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BtoBマーケティング支援

才流とともにカスタマーサクセスの基盤を構築。1年で継続率が4倍に

フロンティア株式会社

https://readycrew.jp/

業種

ビジネスマッチング

従業員数

100名〜499名

課題

属人的な顧客支援から脱却し、誰もが同じように質の高いサービスを提供できる体制をつくりたい

写真左から:フロンティア 荻原さん、増田さん、樋口さん、才流 高橋、土山
コンサルタント
高橋 歩
コンサルタント
土山 勇人

BtoBマッチングプラットフォーム「Ready Crew(以下、レディクル)」を運営するフロンティア株式会社様。2010年のサービスリリース以降、企業の発注ニーズとパートナー企業のソリューションを結びつけ、ビジネスマッチングの基盤を提供してきました。

2023年、同社はサービスを買い切り型から月額制へと転換し、顧客との継続的な関係構築を目指してカスタマーサクセス組織を新設。3名の初期メンバーでゼロからの挑戦をスタートしました。

才流(サイル)は、2022年3月から同社のBtoBマーケティングの戦略立案と個別施策の伴走支援(※)を実施。その過程で、カスタマーサクセス組織の体制構築と継続率向上について相談を受けました。そこで、2023年10月から1年にわたり、カスタマーサクセスの戦略立案からプロセスの整備、組織強化までを包括的に支援しました。

レディクルのカスタマーサクセスを統括する同社 執行役員の樋口さん、レディクル事業本部 品質管理部 部長の増田さん、同事業本部 人材開発部 本部長の荻原さんに、才流の支援による成果と感想を伺いました。

※関連記事:サイトリニューアルでCVR3倍・CV数2倍。戦略立案から1年以上、才流に依頼し続ける理由とは

個の力を組織の力へ。顧客の継続的な成功を目指して

増田 レディクルは、企業と企業をつなぐビジネスマッチングサービスで、二つの特長をもっています。一つは企業の発注ニーズを集めること。日本には無数の企業がありますが、それぞれの企業が抱える課題をレディクルで集約し、その解決に最適なパートナー企業をご紹介します。

もう一つは、優れたソリューションを持つパートナー企業の支援です。実力や独自の強みがありながら、なかなか受注に結びつかないという企業も数多く存在します。この両者のニーズを最適にマッチングすることが、レディクルの根幹となっています。

写真:インタビューに応じるフロンティア増田さん
増田 将也さん/フロンティア株式会社 レディクル事業本部 品質管理部 部長

樋口 以前は買い切り型のプランを提供していたため、お客さまとの関係は一時的なものでした。しかし、買い切り型だとお客さまへの継続的な価値提供に限界があります。そこで2023年、サービスをストック型の月額課金モデルへと転換。お客さまの長期的な成功を支援する体制を整えるために、カスタマーサクセス組織を立ち上げることにしました。

写真:インタビューに応じるフロンティア樋口さん
樋口 翔さん/フロンティア株式会社 執行役員、トータルソリューション事業本部 本部長

樋口 当時は本当にゼロからのスタートでした。私自身、新規営業の経験は豊富だったのですが、カスタマーサクセスについての知見はほとんどありませんでした。プランを月額制に変更したことで、継続的な顧客支援の必要性が生まれたものの、それまではサポート的な対応が中心。お客さまの成功に寄り添うというカスタマーサクセスの発想自体が組織内に根付いていなかったのです。

増田 私が入社した当時も、キャリア採用者それぞれが個人の経験や能力に頼って業務を進めている状態でした。自分の場合も、企画営業職の経験から「これまでどおりでうまくいく」という思い込みで進めていたことに、後から気づきました。結果的にお客さまの目標設定がバラバラになってしまい、効果的な支援ができていなかったように思います。

荻原 とくに現場レベルでは、若手メンバーたちに「どうせ自分が努力しても成果が出ない」というような諦めムードが漂っていました。個々のメンバーは優秀なのですが、組織として指針が定まっていなかったことで、その力を十分に発揮できていない状態だったと思います。

写真:インタビューに応じるフロンティア荻原さん
荻原 雄一郎さん/フロンティア株式会社 レディクル事業本部 人材開発部 本部長

樋口 最も期待していたのは、属人的な顧客支援から組織的な運営への転換です。私自身は営業としての知見を持ってはいたものの、どのように組織をつくり上げ、お客さまの継続的な成功を支援していくのか。その根本的な部分、仕組みづくりについての俯瞰的な視点が必要だと感じていました。実際に運用できるメソッドの提供を期待していましたね。

増田 キャリア採用のメンバーそれぞれが持つ知見を、組織として統合していく必要性も感じていました。個人の力量に依存するのではなく、誰もが同じように質の高いサービスを提供できる体制づくりが急務でした。

組織に共通言語が生まれ、理想のカスタマーサクセスを描けるように

高橋 2023年10月から1年間、前半と後半に分けて施策を実施しました。

高橋 まず、カスタマーサクセスの基礎知識を共有する勉強会からスタートし、チーム全体で共通言語をつくることに注力しました。並行して、解約顧客インタビューの実施とカスタマーサクセスメンバーの顧客対応の様子を動画で確認。組織の現状把握に努めました。

その後、カスタマーサクセスの現状の課題を整理し、KPI設計やオンボーディングプロセスの改善に取り組みました。以上が、前半の主な活動です。

後半は、解約顧客へのインタビューの取り組みをさらに強化。顧客接点を活用して、継続的に顧客解像度を高めていきました。さらに、継続提案プロセスの改善やオンボーディング資料などの改善に取り組み、お客さまとの関係構築を強化していきました。

※関連記事:カスタマーサクセスとは? 本質を理解して成果につなげるための18のチェックリスト

写真:インタビューに応じる才流高橋
高橋 歩/株式会社才流 コンサルタント(https://sairu.co.jp/member/17799/

樋口 サポート業務中心だったメンバーの意識に、大きな変化がみられました。普段は発言の少ないメンバーが積極的に意見を出すようになり、「自分たちはこういうカスタマーサクセスを実現したい」という主体的な思いが表れるようになってきましたね。

増田 私自身にも、勉強会を通じて大きな気づきがありました。とくに「山の到達イメージ」という考え方は印象的でした。以前は自分の経験則で「こうすべき」と決めつけていましたが、実はお客さまによって目指すゴールは異なります。個社別の状況に合わせたアプローチの重要性を学べたことは、非常に価値がありました。

解約顧客インタビューで得た知見がプロセスの見直しにつながった

樋口 高橋さんによる解約顧客へのインタビューは、非常に示唆に富むものでした。私たちだけでは掘り下げられなかった解約の真因や、組織的な課題まで明らかになりました。将来的な再利用の可能性についても探っていただき、そこから具体的なアクションにつなげることができたのは、大きな収穫です。

高橋 解約顧客へのインタビューではあるのですが、せっかくお客さまの貴重なお時間をいただくので、将来的な再利用の可能性についても確認しました。「このようなケースであれば活用できそうですね」といった具体的な提案を行い、その際の連絡のタイミングについても合意をいただきました。

※関連記事:解約顧客へのインタビュー方法【テンプレート付き】

写真:インタビューに応じるフロンティア樋口さん

増田 解約の要因となるポイントが解約の2、3か月前にあるということは、重要な発見でした。「リソース不足」や「予算の制約」といった表面的な理由の背後には、別の重要な要因が隠れていることが多い。この知見をいかして、早期警戒の仕組みができつつあります。

荻原 「もっと本音で話してほしかった」というお客さまからの声も印象的でした。私たちは契約更新を意識するあまり、言葉を選びすぎていたのかもしれません。この気づきは、お客さまとのコミュニケーションを見直すきっかけとなりました。

樋口 導入期のオンボーディングプロセスの改善ですね。

これまで私たちは「すべての情報を一度に伝えなければ」と考えていました。ですが、優先順位をつけて段階的に情報を提供する方法があることを才流から学びました。

資料を渡して終わりではなく、その理解度を確認するプロセスまで組み込んだことで、より効果的なオンボーディングが実現できるようになったと思います。

増田 オンボーディングプロセスの改善でとくに価値を感じているのは、月ごとのお客さまの状態のあるべき姿を明確にできたことです。業種や規模によって成果の出方は異なりますが、その違いを踏まえたうえで、6か月間の支援プロセスを体系化できました。

現在では、チーム全員が各時点でのゴールを理解し、型化されたプロセスに沿ってカスタマーサクセスを行えるようになっています。

写真:インタビューに応じるフロンティアの3名

メンバーの成長のほか、チームの一体感が高まり継続率は4倍に 

樋口 最も顕著な成果は継続率の改善です。プロジェクト開始当初と比較して、現在では継続率が4倍まで向上しています。当社では継続率に関して高い目標を掲げているので、まだ道半ばではありますが、確実に成果は表れていると感じています。

組織の規模も大きく成長しました。カスタマーサクセスチームは当初3名でスタートしましたが、現在は22~23名体制にまで拡大しています。それに伴い、支援できるお客さまの数も、ゼロからスタートして現在では650社以上にまで増加しました。

荻原 メンバーの成長が目覚ましいですね。現在の高い継続率は、彼らの努力の成果です。実際にかなり高めに設定した継続率の目標を達成しているメンバーも複数出てきています。

樋口 メンバー一人ひとりの意識も大きく変わりました。チーム全体で積極的な意見交換ができるようになり、上司と部下関係なしに、「ここまで言うか?」というような率直な意見も飛び出します。トップダウンではなく、メンバーそれぞれの強みをいかしながら、みんなでつくり上げていく組織になってきました。

写真:成果について語るフロンティアの3名

増田 キャリア採用者の個性も、うまく組織に溶け込んでいます。たとえば樋口さんのリーダーシップ、荻原さんのバランス感覚、私の仕組み化志向など、それぞれの特性が適材適所で活きています。また、一般メンバーも自分の個性を発揮できるようになり、それが継続率の向上にもつながっていると感じています。

樋口 はい。単なる数値目標の達成だけでなく、チームとしての一体感も生まれてきました。才流の支援を通じて、「何を達成しなければならないのか」という目標が明確になり、そこに向かってチーム全体で進んでいけるようになった。これは大きな成果だと考えています。

実践的なメソッドと確実な進行管理で組織の基礎体力が向上

樋口 才流とのプロジェクトでは、二つの大きな価値を得ることができました。

一つは「メソッド」という概念。才流には、私たちの課題に対して、単なる助言ではなく、実際に使える「制作物」として解決策を提供してもらいました。たとえば、課題を伝えると、すぐに使えるフォーマットや仕組みとして返してくれる。このような形で実装可能なメソッドを提供できる会社は、私の経験上、他にはまずありません。

もう一つは、高橋さんと土山さんのおふたりに出会えたことです。個人的な立場や背景にとらわれることなく、常に俯瞰的な視点から事象を観察し、忖度のない客観的な意見を提供していただけたことに、深い感銘を受けました。

写真:笑顔で話を聞く才流の2名

増田 印象的なのは、コンサルタントのおふたりの柔軟なコミュニケーションです。プロジェクト開始から2、3か月は、私も成果を急ぐあまり少し尖った対応をしてしまった時期がありました。しかし、その状況も受け入れつつ、私たちの PDCAを早く回せるような提案を続けていただきました。

荻原 時間やエビデンス、ドキュメントの管理など、プロフェッショナルとしての基本的な姿勢がすばらしい。たとえば、アジェンダは必ず前もって送付される、約束した資料は確実に共有されるなど。忙しさを理由に疎かにしがちな部分ではありますが、そこが徹底されている。このような仕事の進め方自体が、私たちの組織にとって大きな学びだったと感じています。

土山 荻原さんがおっしゃったように、才流のコンサルティングには「これは当然やるべきこと」という認識のもと、保つべき一定以上のレベルが存在しています。これはルールというより暗黙の了解のようなものですね。

私は才流のメソッド開発責任者でもあります。レディクルのみなさんが制作されているコンテンツも、才流のメソッドのように誰もが使えるような形に落とし込むお手伝いをしていきたいです。

土山 勇人/株式会社才流 コンサルタント(https://sairu.co.jp/member/1497/

樋口 レディクルのカスタマーサクセスとしては、日本一を目指します。フロンティアのレディクルが、カスタマーサクセスの成功モデルとして認知される存在になりたい。「レディクルが取った案件を受託できなかったら、自社に課題があるのではないか」と言われるような、最強のカスタマーサクセス組織を目指します。

そのために、まずはさらなる継続率の向上に向けて取り組んでいきます。これは立ち上げ時から掲げている目標で、今も変わっていません。単なる数字の達成ではなく、お客さまに寄り添いながら、コーチング的な要素も取り入れた支援を実現していきたいですね。

樋口 BtoB市場における重要な課題として、適正価格の可視化があります。現在、BtoB市場では標準価格が見えづらい状況にあります。レディクルを通じて、どんな商材においても適正価格で発注・受託できる環境をつくっていきたいと考えています。

BtoB市場自体、まだまだブルーオーシャンだと捉えています。コロナ禍を経て、外注への意識は確実に高まっていますが、それでもまだ開拓の余地は大きい。とくに、老舗企業や優良企業との直接的なマッチングの機会を増やしていきたいですね。

写真:談笑するフロンティアと才流の5名

(撮影/関口 達朗 執筆/稲田 和瑛 取材・編集/河原崎 亜矢)

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