catch-img

MA(マーケティングオートメーション)ツールを有効活用するための60のチェックリスト

顧客の購買プロセスが複雑化・デジタル化する中で、マーケティングオートメーションツール(以下、MAツール)の導入・検討をする企業が増えています。一方で、導入したものの活用できずに困っているというご相談もよくいただきます。

そこで、今回はMAツール活用のための60のチェックリストを作成しました。「MAツールを導入したい」「MAツールを導入したけど、活用できていない」などのお悩みをお持ちの方は、ぜひ本記事を活用ください。

MA(マーケティングオートメーション)ツールを有効活用するための60のチェックリスト​​​​​​​
​​​​​​​
※個人情報入力無しでダウンロードできます。

本記事では、チェックリストに沿ってMAツール活用のポイントを解説します。

目次[非表示]

  1. 1.MAツール導入前のチェックリスト
  2. 2.MAツール活用前に必要なWebサイトの整理と設定作業のチェックリスト
  3. 3.MAツールを活用したリードナーチャリング戦略設計のチェックリスト
  4. 4.MAツールで設定する「ターゲットリード」に関するチェックリスト
  5. 5.ホットリードの定義とセールスチームのアプローチに関するチェックリスト
  6. 6.MAツールのスコアリング機能のチェックリスト
  7. 7.MAツールにおけるコンテンツ活用チェックリスト
  8. 8.MAツールのメール配信・シナリオ機能によるコミュニケーション頻度増加のためのチェックリスト
  9. 9.MAツール導入の効果計測と運用改善のためのチェックリスト
  10. 10.さいごに

MAツール導入前のチェックリスト

MAツールは、マーケターの工数を削減しつつ、リード(※1)とのコミュニケーションを最適化するツールです。「MAツールを導入するとリードが増える」と考える方もいますが、MAツール導入でリードが増えることはありません。

※1:リードとは、会社名や名前、メールアドレスなどの個人情報を取得できている見込み顧客のこと。

MAツールで成果を出すためには豊富なリードが必要です。そのため、MAツール導入を検討する前に、

  • なぜ、MAツールを導入するのか?
  • 現状のマーケティング課題はなにか?
  • MAツール導入で何を実現したいのか?
  • そもそも、自社の営業/マーケティング活動にMAツールは必要か?

を考え、自社の課題とMAツール導入で実現したいことを明確にしてください。

MAツールが効果を発揮するリード数の目安は、保有リードが1万件以上、もしくは毎月の平均リード獲得数が数百件以上です。目安よりもリード数が少ないのであれば、MAツール導入ではなく、まずはリード数を増やす施策に注力しましょう。

■MAツール導入前のチェックリスト

  • 保有リードは1万件以上あるか?
  • 毎月数百件以上のリードを獲得できているか?
  • MAツール導入の目的は明確か?
  • リードナーチャリング(※2)施策を行う場合、解決したい課題は明確か?
    • 例:新規リードの商談化率が低い、既存リードからの商談化率が低い など
  • MAツール活用後の成果目標を定めているか?
    • 例:既存リードから年間○○件の商談を作る など
  • MAツール導入後の費用対効果を計算したか?
  • MAツール導入・構築・運用プロジェクトの責任者を決めたか?
  • MAツールの運用担当者を決めたか?
  • 利用しているSFAツールと連携できるか確認したか?
  • 利用しているチャットツールなどと連携できるか確認したか?

※2:リードナーチャリングとは、見込み顧客を自社の顧客に育成すること。リードジェネレーション活動で獲得した見込み顧客を、メールやセミナー、インサイドセールスなどで啓蒙・育成するプロセス。

MAツール活用前に必要なWebサイトの整理と設定作業のチェックリスト

MAツールで重要な機能が、Web上の行動履歴データの取得機能やスコアリング機能です。これらの機能を有効活用するためには、まず自社のWebサイトの構造整理をする必要があります。

例えば、料金ページを閲覧したリードに対してアプローチしたい場合、料金ページがなければ「料金ページを閲覧したリード」のリストを抽出できません。

リードのどのような行動を把握したいのか?そこからどのようなアプローチをしたいのか?を明らかにし、それに基づいてサイト構造を見直してください。

またMAツールのタグは、すべてのページに設置するわけではありません。リードが閲覧しても意味のないページ(例:採用ページなど)には、タグを設置しないようにしましょう。

■MAツール活用前に必要なWebサイトの整理と設定作業のチェックリスト

  • サイト構造は、MAツールで分析しやすいように整備されているか?
    • 例:LP(ランディングページ)が1ページのみで行動データが取得できない などになっていないか
    • 例:LP(ランディングページ)の導線が悪く、余計な遷移が発生していないか?
  • 必要なページにMAツールと連携するためのタグを設置したか?
  • 採用ページなどリードが閲覧しても意味がないページにタグを設置していないか?
  • DKIM設定、SPF設定をしたか?
  • 利用規約、プライバシーポリシーにMAツールによるCookie利用を「Cookieポリシー」として記載したか?
  • SFAツールとMAツールを連携させたか?

MAツールを活用したリードナーチャリング戦略設計のチェックリスト

MAツールを活用したリードナーチャリング戦略を設計しましょう。リードナーチャリング戦略はマーケティング担当だけではなく、インサイドセールス・フィールドセールス担当と共同して設計することが望ましいです。

リードナーチャリング戦略は次のように設計します。

  1. 顧客への理解を深め、ペルソナ・カスタマージャーニーマップを作成
  2. 見込み顧客とのタッチポイントを整理
  3. 商談化・受注獲得までのコミュニケーション戦略を設計

■MAツールを活用したリードナーチャリング戦略設計のチェックリスト

  • リードナーチャリング戦略を設計したか?
  • 顧客理解を深め、ペルソナ・カスタマージャーニーマップを作成したか?
  • 商談化までの階段を設計したか?
  • 見込み顧客の検討フェーズごとに必要なコンテンツを用意したか?
  • マーケティング・インサイドセールス・セールスの間で、リードナーチャリング戦略の合意が取れているか?

BtoBマーケティングにおける階段設計のサンプル図

MAツールで設定する「ターゲットリード」に関するチェックリスト

過去の売上や受注情報を参考に、業種や売上規模、部門、役職などでターゲットリードを定義します。

また、「競合」の定義も重要です。社内の役員と現場担当者で競合企業の認識が違うケースがあります。「○○関連の企業」と粗く定めるのではなく、具体的にバイネームで「競合」を特定しましょう。

■MAツールで設定する「ターゲットリード」に関するチェックリスト

  • ターゲットリードの定義は決まっているか?
  • ターゲットリードの優先順位は決まっているか?
  • ターゲット外リードの定義は決まっているか?
  • 重複しているリードをマージ、削除しているか?
  • 「競合」の定義は決まっているか?

ホットリードの定義とセールスチームのアプローチに関するチェックリスト

まずは、どのような状態のリードが、ホットリードなのか?をインサイドセールス・フィールドセールス担当と相談して定義しましょう。

マーケティング投資によってホットリードが増えたとしても、インサイドセールス・フィールドセールスがアプローチせずに放置してしまえば、投資は無駄になってしまいます。

※3:ホットリードとは、サービス導入の検討フェーズに入り、数ヶ月以内に商談に結びつきそうな状態のリード。逆に、サービスに関する興味が薄く、課題も顕在化していない情報収集段階のリードを「コールドリード」と呼ぶ。

インサイドセールスがアプローチする際のルールを定め、商談と同様にフェーズ管理を行い、丁寧なアプローチを心がけましょう。

■ホットリード定義とセールスチームのアプローチに関するチェックリスト

  • ホットリード、コールドリードの定義は決まっているか?
    • 例:スコアが○○点以上、○○ページを閲覧 など
  • ホットリードを一覧で見られるダッシュボードを整備しているか?
  • ホットリード化したとき、チャットツールやメールへの通知設定をしているか?
  • ホットリードに対する対応時間は決まっているか?
    • 例:ホットリード化5分以内の連絡を徹底 など
  • ホットリードに対するアプローチルールは決まっているか?
    • 例:接続まで6回まで架電 など
  • アプローチの際に、インサイドセールス・フィールドセールスはリードの属性データ・行動データを参照しているか?
  • リードのフェーズ管理をしているか?
  • 商談化/アポイント化の定義は決まっているか?
    • 例:BANT情報(Budget(予算)、Authority(決裁権)、Needs(必要性)、Timeframe(導入時期)の4項目の頭文字をとった略語)を取得できた
    • 例:3ヶ月以内に導入する可能性がある など
  • インサイドセールス、フィールドセールスがリードを手放すルールは決まっているか?
    • 例:インサイドセールス担当にアサイン後30日経過したら、マーケティングにリードを戻す など
  • 失注リードの対応ルールは決まっているか?
    • 例:インサイドセールスかマーケティングに戻す、営業が3ヶ月後に再度アプローチする など
  • 既存顧客からのコンバージョンが発生した場合の対応ルールを決めているか?

MAツールのスコアリング機能のチェックリスト

スコアリングは、MAツールの代表的な機能のうちのひとつです。スコアリング機能を活用して、「受注したリードがどのページを見たのか?」「どの資料をダウンロードしたのか?」などを確認、分析しましょう。

スコアリング機能を活用した受注分析・コンテンツ改善の例
「受注分析によって明らかになった受注貢献度が高いコンテンツには、高いスコアを付与する」

■MAツールのスコアリング機能のチェックリスト

  • メルマガ開封、メルマガクリック、ブログ閲覧、サービスページ閲覧、資料ダウロードなど、施策ごとにスコアの重みづけを変えているか?
  • Webページ別の重みづけができているか?
    • 例:料金ページやフォーム到達など、コンバージョンに近いページのスコアを上げる など
  • スコアをリセット(もしくは減衰)するルールは決めているか?
  • スコアの重みづけは、受注したデータを元にして作られているか?

MAツールにおけるコンテンツ活用チェックリスト

リードとの接触回数増加のため、見込み顧客の検討フェーズごとに必要なコンテンツ(オンライン/オフラインどちらも)を作成しましょう。

■MAツールにおけるコンテンツ活用チェックリスト

  • 新しい導入事例を公開しているか?
  • 新しいホワイトペーパー(お役立ち資料)を公開しているか?
  • セミナー・ウェビナーを開催しているか?
  • 動画コンテンツを公開しているか?
  • 新しいブログ・コラム記事を公開しているか?
  • ホットリードとコールドリードのそれぞれに対応した異なるコンテンツを用意しているか?

MAツールのメール配信・シナリオ機能によるコミュニケーション頻度増加のためのチェックリスト

メール配信やシナリオ機能によって、リードと定期的にコミュニケーションをとることで、行動データの取得やサービスの関心度を高めることができます。週1回以上のメール配信、シナリオ機能を活用したコミュニケーション頻度の増加が理想的です。

またシナリオ機能を活用する際、シナリオはできるだけシンプルに設計しましょう。複雑なシナリオは、「効果検証ができない」「シナリオ管理の工数が増える」などのさまざまな問題が発生します。

※4:シナリオ機能とは、特定のリードに対して、メールを自動送信する機能。「メルマガ未開封のリードにのみメールを再送」など条件分岐も可能。さらに、自動メール送信だけでなく、特定の条件達成でインサイドセールス担当のアサインも可能。

■MAツールのメール配信・シナリオ機能によるコミュニケーション頻度増加のためのチェックリスト

  • メールは週1回以上配信しているか?
  • ホットリードとコールドリードで、メール配信の内容を分けているか?
  • シナリオメールを配信しているか?
  • 複雑なシナリオになっていないか?
  • シナリオメールと定期配信メールが重複していないか?

MAツール導入の効果計測と運用改善のためのチェックリスト

MAツール運用のPDCAサイクルを回すため、リードナーチャリング戦略の実行が正しく成果を出せているかの効果検証をしましょう。

また、MAツールベンダーが勉強会やユーザー会を開催している場合は、機能や活用方法のキャッチアップのため、積極的に参加し、改善活動に繋げましょう。

■MAツール導入の効果計測と運用改善のためのチェックリスト

  • MAツール導入後の目標数値に対する、結果の確認と振り返りを行っているか?
  • Cookieが紐付いたリード数と、総リード数に対するCookieが紐付いたリードの割合を確認しているか?
  • ホットリード判定が正しいかどうかの検証を行っているか?
  • スコアリングルールが正しいかどうかの判定を行っているか?
  • スコアリングに基づいてアプローチしたリードが商談化・受注しているか?
  • 受注したリードの行動履歴を分析して、マーケティング施策に活用しているか?
  • MAツールベンダーが開催するユーザー会やセミナーに参加し、情報収集活動や活用改善を行っているか?
  • MAツールが提供する新しい機能をすぐにキャッチアップし、自社で活用できるかどうか確認しているか?

さいごに

MAツールは、すべての機能を正しく把握し、リードナーチャリング戦略のために適切に活用すると商談化や受注率向上など、大きな効果を発揮します。しかし、効果を発揮するためには、要件定義やタスクの洗い出し、諸条件の定義づけ、MAツール導入プロジェクトメンバーでの役割分担など、入念な事前準備が必要です。

MAツール導入を検討されている方は、本チェックリストを参考に「自社にMAツールを導入する必要は、本当にあるのか?」を改めて検討してください。

また、すでにMAツールを導入されている方は、コミュニケーション設計を見直し、見込み顧客に対して最適なコンテンツを、最適なタイミングで提供できるように活用しましょう。

才流では、MAツール導入・運用伴走支援やリードナーチャリングの戦略設計支援などを提供しております。気になった方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

MAツールの導入・活用支援・実務代行|株式会社才流

澤井 和弘

著者/ 澤井 和弘
株式会社才流 コンサルタント

求人メディア運営会社にて営業・マーケティング・新規事業の立ち上げを担当。その後、フィードフォースに入社し、マーケティングチームの立ち上げ・事業責任者などを努め、デジタルマーケティングに関するメディアへの寄稿やB2Bマーケティングに関するイベント登壇などを行う。2019年2月より株式会社才流にてマーケティングコンサルタントとして活動。