメリットについて、以下のようにまとめました。
- 顧客を深く理解できる
ヒアリングによって顧客の課題・ニーズに対する認識を確認することで、顧客を深く理解できます。「他にこういう点も考える必要があるかもしれない」「そういう意図で言ったわけではない」「前回伝えたこの話には、実はこういう背景がある」といった気づきが生まれ、一度聞いただけではわからない情報が得られます。
- 顧客とのディスカッションが活発になる
自社の認識を顧客に明示することで、ディスカッションが深まりやすくなります。
与件は顧客が言葉にしたことだけではなく、営業担当者のインサイト(洞察)が入るべきです。「前回こうおっしゃられたということは、○○が非常に重要なポイントだと考えるのですが、いかがでしょうか」などと、こちらが提案にあたって重視する点を伝えられれば、解決に向けてなにが必要なのかをより深く議論できます。
また、顧客にとって重要な気づきを与えることで、営業担当者や自社に対する信頼や期待の獲得にもつながります。
- 的外れな会話・提案を避けられる
顧客との認識齟齬が生まれにくく、的外れな会話や提案を避けられます。
顧客が営業担当者に対して抱く不満の多くは「同じ言葉で話せない」「的外れな質問や提案が多い」といったコミュニケーションの不調にあります。与件整理を行うことで、顧客が自ら語ったことや自社の見解に対する顧客の反応や考えを正確に把握でき、ミスコミュニケーションによる失点を防げます。
- 提案や商品・サービス提供の質が高まる
顧客の現状を網羅的に整理できるため、提案や商品・サービス提供の質が高まります。
与件整理のもっとも大きなメリットはここにあります。「なにに困っているのか」「それはなぜ起こっているのか」「なにから手をつけるべきか」について、顧客の考えを正確に把握でき、自社の考えとのすり合わせもできるため、質の高い提案を作りやすくなります。
また、与件整理で「なにをどう目指すか」が明確になることで、受注後も的を射た商品・サービスの提供ができるうえ、期待値ギャップによる問題も起こりにくくなります。
与件整理フォーマットのダウンロードと使い方
与件整理は営業活動の質を左右する重要なプロセスですが、与件整理を正しくできていない営業パーソンは意外と多いように見受けられます。
才流では、顧客から提供された情報や要望、課題などを明文化して、自社と顧客の認識が合っているかどうかを確認する与件整理のプロセスを、誰でも簡単に実行できるフォーマットを作成しました。フォーマットは5種類用意しているので、目的に合わせてお選びいただけます。
ぜひフォーマットをダウンロードしていただき、本記事の解説を参考に自社の営業活動に役立ててください。
与件整理フォーマット(PowerPoint形式)をダウンロードする※個人情報の入力は必要ありません。 クリックするとファイルがダウンロードされます。
ここからは、与件整理フォーマットの使い方をユースケース別に解説していきます。
フォーマット1:対策方針の整理が不要な場合
5種類の中で、もっとも簡易的なフォーマットです。顧客からヒアリングした「現状」と「目指す姿」について、最低限の粒度で認識合わせをしたい場合に使用します。
顧客のなかで課題の対策方針が明確になっている場合、与件の整理はこのフォーマットで十分です。
「現在はこういう状態で、今後こういう状態を目指すために、○○の購入を検討しているのですよね」という形で、現状と目指す姿の認識(期待値)に相違がないかだけを確認します。
フォーマット2:対策方針をシンプルに整理したい場合
このフォーマットでは、「現状」「目指す姿」にとどまらず、「対策」に踏み込んで認識合わせをすることが可能です。課題の解決のためになにをすべきか、顧客が明確な解を持っていない場合に有効です。
多くの顧客は課題に対する「対策」を探しています。一方、営業は「対策」として自社商材を売りたいと思っています。そのため、商談では「対策については、こういう方向性がよさそうですよね?」という認識あわせがとても重要です。
本フォーマットを使えば、顧客がどのようなアクションを想定しているか、自社が考える対策方針に対して見解のズレがないかを確認することができます。
フォーマット3:現状と課題を切り分けて対策方針を整理したい場合
このフォーマットも対策を整理したい場合に使用します。2のフォーマットとの違いは、現状と課題を切り分けて、より細かく整理できる点です。
現状と課題に関する情報が多く、切り分けて整理・議論したい場合は、このフォーマットを使用するのがおすすめです。
フォーマット4:対策方針について顧客と自社の考えをすり合わせたい場合
課題に対する仮説や対策方針について、両社の考えを整理し、議論するためのフォーマットです。
与件を整理する際は、「現状はこうですよね」→「それに対し、御社はこうお考えですよね」→「それを受けて、私たちはここが重要だと考えています」→「よって、これも対策として考慮すべきと考えます」という流れで話します。
この流れ自体はどのフォーマットでも変わりませんが、顧客の考えと自社の考えを切り分けて提示することで、顧客との議論をより深めやすくなります。
また、現状考えている提案方針を試しにぶつけることができるため、それが顧客のニーズに合うかどうかを検証できる点もメリットです。
フォーマット5:課題の原因について議論を深めて対策方針を整理したい場合
このフォーマットは、課題の原因と各原因への対処方法について議論を深めたい場合に使用します。顧客側で課題の原因に対する認識が浅かったり、漠然としていたりする場合に適しています。
また、前提条件が明示されているのもポイントです。曖昧になりがちな前提条件を確認しながら対策を議論できます。
自社に適した与件整理フォーマット作成のポイント
ここまでで紹介した5種類のフォーマットは、自社の状況に合わせてアレンジしてお使いいただけます。
しかし、与件整理のフォーマットがあったとしても、その中身は営業パーソンのスキルやセンスに左右されるもの。与件整理の質にバラつきが出てしまう恐れがあります。
そこで、自社の営業活動において、必ず整理すべきことをあらかじめ項目に落とし込んでおきましょう。
たとえば、人材業界の営業活動であれば、採用数、離職数、採用単価などを整理することは必須。必ず整理しておきたい情報は、以下の図のように項目として規定してしまうのがおすすめです。
まとめ
与件整理は、顧客のニーズを正しく把握・整理するのに必要なプロセスです。提案の質を高めるためにも、ぜひ取り入れることをおすすめします。
営業パーソンごとに与件整理の質にバラつきが発生しないように、本記事で紹介したフォーマットをアレンジしてご活用ください。活用のポイントは以下のとおりです。
- 業界や目的に合わせてフォーマットを使い分ける
- 必須項目はあらかじめフォーマットに落とし込む
- 全案件で取り組むのは大変なため、重要顧客など優先順位をつけて実行する
- まずはシンプルなフォーマットから始め、定着状況を見ながら整理すべき項目を増やす
以下の記事で、セールスイネーブルメントの取り組みについて解説しています。本記事と合わせて自社の営業活動の参考になさってください。
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