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BtoBマーケティング支援

商材担当制が目標と戦略を見据えたPDCAの自走を促進!事業を伸ばすマーケ組織ができるまで

東日本電信電話株式会社

https://business.ntt-east.co.jp/

業種

通信

従業員数

1000名以上

写真左から:NTT東日本 諸田さん、中内さん、才流 岸田、中澤
コンサルタント
岸田 慎平
コンサルタント
中澤 康太

東日本電信電話株式会社(以下、NTT東日本)様では、中堅・中小企業や自治体を対象にクラウド環境の構築を支援する「クラソル」を展開しています。

クラソルではクラウドサーバーの構築はもちろん、AWSやMicrosoft Azureを使ったファイルサーバーの構築・移行、Amazon Connectを活用したクラウドコンタクトセンターの構築など、企業や自治体のDX推進と運用を、3,000名以上のAWSやMicrosoft Azureの認定資格者が幅広く支援しています。

さらなる顧客開拓に向けて、Webマーケティングを強化したいと才流にご相談いただきました。

才流(サイル)では2023年5月から2024年3月まで、主要商材のマーケティング戦略立案、事業目標達成に向けたPDCAサイクルの構築、施策の実行を支援しました。

同社の中内さん、諸田さんに才流の支援に対する感想や得られた成果について伺いました。

画像:NTT東日本様ご支援の概要を図化したスライド

事業目標達成に向けて、マーケティングを強化したい

中内 クラソルでは2019年のサービスリリース当初から、Webを軸としたBtoBマーケティングに取り組んでいます。

一般的な施策はひととおり行ってきました。コラムを作ってお役立ち情報を発信し、セミナーや展示会を開催。メルマガの配信もしています。リリース当初は別の組織だったインサイドセールスも、今ではマーケティング組織に加わり、連携を強めてきました。

写真:インタビューに応じるNTT東日本 中内さん
中内 めぐみさん/東日本電信電話株式会社 ビジネス開発本部 クラウド&ネットワークビジネス部 クラウドサービス担当 チーフ

中内 会社としてWebマーケティングをより強化したいという考えがあり、KPIがホットリードに、つまり案件化する可能性が高い見込み顧客の獲得に置かれたんです。

KPI必達に向けて情報収集をしていたところ、才流の栗原さんの記事を読むようになって。才流なら、BtoBマーケティングの領域で幅広い支援をしてくれそうだと感じ、勉強会の開催をお願いしました。

やり取りを通じて、KPI達成に向けた戦略と道筋をしっかり描いてくれそうという期待感、当社の事業や組織構造を深く理解してくれそうな安心感から、正式に支援を依頼しました。

商材ごとに担当者を配置し、目標達成に向けてPDCAを回す

岸田 クラソルでは多様なクラウド商材を提供しています。事業全体としてのマーケティング戦略はあるものの、商材ごとの戦略はない状態でした。また、KPIの振り返りもクラソル全体となっており、改善ポイントがわかりにくい印象を受けました。

そこで商材ごとに担当者を配置し、商材別の目標と達成に向けた戦略を立案。目標達成に向けて担当者がモニタリングをしながらPDCAを回せる体制を目指しました。

写真:インタビューに応じる才流の岸田
岸田 慎平/株式会社才流 コンサルタント(https://sairu.co.jp/member/1501/) 

岸田 最初に手をつけたのがAWS/Azure構築サービスとクラウドファイルサーバーのマーケティング戦略設計です。商材が異なれば、ターゲットとすべきペルソナ像も異なります。ペルソナ像がずれると施策もずれてしまうので、ペルソナやカスタマージャーニーマップを整理し、目標を設定しました。

同時並行で、すぐにでも改善できそうなポイントは短期施策としてご提案しました。たとえば、コラム記事はUU数が多いにもかかわらず、コンバージョン数が少なかったのでCTA(シーティーエー/Call to Action)の見直しをお願いしました。

※関連記事:読んでそのまま使えるBtoBオウンドメディア版CTAの設置パターン

岸田 プロジェクトスタートから3か月目以降は、各商材担当が中心となって、注力商材として設定したAmazon Connectなど、他の商材の戦略設計に取り組んでいただき、才流が伴走するスタイルに変更しました。

具体的には過去の問い合わせ内容や、受注傾向の分析、見込み顧客や既存顧客のインタビューに取り組んでいただきました。それらの結果をもとに、担当商材のペルソナ像、どのような顧客接点を持つべきかのカスタマージャーニーマップ、顧客の検討フェーズに沿って段階的にコンテンツをオファーする「階段設計」、ペルソナに向けた訴求メッセージを整理した「売れるロジック」などを順次作成してもらいました。

6か月目以降は、商材ごとにPDCAを回しながら、商材のペルソナに合わせて各サービスページのリニューアルに取り組み、順次リリースを行いました。

また、月初の定例会では報告フォーマットを活用し、商材担当に報告をしてもらう形に変更しました。

商材ごとの改善施策も商材担当が責任を持って提案、推進する体制に。リーダーの中内さんがお忙しい状況でも、各自が目標達成に向けて自走し、PDCAを回せるようになりました。

その後、次年度の計画を立てる際には、全体計画を各商材に配分。目標達成に必要なマーケティング施策やWebの目標を各担当に立案してもらいました。

プロジェクトスタート当初に中内さんが希望されていた、事業KPI達成のための戦略と道筋を整えることができました。

コラムのCTA改善で、毎月のコンバージョン数が50件増加

中内 コラムの執筆にはもともと力を入れていて、お役立ち記事を500本ほど公開しています。検索結果でも上位を取れていてUU数は好調なのですが、なかなかコンバージョンにつながらないのが課題でした。

そこで岸田さんから、CTA改善のメソッドを教えていただいたんです。記事の内容に応じて、最適なオファーをつけましょう、と。

諸田 これまではコラムの内容にかかわらず、末尾に商談フォームを入れていました。でもコラムの内容とオファーの内容がリンクしていないと、コンバージョンしてくれないんですよね。

また、オファーの配置場所にも問題がありました。記事を最後まで見るユーザーは少ないので、記事の上部にもオファーをつけたほうがいいと、アドバイスをもらいました。

写真:インタビューに応じるNTT東日本 諸田さん
諸田 直樹さん/東日本電信電話株式会社 ビジネス開発本部 クラウド&ネットワークビジネス部 クラウドサービス担当

中内 UU数が多い上位100本程の記事に絞ってCTAを改善したところ、毎月のコンバージョン数が一気に40〜50件程アップしました。

岸田 CTA改善は手間もかかるので、通常2〜3か月はかかりますが、みなさんはわずか1か月で終わらせてしまいました。大変でしたよね。

中内 みんなで手分けをして何とか(笑)。社内にコーディングできるメンバーもそろっていて、すべて内製化しているので、短期間でやりきることができました。

ホットリードの獲得は難しい。だから、ナーチャリングが大切

中内 商材ごとにお客さまのニーズをきちんと拾いましょう、という指摘が印象的でしたね。

今までは「クラソル」を1つのサービスと捉えてターゲット顧客を考えていたんです。でも実際のところ、提供しているクラウドサービスによって対象顧客は異なります。

たとえばクラソルではファイルサーバーやコールセンターも、ソリューションとして提供しています。顧客を紐解くと、ファイルサーバーは情報システム部門が管轄するケースが多く、コールセンターは総務課のような部署が管轄することが多い。サービスごとに、ターゲット顧客を精緻に把握する重要性を改めて感じました。

写真:テーブル越しに会話するNTT東日本さまと才流

諸田 私が印象的だったのは、ナーチャリングの大切さです。

これまでは「いかにして、Webからホットリードをとるか」という発想でいたんです。サイトさえ頑張れば、コンバージョンは増えると思っていた。

でも、「Webサイトから即案件化するのは難しい。だからその前提に立って戦略を立てましょう」と率直に指摘してもらえたことが、私たちにとっての転換点になったと感じています。

先ほどのCTA改善の話もそうです。即ホットリードを期待するのではなく、まずはメルマガへの登録や資料をダウンロードしていただき、ハウスリストを蓄える。そのうえでインサイドセールスやメルマガでアプローチし、ナーチャリングしていく。

見込み顧客をホットリードにしていくための階段を設計し、提示してもらえたことがすごく良かった。

ですから今は、とにかくクラソルのファンになってもらうことに注力しています。まずはお客さまの悩みをざっくばらんに聞いて悩みごとを可能な限り整理し、少しでもお役に立てそうな情報を出し、何かあったらうちに聞いてください、と。種まきの活動をしているところです。

岸田 素晴らしいですね。顧客側の検討タイミングは自社でコントロールできない、というのが実態です。定期的に接点を持つことで、実際に相談したい際に声がかかる状態に近づいていくので、1年後には成果として出ていると思います。

※関連記事:リードナーチャリングとは?失敗しないための設計プロセスを解説

PDCAの回し方や方法論が整備され、地に足がついた

中内 定量的には先ほどもお話しした、毎月のリード件数が50件程増えたこと。またインサイドセールスへのトスアップも若干ではありますが、増えています

諸田 観点は少し変わりますが、私が担当しているファイルサーバー構築・移行サービスのサイト流入にも変化の兆しが出ています。

指名検索でしか流入がなかったのですが、指名以外のキーワードでも流入するようになっていて。流入件数はまだまだですが、サービスサイトの改善による成果が少しずつ現れています。

中内 定性的な成果としては、商材ごとに担当者を配置し、モニタリングをする体制にしたことが大きいと思います。地に足がついた感覚と言うのでしょうか。

諸田 同感です。毎月、何の数字をモニタリングして、どう課題を発見し、どう解決案を考えていけばよいか。担当ごとにPDCAの回し方がしっかり定着しました。

チーム全体の数字を見て、何となく良い、何となく悪いではなく、商材ごとに何が良くて、何の改善が必要か。具体的にどう改善していくか、という議論が増えました。

とくに私はプロジェクトの途中でこの組織に配属され、UUやCVといった言葉すらわからない、マーケティング経験ゼロからのスタートでした。ですが、才流のお2人がマーケティングのいろはをレクチャーしてくれたお陰で、早くキャッチアップすることができました。

たとえば、CVRが下がったらどんな仮説を持って分析すればいいのか。まだまだ成長途上ですが、基本的なPDCAは自分で回せるようになりました。

岸田 諸田さんは営業のご経験があり、数値を見て課題を発見し、改善していく勘所がありました。マーケティングでは指標は変わるものの、数値を見て課題を発見し、改善していくPDCAの取り組みもスムーズに取り組めるようになった印象です。

中内 そうですね。才流の支援で、KPIに対しての目標の立て方や、分析方法がメンバーにしっかりインストールされました。

結果として、一人ひとりが担当商材の成果に責任を持ち、能動的に動いてくれるようになったので私も助かりました。

中澤 今回のプロジェクトでは、目標となる管理指標に何をおき、それをどのようなフォーマットで確認し、どんな会議体でチェックするか。今後も組織内で横展開しやすい「型」をご提案しました。

お忙しいみなさんの負荷を少しでも減らし、業務の円滑化に貢献できたようで嬉しいです。

写真:インタビューに応じる才流の中澤
中澤 康太/株式会社才流 コンサルタント(https://sairu.co.jp/member/1505/

コンサルタントに依存しない、サービスレベルの高さを感じた

諸田 岸田さんには個別のミーティングもかなりお願いしていて。「次にこんな施策を考えていて、参考になりそうなメソッドがあれば教えてください」と、ラフな壁打ちを何度もしてもらいました。

自分の思考を整理し、そもそも方向性は合っているのか、より効果的に施策を行うにはどうしたらいいのか。クイックに壁打ちできたので、本当に助かりました。

中内 何でもざっくばらんに、気軽に相談できたことをとても感謝しています。

カバーしているメソッドの幅が広くて、量も多く、質も高いので、社内で突発的に疑問や相談が浮上したときはすぐに岸田さんに相談させてもらいました(笑)。

岸田さんはすぐに持ち帰って、時には才流社内で詳しい人に聞いて回答してくれたので助かりました。

コンサルティング会社のサービスレベルは、どうしても担当コンサルタントに依存する部分があると思うんです。でも才流は違う。誰が担当しても、同じレベルのサービスを受けられるんだろうな、という印象があって。会社としての質の良さを感じましたね。

岸田 嬉しいです。私や中澤も含め、コンサルタントにはどうしても得意領域とそうではない領域があります。得意でない領域は社内に確認するんです。すると、その領域に詳しいコンサルタントからアドバイスをもらえる体制になっています。

中内さんの仰るように、担当コンサルタントに依存することなく、メソッドや詳しいコンサルタントのアドバイスを通じてご支援させていただくのも才流の特徴だと考えています。

中内 私たちのチームは、変化の激しいクラウドサービスを扱う特殊性から、サイト制作を含めたマーケティング活動を内製化している、社内でも少し特殊なチームです。

そのため、他部署から取り組み内容を聞かせて欲しいと声をかけられるケースも多くなってきました。会社としても新しい挑戦であるWebマーケティングの確立に、少しでも貢献できたらと思っています。

また、クラソルとしては引き続き中堅・中小企業さまや自治体を対象に、ネットワークからクラウドまでのご支援をしています。

まだまだ電話の会社というイメージが強いので、「クラウドで困ったらNTT東日本」と第一想起をしていただけるように、引き続きマーケティング活動を推進していきたいです。

写真:会議室で会話している4名

(撮影/関口 達朗 取材・執筆・編集/藤井 恵)

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