営業 or マーケティング担当であれば下記のようなことで悩む方も少なくないはずです。
- 営業担当に架電してもらうリストを買ったけれど、ほとんど電話がつながらない
- テレアポは一定の効果はあるものの、リストに対して一斉に集中的に行うアプローチは非効率な気がする
- もっと精度の良いリストが欲しい
- そもそもどこにアプローチすべきかがわからない
ユーザベース社が提供するFORCAS(フォーカス)というサービスは、まさに上記のような課題を解決します。
同サービスはBtoBプロダクトのSPEEDAを営業する際に生まれたと、下記のNewsPicksの記事にて語られています。
私は事業会社にアプローチするためのマーケティング戦略を立てるとき、SPEEDAをフル活用していました。例えば、M&Aを頻繁に実施している会社が、SPEEDAの既存顧客に多いことが分析で判明し、SPEEDAは「事業会社がM&A戦略を立案する」ニーズに対して価値が出せると分かった。
それなら、M&Aを頻繁に実施している会社をリストアップし、「SPEEDAはM&A戦略を立案していく際に、なくてはならないパートナーとしての価値が出せる」ことを訴求し、リード(見込み客)化し、契約締結を狙っていく戦略が取れます。
(中略)
ただ、この分析には膨大なエクセルワークが必要でした。仮説・検証を何度も繰り返す必要がありますし、何より「新事業創出に積極的に取り組んでいる会社」「アジア展開でアライアンス・パートナーを探している会社」などの情報を取得するのは非常に困難です。
しかし、SPEEDAを使えば、こうした会社をある程度の精度で特定することが可能なのです。
――FORCASは、その分析を効率化するサービスでしょうか?
そうです。既存顧客の特徴を見出し、同じ特徴を持つ見込み顧客をリストアップする。これを私は「今獲得しているマーケットと未来のマーケットを可視化する」とよく表現します。
どのような業界か、規模か、地域か、という比較的シンプルな可視化だけではなく、「新規事業創出に積極的に取り組んでいる」「広告宣伝費を増やしている」「グローバル展開している」「高成長を遂げている」など、さまざまな企業の特徴・戦略を含めて可視化。
これは、SPEEDAの構造化された企業データベースがあって、初めて可能になりました。その見込み顧客は、具体的な企業名まで特定されていて、優先順位も付いているので、マーケティングや営業の実行力が大幅に上がり、成果につながっていくのです。
※出典:【求人掲載】最先端テクノロジー×ユーザーとの共創でつくる、未来のマーケティング
企業のIR情報をベースにつけられたタグでリストを抽出できるので
- M&Aに積極的な企業群
- 新規事業に取り組む企業群
- 働き方改革に取り組む企業群
といった探し方ができます。
そのため、自社の商材にマッチする企業を簡単にリスト化ができることがFORCASの価値です。
BtoBのセールスにとって有益なサービスだと感じたので、今回はそのFORCASを利用している方に生の感想を伺いました。
FORCASの導入を検討されている方は参考にしてみてください。
ーーFORCASを見た時の印象を教えてください。
元々こういったツールを積極的に探してはいませんでしたが、上司が別の方からFORCASを紹介され、現場担当の私もFORCASの提案を受けました。
初回の打ち合わせで、上司と導入を決めたのを覚えています。
ーーなぜ導入を決めたのですか?
私が担当しているのはBtoB向けのSaaSなので、我々がターゲットとする企業のシナリオで企業をリストアップできることが魅力だったからです。
タグも数十あり、対象企業も上場、未上場あわせて入っています。
ーーFORCASを導入してどうでしたか?
結論としては、FORCASから提案された30社ほどのリストにアプローチしたところ数件の受注が決まりました。
驚いたのは、それらのリストは我々が当初全く想定していなかった企業でした。
FORCASは自らが持つタグ情報と、我々が過去に契約した顧客との情報を突き合わせることで、この企業にアプローチすべきといった親和性スコアを出してくれます。
その親和性スコアが高い順番に
- コールドコール
- 企業向けイベント
- ターゲット企業の前でチラシ配布
などを実施したところ、数件の新規契約がとれました。
また、FORCASはセールスフォースと連携しているので、セールスフォースのダッシュボードにFORCASのデータが同期されています。
そのデータを見てチームで議論するので、FORCAS自体のデータはそこまで見ません。
地味に良かったのは、FORCASに登録した企業の従業員数が自動的にセールスフォース上で更新される点です。
今まで派遣の方に手入力してもらっていたので、その手間がなくなりました。
ーー素晴らしいですね。使っていて不安や不満はありますか?
FORCASは機能が多いため、十分に使いこなせているのかが不安です。
また、FORCASを契約するとSlackに招待されるのですが、そこで機能アップデートの通知や勉強会の内容などの情報が流れてきます。
プロダクトの改善スピードが早く見えることと、実際ユーザインタフェースも変わるので、きちんとFORCASを活用しきれているのかが不安になるときがあります。
ーーFORCASを使ったほうが良い企業はどんなところだと思いますか?
特定のプロダクトやサービスを販売したい会社が決まっているのならFORCASを導入したほうが良いです。
- どの顧客からどれくらいの売上を立て
- その顧客数を何社増やす必要がある
といった会話をしている企業であればドンピシャだと思います。
ーー反対にFORCASがマッチしないと思う会社を教えてください。
既存の契約者数が少ないと、データの学習量が少ないため親和性スコアの精度が落ちるのではと懸念しています。
なので、顧客数が少ない会社はFORCASと合わないかもしれません。
目安としては100社前後の顧客がいれば十分ではないかと考えています。
そのため、受注回数が年に数回といった企業もマッチしないでしょう。
また、セールスフォースがすでに構築されている企業だとなお良いです。
FORCASの金額は安くはないので、マーケ予算が少ないところはイベントにコストをかけたほうが良いでしょう。
ーーちなみにFORCASのマーケティングはどう見えますか?
FORCASはイベントをとても多く開催しているように見えます。
集客力のあるマルケト、セールスフォース、Sansanなどと共同でセミナーをやっているだけでなく、月3回以上単独でセミナーをやっている印象があります。
また、カスタマーサポートがきちんとしています。
FORCASクリニックというFORCASについてなんでも聞ける機会を週1~2回もうけていて、彼らのオフィスに行けば何でも聞くことができます。
カスタマーサポートをエンジニアの方が担当しているので、技術的にわからないことがあればそのときに回答をもらえます。
まとめ
インタビューの内容は以上です。
最後に、FORCASについてまとめましょう。
- FORCASの価値は受注につながりやすいリストを提案してくれる
- FORCASはタグ付けされたデータと、既存の契約企業とのデータをつきあわせてスコア化してくれる
- そのためには学習データが必要
- データが少ない企業はマッチしないかもしれない
以上です。
マーケティングや営業において、特定企業との契約が最優先課題になっている会社には良いツールだと感じました。
参考にしてみて下さい。