Googleアナリティクスは無料にも関わらず大量のデータが取れるツールですが、データをもとにどうするかは教えてくれません。
数字の増減に一喜一憂するだけの方も少なくないはず。
今回はそのGoogleアナリティクスの分析によって売上を倍増させた方に話を聞きました。
- どの数字を見たのか
- 分析をもとにどのように改善したのか
こちらを中心にインタビューをしたので、ぜひご参考ください。
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私はあるジュエリー・ウォッチメーカーのマーケティング責任者をしています。
商品は世界各国でも展開しており、業界のなかでも比較的歴史の長い会社です。
数多くのKPIをGoogleアナリティクスで定点観測しており、今回は成果があったものをお伝えします。
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一番成果が大きかった施策
最もインパクトが大きかったのは会社概要とECサイトの統合でした。
もともと会社概要サイトとECサイトは分離しており、Googleアナリティクスの参照元サイトをみるとCVRと平均単価が極めて高いことがわかっていました。
具体的にはCVRは3倍、購入単価は1.5倍ありました。
実験的に会社概要サイトからECに誘導を高めたところ成果が出たので本格的に統合することにしました。
統合のコストは4000万円を超えましたが、結果的にECの年商が倍になったことと2つあったWebサイトのメンテナンスコストが4割削減できたので十分ペイしています。
この施策は社内、特に広報担当から
「会社の情報をECで発信すべきでない」
といった反対の声が強くありました。
しかし海外の競合ブランドを見ると、会社概要とECはほとんど全て統一されていたことや、以前からカスタマーセンターに対してお客様から商品が見つからない・買えないといった問い合わせが来ていた背景があり断行することにしました。
※会社概要とECが統合されている海外ブランド
おそらく購入目的でブランド名で検索した際に、ECではなく会社概要サイトが検索エンジンに表示され、そこに訪問した方が戸惑っているといった状況があったのだと思います。
曜日時間帯のCV分析
どの曜日のどの時間に受注件数が上がっているのか、単価がどうなのかをGoogleアナリティクスでは見ることができます。
これらのデータを視覚的に理解できるシートに落としています。
※イメージ
このシートを見て、どの時間帯に広告予算を投下するのかを判断します。
シートを見ると
- 平日の夜はクリックされるが、買われない
- 土曜日はアクセスが無いが購入単価が高い
といったことがわかりました。
そのため
- 平日夜のリスティングは出さない
- 土曜は出稿を強める
といった運用に切り替えたことで、広告費用を買えずに広告経由の売上を2割伸ばすことができました。
この施策はTableauのセミナーに出た際に思いついたもので、当時はTableauでシートを作っていましたが、今はGoogleアナリティクスとスプレッドシートでも作成できるようになっています。
モバイル対応
2015年当時は重要ページだけモバイル対応にしましたが、全てのページをレスポンシブにしました。
面白かったのはモバイルの比率が徐々に上がっていたもののまだ10%前後だったのにも関わらず、リニューアルをしてレスポンシブにしたところモバイルのアクセス比率が急激に上がったことです。
要は以前だと潜在的なモバイル経由の顧客を取り込めていなかったのだと思います。
弊社はECの購入もそうですが、来店予約数や店舗情報へのアクセスも重要な成果指標になっています。
現在は来店予約が圧倒的にモバイル経由の予約になっており、この施策で売上は15%伸びました。
ブランド名の検索数を増やす施策
正直いってリスティング広告を増やしても売上は伸びません。
弊社のECの売上は7割が検索エンジンから生まれていますが、キーワードの95%はブランドワードなど指名検索からの売上だからです。
そのため指名検索の検索数を増やす施策を実施しています。
ここ2年間で国内の検索数は120%、海外だと300%増えましたが大きく貢献したのがYouTubeです。
購入までの流れとしては
Youtube広告を視聴してもらう
↓
リタゲでバナー広告配信。サイトに来訪してもらう
↓
ブランドを知ってもらい、ブランド名で検索
↓
購入
こういった形が最も多いです。
ジュエリーをブライダルで活用してもらうためのイメージビデオを用意して、日本国内海外それぞれ年間600万円ほど予算をかけて配信をしています。
また動画はモバイルに対応すべく縦型のものも用意しています。
ブランド名が増えたかどうかはサーチコンソールをGoogleアナリティクスで連携させて、いくつかのブランド名のクエリを定点観測しています。
カート導線改善
カートの購入までのステップで離脱している箇所もGoogleアナリティクスで分析をかけて130%CVRを向上させました。
購入までの導線で離脱率が特に高いページを見ると、配送先指定の画面でした。
配送先指定のページはもともとギフト用に作っていたものでしたが、ギフト需要が落ちていたので導線を細くしたのです。
基本の施策ですが、やったほうがいいです。
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インタビュー内容は以上です。
サービス名で検索をすると会社概要ページが上位に出てきてしまい、ECやサービスページに到達できないケースは多いです。
例えば私がよく使うビザスクも同じ状況になっています。
おそらくですが、
service.visasq.comのアナリティクスの参照元にはvisasq.co.jpからの少なくない流入があり、CVRは他の参照元と比べて倍以上高いはずです。
- visasq.co.jp→service.visasq.com
- CVRが平均より高い
こういった状況であればservice.visasq.comとvisasq.co.jpは統合することでservice.visasq.comのCV数は伸びるでしょう。
他の施策に関してもシンプルで真似できるものばかりなので是非Googleアナリティクスで自社の数字を確認してみて欲しいです。
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