BtoBマーケティングの定番の施策の一つとして、比較サイトの活用が定着してきました。
才流(サイル)でも、リードを獲得したいお客さまから「比較サイトの利用は本当に有効なの?」「比較サイトはどうやって選べばよい?」といったご相談をよくお受けします。
そこで本記事では、BtoBサービスの比較サイトで成果を出すための運用のポイントや、比較サイトの選び方について解説します。比較サイトの活用を検討している方、またはすでに活用しているが成果を出せていない方は、ぜひ記事の内容を参考にしてください。
才流では「比較サイトをどのように選べばよいかわからない」「比較サイトの最適な運用方法がわからない」企業さまを支援しています。マーケティング活動でお悩みの方はお気軽にご相談ください。⇒サービス紹介資料の無料ダウンロードはこちら
BtoBサービスの比較サイトとは
BtoBサービスの比較サイトとは、会社・事業運営に必要なさまざまなBtoBサービスを比較・検討するためのWebサイトのことです。
比較サイトには、サービスの特徴や価格、評価など、該当カテゴリ内での比較ポイントがまとめられています。ユーザーは、その中から自社に必要なサービスを効率よく選びだし、一括で資料請求や問い合わせを行うことが可能です。
比較サイトはBtoBマーケティング手法の一つ
BtoB企業のマーケティング活動において、比較サイトは有効な手法の一つです。
比較サイトに自社のサービスを掲載することで、比較サイト内でサービスを探しているユーザーが自社のサービスを認知し、ニーズと合致すれば資料請求や問い合わせにつながります。つまり比較サイトは、サービスを検討しているユーザーと効率よく接点をもてる手段だといえるでしょう。
なお、比較サイトを利用する際の料金体系は、掲載するサービスに対する資料請求や問い合わせなどのリードを獲得したときに料金が発生する成果報酬型が一般的です。
比較サイトでリードを獲得できる理由
比較サイトで本当に集客ができるのか、不安に思う担当者もいるかもしれません。ここでは、比較サイトがどのように集客を行い、どのようにリード獲得につながるのかを解説します。
SEOコンテンツで効率よく集客できる
BtoBの比較サイトの主な集客手段はコンテンツSEOです。
ためしに「経費精算 比較」というキーワードで実際に検索してみてください。上位表示されているほぼすべてのWebサイトが比較サイトであることがわかると思います。
このように、比較サイトではサービスを検討するユーザーが検索するキーワードを中心にコンテンツを提供します。それによってWebサイトへの流入を獲得し、一括資料請求や問い合わせなどのアクションを促しているのです。
そして、資料請求や問い合わせを行ったユーザーは、資料請求した事業者からの情報提供を受け取ることができます。
比較サイトを訪れるのは検討中のユーザーが多い
比較サイトを利用してアクションをするユーザーには以下のような特徴があります。
- すでに具体的な導入に向けたサービスの検討が始まっている
- 同じカテゴリのサービス情報を複数見て、比較検討している
媒体にもよりますが、ユーザーは基本的に数件から10数件の企業に対して一括で資料請求などのアクションをしている傾向があるようです。このように、すでに選択・検討のフェーズにあるユーザーが多いため、資料請求や問い合わせなどのアクションにつながりやすいと考えられます。
比較サイトで成果を出す3つの運用ポイント
一般的に、比較サイトからは安定してリードを獲得できます。しかし、比較サイトからの商談設定率は数%〜10%程度に落ち着くことが多いです。
そのため、比較サイトに掲載すれば売上が伸びるというわけではありません。正しく活用できなければ、受注・契約に結びつく実感をもてずに撤退することになるでしょう。ユーザーのアクションの傾向を把握したうえで、正しく成果が出る運用を心がけるのが大切です。
比較サイトで成果を出すための運用のポイントは以下の3つです。それぞれについて詳しく解説します。
- 競合のサービスとの違いを示す
- 素早く連絡をとる
- 継続的にコミュニケーションする
競合サービスとの違いを示す
比較サイト経由でアクションするユーザーには、以下のような傾向があります。
- 検討の度合いが高く、すでに情報収集している
- 一括で資料請求を行っている
顧客はサービスカテゴリの汎用的な情報(業務効率が改善する、こんなユースケースがあるなど)ではなく、他サービスとの具体的な差異を知りたいと思っています。たとえば、最安値はどこか、同業界での事例が多いか、他サービスにはない機能があるかといった点です。
そのため、比較サイトに掲載する際は、事前に他社の掲載状況をリサーチしておきましょう。どのような情報を提供することで顧客に振り向いてもらえるのか、あらかじめ定めておくのがポイントです。
素早く連絡をとる
比較サイトでのユーザーのアクション(資料請求・問い合わせなど)は、数件から10件以上のサービスに対して一括で行われます。
ご自身で引っ越しや保険、車買い取りの資料を一括請求した経験はありますか?その際の状況を思い出してみてください。おそらく、即時〜10分程度の短時間で、何件もの電話やメールが送られてきたはずです。そして2、3件の対応をしたら、いったんその先は対応せずに終わらせてしまった方が多いのではないでしょうか。BtoBサービスの比較サイトでも、ユーザーは同じような体験をしているのです。
インサイドセールス支援を行う株式会社セールスリクエスト代表・原 秀一氏によると、比較サイト経由のリードに対して5分以内に架電すると通電率が約3倍以上も向上するといいます。そのため、他の企業がユーザーと接点をもつ前に素早く連絡をとるのがポイントです。高い通電率を維持して成果につなげるためにも、必ず実施しましょう。
継続的にコミュニケーションする
比較サイトを訪れるユーザーの検討の度合いは高いといえます。しかし、ユーザーが比較サイトでアクションをしたタイミングで、スムーズに導入まで至るとは限りません。
とくに、企業規模が大きい場合では、サービスの検討に数か月〜数年かかることも。そのため、ユーザーと継続的にコミュニケーションをとるのが大切なポイントです。
BtoBサービスの比較サイトで成果を出すためには、以下の2つの視点を同時にもちつつ運用を続けていきましょう。
- 即時のコミュニケーションで、短期的な成果を獲得する
- 長期的なコミュニケーションで、リードナーチャリングを行う
成果につながる比較サイトの探し方・選び方
比較サイトはWeb上に数多く存在しており、その中から自社に最適なサイトを選ぶのは簡単ではありません。ここからは、比較サイトの探し方と選び方のポイントを解説します。
比較サイトの探し方
比較サイトを探す方法は、「検索」「一覧記事」「知り合いに聞く」などが一般的です。そこで、それぞれのポイントを解説します。
検索して探す
自社のサービスのカテゴリ名と「比較、おすすめ、評判、一覧」などのキーワードをかけ合わせて検索。そこで上位表示されている比較サイトをリストアップしましょう。
もしくは、競合のサービス名と「特徴、機能、料金、評判、レビュー」などのキーワードをかけ合わせて検索。すると、該当するサービスが掲載されている比較サイトが上位表示されます。
比較サイト一覧記事から探す
「BtoB 比較サイト 一覧」などのキーワードで検索してみてください。比較サイトのまとめ記事が表示されるので、その中から探しましょう。
知人、パートナーに確認する
マーケティングや営業関係の知り合い、つき合いのあるコンサルティング会社がいたら、比較サイトの利用実績がないか聞いてみましょう。利用したことがある場合は、評判についてヒアリングします。
ヒアリング先のつてがなければ、ビザスクなどのスポットコンサルサービスを活用して専門家に意見を仰ぐのもよいでしょう。
比較サイトの選び方
比較サイトの選び方のポイントは以下の3つです。
- 自社のサービスに合ったカテゴリがあるか
- 目標達成に必要な成果数を安定して供給できるか
- 自社の営業体制にフィットするか
自社のサービスに合ったカテゴリがあるか
カテゴリとは、「経費精算」「勤怠管理」など、そのサービスを一言で表した際にあてはまるキーワードのことです。その比較サイトに自社のサービスに該当するカテゴリがあるかどうかは重要なポイントです。ただし、カテゴリが設定されていない場合でも、依頼すると新規で作成してくれることもあります。
目標達成に必要な成果数を安定して供給できるか
その比較サイトが重要なキーワードの検索結果で上位表示されていて、なおかつ豊富なユーザー数を抱えているのであれば、目標達成に必要な成果数は安定して供給されると考えてよいでしょう。
また、月々の上限を設定できるような、予算に合わせて成果数をコントロールできる媒体もおすすめです。
自社の営業体制にフィットするか
自社がどのような営業体制をとっているかによって、最適な比較サイトは変わってきます。たとえば、営業体制には以下のようなケースが考えられます。
例1:通電やアポを獲得しやすい良質なリードを、高単価でいいから少量ほしい
例2:質は低いが低単価なリードに大量にアプローチしていきたい
自社に適したサイトかどうかは、最終的には実際に掲載・運用してみなければわかりません。上記の3つのポイントを加味したうえで、複数の比較サイトを試してみるとよいでしょう。
比較サイトは比較的低リスクでチャレンジできます。複数を試してみて、自社にぴったりの運用方法を見つけましょう。
比較サイトの運用事例
ケース1:SaaSサービス
某SaaSサービスを展開するA社の事例を紹介します。
A社は比較的大手の企業をターゲットとしていますが、リスティング広告を中心に月額の広告費に約100万〜200万円が発生していました。また、サービスのカテゴリにおける競合が多く(※1)、リスティング広告のCPA(※2)が悪化していくという課題を抱えていたのです。
サービスのカテゴリで検索すると、上位に表示されているWebサイトは比較サイトばかりでした。比較サイトに興味を持ち始めたA社は、まず上位表示されている比較サイトにひととおり話を聞き、成果報酬でリスクの少ない複数の媒体を選んで掲載することにしました。
比較サイトに掲載してからは、リードを順調に獲得できているA社。リスティング広告に比べてリード獲得単価が安いため、広告費の削減にもつながっています。
一方で、比較サイトは一括で資料をダウンロードするため、初回連絡時にユーザーに認識してもらえずアポが取りづらいというデメリットがあり、受注まで遠く感じてしまうことも事実です。
費用対効果に関する検証はこれからですが、そもそも単価が高いサービスなので一件でも受注が獲得できれば十分な成果と呼べるでしょう。現在、受注の見込みがあり、まだ契約まで至っていない案件があるため、引き続き取り組みを行っていくところだといいます。
※1:サービスのカテゴリにおける競合が多いカテゴリの例として、経費精算、メール配信、チャットボットなどが挙げられる。
※2:シーピーエー/Cost Per Acquisitionの略。リード獲得単価の意味で、Web広告などでリード1件あたりの獲得にかかるコストを示したもの。
ケース2:システム、アプリケーション開発
システム、アプリケーション開発を行うB社の事例を紹介します。
B社のターゲットは中小企業が中心。営業にコストをかけており、月額の広告費は10万円程度でした。また、一部の比較サイトにすでに掲載していましたが、成果が出ていない状況でした。
新規受注数を拡大する必要があったB社では、案件獲得を強化するため、まずはすでに契約している比較サイトの掲載内容を最適化。さらに詳しくリサーチを行い、比較的高額な成果報酬であるものの質の良い成果が獲得できそうな新規媒体に追加で掲載を行いました。
現在は2つの比較サイトに掲載を継続中で、毎月安定したリード獲得を実現していますが、媒体によって成果に差が出ています。成果報酬単価が高いほうの媒体は、明らかに案件獲得につながっており、一方で成果報酬単価が低いほうの媒体は、リードの質がコールドコールやアウトバウンドに近く、案件の獲得へとつながりにくいようです。
ただし、自社のコールのタイミングなどにも問題があるため、今後改善していく予定だといいます。
BtoB比較サイトへの掲載でよくある質問と回答
Q:BtoB比較サイトの運用を開始するには、いくらかかりますか?
比較サイトは、基本的には成果報酬中心の料金体系となっており、一部で初期費用が必要な媒体もあります。成果報酬の単価は、10,000円〜50,000円が相場といえるでしょう。そのため、成果数(リード獲得数)によって必要な予算が変わります。
また、媒体の状況によって、得られる成果数は大幅に変動します。月々の予算上限を定めることができるかどうかも、媒体によって異なります。
詳しくは媒体に問い合わせて、見積もりを依頼しましょう。
Q:比較サイトの良し悪しは、どのように見定めるとよいでしょうか? 検証期間はどの程度必要でしょうか?
一般的なマーケティング施策と同様に、顧客獲得コストの予算と実績を比較することで見定めるとよいです。顧客獲得コストについて、詳しくは以下の記事を参照してください。
※関連記事:LTV・CACの計算方法とよくある質問への回答【テンプレート付き】
比較サイトにおいて、短期的なアポ獲得率は数%〜10%ほどですが、リード数がまだ10件程度の段階で「アポが取れず成果につながらない」と判断するのは時期尚早です。
検証期間の目安としては、リードを約100件獲得、商談を約10件獲得した時点での振り返りが望ましいでしょう。
ただし、他媒体と同じアプローチをしているのに明らかに通電率に差がある、受電者の態度に違和感がある、リードの状態が媒体社の説明と乖離しているなどの異変がみられた場合、他媒体との比較や運用経験をもとに良し悪しの判断を行ってもかまいません。
まとめ
比較サイトは、安定したリード獲得ができ、成果報酬でコストやリスクの管理がしやすい便利なチャネルです。また、比較サイトへの掲載は、BtoBマーケティングにおいてよく活用される手段でもあります。
ただし、比較サイトで獲得できるリードは、自社のWebサイトから生まれたリードとは性質が異なります。正しい認識と適切な活用で、自社のマーケティング活動に取り入れていきましょう。
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