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年商10億の新規事業を作ってわかった成功と失敗を分ける3つのポイント

   


こんにちは、株式会社才流の小島 瑶兵です。

前職の医療系Webコンサルティング会社では、3年間営業を経験し、残りの3年間で新規事業の開発を経験しました。現在は株式会社才流にてBtoBのマーケティングコンサルタントとして働いています。


数々の新規事業開発の中で、年商10億円を超える成功を収めた事業に携わった経験を踏まえ、今回の「SAIRU NOTE」では、「年商10億の新規事業を作ってわかった成功と失敗を分ける3つのポイントというテーマ」でお話していきます。


新規事業の成功と失敗を分けたポイントとは

開発した5つの新規事業のうち、年商10億円を超えるほど成功した事業は、最後に開発したWebメディア事業でした。お恥ずかしい話、それ以前に行った動画を用いた事業や、求人サイト事業などは、すべて失敗してしまったんです。


成功した事業は、歯医者や町医者を探し、選ぶことができるWebメディア。ビジネスモデルとしては、広告枠の販売でした。現在は医療情報や身体のことで困ったときに検索すると、ヒットするような医療メディアです。


大きく異るポイントは3つあり、投資・価格・営業との関係です。


成功へ導くのは、積極的な初期投資

まず、初期投資に関して。私の判断ではなく社長の判断ですが、失敗した他の4つの事業に比べたとき、予算が明らかに違いました。


成功したWebメディア事業では、サービスローンチまで約1,000万円ほど投資していました。それに比べ、失敗した他の4つ事業ではおそらく200〜300万円ほどの投資と、ミニマムなスタートでしたね。失敗した他の4つの事業のスタイルは、まずはプロトタイプを作成し、もし上手く行ったら、徐々に投資を積み重ねていくというものでした。


予算のみならず、人員投資も

さらに、投資は予算だけではなく、人員も大きく投資してもらいました。


失敗した他の4つの事業では、自分含め多くのスタッフが他の業務と兼務していました。そのため新規事業に集中できず、100%のリソースを注げなかったんです。しかし、成功した最後の事業に関して言えば、私以外にもう1人、非常に優秀な方が専任で担当しました。


「値下げ」による負の連鎖

価格の面でも、失敗した事業と成功した事業ではまるで違います。


失敗した4つの事業、最初はまったく売れなかったんです。サービスがローンチしても営業で売れず……。そこで、何をしたかというと、「値下げ」をしたんです。

しかし値下げをしても、売れなかったんです。むしろ値下げをすればするほど、売れなくなっていきました。


その原因は、事業部制ではなく機能別の組織体制にありました。


商品を企画、開発する部隊と、販売する部隊が別れていたんです。営業組織はおよそ100人。それぞれが予算達成のため、自由に商材を選んで売っていました。


当時のサービスラインナップは5つだったので、価格が高い商品を販売する傾向にありました。そのため値下げしてしまうと以前まで3つ売れば達成できた目標も、5つ売らないと達成できなくなります。


「達成が難しいためにそのサービスを販売してくれない」という、まさしく負の連鎖が社内では起きていました。


「今買う理由」がない。では、どうする?

では、そもそもなぜ価格が落ちてしまうのか。


結局のところ、「今なら安くします」というクロージングトークをしていたんです。「今、買う理由」を「値引き」でしか作れていませんでした。


4つの事業の失敗からメディア事業では、「値引き」以外の「今買う理由」を作ることにしたんです。「値引き」以外の「今買う理由」でもっとも効果が高かった方法は、「地域限定で〇〇枠まで」という期間や場所で広告枠を限定した訴求でした。


訴求を変えたことで、営業経験の浅いメンバーは、受注率が大幅に向上しました。


「営業マンは、新サービスをそもそも売ってくれない」という前提

最後のポイントである「営業との関わり方」に関しては、成功した事業のみかなり大きく変えました。


社内でサービスのローンチを発表した際、興味を示してもらったことはありましたが、新サービスに対する不安のため、販売してもらえませんでした。以下3つの営業マンが感じる不安です。

なので、成功した最後のサービスでは、開き直って「そもそも新商品を売ってはもらえない」という前提から、どうやって営業に売ってもらうかを考えました。


社内「キャズム」理論

まず、社内に新商品を浸透させるため、最初から全社展開は狙わずに一部の営業マンをターゲットにしました。そこで意識したことが、社内におけるキャズム理論です。


キャズム理論とは、イノベーターやアーリアダプターなど、いわゆる「新しいモノ好き」な人たちとアーリーマジョリティやレイトマジョリティなどの検討や行動に時間がかかる大多数の人たちの間には、深い溝(キャズム)があるというマーケティングの理論です。


社内も同様に、新しいことにトライする人はほんの一部で、多くは変化を嫌います。つまり、最終的に全社展開をするため、まずはイノベーターを味方につけることを意識しました。


スター営業マンを、新サービスのイノベーターに。

では、そのイノベーターとは誰なのか。それまでの失敗からパートナーとなるキーマンの条件を以下のように考えました。

1つ目の特徴は、イノベーターなので、新しいモノ好きであるということ。2つ目は、他社員から真似されるような影響力の大きいスター社員。そして最後の特徴として、個人的に親交がある方を選びました。

新しくわからないことの多いサービスを共に乗り越えていくためには、仲が良い人の方がなにかとスムーズです。


営業現場を知り、より売りやすい商材へ

その商品が実際に売れることを証明するため、月に10〜20回ほど、パートナーのスター営業マンと一緒に営業現場へ同行しました。


営業現場に同行することで「どうすれば売れるか」、「何がクロージングの弊害となるか」の感覚を得ました。得られた感覚をもとにして、パートナーであるスター営業マンと一緒に、営業資料やクロージングトークを作成していきました。


お客様の財布や自社の利益、営業マンの達成目標、すべてを考えたときの最適な価格についても、営業現場の同行によって見つけることができたんです。



1人カスタマーサポート体制で、社内の営業マンの不安を解消

ある程度の営業実績ができたら全社の説明会で展開していきます。支店が多い会社でしたので、支店ごとに実績を基にした説明会を開催しました。

晴れて全社展開を実現しましたが、ここで終わりではありません。過去事例がない新しいサービスのため、社内で問題が発生した際、「このケースでの対応は?案内は?」のような質問が多発します。そのため、営業マンが持つ不安を解消できるようなサポート体制の構築やルールの整備が必要です。


不安を放っておくと、サービスの浸透が滞ってしまいます。そのため、社内の不安の防止策として、1人カスタマーサポートのような立ち回りを私がしていました。営業マンが感じたことや困ったことなどの質問を、すべて自分宛てに連絡をできる体制をつくりました。

電話も、LINEも、私が持つすべての連絡手段の開放して、1日100件ほどの質問を対応したんです。そして質問の内容からテンプレートを作成し、部下に渡していきました。


かなり泥臭い方法ですが、繰り返していくうちに社員全員がサービスの魅力に気づき、アーリーマジョリティ以降の人々に広がっていき、もう私が特別なアクションをしなくても年商10億円の事業にまで成長していました。


まとめ

今回の『SAIRU NOTE』では、年商10億円の新規事業を手がけた私の経験を踏まえ、成功と失敗を分ける3つのポイントをご紹介しました。

BtoBの事業であれば、共通して重要なポイントでしょう。ぜひ参考にしてみてください。


この記事の内容は、弊社コンサルタントの黒須さんのYouTubeでも話しています。動画だとよりわかりやすくなっていますので、ぜひご覧ください。

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<編集=中島 孝輔(@KosukeNakajima_)>


著者/ 小島 瑶兵

2013年にWEBコンサルティング事業を行う株式会社GENOVAへ入社。営業部長として100件以上のマーケティング支援を行う。その後、新規事業開発を行う部署を立ち上げ、医療メディア「Medical DOC」をローンチ。公開から2年で年商10億円を達成。現在は才流にて上場企業やスタートアップのマーケティングコンサルティングを行う。