少し前の話になるが、『Webサイトがイケてる会社は、業績もだいたいイケている。』という記事を執筆した。ビジネスの現場で日々発生する表層的な課題ではなく、根本にある課題を見極めて解決した方が良い、という内容の記事だ。
今回は、「具体的にどのように根本課題にアプローチすれば良いのか」を2つの例で説明したい。
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1.動画でサービスをわかりやすく伝えたいケース
例えば、「新しい動画を作りたいが、以前作った動画はイマイチだった。今回はサービスの魅力を的確に伝え、成果が出る動画を作りたい」とクライアントからオーダーをもらった場合、どのようにプロジェクトを進めるのか。
今回も「氷山モデル」を使って解説する。氷山モデルとは、表出している「できごと」から、中長期的な傾向である「パターン」が見え、その背景にはパターンを生む「構造」があり、その下に意識・無意識の前提である「認知」がある、とする考え方。
主にクライアント社内の人に話を聞きながら、社内で何が起きているのかを探りに行く。すると背景では、以下のようなことが起きている(中身はシンプル化した例)。
社内で何が起きているかを把握すると、動画の企画・制作以外にもやるべきことがあるのがわかる。
そこで、動画の企画・制作と平行しながら、上記のような「パターン」「構造」「認知」に切り込む解決策を進めていく。すると、動画のクオリティは格段に上がるし、営業資料、Webサイト、セールストークも連鎖的に良くなっていく。
2.採用サイトを作り、採用を強化したいケース
もう一つの例として、「現行の採用ページが微妙なので、新しく採用サイトを作りたい」とオーダーをもらった場合。
動画作成のケースと同様に、どんな「パターン」「構造」「認知」が背景にあるのかを把握する。採用文脈では、こんなことが起きていたりする。
この「認知」や「構造」があると、通常のサイト制作プロセスに沿って、ヒアリング・要件定義→企画・設計・・・と進めていっても、求職者に響くサイトは作りにくい。
そこで、採用サイトの企画・制作だけでなく、「パターン」「構造」「認知」レベルに切り込む解決策を進めていく。すると、採用サイトのクオリティは自ずと上がるし、組織内のメンバーに納得感が出るから、みんなが気に入って、自発的にソーシャルメディアでシェアしてくれたりする。
問題はディレクションの不在ではない
作ったもののアウトプットがイマイチだった場合、一般的には「ディレクションできる人がいなかった・・」、「要件定義ができていなかった・・」と総括されるけど、実はディレクションや要件定義以前に、それらを難しくしている根本課題があることがほとんどだ。「ディレクションできる人がいなかった」のではなく、「ディレクションできる状態になかった」が正しい現実認識だろう。
せっかくお金と時間をかけたのに微妙なものができあがったり、関わるメンバーが疲弊してしまうのは、誰が悪いとかではなく、純粋に社会にとって勿体ないと思う。
想いを持ってプロジェクトを進める人たちのエネルギーが活きるように、社内のコミュニケーションプロセスや経営者の思考の整理まで踏み込みたいし、そうした本質的な問題解決の手法をもっともっと広めていきたい。
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