Webアンケート調査は、BtoB企業のマーケティング戦略立案や新規事業開発の場面で重要な役割を果たします。しかし、「時間がない」「精度に不安がある」といった課題から、実施に踏み切れない企業も多いのが現状です。
そこで才流(サイル)では、初心者でも効率的に精度の高い調査が実施できる「Webアンケート調査票テンプレート」をご用意しました。
Webアンケート調査票テンプレートをコピーして使用する(Googleスプレッドシート形式)
※個人情報の入力は必要ありません。 クリックしてファイルをコピーしてご使用ください。
Webアンケート調査の進め方に関しては、以下のWebアンケート調査のメソッド記事をご覧ください。
※関連記事:BtoB企業のWebアンケート調査のメソッド/進め方
才流(サイル)では成果が実証されたメソッドにもとづき、BtoBマーケティングを支援しています。BtoBマーケティングで課題を感じている方はお気軽にご相談ください。⇒才流のサービス紹介資料を見る(無料)
Webアンケート調査票テンプレートについて
本テンプレートは、調査の計画から実施までを3つのステップで進められるよう、3種類のシートで構成されています。
1.調査企画シート
- 概要:調査の目的や対象、予算など、調査に必要な17項目を企画
- 目的:漏れのない計画立案を実現
- 所要時間:30分〜1時間
2.類似調査収集・分析シート
- 概要:既存の類似調査から参考になる設問・設計のポイントを収集
- 目的:自社調査の改善点を発見
- 所要時間:1〜3時間
3.調査票シート
- 概要:基本属性、スクリーニング調査、本調査を体系的に設計
- 目的:BtoB調査に特化した設問例を提供
- 所要時間:3〜5時間
本テンプレートが解決する課題・お悩み
本テンプレートを活用すれば、Webアンケート調査でよくある課題やお悩みを解決できます。
【Webアンケート調査でよくあるお悩み】
「忙しくてWebアンケート調査に取り組む時間がない」
「投資した時間とお金に見合うだけの精度を確保できない」
【本テンプレートで実現できること】
1. 時間の削減
本テンプレートには、調査企画や類似調査の項目が用意されており、初心者でも効率的に調査準備を進められます。また、BtoB向けの調査で代表的な設問をテンプレート化しました。そのため、通常は時間のかかる作業が効率的に行えるようになり、企画から設計までの時間を大幅に削減できます。
2.精度の高い調査
本テンプレートの調査企画シートには17の企画項目が含まれており、調査の目的から仮説設定まで漏れなく検討できます。また、類似調査の収集・分析のステップを経ることで、自社の調査設計の改善点を見出せます。結果として、初心者でも調査の信頼性と有用性を確保でき、精度の高い調査が実現できるでしょう。
Webアンケート調査票テンプレートをダウンロードする
才流では、初心者でも簡単にWebアンケート調査を進められる「Webアンケート調査票テンプレート」をご用意しました。無料かつ個人情報の入力なしでご利用いただけます。
Webアンケート調査票テンプレートをコピーして使用する(Googleスプレッドシート形式)
※個人情報の入力は必要ありません。 クリックしてファイルをコピーしてご使用ください。
なお、テンプレートを使ったWebアンケート調査の進め方に関しては、以下のメソッド記事で解説しています。本記事とあわせてご覧ください。
※関連記事:BtoB企業のWebアンケート調査のメソッド/進め方
テンプレート内容の解説
ここからは、Webアンケート調査票テンプレートに含まれる各シートの目的や役割、仕様について解説します。本記事の後半に用語解説も掲載しておりますので、わからない用語があれば参照してください。
また、各シートごとにチェックリストを用意しました。作業の抜け漏れを防ぎ、精度の高い調査を実現するためにもぜひ活用してください。
調査企画シート
最初に実施する調査企画のためのシートです。このシートを使って、調査目的、調査対象者、目標回収数、割付など17の項目を整理します。
調査企画の項目とポイント
No. | 企画項目 | ポイント |
---|---|---|
1 | 調査タイトル | ・簡潔かつ具体的に調査内容を表現する ・外部に公開することも想定しておく |
2 | 調査目的・背景 | ・具体的かつ明確に記載する ・この調査が必要な理由を明確にする |
3 | 調査レポートの想定読者 | ・具体的な役職や職種を記載する |
4 | 調査結果の用途 | ・公開範囲を決めておく |
5 | 主な調査事項 | ・箇条書きで簡潔に記載する ・調査目的に直接関連しているか確認する |
6 | 仮説・主張したいこと | ・具体的かつ検証可能かどうか確認する |
7 | 調査方法 | ・定性調査との組み合わせなど、複合的な方法を 実施する場合は詳細を記載する |
8 | 本調査の対象者セグメント | ・できるだけ具体的に定義する |
9 | 割付(クロス集計項目)の想定 | ・セグメントごとに十分な回答数を設計する ・BtoBでは従業員規模、業種、職種、役職、 発注への関わり方などが代表的な項目 |
10 | 目標回収数(本調査) | ・統計学上、最低でも100以上の回答数が必要 ・割付を行う場合、各セグメント毎に100以上の 回答数を集める ・外部公開の場合、400以上の回答数が目安 |
11 | 目標回収数 (スクリーニング調査) | ・本調査の目標回収数や割付によって スクリーニング調査で必要な回収数は異なる ・ニッチな対象者の場合、スクリーニング調査の 目標回収数は多めに設定する |
12 | 想定設問数(本調査) | ・回答者の負担を考慮して設計する ・本調査は20問以内での設計が目安となる |
13 | 想定設問数 (スクリーニング調査) | ・必要最小限の設問数に抑える ・通常5問以内、多くても10問以内で設計する |
14 | 調査会社・サービス | ・初心者は調査会社・リサーチャーがおすすめ ・経験者はセルフ型アンケートツールがおすすめ |
15 | 調査予算(想定費用) | ・調査費用は「設問数×回収数」で決まる ・セルフ型の場合、「設問数×回収数×10円」が目安 ・リサーチャー依頼型の場合、セルフ型の3〜10倍程度 |
16 | 想定スケジュール | ・調査実施~分析まで1~3週間が目安 ・公開用のレポートを作る場合、 追加で2週間〜1か月程度を想定しておく |
17 | 担当者名 | ・調査の責任者と実務担当者を記載する ・外部パートナーがいる場合はその担当者も記載する |
すべての項目を入力したら、以下のチェックリストと照らし合わせて、入力内容が適切かどうかを確認しましょう。
チェックリスト
実施タイミング:シート作成完了時
□ 調査目的が明確になっているか
□ 調査結果の用途が明確になっているか
□ 本調査の対象者セグメントが明確になっているか
□ 割付が想定できているか
□ 目標回収数が決まっているか
□ 調査予算が見積れているか
□ スケジュールを関係者と共有できているか
類似調査収集・分析シート
類似調査の収集・分析を行うためのシートです。類似調査の対象セグメントや割付、設問などを分析し、自社の調査設計の参考にします。
類似調査の項目とポイント
収集項目 | ポイント |
---|---|
調査企画・実施主体 (企業名) | ・企業名や組織名を記載する (複数の団体が調査に関わっている場合もある) |
調査タイトル | ・タイトルから調査のテーマや焦点を把握する ・自社の調査目的との類似性や関連性を把握する |
URL | ・調査結果や報告書のURLを記載する |
調査時期 | ・調査が行われた日付(期間)を記載する ・古いデータなのか、直近のデータなのかを把握したうえで、 設問文や調査結果を読み解く |
回答者数 | ・複数のセグメントがあれば、セグメントごとの回答者数を把握する ・サンプル数の妥当性を評価し、自社の調査設計の参考にする |
調査対象者 | ・属性をできるだけ詳しく記載する ・スクリーニング条件がある場合は記載する ・自社の調査対象者との類似点や相違点を分析する |
メモ | ・自社の調査にいかせそうな設問文や分析手法を記載する ・自社の調査と比較して、改善点を見つける |
チェックリスト
実施タイミング:類似調査の収集・分析完了時
□ 参考になる類似調査はあるか
□ 車輪の再発明にはならないか(既存の調査で十分ではないか)
□ 参考になる情報をメモしたか
調査票シート
アンケートの設問や回答形式を設計するシートです。基本属性、スクリーニング調査、本調査の3種類の調査票を作成できる仕様となっています。
調査票の項目とポイント
設計項目 | ポイント |
---|---|
調査種別 | ・基本属性/スクリーニング調査/本調査のいずれかを記載する |
設問番号 | ・調査種別ごとに通し番号をつける |
カテゴリ | ・設問の分類を記載する ・設問の目的によって区分する |
設問文 | ・回答者が理解しやすい構成や表現をする ・誘導するような設問を避ける ・スマートフォンでの回答を考慮した文字数に収める |
備忘 (設問の意図・狙い) | ・その設問を設置する理由や、得たい情報を記載する ・いつ誰が見てもその設問を設置した理由を把握できるようにする ・そのほか補足したい点を記載する |
回答形式 | ・単一選択(SA)/複数選択(MA)/自由記述などの回答形式を記載する ※各回答形式について、詳しくは用語解説を参照してください |
選択肢 | ・仮説をもとに選択肢を記載する ・想定される回答が漏れなく含まれているか確認する |
除外フラグ | ・あらかじめ除外したい回答・回答者があれば設定しておく ※除外フラグについて、詳しくは用語解説を参照してください |
分岐条件 | ・回答者の負担を考慮した分岐設計を心がける ※分岐条件について、詳しくは用語解説を参照してください |
補足説明 | ・本テンプレートに関する補足説明を記載しています |
チェックリスト
実施タイミング:調査票の設計完了時、および調査実施前
□ 利用する調査サービスの基本属性(セグメント項目)を把握できているか
□ 調査企画に沿った設問が設計できているか
□ 設問の意図・狙いが明確になっているか
□ スクリーニング調査で本調査の対象者を抽出できるか
□ クロス集計用の設問を設置できているか
□ 答えやすい設問文と選択肢になっているか
□ 恣意的な設問文や選択肢になっていないか
□ 分岐条件を設計できているか
□ 自由回答を1問以上含めているか(不適切モニター除外のため)
□ 設問数は20問以内におさまっているか(20問以上だと離脱率が上がるため)
□ プレビューテスト(調査入稿前のテスト)を行ったか
用語解説
Webアンケート調査を進める過程で知っておくべき用語の解説をまとめました。
用語 | 解説と例 |
---|---|
単一選択 (SA:Single Answer) | 回答者が複数の選択肢の中から1つだけを選ぶ形式のこと 例:あなたの性別を選んでください。 ・男性 ・女性 |
複数選択 (MA:Multiple Answer) | 回答者が複数の選択肢の中から複数を選べる形式のこと 例:好きな果物を選んでください。(複数回答可) ・りんご ・バナナ ・いちご ・ぶどう |
自由記述 | 回答者が自由に文章や意見を入力できる形式のこと 例:今後、期待するサービスについて自由にご記入ください。 |
SAマトリクス | 縦に設問項目、横に選択肢を配置し、 各項目について単一選択(SA)を行うマトリクス形式のこと 例:各サービスの満足度を選んでください。 |
MAマトリクス | 縦に設問項目、横に選択肢を配置し、 各項目について複数選択(MA)が可能なマトリクス形式のこと 例:以下の機能について使用しているものをすべて選んでください。 |
SAMAマトリクス | 縦に設問項目、横に選択肢を配置し、SAとMAが混在するマトリクス形式。 各項目ごとに、単一選択か複数選択かが異なる場合に使用される 例:各サービスの使用状況を選んでください。 |
順位回答 | 回答者が複数の選択肢に順位を付ける形式。 順位付けの重要度や優先度を把握したい場合に使用される 例:あなたが重要視する要素に順位を付けてください。 |
選択肢ランダマイズ | アンケートの選択肢の順序をランダムに変更する手法。 回答者ごとに選択肢が異なる順序で提示され、 位置効果(最初や最後の選択肢が選ばれやすくなる偏り)を防ぐ。 結果として、調査の公平性が向上し、回答の偏りが軽減される |
除外フラグ | 特定の回答をした回答者を調査対象から除外するためのマーク。 目的に合わない回答者を調査から除外し、より正確で適切な データを得られる |
分岐条件 | 回答者が特定の設問に対して選んだ回答に応じて、次に表示される 設問が変わる仕組みのこと。 不要な設問を避け、回答者にとってより適切な設問だけを提示できる 例:性別をお答えください。 「男性」を選択→男性向けの設問が表示される 「女性」を選択→女性向けの設問が表示される |
記事のまとめ
本記事では、初心者でも簡単にWebアンケート調査を実施できるテンプレートをご紹介しました。
Webアンケート調査票テンプレートをコピーして使用する(Googleスプレッドシート形式)
※個人情報の入力は必要ありません。 クリックしてファイルをコピーしてご使用ください。
テンプレートは、3つのシートで構成されています。
- 調査企画シート
- 類似調査収集・分析シート
- 調査票シート
テンプレートは、調査企画シート→類似調査収集・分析シート→調査票シートの順で取り組んでください。
まず調査企画を最初に行うことで、調査の目的や仮説、予算、必要なサンプル数などの基本的な要件が明確になります。
次に類似調査の収集・分析に取り組むことで、既存の調査から効果的な手法や改善点を学べます。これにより、過去の知見をいかした効率的な調査設計が実現可能です。
最後に調査票で具体的な設問を設計します。この時点で調査の要件(調査企画シート)と参考にすべき調査(類似調査シート)が明確になっているため、ブレのない効率的な設問設計が可能です。テンプレートにあるBtoB向けの設問を、自社の目的に合わせて適切にカスタマイズしましょう。
このステップを守ることで、調査の精度を担保しながら、効率的に作業を進められるはずです。
テンプレートを使ったWebアンケート調査の進め方に関しては、以下のメソッド記事で詳しく解説しています。本記事とあわせてご覧ください。
※関連記事:BtoB企業のWebアンケート調査のメソッド/進め方
才流では、BtoB企業向けに、マーケティング戦略の立案や、新規事業の支援サービスを提供しています。市場調査やテストマーケティングの代行も行っていますので、Webアンケート調査で課題を感じている方はお気軽にご相談ください。⇒才流のサービス紹介資料を見る(無料)