「すでに取り引きのある大企業で新規部署の開拓に取り組みたい」「さらに取引金額を伸ばしたい」
一企業あたりの取引額を最大化するべく、さらなる開拓に注力する方も多いと思います。大企業との取り引きを拡大していく際に重要なのが、信頼の獲得です。
そこで、本記事ではすでに取り引きのある企業に自社との取引実績を効率よく理解してもらうための「特定企業内の実績集」を紹介します。テンプレートもダウンロードできるので、ぜひ活用してください。
なお、本記事は、以下にあてはまる企業に在籍する方に読んでいただくことを想定しています。
- 商材・事業が複数ある
- 顧客ごとに組み合わせて提案、カスタマイズする案件が多い
- 案件規模は300万円以上、予算を把握して提案する商材を取り扱っている
具体的なイメージは、SIerやBPOサービスなどです。SaaSや特定の商材を販売するスタートアップ向けの記事ではないので、ご注意ください。
※関連記事:大企業との取引拡大の基本。顧客の組織を理解するための「組織図把握シート」
特定企業内の実績集テンプレートをダウンロードする(PowerPoint形式)
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才流では「大企業と取引を拡大したい」「取引金額を拡大したい」企業さまを支援しています。営業活動でお困りの方はお気軽にご相談ください。⇒サービス紹介資料の無料ダウンロードはこちら
特定企業内の実績集を作る目的
すでに取り引きのある大企業でさらに開拓をすすめていく際は、「自社がその企業で過去にどのような取り引きを行い、どんな成果や実績を出したのか」を端的に伝え、信頼感を得ることが重要です。なお、グループ企業を持つ大企業の場合は、グループ企業も含めましょう。
大企業との商談時によく耳にするのが、「御社、うちのどこかと取引したことありますか?」という質問です。これに答えるためにも、当該企業に特化した実績集を用意しておくことをおすすめします。
実績集を用意しておくことで、以下のメリットが得られます。
- 言葉だけでなく、視覚でも成果や実績を伝えられる
- 取り引きの年数や部署の数が見えることで信頼を得やすくなる
- 稟議や社内説明の際にお客さまが活用できる(紙、データ両方で渡すことをおすすめします)
- 複数人で1社を担当する場合に情報共有しやすい
筆者が過去に支援していた企業では、実績集を徹底的に更新し続けたうえ、過去に納品した案件も後追いして、得られた成果や社内での評価を追記していきました。その結果、「あの案件、御社の仕事だったんですね」という言葉をもらうことが増え、初めて会う方やグループ会社の方との面談も、スムーズに進められるようになったのです。
なお、実績集を作成する際は、必ず顧客に情報開示についての了承を得るようにしてください。機密性が高いプロジェクトの場合は、同一企業内であってもリリース前の情報開示ができないケースがあります。「同じ企業だから大丈夫だろう」という勝手な判断は、逆に信頼を失ってしまう可能性があります。
特定企業内の実績集テンプレートの使い方
特定企業内の実績集テンプレートをダウンロードする(PowerPoint形式)
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本記事で紹介するテンプレートは、以下の6つの項目で構成されています。
- 取引実績サマリ
- 直近の主な取引実績
- 取引実績(個別)
- お客さまの声
- 担当営業の紹介
- 会社概要
1.取引実績サマリ
時系列でわかりやすく記載し、このページだけで「実績がある取引先」であることを理解してもらいましょう。1年単位ではなく、5年、10年単位、また、主要な取り引きがあった年度だけに絞って記載しても問題ありません。
案件は主要なものを記載し、写真やアイコンを掲載できる場合は挿入してください。
※このページに記載する情報は、必ず開示について、顧客の了承を得てください
2.直近の主な取引実績
直近の取り引きをまとめます。過去の実績だけでなく、進行中の案件がある場合は一覧化しておくことも有効です。別の部署で似たような案件が動いている場合に、顧客同士でも相談できるようになるからです。
※このページに記載する情報は、必ず開示について、顧客の了承を得てください
3.取引実績(個別)
案件ごとに実績をまとめます。複数のサービスやソリューションを取り扱う場合は、どのサービス、ソリューションなのかがわかるようにサービスのロゴを入れると効果的です。
サマリとして事業部や子会社ごとに実績をまとめられるページも用意したので、複数ある場合はうまく活用してください。
※このページに記載する情報は、必ず開示について、顧客の了承を得てください
4.お客さまの声
お客さまの声を頂けそうな場合は、このページを使ってください。信頼感や安心感の獲得につながります。
5.担当営業の紹介
営業パーソンの顔写真や簡単な自己紹介を掲載します。大企業の場合は、1〜2年後に突然連絡をもらえることもありえます。連絡先もしっかり記載しておきましょう。
6.会社概要
自社の強みやイベントへの登壇、寄稿実績など、客観的に信頼性をアピールできる情報を付け足しておくと効果的です。
営業資料のテンプレートは別の記事でも提供しています。ぜひあわせてご覧ください。
※関連記事:営業資料の作成と改善に役立つテンプレート
おわりに
大企業との取り引きを広げていくのは、時間も労力もかかる取り組みです。
「リソースや必要な期間が読みづらく、投資対効果を判断するのが難しい」「属人性が高く、再現性がない」「直近の売り上げを優先してしまう」などの理由から、経営層もリソースを投下すべきか迷います。
しかし、組織図の把握と実績集の作成に取り組むことで、一定の成果は出せます。これらのツールが、取引拡大の一助になれば幸いです。
組織図テンプレートも公開しているので、ぜひあわせてご活用ください。
※関連記事:大企業との取引拡大の基本。顧客の組織を理解するための「組織図把握シート」
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