位置情報技術を軸にしたソリューションを提供する株式会社ゼンリンデータコム様。詳細なゼンリン地図を基盤にした法人・商用向けの「いつもNAVI API」や、顧客の住所データリストをメンテナンスする「住所クレンジングサービス」など、幅広い業種・業界のビジネスを支えています。
同社は、複数ある製品をそれぞれの部門で営業・マーケティングに取り組んできました。そのため、Webサイトは各製品・サービスの部門ごとに制作しており、全体として最適化されたものにはなっていなかったといいます。
注力商材をはじめ、今後全社的にマーケティングを強化し、成果を上げるために。才流は2021年6月からマーケティング戦略立案とマーケティング組織のあり方についてアドバイスをさせていただきました。
ゼンリンデータコム様との取り組み
【提案内容】
- 商材ごとにペルソナ・売れるロジックなどの整理
- マーケティング戦略・施策の立案
- Webサイトの改善
- 全社マーケティング組織立ち上げのご提案と伴走支援
【成果】
- 注力4商材のリード獲得数とコンバージョン率アップ
- 社内でマーケティングへの意識が醸成
「商材ごとに縦割りのマーケティングに課題を感じていた」
― 才流に依頼をする前は、どのような課題をお持ちでしたか。
出口 我々は創業当初から、Webサイトを作ってきました。外部の制作会社に依頼をしたこともありますし、直近は社内で、部門ごとに商材のページを制作する方式をとっていたんです。
全社的に見るとWebサイトとしての成果が見えにくい状態でした。状況を改善しなければと考え、「まずはそれができる人を」ということで採用したのが江藤です。
江藤 私は全社のデジタルマーケティング強化というミッションを受け、2020年3月に入社し、各部門でそれぞれ行っているマーケティングを支援してきました。
当時、各部門は営業活動と並行してマーケティングを行っていることもあり、なかなかマーケティング活動にマンパワーがかけられない状況でした。また、各部門が作っているWebサイトは、どうしても情報の出し方や質にばらつきが出てしまいます。
ゼンリンデータコム全体として、顧客にしっかりと情報をお届けするために、改善する点があると感じていました。
21年の4月。社内で「Area Marker」「いつもNAVI API」「ロジスティクスサービス」「住所クレンジングサービス」の注力4商材について、Webサイトの集客を計画的に行う方針が決まったことです。これまでの課題をふまえ、経営企画本部が中心となり、本格的にWebマーケティングに取り組むことになったことが才流さんに依頼したきっかけです。
― 才流のことは、以前からご存じだったのでしょうか。
江藤 前職のときから代表の栗原さんのnoteを拝見していました。発信しているメソッドやノウハウを実際に聞いてみたいと思いましたし、実際に話を伺うと、他社と比較しても柔軟に対応いただけそうだなと思いましたね。
当社の中でも、自社のマーケティング上の課題を整理しきれていない部分があったんですが才流さんが入ることで「このくらいのスピードで、こんな成果がでます」としっかりとご提示いただけたことが、とても印象的でした。
4つの商材をそれぞれリサーチし、ペルソナと課題を整理
― 21年6~11月まで、6か月間のプロジェクト。その概要を教えてください。
山本 まずは注力4商材のマーケティング戦略立案です。顧客理解を深め、マーケティング上の課題を整理するため、見込み顧客インタビューや営業インタビューなどを行い、それぞれの商材ごとにマーケティング戦略を立て、Webサイトの改善を行いました。
この過程で、新たな課題も見えてきたので、第2フェーズとして組織再編のご提案をさせていただきました。今後デジタルマーケティングに注力していくためには、部門横断でマーケティングを担う体制が必要なのではないかというご提案です。
江藤 私が特に印象的だったのは、リサーチの部分ですね。見込み顧客にインタビューをして、現状のWebサイトがどのように見えるのか、貴重なご意見をいただきました。そこからWebサイトの方向性を定められたので、あらためてユーザーの声を聞く重要性を感じています。
また、Webサイトを改善する際、階段設計についても教えていただきました。当社のサイトでは、CTAは「問い合わせ」しか置いていなかったので、見込み顧客からするとアクションのハードルが高いとご指摘をいただいたんです。そこで「資料ダウンロード」のボタンを設置しました。
Webサイト改善でコンバージョン数は過去最高に
― 才流の支援を受け、どのような成果がありましたか。
江藤 Webサイトを改善し、コンバージョン数は増え、サイト改善前の1.5~2倍。商材によっては、3倍になりました。11月は、過去2年間の最高値を記録しています。
Webサイトの改善の細かい部分も、我々が指摘するよりマーケティング支援の実績を多数持つ才流さんから実績や根拠を持って指摘いただけたのは効果的だったと思います。
出口 才流さんに入っていただき、実際に結果が出せたことは、我々には大きな経験になったと思います。
和田 才流さんと一緒に取り組み、マーケティングを実行するうえで「どういう進め方がいいのか」気づきもたくさんありました。今後、組織として取り組むための指針をいただいたと思います。
「会社固有の事情を深く理解し、柔軟に対応してくれた」
― 才流との仕事で、一番良かったと思うことはどんなことでしょうか。
江藤 私は前職でもコンサルティング会社に依頼をしたことはありますが、どれだけ柔軟に対応してもらえるかというのが、プロジェクトの成否を分けるポイントなんじゃないかと思うんです。
我々自身、いろいろと整理しきれていない中でお願いをしたので、こちら側が提示する課題やスコープが途中で変わり、混乱させてしまったこともあったと思います。
それに対し、山本さんはとても柔軟に対応してくださいました。本当にありがたかったです。
出口 「柔軟に」というのはたしかに、一番だったかもしれません。Webの制作会社だと、制作物を作ることに完結している場合が多いですよね。でも制作物を作ることよりも大切なのは、「会社の中のさまざまな固有の事情をどのように解釈して、どう答えるか」ということだと思うんです。
ひとつひとつ個別に考えるしかない部分を、非常に柔軟に相談に乗っていただけたと思います。
和田 加えて申し上げるならば、才流さんの実績が裏付けにあり、社内でマーケティングについて話すときも説得力があったというのは大きかったと思います。
代表の栗原さんには、当社社内向けののキックオフミーティングでもご登壇をいただきました。事業部やマーケティング担当者だけではなく、全社的にマーケティングに対する理解が深まったと思います。
ー才流のサービスは、どのような会社に合っていると思いますか。
江藤 才流さんのメソッドは普遍的ですし、業界や企業規模を問わず有効だと思います。当社のように複数の商材を扱っている会社にも、おすすめですね。
マーケティングを全社で行っていく場合には、事業部を横断してまとめる力が必要です。才流さんは非常に柔軟に対応してくださるので、力を借りるのは良いと思います。
当社は物を売るだけでなく、そこからの提案力が一番の強みです。しかし、まだまだそれを知ってもらうための仕組みが出来ていません。
今後、実際にマーケティングの専門組織を立ち上げ、より広くお客様に知っていただきたいと思います。リードナーチャリングの強化も、積極的に行っていきたいです。
才流さんには今後も必要な場面で、力をお借りできればと思っています。
(取材・文/安住 久美子 写真/矢野 拓実 編集/株式会社才流 中島 孝輔)