BtoB製造業でも多くの企業がマーケティング活動の一貫としてメールマガジン(メルマガ)の配信に取り組んでいます。
一方で、「今のやり方で合っているのかわからない」「成果に満足していないが、どう改善すればいいのかわからない」といった運用面での悩みの声がよく聞かれます。
そこで、BtoB製造業のマーケティング活動に特化して、メルマガを配信するときに押さえておきたいポイントをまとめました。改善のヒントになれば幸いです。
なお、本記事におけるメルマガは、一斉に配信するものを想定しています。顧客ごとに送る1to1メールではないので、ご注意ください。
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※関連記事:BtoB製造業向け|事例で解説、メルマガの作り方
※関連動画:開封率23%【才流のメールマーケティング】
メルマガを配信する目的
大前提として、メルマガ配信の最終的なゴールは顧客に自社の商品・サービスを買ってもらうことです。しかし、購入を促すことだけが、メルマガ配信の目的ではありません。
メルマガは社名を想起するきっかけや、検討の状況をキャッチする機会になることもあれば、営業の手が回っていない既存顧客をフォローするチャンス、未商談顧客との商談を発掘する手段になることもあります。
BtoB製造業では、以下の目的でメルマガ配信を行い、顧客とコミュニケーションを取るケースが多いです。
- 顧客との関係構築
- 製品・サービスの認知向上
- 販売促進
目的を決めてから、配信内容を検討しましょう。
なお、メルマガ配信の目的は、自社のビジネスモデルによっても変わります。以下の記事で詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。
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メルマガの基本構成
メルマガは、主に以下の7つの要素で構成されます。
- 件名
- ヘッダー
- 冒頭文(リード文)
- 目次
- 本文
- 締め
- フッター
とくに読み手が開封するかどうかを判断する件名、読み進めるかどうかを判断する冒頭文(リード文)は重要な要素です。読む価値があると瞬時に判断してもらうためにも、端的に伝えましょう。
また、メールからWebサイトに誘導する場合は、スクロールしなくても見える位置にCTA※を設置することが大切です。クリック率に大きく影響します。
※CTA:シーティーエー/Call to Actionの略。読み手に起こして欲しい行動をボタンやリンクで表示したもの。「行動喚起」と訳される。
メルマガのコンテンツ(本文)の作り方
メルマガで成果をあげるためには、自社が言いたいことではなく、顧客にとって有益なことを伝える必要があります。常に顧客の視線に立って、コンテンツの内容を検討しましょう。
ここでは参考として、BtoB製造業でよくあるコンテンツの種類と、成果をあげるためのポイントを解説します。
BtoB製造業におけるコンテンツの例
BtoB製造業では、以下のようなコンテンツが例として挙げられます。
- 商品・サービスの紹介
- 事例紹介やホワイトペーパー
- コラム・ノウハウの提供
- ニュースの紹介
- 展示会やセミナーのレポート
- 法律・規格・補助金の案内
- キャンペーンの案内
成果をあげるためのポイント
導入事例を読んでもらう、製品カタログをダウンロードしてもらう、セミナーに申し込んでもらうなど、メルマガには目的に応じてさまざまなゴールが設けられます。
そこで成果をあげるために意識したいのが、「階段設計」というメソッド。
すぐにお問い合わせ獲得や商談獲得を目指すのではなく、見込み顧客と段階的にコミュニケーションを取り、関係性を構築したうえでお問い合わせ獲得、商談獲得を目指す考え方です。
※関連記事:階段設計
「カタログをダウンロードしてもらったものの、商談・受注につながらない」「ウェビナーを視聴してもらったが、具体的なお問い合わせにつながらない」といったお悩みをよく耳にします。
しかし、顧客の視点に立つと、「関心を持ったからカタログをダウンロードしただけであり、採用できるかどうかはまだ確認していない」「セミナーに参加したのは情報収集のためで、いきなり商談を打診されても困ってしまう」というのが、正直な感想でしょう。
BtoB製造業では、一般的に以下のような流れで選定・購買が行われます。顧客の立ち位置を確認しながら、なめらかな階段を設計しましょう。
メルマガの成果指標と目指したい数値
メルマガ配信で成果をあげるためには、数値をモニタリングし、改善していくことも大切です。
5つの成果指標
メルマガにおいては、配信からコンバージョンまで、主に5つの指標があります。まずはこれらをモニタリングし、改善に取り組みましょう。
成果指標 | 内容 |
---|---|
配信件数 | 配信できるメールアドレスの数 |
配信成功数 | 配信に成功したメールアドレスの数 |
開封数(HTMLメールのみ) | メールを開封された数 |
クリック数 | 本文のリンクをクリックした数 |
CV(コンバージョン)数 | 申し込みやお問い合わせなどの成果に至った数 |
目指したい数値
目安となる数値は以下のとおりです。まずはこの数値を目指しましょう。
成果指標 | 目安となる数値 | 算出方法 |
---|---|---|
配信成功率 | 95%以上 | 配信成功数÷配信件数 |
開封率 | 10〜20%程度 | 開封数÷配信成功数 |
クリック率 | 0.5〜2%程度 | クリック数÷配信成功数 |
CV率 | ※定義や内容に準ずる | CV数÷配信成功数 |
メルマガに関するよくある質問と回答
メルマガについて、よく寄せられる質問に回答しました。
Q.件名を作るコツは?
件名は開封率にかかわる重要な要素です。以下に取り組むことをおすすめします。
- 20文字以内に収める
- 「すぐに開封して読む」動機づけをする
- 重要な情報やメリットをできるだけ冒頭に配置する
- 効果や成果を数値で表現する(例:生産性20%向上、15%サイズダウン)
Q.コンテンツ(本文)を作るときのポイントは?
コンテンツを作成するときは、以下の4つを検討しましょう。配信すべき内容が整理されます。
- 求める行動変容(読み手にどんな行動をしてもらうのか)
- 誰に
- 何を
- どのように伝えるか
Q.アクセス解析のためのパラメータはどのようなものをセットすべき?
普段Google Analyticsを使っている場合は、メルマガも計測できるようにしておきましょう。
設定していない場合は、以下のルールで付与することをおすすめします。
例:?utm_source=mailmag&utm_medium=email&
utm_campaign=20230125&utm_content=url1
パラーメータ | 設定ルール |
---|---|
utm_source | 固定値:mailmag |
utm_medium | 固定値:email |
utm_campaign | 日付をyyyymmdd形式で記載 |
utm_content | メルマガ内の位置を示すためにurl1、url2、url3の順に設定 ※異なるURLでも数値をカウントアップする |
Q.配信前に最低限チェックしておくことは?
チェックリストを用意したので、ぜひ活用してください。
※関連記事:わかる、伝わる記事を作るための編集・執筆ガイドライン
最後に
一口にメルマガといっても、さまざまな形、内容があり、どのように取り組むべきか迷われる方も多いと思います。
メルマガで成果を出すために大切なのは、以下の3つです。
- 自社が言いたいことではなく、顧客にとって有益なコンテンツを送る
- 顧客の選定・購買の流れに沿って、なめらかな階段を設計する
- 数値をモニタリングし、改善していく
なお、メルマガの作り方について、以下の記事で事例も交えて解説しています。ぜひあわせてご覧ください。
※関連記事:BtoB製造業向け|事例で解説、メルマガの作り方
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