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ウェビナーからの商談化率を増やすアンケートテンプレート

BtoBマーケティング
コンサルタント
岸田 慎平

コロナ禍の影響もあり、ウェビナーでリード獲得やナーチャリングに取り組む企業は直近1年でかなり増えました。

ただ、ウェビナーはあくまで顧客接点のひとつの手法、きっかけです。結果をどのように活用し、商談・受注を獲得するかが成功への鍵といえます。

そこで今回はウェビナー後のフォローから、商談化率を増やすためのアンケートテンプレートを紹介します。

ウェビナーアンケートのテンプレート(Excel)のダウンロードはこちら
※個人情報の入力なしでダウンロードできます。

才流では「ウェビナーからの商談を増やしたい」「商談獲得に課題を感じている」企業さまを支援しています。マーケティング活動でお困りの方はお気軽にご相談ください。⇒サービス紹介資料の無料ダウンロードはこちら

アンケートテンプレートの使い方

ウェビナーアンケート テンプレート

まずアンケートテンプレートを使用する際の基本的な項目と、利用上の注意点について解説します。

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基本的な項目

「アンケート項目」:タイトル。フォームの項目タイトルとしてご利用ください

「補足説明」:項目の補足です。この先で解説している内容の要点だけ記載しています

「Must/Want」:Mustは必須で設定したほうが良い内容、Wantはなくても良いものを分類しています。後述の「注意点」を参考にしてください

「選択方法」:次の3つに分類していますので、フォームを設定する際に参考にしてください。

  • フリー記述:テキストで自由記述する項目
  • 択一:ひとつの選択肢のみを選択する項目
  • 複数選択:2つ以上の選択が可能な項目

利用上の注意点

設問は多めに設定しています。不要なものはなるべく削って使用してください。個人情報以外の設問は5問以内を推奨しています。

事前の申し込みで個人情報が取れていれば、アンケート上はメールアドレスと名前だけにし、後ほどメールアドレスとひも付けて利用するなどの工夫を検討してください。

これらの観点を踏まえ、「Must/Want」の項目で「Must」は必須で設置したほうがよいもの、「Want」項目を検討し、「Want」は不要であれば設問自体を削除しましょう。ウェビナーアンケートに限らずフォーム全般で、項目が少ないほど回答率は増えます。

また、項目も自社の事業内容に合わせて編集が必要なものもあります。解説内容を参考に見直してください。何かしらの事業を想定しないと選択肢の設定が難しいものは、マーケティングサービス(才流のサービス)を想定して設定しています。

回答者に対するインセンティブ

インセンティブなしでアンケート回答を依頼すると、回答率が下がる原因になります。ウェビナーの配布資料をインセンティブとして提供するなど、工夫しましょう。

業界

日本取引所グループの「業種別分類項目及び業種コード」の大分類から抜粋した10業界のテンプレートを作成しています。自社で定義している分類があれば、反映してください。

他にも経済産業省や総務省などでも業界・業種の分類があります。自社のビジネスに適切な内容で設定してください。ただし、あまりに分類が多すぎると選択しにくくなってしまいます。10前後の選択肢に抑えることをおすすめします。

(参考)

日本取引所グループ|業種関係
総務省|日本標準産業分類(平成25年10月改定)(平成26年4月1日施行)-目次
経済産業省|別表2.業種分類表

職種

テンプレートでは総務省の「日本標準職業分類」の大分類から抜粋した12分類を記載しています。自社の商材によって不要な分類なども含まれており、ターゲットとなる職種がある程度決まってくるはずです。自社の定義の内容に書き換えてご利用ください。

(参考)

総務省|日本標準職業分類(平成21年12月統計基準設定)分類項目名

住所項目

住所(郵便番号、都道府県、市区町村、それ以降住所)は、既存の顧客データベースと照らし合わせれば確認できるのであれば、アンケートで聞く必要はありません。所在がわからなくても、商談化のタイミングで確認できます。アンケートでは、なるべく設問を増やさないことをおすすめします。

「全国に拠点がありフォローする担当が異なる」などの自社事情がある場合は、都道府県あるいは郵便番号など最低限の項目にしましょう。

顧客の立場

「●●の導入・購入に関して、お客様の立場をお選びください」とは、サービスの導入・購入における立場を聞く設問です。

ウェビナーは自社で導入・購入を検討する方だけではなく、そのサービスを使って提案をする代理店や商社、SIer、コンサルティング会社の方が視聴することも少なくありません。

立場を知ることで、自社で導入・購入する顧客を見極めましょう。インサイドセールスやフィールドセールスには「自社での導入を検討する立場」「両方」のチェックがついた対象顧客に対してフォローを依頼しましょう。

「お客様へ導入を提案する立場」のリストは、必要に応じて代理店担当営業やアライアンス担当などへ連携します。代理店契約や提携など、提案をするべき対象がいるかを確認しましょう。

お客様ご自身の関わり方

「お客様ご自身の●●への関わり方をお選びください」は、ウェビナー視聴者ご自身がサービスの検討にどの程度関与し、検討時期をどのように考えているのかを把握するための設問です。

情報収集段階については「情報収集段階(年度内に検討予定)」「情報収集段階(時期未定)」と2つにわけます。時期は自社商材の検討期間に合わせて設定してください。今期の商談化としてフォローすべきか、次年度以降の案件としてフォローすべきかの違いになります。

なお、検討への関与と検討時期をわけて設定するケースもありますが、本テンプレートでは「設問数を減らす」、「フォロー方法の振り分けが決定できれば良い」という観点で1つの設問としています。

各アンケートの回答結果に対するフォロー方法の例を記載します。

選定済・導入中:フィールドセールスから連絡し、置き換えの余地がまったくないかを探る(ウェビナーに参加しているということは、何かしらの課題を持っている可能性がある)

検討に参画、関与している:フィールドセールスから連絡し、アポイントを獲得して商談化を狙う

情報収集段階(年度内に検討予定):インサイドセールスから連絡し、検討状況や決定予定時期などを把握する

情報収集段階(時期未定):マーケティングリードとして扱い、フォローメールや次のウェビナー案内などを行う

検討には関与していない:インサイドセールスから連絡し、検討している担当者の紹介や、ウェビナー資料の社内共有を依頼する

売上規模・従業員規模・年間予算

「売上規模をお選びください/従業員規模をお選びください/年間の●●予算をお選びください」の項目は、参加した企業が企業規模・資金の観点でターゲットになるかを判断するための設問です。

自社の商材に合わせて適切なものを1つないし2つ設定することを推奨します。(売上と予算、従業員数と予算など)

選択肢については自社サービスの提供金額やターゲットとなる企業の規模感に合わせて、必要に応じて調整してください。

現状の課題

「現状の●●における課題をお選びください」の設問は、自社の製品・サービス    に合わせて設定してください。テンプレートでは「才流でウェビナーを実施した場合」を想定して「現状のマーケティング活動における課題をお選びください」という内容で記載しています。

この内容はインサイドセールスがフォローする際に、「●●と●●という課題感があるとアンケートにご回答いただいたのですが」と、冒頭で確認をしましょう。なぜなら顧客は、アンケートで回答した内容をほとんど忘れているためです。

実際に自分が営業電話を受ける立場になるとよくわかります。

某SaaS企業のインサイドセールスから営業電話をいただく際、必ずアンケートで回答した内容を最初に確認されます。さらに、2回目以降のフォローをいただく際は、「前回お伝えした内容は●●でしたが」と冒頭で確認されてから会話が始まるので、とても丁寧という印象を持っています。

次のアクションに対する希望

「営業からの具体的な製品・サービスの説明、デモを希望しますか」の設問は、顧客の希望に応えた対応をするためのものです。インサイドセールスやフィールドセールスに内容をしっかりと引き継ぎをしましょう。

プライバシーポリシー

申し込み時点でオプトインを取っていれば不要です。なお、共催ウェビナーの場合は、各社のプライバシーポリシーに同意いただくように設定することを忘れないように注意してください。

アンケート設計の考え方

次に、ウェビナーのアンケートを設計する際のポイントを解説します。重要なのは次の2点です。

  1. 「ターゲット外」を明確にできるように設計する
  2. 「フォロー対象」を明確にできるように設計する

似ているようで少し違う内容なので解説します。

①「ターゲット外」を明確にできるように設計する

「ターゲット外」とは「絶対に自社の製品・サービスを購入しない顧客」のことです。

例えば、オフィスがないバーチャルオフィスの企業は絶対にオフィス用のプリンターを買うことはありません。オフィス向けのプリンターを販売している企業にとっては、ターゲット外です。

また、工場で使う加工設備を販売している企業からすると、ソフトウェアを開発している企業が顧客になることはまずありません。

これらは極端な例ですし、そういった企業はウェビナーにそもそも参加しないかもしれません。ただ、「ターゲット外」を明確にしておくことで無駄なフォローをなくし、CRMやSFAで顧客リスト管理をする際にも役立ちます。アンケートを通じてハッキリさせておくことが重要です。

注意が必要なのは、「今期の予算がない企業」はここで言う「ターゲット外」ではありません。「ターゲット外」は「絶対に購入しない顧客」なので、わけて考えましょう。

広い顧客に関心があるテーマを設定し、リード獲得目的でのウェビナーを企画する際は、「ターゲット外」が含まれやすいので特に意識してみてください。

②「フォロー対象」を明確にできるように設計する

「絶対に買わない顧客」を除いた総数が、見込み顧客数になります。このすべてをフォローするのではなく、優先度をつけてフォローをするために「フォロー対象」を明確にする設計を行います。

その際はBANT情報(※)を意識して、フォロー対象の設計をしましょう。商材やビジネスモデルによって異なりますが、一般的には「予算がある顧客」「決まった時期での導入を検討している顧客」を明確にし、優先的にフォローするのがわかりやすいです。

営業的な観点で、企業規模や従業員数、予算状況などでターゲットを決めて攻略する考え方もあります。ウェビナーのフォローが十分できていないと感じる企業は、これらの観点をふまえ、フォロー対象を決めて確実にフォローを行うようにしてみてください。

※BANT情報:Budget(予算)、Authority(決裁権)、Needs(必要性)、Timeframe(導入時期)の4項目の頭文字をとった略語

設計上の注意点

次に、設計上の注意点を解説します。質問が難しすぎたり、回答しにくい形式だったりすると、回答数を伸ばせません。回答者の立場に立ち、わかりやすいアンケートを意識しましょう。

回答可能な設問を設定する

ウェビナーを視聴した方がご自身で回答できる設問を設定しましょう。あまり詳細すぎる内容や課題感、一部の社員しか知り得ない情報をアンケートで聞くことは難しいと考えるべきです。回答が難しい、と判断すると離脱する可能性も増えてしまいます。「その視聴者が回答できるものか」をチェックしましょう。

なるべく選択式にする

「自由記述かつ必須」というのが一番回答のハードルは高いです。離脱が増える原因にもなりますので、なるべく選択式を中心に設計しましょう。また、選択式でも「複数選択」と「択一」の2パターンあります。フォローする際にターゲットを判定しやすいよう、なるべく択一で回答をもらいましょう。

「その他」は必要最低限にする(できれば使わない)

なるべく「その他」の選択肢は設定しない、できればゼロが望ましいです。「その他」を設定すると、選択する回答者が増える懸念があります。「その他」の回答結果の内容を判断する必要が出ることにより、確認者によってフォローの精度が変わってしまうためです。

設問は10問以内にする(できれば5問以内)

「無料でウェビナーを提供した」というギブはあるものの、アンケートの離脱を防ぐには設問数はなるべく少なくした方が良いです。5問以内、多くても10問以内で設定しましょう。
なお、個人情報(お名前やメールアドレスなど)は設問数には含めません。

ウェビナーのアンケートに関するFAQ

ここからは、ウェビナーのアンケートに関する質問と回答をまとめました。

Q.アンケートだけで商談化率が上がるのですか?

A:商談化率は、ウェビナーコンテンツの内容や商材に依存します。その前提で、ウェビナーから商談化すべき顧客を、取りこぼしなく対応するために本アンケートと記事を作成しています。

Q.アンケート回収数を増やすためにどういう工夫ができますか?

A:ウェビナーの視聴ができない方向けに、アンケートに回答してもらいウェビナー資料を提供する方法があります。弊社の支援実績では、申込件数が約1.3倍になりました。ウェビナー集客時に参加の申し込みだけでなく、資料ダウンロードの申し込みを取るように工夫してみてください。

また、終了後にウェビナー動画をYouTubeなどにアップロードしておき、資料ダウンロードページへの導線を設定する方法も有効です。申込者以外からダウンロードを獲得できます。

Q.どのタイミングでアンケートを案内すべきですか?

A:できればウェビナー終了後すぐ、遅くとも翌日には案内してください。時間がたつと関心が下がってしまいます。

アンケートやダウンロード資料、アンケート告知文は開催までに準備を完了しておき、メール配信ツールの配信予約機能で設定しておくことをおすすめします。

また、ウェビナーの最終ページにアンケート画面の導線を設け、その場で回答・資料ダウンロードができるようにしておくことも有効です。

Q.アンケートフォームは何のツールでつくるべきですか?

A:MAツールを導入している場合は、MAツールで生成できるフォームを使うことで結果の蓄積を自動化できます。MAツールを契約していない場合は、自社で契約しているGoogle WorkspaceやMicrosoft Teamsなどのオフィスツールのフォーム機能で問題ありません。

また、フォームを簡単に生成できるクラウドサービスや、集めたデータの分析をしたり、フォロー状況を管理したりできるサービスもあります。利用目的やツール導入の状況によって、検討してみてください。筆者個人はformrunというサービスを利用していたことがあります。

Q.ウェビナー自体の満足度を聞くべきですか?

A:結論から言えば、聞かなくて良いです。満足度を聞いて取れるアクションは少なく、商談化との相関もないと考えられています(Twitter内容参照)。また、もし満足度を聞いて、満足度が高くなかったとしても、フォロー対象と判定した場合はフォローをして商談化を狙うべきです。筆者も前職でウェビナーアンケートを実施する際は、満足度は聞かず、フォロー対象の判別のみをアンケートで把握してフォローをしていました。

ウェビナーについて聞くとしたら、「今後どういうテーマを聞いてみたいか」などこれからの企画に役立つ設問でアンケートを取ることをおすすめします。

▼参考


ウェビナーを開催後、いかに顧客をフォローするかは重要な課題です。アンケートで、フォローのための情報までしっかりと獲得しておきましょう。

ウェビナーでリードを獲得したい、ナーチャリングをしたいと考えている企業の方はぜひご活用ください。

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※関連動画:【ウェビナー】 商談化率を上げる企画の立て方|初心者向け

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