「人と人の出会いで、仕事は変わってくる。いいパートナーといい仕事ができることは、本当にラッキーです。僕らにとって才流さんは、なくてはならないビジネスパートナーなんです」
Shirofuneの菊池さんは、才流との関係についてこう語る。
個人の意思をベースに仕事が行われる同社ではプロダクト作りを志向する人間が多く、社内でマーケティングを取り仕切ろうとする人間がいないため、マーケティング実行のほぼすべてを才流に任せている。
- 1ヶ月でターゲットリードを200件以上獲得した施策の実行。その後も、オーガニック経由で毎月50件リード獲得する仕組みを構築
- 価格設定の変更提案・実行
- 広告運用の内製化を支援するサポートプランを新設
など、リード獲得施策にとどまらずより深い支援してきたという。
才流と歩んできた1年半で生まれた関係と、成果とは。
「アルゴリズムのMade in Japanを」というミッションを掲げ、広告運用自動化ツール『Shirofune』を開発する株式会社Shirofune(シロフネ)。2014年の創業以来、徹底したプロダクト主義を貫き、独自のアルゴリズムで広告効果改善と運用担当者の負担軽減に貢献してきた。才流と取り組む面白さや施策の成果について、同社代表取締役 菊池 満長 さんに話を伺った。(以下、敬称略)
プロダクト作りに集中するため、マーケティングはプロに依頼
ー マーケティングを外部コンサルタントに依頼しようと思ったのはなぜですか。
菊池 私はShirofuneを立ち上げる以前、サイバーエージェントでリスティング広告運用やオペレーション組織・仕組み構築、社内システムの開発責任者などを経験しました。
インターネット広告代理店は広告の最適化に特化しているため、広告のプロであることに間違いありません。しかし、「プロダクトやサービスをどう成長させるか」というマーケティング、グロースハックの観点はほとんど持っていなかったんです。特にBtoBマーケティングのセオリーには触れた経験が少なく、素人に近い自覚がありました。
また僕らは、会社の限られたリソースのうちの95%はプロダクト作りに投資したいと考えていました。そのためにはマーケティングのプロと一緒に組んで進めたほうが良いと思ったんです。
― 才流との出会いについて教えてください。
菊池 才流さんとのお付き合いがはじまったのは、2018年12月頃。当時は、「『才流』という会社より『栗原さん』という人にお願いをした」といったほうが正しいかもしれません。
当時の僕らはプロダクトがある程度形になり、販促を進めていくフェーズでした。そのとき、セールスパーソンのマッチングプラットフォームで人を探していて、偶然栗原さんを見つけたんです。「実行にプライオリティを置いている」とか、「メソッドを開発する」という観点が面白いなと思いました。ビジョンも野望もあり、一緒に成長していけるんじゃないかと思いましたね。
― 現在は金森さんが担当ということですが、どのような関係で仕事を進めているのでしょうか。
金森 2019年4月に才流に入社した僕の初めての担当が、Shirofuneさんでした。
初期、Shirofuneさんのオウンドメディア「インハウスマーケティングラボ」の立ち上げをしていました。マーケティング戦略については栗原と相談しながら、2019年9月頃から段々とメインで担当するようになりました。
現在はメルマガやウェビナー(広報担当の方が主導)以外のほとんどを自分主導で進めています。当時入社1年目の自分が担当するという点で、最初はご心配をおかけしたんじゃないでしょうか…。
菊池 正直、不安はありましたね(笑)。
栗原さんと仕事をするためにパートナーシップを結んだと認識していたのに「誰かに振っちゃうの?」と思いました。でも、今は金森さんが担当になってくれて本当に良かったと思っています。
栗原さんと話をしていた頃は、「今はこういう方法がある」「御社のここがズレている」など、セオリーから教えてもらうことが多かったんです。わからないことがたくさんあったので、これはとても有意義でした。
しかし、企業のマーケティングは、根本的には個別解。全体傾向として正しいことをやっているだけでは進まないですよね。この業界の特殊性やサービスの特徴、うちの会社だからこその戦略や施策を推進するためには、かなり深いところまで入らないとできないと思うんです。
経営や採用、代表の業務がある栗原さんが、クライアントの代行業務すべてを実行することは現実的ではないし、僕らもそこまでお願いするべきじゃないと思っていました。だから、金森さんが入ってきてくださり、深いところまで理解し、個別解で提案・実行してくださるようになったのはとてもありがたいです。
外部のコンサルタントという感覚はないですし、言われたことをやるだけのオペレーターでもない。「マーケター」ってこういうことなんでしょうね。最近では、施策におけるギャップはほとんどゼロに近いです。
金森さんなしでは今の協力関係は成し得なかったですし、これは栗原さんのいい采配だったのかもしれませんね。
ターゲットやプライシングの変更。センシティブな議論も乗り越えて築いた信頼関係と、才流の支援による定量成果とは
ー 才流と一緒に取り組んできた具体的な施策について教えてください。
菊池 初期に栗原さんと取り組んだのは、『インハウスマーケティングラボ』の立ち上げでした。実はこのメディアに関しては、僕らは記事のチェックすらほとんどしていない。ほぼ丸投げ状態で作っていただきました(笑)。
僕らもオウンドメディアをやりたいと思っていましたし、才流さんが目指すメソッド開発にもつながるので、面白いと思ってもらえたんじゃないかと思います。
金森 栗原は、「インハウスマーケティング」の概念を広げる目的で、メディアを立ち上げたと言っていたと思います。
菊池 僕らは一緒に仕事をする際、「リソース」と「思想」という2つの視点を持っています。お互いが大事だと思っていることを一緒にやるから進められるし、そこがあってのパートナーだと思うんです。
メディアを作り、記事を読んでもらえることは嬉しかったですし、実際にサービスサイトの月間セッション数は最高10倍程度上がっています。さらには、さまざまな会社にインタビューでご協力いただき、間接的に僕らの会社のイメージも引き上げていただいた。ブランディングという意味でも成功でした。
これは才流さんや栗原さん、金森さんでなければ、できないことだったと思います。
菊池 また、直近の取り組みでもっとも成果が出たのは「広告レポートテンプレートの無料配布」施策です。
Shirofuneには広告運用レポートを自動作成する機能があります。レポート自体が顧客からも高い評価を得ていたことは認識していましたが、それをテンプレートとして無料配布することは「やった方が良いかな」くらいの温度感でした。でも、ターゲット顧客のリード獲得をする目的で、この施策の提案が金森さんからありました。
広告運用におけるレポート作成は、多くのリソースを割かなくてはならず、課題の多い業務のひとつ。広告レポートのテンプレートは、インターネット広告業界に求められているし、認知拡大は僕らのメリットにもなる。
金森さんはこの2つをおさえたアイディアで、オペレーション構築から実際の細かい業務まで主導してくれたんです。
金森 この施策について私からも補足します。Shirofuneの広告レポートは評判が良いことから、成果につながる強力なコンテンツになると思っていました。あとは、それをいかにターゲット顧客に届けられるか。単に、Webサイトに広告レポートのテンプレートDL用のCTAを設置するだけでは、高い成果は見込めません。そこで主に、下記3つの取り組みをしました。
- Shirofune広報担当の方と協力してプレスリリースを配信
- 「リスティング広告 レポート」などのキーワードでの上位表示を狙うべく、記事コンテンツの作成
- 広告レポートDLを促すFacebook広告を展開
結果、1ヶ月で対象リードを200件ほど獲得し、その後もほとんどオーガニック経由で毎月50件弱のリード獲得を実現できています。
菊池 これって、完全に個別解なんですよね。コンテンツの無料公開はセオリーとしてありますが、金森さんが業界の特殊性と僕らの状況を深く理解していなければ、成果は上がらなかった。今年に入り、事業として方針を変えることになったのですが、そこにいち早くアジャストしてもらったというわけです。
ー 事業としての方針転換とは、どのようなことだったのでしょうか。
菊池 Shirofuneの顧客は広告主と広告代理店と両方いるのですが、マーケに関しては主に広告主をターゲットにやってきたんです。でも、LTV(顧客生涯価値)やCAC(顧客獲得単価)から、最終ゴールに到達するためにはあらためて現時点でのターゲット顧客を見直さなくちゃいけないという提案を才流さんからいただいたんです。
金森 現状の施策で獲得できている広告主の場合、LTVとCACの関係からユニットエコノミクスが健全ではないことが分析の末、わかりました。一方、広告代理店のほうはLTVが相当高い。価格設定およびターゲット選定を見直すべきと、我々の方から去年の秋頃提案させていただきました。
菊池 才流さんからは「死の谷にいますよ」と耳の痛いことも言われました。描いていた理想に対して現実を突きつけられてしまったし、とてもセンシティブな話だった。でもそういう部分を一緒にやってこれたことが、今の信頼につながっています。そして最終的には一緒に死の谷を越えたいなと思っています。
対面で何度も議論した末、取締役の竹下さんが価格設定の見直しと、広告運用の内製化を支援するサポートプランを新設しました。顧客へのヒアリングを通してニーズ検証などテスト的に行いましたが、サポートプランの需要があることもわかりました。これらの取り組みが、僕らにとっても新しいスタートになったと思います。
面白い仕事に徹底的にコミットする才流と、未知の挑戦へ
ー これまでの才流との仕事で、印象に残ったことはありますか。
菊池 ここまでお話ししたように、事業を根本的に考えなくちゃいけない議論をしているときです。僕らがビジネスを続けていくためには、これまで描いてきた着地を変えるべきなのかと、迷っていました。
でも、才流さんからは「着地を変えて面白くないほうを目指すならば、一緒にはやれない」と話があったんです。
才流さんは、単純に自分たちの仕事が継続できればいいとは思っていない。お金をもらう以上に、自分たちの成長や面白いと思えることにコミットしている会社なんだと感じましたね。
だから、僕らが目指すゴールをしっかり持っていないと、パートナーとして一緒にできないなと思いました。
ー 才流との仕事で面白さを感じるのはどんなときですか。
菊池 未知のものを一緒に作ろうとしているときです。「誰もやったこともないことを、鮮やかに成功させたい」思想は、才流さんと僕らで似ている部分だと思います。
どんなに新しいことでも、誰かがやるべきだと言うことは、失敗したとしても得られるものがあります。誰かがコミットして成し遂げようとしていることであれば、不安はありません。
金森 Shirofuneはとても価値の高いプロダクトです。顧客の声からも、自身での利用経験からも、それを心から信じています。Shirofuneさんが良いプロダクトを本気で開発し続けているのだから、我々も本気でそれを届けるべく人に届けていく。
菊池 プロダクトへの信念や信頼がなければ、そもそもマーケティング活動する意味がないですよね。だからこそ、僕らはプロダクト作りに集中しています。今は、インターネットやマーケティングに近ければ近いほど、GoogleやFacebookといった海外のITジャイアントが競合になってしまうので、半端なプロダクトでは太刀打ちできません。
僕らは全身全霊でプロダクト作りにフォーカスし、マーケティングは才流さんにお任せする。才流さんとはパートナーであり、そういう役割分担なんです。
金森 Shirofuneさんが素晴らしいものを作り、僕らがそれを届ける。見込み客へのヒアリングや、営業に同行して顧客の生の声を聞いたり、はたまたサービス資料改善やコンテンツ企画から作成など日々の実務まで。成果の出ることであれば、何でも挑戦しています。
菊池 「そこまでやってくれるの?」って感じはありますよね(笑)。でも、自ら動いて、僕らに負担をなるべくかけずに実行してくれる。本当にワンチームだなと感じますね。
「プロダクトの本気度が高い会社ほど、才流を選ぶべき」
ー どんな会社に才流をおすすめしたいですか。
菊池 本当にいいものを作りたい、プロダクトやサービスへの本気度が高い会社こそ、才流さんにお願いするべきだと思います。実行部分をしっかりとやってくれるのは、本当にありがたいですから。
僕らは、金森さんの仕事人生の大きなパートを投資してもらっていますし、それに見合う仕事をしたいと思っています。パートナーとして価値を提供できる会社なら、才流さんも本気でコミットしてくれると思います。
ー 今後、才流に期待することはありますか。
菊池 これからも個別解で、深く入らないとできない戦略立案や施策の実行をやってもらいたいです。もっと僕らの会社を知ってほしいし、業界についても知ってほしい。業界のプロフェッショナルになってもらえたら、僕らとしてはありがたいですね。
また、才流さんが作っている新しいメソッドと僕らの業界の特殊状況をかけあわせて、これまでやったことのないマーケティングをやっていけたらいいなと思います。才流さんにとっても面白いし、僕らも嬉しいし、仕事をしていて楽しいと思うんですよね。
菊池さんは、最後に才流への感謝を語った。
「今回インタビューを受け、あらためて才流さんのおかげでこれまでやってこれたなと感じました。才流さんにも、金森さん個人にも感謝を伝えたいですね。」
また、才流金森は社会人2年目となる今、Shirofuneとの仕事に大きな手ごたえを感じている。「僕自身、Shirofuneさんと一緒に仕事をできることが本当にラッキーだと思っています。成長機会をいただいてますし、何よりもビジネスや仕事の面白さを知ることができました」
Shirofuneにとって才流は、ただの外部コンサルではない。共に成長し、仕事を楽しむ。ビジネスパートナーとして、これからも一緒に挑戦を続けていく。
(撮影/神颯斗 取材・文/安住久美子 編集/中島孝輔)