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営業資料を面白いと思う人間は、この世に存在するのだろうか?
栗原 康太
  • 著者/栗原 康太
  • 株式会社才流 代表取締役社長

営業資料を面白いと思う人間は、この世に存在するのだろうか?

営業資料ほどつまらない読み物はない

世の中の営業資料ほど、読んでてつまらない読み物、聞いててつまらないプレゼンはなかなかない。売上が○○億円で、従業員数が○○人いて、お陰様で設立○年の会社です。こんな事業を展開していて、などなど。

 

これを説明していて、楽しいと思う人はどれくらいいるのだろうか? 聞いていて、わくわくする人はどれくらいいるのだろうか? 十中八九の聴き手は「なるほど、なるほど。いいですね。」と言いながら、心の中では「早く終わらないかなー。」とつぶやいている。

 

対照的なのが、『ブラック・スワン』や『反脆弱性』を書いたナシーム・ニコラス・タレブの本。大半の本が前半でコアなコンセプトを説明しきってしまい、後半は急激に眠くなっていくのに対して、彼の本はすべての章を部(ブック)と呼んでいるくらい、最後の最後まで飽きることがない。どの章を切り取っても、それぞれが最高に面白い。そんな、すべてのスライドが面白い営業資料は作れないだろうか?

 

あるいは、村上春樹の小説。『1Q84』などは特に、「ここで終わるわけないよね?絶対、続編出るよね?!」と思う終わり方をしながら、決して続編は出ない。そんな、オーディエンスの気持ちを盛り上げるだけ盛り上げて、何も結論は示されない(けど、気になっちゃう)営業資料は作れないだろうか

 

他にも、2006年の山本KID 対 宮田和幸の試合。間合いの測り合いやジャブで牽制し合うプロセスをすっ飛ばして、いきなり飛び膝蹴りでKOしちゃう。そんな、表紙もなく、一枚目からキラースライドを載せて、お客さんの心をノックアウトしてしまう営業資料を作れないだろうか?

 

面白い営業資料/プレゼン資料の例

重要な視点を与えてくれるのは伝説のTEDプレゼン、サイモン・シネックの『ゴールデン・サークル』。

 

 

TEDと言えばこれ、というぐらい優れたプレゼンなのでぜひ見て欲しいが、要約すると、『人は「何を」ではなく「なぜ」に動かされる。人を惹きつけ、動かすためには、Whyからはじめよ』という話で、製品/サービスのプレゼンをする時に非常に有効な考えだ。

 

サイモン・シネックはプレゼンの中で、Appleは

 

“We make great computers.They’re beautifully designed, simple to use and user friendly.Want to buy one?”

我々のコンピュータは素晴らしく 。美しいデザインで簡単に使え ユーザフレンドリーです。ひとついかがですか?

 

のように『何を』を伝えるコミュニケーションはせず、『なぜ』を伝えていると言う。

 

“Everything we do, we believe in challenging the status quo.We believe in thinking differently.The way we challenge the status quo is by making our products beautifully designed, simple to use and user friendly.We just happen to make great computers. “

我々のすることはすべて 世界を変えるという信念で行っています。違う考え方に価値があると信じています。 私たちが世界を変える手段は 美しくデザインされ 簡単に使えて 親しみやすい製品です。こうして素晴らしいコンピュータができあがりました。

 

たしかに、後者の方が圧倒的に製品を買いたいと思うし、なにより、プレゼンテーションをする側が熱量を持って話せるだろう。逆に、前者のセリフを熱量を持って話せるイメージは持ちづらい。


会社概要では、聞き手の心は動かない

ロジカルプレゼンテーション』の影響なのか、ブログで紹介されている資料のテンプレートの影響なのかわからないが、世の中の営業資料は、「なにを」の説明をするものがほとんどだ。しかし、「なにを」にあたる製品の概要や機能、もしくは会社概要を説明されても、聞き手の心は動かない。

 

サイモン・シネックが言うように「どのような価値観を持って、なぜ、その事業をやっているのか」を伝えることは、面白い営業資料/プレゼン資料に必須の条件だろう。

 

先日、ファンコミュニケーションズ代表の柳澤さんが『世の中は事業のタネで溢れているという件について』の中で、事業は「従来の価値観をひっくり返すような(あるいは否定するような)新しい価値観の発見がある」ことが重要で、「自分がワクワクできるまで何度も何度も事業を否定しないといけない」と書いているけど、ワクワクする状態まで磨き上がられた製品/サービスは、多くの人を巻き込み、社会を変えていく。

 

営業パーソン自身が説明してて楽しく、お客さんが聞いてて面白いプレゼン資料を作るには、そもそもとして、製品/サービスに「新しい価値観の発見」が欠かせないのかもしれない。

 

新しい価値観を発見し、それを表現した営業資料/プレゼン資料を作れたら、営業パーソンは黙っててもアポに行って、案件を取ってきてくれるだろうし、お客さんとの関係性はものすごく深いものになっていくだろう。

栗原 康太
  • 著者/栗原 康太
  • 株式会社才流 代表取締役社長

2011年にIT系上場企業に入社し、BtoBマーケティング支援事業を立ち上げ。事業部長、経営会議メンバーを歴任。2016年に「才能を流通させる」をミッションに掲げる、株式会社才流を設立し、代表取締役に就任。 より良い物事の捉え方・進め方を「サイル式メソッド」として発信しています。

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