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「ありえないミスをする人」の脳内では、何が起きているのか。
栗原 康太
  • 著者/栗原 康太
  • 株式会社才流 代表取締役社長

「ありえないミスをする人」の脳内では、何が起きているのか。

リーダーとして組織を率いていると、なぜこんなこともできないんだ?、なんでこんなミスをするんだ?という場面に出くわすことがある。

 

しかも、メールに誤字脱字がある、提案資料のデザインがイマイチ、といったレベルではなく、そもそもメールを返さない、提案資料の意味がわからない、伝えたことの5%ぐらいしか理解しない、といったレベルの不思議なミス。

 

少し前まで、不思議なミスに出会った時は、山崎まさよしの『セロリ』の“育ってきた環境が違うから~♪”を頭の中に流して、半ば諦めモードに入っていたのだけど、最近、この不思議なミスのメカニズムと解決の糸口を掴んだ。

 

脳のCPUの話

なぜ、理解不能なミスが出てくるかを考えていて、先日思いついたのは、その種のミスをする人の脳のCPUがヒートアップして、物事を正常に処理できる状態にないのでは、ということ。

 

たとえると、パソコンを使っているときにSkypeアプリが暴走してしまい、Chromeを使おうにも、重くて動かない・・・という状態。

 

つまり、脳内でなんらかのアプリが暴走してしまい、刺さる提案書を作成しようにも、脳が重くて動かない的なイメージ。

 

 

CPUがヒートアップしていない時は、上記のような感じで、軽快に処理できるのだけど、何らかのアプリが悪さをした瞬間、以下の感じになってしまい、パソコンを操作するどころではなくなる。

 

 

パソコンが重くて動かない…!はどんな人も経験があると思うけど、その重くて動かない!がミスを連発する人の脳内で起こっているのではないか。

 

なにが、CPUを暴走させているのか

もし上記の仮説が正しいとすると、次に考えるべきは、何が原因でCPUが重くなるのか。

 

あり得そうなのは、

 

 

とかは、CPUを重くする原因になりそう。

 

しかし、過去、自分が見てきた範囲においては、そこそこのタスク量で、たいした金額は扱ってなくて、周囲の誰も怒ってない状態で、ほぼ終身雇用の環境でも、不思議なミスをする人を見たことがある。

 

そこで、もう一つ、追加したい仮説が1970年代にティモシー・ガルウェイが提唱した「セルフ1とセルフ2」の概念だ。

 

2人の自分、セルフ1とセルフ2

これがどういう概念かを簡単に言うと、自分の中には本来の自分である「セルフ2」と、自分を評価する「セルフ1」の2つが共存している、という話。

 

ガルウェイはテニスコーチだったので、テニスの例で説明すると、フォアハンドストロークをミスした際に、「なんでこんなミスをするんだ!」「もっと足を動かせ!」「もっと集中しろ!」と自分に言い聞かせるのが「セルフ1」で、本来の自分である「セルフ2」を「セルフ1」が非難している構造がある。

 

そして、多くの場合、傍目に見れば、ストロークがアウトしただけなのに、「なんでもっと集中できないんだ」「お前のフォアハンドは本当にクソだ」「テニスセンスのないやつだな」「テニスすら上達できないのに、ビジネスでやっていけるのか?」と、段々と、ただの「ストロークがアウトした」という現象を、テニス人生、ひいては人生全体に拡大解釈して、「セルフ2」を攻撃し始める。

 

そして、セルフ1からの継続的な攻撃によって、セルフ2が弱ってしまい、簡単なはずのストロークをミスしたり、試合になったら“イップス”と言われるような、全くもって意味のわからないミスを連発してしまう生徒をたくさん見てきた、とガルウェイは『インナーゲーム』の中で語っている。

 

『インナーゲーム』を読んでいて思ったのは、この「セルフ1」の暴走が、仕事で不思議なミスをする人の脳内で起きてるのではないか、ということ。

 

仕事でも暴走するセルフ1

ひるがえって、自分自身、ある人(仮にAさん)と打ち合わせをすると、頭の回転が鈍くなってしまい、本来のパフォーマンスの20%ぐらいしか発揮できない、という人が存在する。

 

なぜかというと、Aさんは当社に出資してくれていて、出資してもらってるのに会社を大きくできてないし、Aさんの出資先にはIPOやM&Aでエグジットをした起業家がたくさんいて、申し訳ない気持ちや、他の起業家と自分を比べて、劣等感を持ちながら、打ち合わせに臨んでいるから。

 

そして、面白いのは、Aさんは、僕のことを「出資したのに、会社を大きくできてなくてダメだな」とも「他の起業家はもっと上手くやってるよ」なんて全く言ってないし、むしろ案件を紹介してくれたり、相談に乗ってくれたり、全力でサポートしてくれてるんだけど、自分の中の「セルフ1」が勝手に「セルフ2」を攻撃していて、結果として、他に類を見ないぐらいパフォーマンスが落ちてしまっていること。他でもない自分自身が、自分を攻撃し、自分で自分のパフォーマンスを下げているのだから、興味深い。

 

同様に、現象としては、単なる「メールの誤字脱字」や「会議で的はずれなことを発言してしまった」だけなのに、それを「誤字脱字も直せないなんて、なんてダメなやつなんだ」とか「会議で的はずれな発言をしているようじゃ、出世できないな・・」とか「出世できなかったら、一生、大きな仕事をできずに、収入も低いまま終わるのか」みたいな感じで、単なるミスが、仕事人生、人生全体への否定に結びつき、攻撃をうけた「セルフ2」のアプリケーションが暴走。

 

結果、本来のパフォーマンスの5%も発揮できないイップスのような状態が起きることが、部下のありえないミスの原因ではないか、というのが最近の気付き。

 

具体的な解決策

アプリケーションが暴走し、脳内CPUがいっぱいになってしまう現象を解決するためには、

 

 

などがあると思うけど、原因がタスクの分量や周りの人との関係性でない場合は、「セルフ1」「セルフ2」の理論を思い出して、仕事をしながら、「セルフ1」が「セルフ2」を批判していないかを観察し、その「批判している」現象をまずは認識することが大切。

 

当たり前の話、仕事のミスにしろ、成果にしろ、自分自身の人格や人生に紐づくものではなく、「コップを落とした」と同じ単なる現象でしかない。慌てることも、過度に自分を褒めることもなく、平常心を保てるのが、理想の仕事への向き合い方だろう。

 

本来、人の能力にそんなに差はないし、やる気のない人もいない。この現象を「フォアボールを出したいピッチャーはいない」と表現しているけど、フォアボールが出ている背後には、なんらかの理由があるはず。

 

その原因をチーム内で考察し、手を打っていけると、謎のミスが減るし、全員が本来のパフォーマンスを発揮できる状態になるかもしれない。

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栗原 康太
  • 著者/栗原 康太
  • 株式会社才流 代表取締役社長

2011年にIT系上場企業に入社し、BtoBマーケティング支援事業を立ち上げ。事業部長、経営会議メンバーを歴任。2016年に「才能を流通させる」をミッションに掲げる、株式会社才流を設立し、代表取締役に就任。 より良い物事の捉え方・進め方を「サイル式メソッド」として発信しています。

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