従業員が給料日を待たずに、いつでも働いた分の給与を受け取れるサービス「プリポケ」。提供しているのは、伊藤忠商事の100%子会社である株式会社マネーコミュニケーションズ様。
同社では営業部がマーケティングを兼任しており、マーケティングの専門人材がいませんでした。リソースも限られ、戦略的にマーケティング活動を進めていくことが難しかったといいます。
才流(サイル)は3か月間、マネーコミュニケーションズ様のBtoBマーケティング戦略立案をご支援。同社営業部の藤巻 亮太さんに率直な感想を伺いました。
株式会社マネーコミュニケーションズ
・サービス業
・2020年4月設立
・従業員数14名(2022年9月時点)
・給与前払いサービス「プリポケ」を運営【ご依頼前の課題】
・マーケティングの知識を持った人材がいない
・思いつくかぎりの施策を実行しているが、成果が得られない
・中長期的に使えるマーケティング戦略を立案したい
営業と兼務しながら、手当たり次第に施策を実行していた
ー才流に依頼する前の課題や組織の体制について教えてください。
藤巻 当社はもともと伊藤忠商事の社内ベンチャーとして立ち上がり、2019年に100%子会社として法人化されました。
5名ほどの規模でスタートした会社のため、マーケティングは営業部が兼任。専門知識を持つ人材もいなかったので、思いつくままにマーケティング活動をしている状況でした。
一般的なマーケティング施策は一通り試しました。専門知識がないため、「とりあえず思いついた施策をかたっぱしから試そう」という方針で走っていたのです。
当然、正しい効果測定もできないので、いくら施策を打っても成果が得られなくて……ここはきちんと専門家に評価・分析していただくのがいいのではないかと判断し、才流にご相談をしました。
顧客理解を深め、施策の取捨選択することからスタート
ー 今回のプロジェクトでは、具体的にどのようなことを行ったのでしょう。
中島 一貫性のあるマーケティング施策を、中長期で実行する。そのための戦略と具体的なアクションプランを3か月かけて作りました。その中で特に重要だったのは顧客を深く理解すること。顧客解像度を上げて、ターゲットと訴求内容を明確にすることからスタートしました。
ここから1か月かけて、見込み顧客、既存顧客へのインタビューや過去の問い合わせ内容を整理。マーケティング活動の大まかな方向性と、短期で成果が見込めるWebサイトや広告の改善もご提案しました。
また、先ほど藤巻さんがおっしゃったように幅広く施策を打たれていたので、当時の状況で実施すべき施策かどうか、目的に見合った成果が見込めるかどうかを判断軸に施策の取捨選択を行いました。
ー 2か月目以降はどんなことに取り組みましたか?
中島 2か月目は戦略と施策の方向性をご提案しました。定性調査によるインプットをベースにペルソナとカスタマージャーニー、階段設計を作成し、プリポケの顧客像と中長期的に実施する施策の方向性を整理しました。あわせて競合の状況とプリポケ独自の強みも整理し、顧客像と照らし合わせながらメッセージングに落とし込んでいきました。
3か月目には、2か月目にご提案した戦略と施策の方向性をさらに具体的にし、1か月ごとのアクションプランと各施策の実行内容をご提案しました。
受注目標をベースとした施策実行プランと既存の予算で獲得できる受注数をベースとした2案で、それぞれ実行する際の体制や実行時の細かなtips、施策ごとにおすすめのパートナー企業などもご紹介させていただきました。
接点がなかった業界の見込み顧客から、新たな示唆も得られた
ー プロジェクトの中で、とくに印象的だった取り組みは何でしょうか?
藤巻 見込み顧客へのインタビューは「ここまでやっていただけるのか」というレベルまで突っ込んでやっていただき、社内でも満足度が高かったです。
われわれがこれまで接点を持っていなかった業界にもアプローチしていただき、生の声を拾っていただけました。
導入に至るまでの思考やボトルネックを新たに知ることができ、大きな示唆が得られましたね。
ー 才流とのコミュニケーションは、どのように行っていましたか?
藤巻 とても丁寧にリードしていただきました。
月に2回の定例ミーティングをはじめ、Slackでも定期的に不明点を聞いたり、個別の時間を取っていただいたり。頻繁に届く広告の営業メールへの返信について相談させてもらったこともありました。
創業からずっと手探りでマーケティング活動を進めてきました。自分のなかに3年分のさまざまな疑問やモヤモヤが蓄積していたんです。
でも才流と一緒にプロジェクトを進行し、質問や相談できる機会がたくさんあったので、そのモヤモヤが晴れたような感じがします。
また、中島さんがおっしゃっていたように、今回は「理想的なプラン」と「予算を考慮した現実的なプラン」の2案をご提案くださったので、とても取り入れやすかったです。
会社の規模がさらに大きくなった際のマーケティング体制まで考えていただき、本当に手厚いサポートだったと思っています。
戦略があれば自分たちで手を動かし、効果を検討できる
ー プロジェクトを経て、どんな変化がありましたか?
藤巻 社員全員のマーケティング知識が底上げされました。
たとえば、広告代理店と打ち合わせをする際に深い議論ができるようになりました。これまでは知識がないので、レポートを頂いても眺めるだけで終わってしまっていたのですが、才流から知見を得たことで見方が変わりましたね。
また、冒頭でもお伝えしたとおり、創業以来「思いついた施策をとにかく試してみる」という方針だったのですが、戦略ベースで施策を実行するようになりました。
ターゲットを絞り、効果的な施策を打てるようになったのです。才流のプランでは、期間を定めて集中して一つひとつの施策を進めていくので、今後も効率よく施策を実行していきたいです。
専門家に正攻法を教えてもらうことが大切
ー才流の支援は、どのようなフェーズや規模の企業にマッチすると思いますか。
藤巻 イメージとしては、まさにわれわれのような、社内にマーケティング専任者がいない企業です。
才流のコンサルティングでは、正攻法、かつ自社にあったやり方を教えてもらえます。
昨今はマーケターの獲得も一筋縄ではいかなくなってきており、まずは正攻法を専門家に教えてもらい、既存のリソースでやってみることも重要だと思います。
7月には全国のファミリーマート様に導入される旨のプレスリリースを出させていただきました。レジ裏にあるデジタルサイネージに広告も出し、従業員のみなさまへ認知拡大を図っていきます。
まずはしっかりとマーケティングで成果を出せるよう、必要な土台を作っていければと思います。
(撮影/矢野 拓実 取材・文/高島 圭介)