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1ヶ月で成果がでる!案件化率向上と育成を兼ね備えた商談事前準備のやり方【テンプレート付き】

営業
株式会社才流 コンサルタント
宮戸 章光

皆さんはこれまでに「営業は事前準備が9割」「事前準備を制する者が営業を制する」などの言葉を聞いたことがあるかと思います。巷には多くの関連書籍、インターネット記事が溢れていますし、我々も営業コンサルなどの支援を通じて、実際に業種業界問わずトップセールスの方々は事前準備に工数をかけていることを実感しています。

事前準備の品質が商談の品質を左右すると理解する一方で、案件停滞や失注の際に商談内容・提案内容に原因を求め、事前準備への関心が低い企業が多いのが現状です。事前準備時に何を、どれだけ、どのように行い、どのように活用したのかを振り返り、自社にとって最適な事前準備を定義・運用することが組織に求められます。

本稿では改めて事前準備の「目的、根拠」から「設計方法、運用方法、留意点」に至るまでを体系化しました。今後の組織力強化、営業活動の参考にしていただけますと幸いです。

なお、この事前準備は全ての案件において活用いただけるものですが、大規模案件などより詳細な準備が求められる商談においてはアカウントプランニングシートというより精緻な取り組みが必要となりますので、別の機会に紹介させていただきます。

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商談事前準備とは(目的、根拠)

はじめに事前準備の目的と、その目的達成に事前準備が有効な根拠を説明いたします。

作成の目的

  1. リレーション構築
  2. 案件化率、受注率向上
  3. 新規案件獲得、クロスセル・アップセルの獲得
  4. 育成の早期化

顧客は信頼していない相手には課題を深く話しません。事前準備で顧客解像度を向上させることで「信頼に値する営業」と評価され、詳細な課題把握が可能となり、ひいては受注・新規案件の創出に寄与します。また、顧客分析や自社の商品/サービスの分析を行った上で上司からのフィードバックや、その後の面談の振り返りを実施するため営業パーソンの早期成長が可能となります。

目的が達成できる根拠

  1. 顧客解像度が上がる
  2. 顧客の課題、解決策の方向性、自社商品/サービスの3要素を整合できる
  3. 営業計画(プロセス)が設計できる

顧客は多忙であり自分にとって無益な営業とは商談時間を捻出したいとは思いません。現在の営業に求められることはソリューション(顧客が認識していない課題・解決策を提供)であり、業界や自社について見識が浅く、自分たちと同等以上に議論ができない営業は排除されるでしょう。

顧客解像度を上げ、課題、解決策の仮説を導き出し、顧客にとって最適な営業プロセスで接するために事前準備が肝要となります。

商談事前準備の全体像

商談前に事前準備を実施している企業の方々からの声を総合すれば、

  • いつ実施すれば良いか
  • 何を実施すれば良いか
  • どこまで実施すれば良いか
  • どのように活かせば良いか

のいずれかに苦慮されています。まずは商談事前準備の全体像となるテンプレートの完成形をお見せし、上記4点を踏まえながら1項目ずつ丁寧に説明をさせて頂きます。

事前準備シート(Excel版)をダウンロードする

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※クリックするとダウンロードされます。

最初に留意点

シートを見て「ここまでの準備は出来そうにない」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、1回の無駄な商談時間は移動時間も含めれば2時間近くなりますし、本来受注できるはずであった案件を失注したとしたら等を時間や費用で計算すれば事前準備をすることが効率的であることを再認識できると思います。そして、同時にこの取り組みが情報収集力、課題設定力、顧客対応力、等のスキルアップにも役立ちます。

工数を確保できない場合は、顧客をランク分類し重要顧客のみ実施、重要案件のみ実施、新人は毎回実施、のような形で段階的に開始してください。

最終的には、作成の練度が高まりシート1枚に30分程度で完成することができます。

商談3日前に実施

商談の3日前に実施することを基本ルール化します。事前準備でまとめた内容を上司と15分程度打合せし、過不足がないか、仮説や洞察の粒度に違和感が無いか、用意した事例は適切かのアドバイスをもらいます。組織内の情報共有・形式知化に有効ですし、特に若手・中堅にとって有益な時間となるでしょう。

取り組み8項目

1、顧客の基本情報理解

商談企業の業界、競合、取扱商品/サービス、販売手法、強みなどの基礎情報を整理します。中期経営計画、IR、業界紙、等でわかるでしょう。

ここで重要なことは、その情報から持論を持つことです。伝統のある老舗オーナー企業であれば保守的かもしれませんし、当代オーナーは会社を継続させることを重視する傾向があります。地元の経営者ネットワークが強いかもしれませんし、強力な参謀(番頭)がいるかもしれません。

また、OpenWorkのような社員・元社員がレビューをしているサイトからリアルな企業風土や方向性を調査するなど独自の情報源を持つことは差別化に繋がります。当然、掲載されている情報は玉石混交であり、真否の見極めは必要となります。

2、顧客を取り巻く環境理解

ここの粒度が顧客から信頼を獲得できるか、不要な営業と判断されるか、の分かれ道となる重要ポイントです。

企業が新たな商品/サービスを購買するのは、何か成し遂げたいことがあり(ゴール)、実現できず(問題)、解決手段(ニーズ)を探しているからです。そしてそれらには様々な理由があります(背景)

つまり顧客が抱えているゴール、問題、ニーズ、背景を仮説として導き出すことで顧客解像度が向上し、本質的な課題の把握や最適な解決策の検討が可能となります。全ての商談はここを起点に展開されます。

3、事例

商品/サービスの効果性を説明するには事例が強力なツールとなります。競合のA社、B社でも導入し成果が出たのであれば、自社でも成果が上がる可能性は当然高いと判断できます。

ここでは「事例が少ない」という相談が多い点について解消していきます。事例は「顧客が利用し成果が出たもの」つまり「成果事例」だけと思われがちですが、他の事例が存在します。事例の少なさは運用次第で解決が可能となります。

事例には「成果事例」「運用事例」「導入事例」があります。

成果事例は一般的に認識されている事例であり、その商品/サービスを購買し利用した結果、顧客が得た具体的な定量成果です(売上10%アップ、等)。

運用事例は、成果は出ていないが運用している状態です。成果は乏しくとも多くの企業で運用がされていれば充分に訴求力があります。特に定量的な成果計測が困難な商品を扱っている企業が使う手法です(大企業の〇〇で運用中、等)。

導入事例は、成果も運用も無いが、他で契約が取れている状態です。誰もが知る大企業や、認知度は低くとも多くの企業に導入実績があれば顧客の警戒心は低くなります。これまでの市場に無いまったく新しいサービスを生み出しているベンチャー企業はこの手法を使っています。(先進的企業とされいる〇〇企業に販売、等)

当然、成果事例は運用も導入もした結果のため3つ全てに使用が可能であり、使い方次第で顧客に示せる事例は増えてくることになります。

また、顧客と同じ業界の事例が無いケースにおいても、

  • 業界は違うが同じ課題を持っている企業の課題を解決した(課題軸)
  • 業界も課題も違うが同じビジネスモデルの企業の課題を解決した(ビジネスモデル軸)

など別軸での事例があれば訴求が可能です。むしろ、新たな気付きを与える観点で喜ばれることもあります。

4、反論対応

顧客が質問や反論をしてこないことはあり得ません。反論へ適切に対応することで営業としての信頼、商品/サービスの信頼に寄与し案件化、成約へと推進ができます。営業の世界では「4つの不」が有名ですが、「誤解、保留」も加えることでさらに商談を前進させることができます。

誤解、保留について説明をいたします。

●誤解

顧客の「ウチの品質基準を満たしていない」の言葉は「不適」とされ「別の部分で貢献できることを訴求する」などの模範解答がありますが、実際の営業シーンでは単に顧客が「誤解」しているケースがあります。その場合に営業がとるべき行動は、「データや事例を示し誤解を解く」となります。「不適」が「本来の意味で不適」なのか「誤解」なのかを区別・判断することが重要です。

●保留

顧客から「社内で検討します」と言われ、待っている間に顧客の購買意欲が低下してしまった、他社で決定してしまった等のケースは枚挙に暇がありません。本来であればその場で次の商談アポイントを取り、顧客接点を切らさないことが必要です。

初期商談では不要や不急が、提案時には不信や不適が出現しやすいといった傾向があります。この一般論に加え、自社の商談を振り返り、商談フェーズごとに頻出する反論を整理し対策を用意することで効率的な商談運営が可能となりますので、ぜひ一度ご確認ください。(FAQといったカジュアルな意味ではなく、多くの営業が苦心している商談のボトルネックになっているような反論です)

反論対応シート(Excel版)をダウンロードする
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5、問題確認

仮説立てした顧客の問題の確認方法(聞き方)には注意が必要です。仮に「担当営業ごとに案件保有数にバラつきがある」と仮説立てした時に「案件のバラつきがありませんか?」と聞いた場合に、相手の解釈に依存することになります。バラつき度合いが10あったときにAマネージャーは「(許容範囲内で)バラつきなし」と回答するかもしれませんし、Bマネージャー「バラつきあり」と回答するかもしれません。

まずは「担当営業ごとの案件保有数は統一されていますか?」と聞くことで実態を聞き出すことができます。適切な聞き方を設計することで問題の理解に近づきます。

6、価値訴求

次に顧客の課題/ニーズと商品/サービスの価値を整合させます。仮に業界唯一、圧倒的な機能を有していたとしても顧客ニーズに合致しなけばオーバースペックです(当然、価値を感じることになりますが、営業活動の本質という点で受け止めてください)。

この点を頭では理解していても商談となるとスペックの説明など自分たちが伝えたいことに終始してしまう営業パーソンが多いのが実情です。顧客視点に立ち、自社商品/サービスが有している機能が顧客に対しどのような価値を提供できるのか再定義し、顧客の前で言語化できる状態を設計します。

価値訴求シート(Excel版)をダウンロードする
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7、シナリオ設計とゴール設定

トップセールスの特徴に商談シナリオや商談回数を事前に計画している点、商談1回1回に対し複数のゴールを設定している点が挙げられます。無計画に臨んでは無駄な商談や工数が増えてしまうためです。

中規模のオーナー企業の商談が取れた場合、初回からオーナーが同席し即決するといったことも少なくありません。その場合はクロージングまでできる準備が必要となります。

一方で大企業との商談では、いきなり受注となることはほぼありません。案件への関与者が多く、担当者は社内調整や根回しも必要となってくるでしょう。となれば「今回の初回商談の相手は窓口担当の方だから、キーパーソンの紹介の約束と、課題を2点確認する」「2次商談でキーパーソンにその課題をぶつけて間違いがなければ事例説明に持ち込もう」・・・等を想定し逆算し行動計画を立案します。

つまり自社都合ではなくはなく顧客視点で商談シナリオを設計することです。それを理解せずに商談を進めるようなことはあってはなりません。

また、どんなに入念な下準備をしても予定通りに進まないのが営業活動です。予定していた商談ゴールが顧客と合意できずに中途半端な状態で商談を終了させ、次回以降のアポイントが取れず気が付けば案件が消滅してしまうケースがあります。予定していたゴール(BEST)が合意できなかった時のために2つめ(BETTER)、3つめ(GOOD)を用意しておくことで確実に商談を進捗させることができます。

8、上司フィードバック

以上の全て終了後、上述の通り上司と15分程度の1 on 1を行い、内容に過不足がないか、仮説や洞察の粒度に違和感が無いか、用意した事例は適切かのアドバイスをもらいます。

フィードバックに基づき事前準備の内容をブラッシュアップさせ商談へ臨みます。場合によっては、この場で模擬商談をすることも有効です。

以上の全てで体系化シートが埋まります。

商談当日の活用方法

実際の商談では仮説立てしたゴール、問題、ニーズ等が正しかったかを確認することに使用します。当然正しくないケースもありますが、顧客や業界のことを十分理解し商談する営業と、何も仮説を持たず「課題は何ですか」「何かお手伝いできることはありますか?」と聞くだけの営業では顧客からの信頼、商談の成功率が格段に異なります。

事前準備により、顧客解像度が向上し、提供すべき情報が明確となり、抱えている課題を解決するためには何をすべきかを明示できるようになります。それが信頼関係に繋がるのです。

商談後、上司へ実際の面談内容を報告し振り返りを実施します。同時に次回の商談に向けたアドバイスをもらうことも可能です。「事前準備→上司のフィードバック→商談→振り返り」を行うことが大事であり、スキル向上へも寄与します。

また、上司に情報が集約され一元管理することで情報の共有化・資産化が可能となり、上司のフィードバックの質も向上されるメリットがあります。(SFA/CRMを導入すれば効果性はさらに向上するでしょう)

テンプレシート3種(再掲)

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最後にtips

商談を前進させるtipsを紹介します。

商談ではその場で顧客が成し遂げたいゴール、ニーズ、問題、問題の原因、解決策の方向性を確認し1枚のシートにまとめます。

その他に、「問題を放置するとこの先どうなるのか」(ホラートーク)もヒヤリングし、問題を先送りすることのリスクを再認識してもらいます。以上を1枚のシートにまとめ商談終了後に内容に間違いが無いか合意形成を図り、合意ができれば当日中に議事録としてその画像をメールで送付しましょう。

通常の商談では言った言わないや、お互いの認識齟齬が発生することがままありますが、画像を送ることで、認識齟齬が無いだけでなく、その後の合意形成が図りやすく案件化率や成約率が高まります。

有名なBANTCH(予算、決裁者、ニーズ、タイミング、競合、人的リソース)も把握できればベストです。※ニーズは解決策の方向性に該当

まとめ

今回の「SAIRU NOTE」では営業において重要活動とされる事前準備プロセスをご紹介しました。

顧客とのリレーション構築、成約率向上、クロスセル・アップセルのためには、入念な事前準備に取り組むことをおすすめします。

才流では事前準備に関する

  • 精度の高い仮説を立てたい
  • 実践に役立つ内容にしたい
  • 事前準備により組織の早期育成を実現したい

などのご相談をお受けしています。

個別相談会を行っておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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