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BtoBマーケティング

マーケに強いWeb制作会社の意思決定をスピードアップ。採用領域で新たな成長戦略を描く

株式会社ベイジ

https://baigie.me/

業種

制作

従業員数

1〜49名

課題

マーケティング戦略を短期間で立案するために、第三者の専門的な知見が欲しい

写真左から:ベイジ 佐々木様、枌谷様、古閑様、才流 加藤、長谷川
コンサルタント
加藤 真守
コンサルタント
長谷川 智史

Web制作会社でありながら、マーケティングの知見をいかしたWebサイト戦略支援に強みを持つ株式会社ベイジ様。採用サイトをはじめ幅広い領域で実績を重ねるなか、新たな成長の柱として採用マーケティング事業の強化を決断されました。

その背景には、BtoBサイト市場の変化と、採用サイト制作で培った「求職者起点」のアプローチで得た顧客からの高い評価があったといいます。自社の強みをいかし、採用支援領域のビジネスをより成長させるため、才流(サイル)にご相談いただきました。

才流では3か月にわたって採用マーケティング事業のマーケティング戦略立案を支援。同社 代表取締役の枌谷(そぎたに) 力さん、執行役員の佐々木 俊祐さん、コンサルタント兼マーケ担当の古閑 絢子さんに、プロジェクトの成果や支援の感想について伺いました。

BtoBサイト市場の変化を受け、既存の強みをいかして新市場を開拓

枌谷 ベイジはコンサル型のWeb制作会社で、採用サイト制作、BtoBサイト制作、業務システムのUI/UXデザインなどの事業を展開しています。一般的な制作会社とは少し異なるアプローチを取っているのが特徴です。

写真:インタビューに応じるベイジの枌谷さん
枌谷 力さん/株式会社ベイジ 代表取締役

枌谷 私たちの強みは、戦略面やマーケティング面にも踏み込み、より上流から支援できること。Webサイト制作というと「ただデザインを作る」イメージが強いかもしれませんが、当社は顧客課題を深く掘り下げてコンセプトを設計し、成果につなげるための施策を考えながら制作しています。多くのお客さまからも、そこを評価いただいていますね。

現在、採用支援の領域では、採用サイト制作のほかに採用戦略策定、採用広報、採用ブランディングまで幅広く支援領域を広げ、採用マーケティング事業として強く推し進めているところです。

※参考:株式会社ベイジ|ベイジの採用マーケティング

佐々木 もともと当社の採用サイト制作は、マーケティングの考え方を採用領域に応用している点が特徴です。採用サイトを作るだけではなく、採用課題そのものを解決できる。たとえば、「求職者が入社前に感じる不安は何か」「この会社で何が得られるか」など、求職者の目線で情報を設計することで、応募数向上やミスマッチ低減に貢献できていました。

写真:インタビューに応じるベイジの佐々木さん
佐々木 俊祐さん/株式会社ベイジ 執行役員

枌谷 実際にお客さまから「採用サイトの制作を依頼してよかった」「採用課題が解決できた」と高評価もいただいていました。これを「採用マーケティング」という枠組みでより本格的に成長させられないかと考えたんです。

佐々木 もう1つ、事業環境の変化も大きな要因でした。これまで主力事業だったBtoBサイト領域で、企業が自社内でWebサイト制作・運用を行うインハウス化が進み、外部への発注が減少して競争が激しくなりつつあります。また、BtoBサイト制作で成果を出すにはBtoBマーケティングに精通したコンサルタントが必要です。ですが、社内で採用・育成するには相当な時間がかかるため、事業拡大が難しいという側面もありました。

そんな中で、採用・人事領域は企業にとって重要な経営課題であり、一定の予算も確保されています。また、社内では採用サイトの戦略整理のほうが型化が行いやすく、BtoBサイトの支援と比較して供給体制が整えやすい事情もありました。であれば、採用領域により注力していくべきではないか。そのような背景のもと、今後は採用マーケティング事業に注力していこうという判断になりました。

最短スピードで事業を推進し、自信を持って意思決定したい

佐々木 採用サイトのお客さまに関する戦略の整理に課題がありました。お問い合わせをいただいたら対応する、商談でニーズを聞いて営業で頑張る、というところまではできていました。しかし、「そもそもこのお問い合わせの企業は本当にターゲットになるのか」「成約率の高いお客さまにはどんな特徴があるのか」といった整理ができていなかったんです。

枌谷 当社もマーケティングの知見はありますし、時間をかければ自分たちでも戦略を練ることはできたと思います。ですが、時間や人的なリソースが不足していました。

枌谷 大きく2つ理由があります。1つはスピード感です。お金をちゃんと出して3か月と期間を区切ってやるというのは、なかなか自社だけではできない。最高のパートナーに本気でお金を出して入ってもらって、こちらもちゃんと向き合わなければいけない環境をつくりたかった。

もう1つは第三者の意見です。たとえば、エンジニア採用がターゲットになるだろうとか、エンタープライズ企業がターゲットになるだろうとか、ある程度は見えていました。でも、それを知見のある第三者に「やっぱりこれですよ」と言ってもらわないと自信を持って進められない。そして、それをお願いするなら才流しかいないだろうと思いましたね。

古閑 実は私を含め、複数のメンバーが才流のマーケティング戦略講座を受講していたんです。その中でコンサルタントの方のご支援について知ったのが問い合わせのきっかけでした。

また、私自身がコンサルタントとしても活動していることもあり、コンサルティングの内容やお客さまとのコミュニケーションの取り方、合意形成の進め方など、実地で学ばせていただく機会にもなると考えました。

写真:インタビューに応じるベイジの古閑さん
古閑 絢子さん/株式会社ベイジ コンサルタント兼マーケティング担当

90日間で実現した戦略立案。徹底的な初期調査で得た確信

加藤 今回のプロジェクトは基本的な戦略立案のプロセスに沿って進めさせていただきました。まず初期調査を行い、3C分析で情報を整理。そのうえで戦略の軸となるWHO(誰に)とWHAT(何を)とHOW(どのように)の方向性を定め、具体的な施策の設計へと進んでいきました。

加藤 プロジェクトは4つのステップに分けて進めています。まず初期調査として、市場分析や見込み顧客調査、競合分析などを実施。その結果を踏まえて戦略の方向性を定め、ターゲットや価値提案を整理しました。

その後、コミュニケーション戦略の設計とマーケティング施策の設計を並行して進めました。コミュニケーション戦略の設計では、ペルソナやカスタマージャーニーの設計、バリュープロポジションの策定などを具体的に行いました。

マーケティング施策の設計では、具体的な実行ステップやKPIを設計し、実践的なマーケティング施策としてまとめ上げていきました。

写真:インタビューに応じる才流の加藤
加藤 真守/株式会社才流 コンサルタント(https://sairu.co.jp/member/1513/

古閑 初期調査の段階で、ビザスクを使ったエキスパートインタビューや、実際の見込み顧客へのヒアリング、社内の営業担当へのインタビューなど、顧客理解に多くの時間を割いていただいたんです。この情報が、後々の選択肢を絞り込む重要な判断材料になりました。

佐々木 初期調査で「採用サイトに企業が出せる平均予算は◯万円で、中央値は△」という定量的なデータを示していただきました。そのうえで「ベイジの単価に合う企業はこういう特徴を持つ」という示唆もいただき、インバウンドで来たお問い合わせの優先順位付けにも活用できる具体的な指標になりました。

これまでもうすうす感じていたことではあったんですが、改めて証拠と一緒に突きつけられると「そうなのか」と腑に落ちる瞬間がありましたね。

写真:インタビューに応じるベイジの3人

枌谷 当社もリードを取る際に予算感は見ていたので、そのくらいの金額帯だろうとは思っていました。ただ、外部から入ってこられた方が、そこまで自信を持って言い切れるほどの裏付けを取るのだということに驚きましたね。当社の状況を理解するのが非常に早かったことが印象に残っています。

加藤 今回のプロジェクトは良い意味で特殊でしたね。自社のポジションをどう取るべきかに悩むお客さまは多いのですが、ベイジ様の場合は特徴も強みもはっきりしていました。加えて、比較的高級路線かつ高付加価値の領域で、枌谷さんを筆頭に強い発信力をお持ちだった。そのため、ターゲットや戦い方について明確にしやすい状況だったんです。

一方で、施策については「どのようにベイジ様の特徴や強みを生かすべきか」を考える部分で工夫が必要でもありました。才流で担当した数十のプロジェクトの中でも、既存の強みを新しい市場で最大化するという、高度なマーケティング戦略が求められる稀有なケースでした。

顧客セグメントが明確になり、社内に共通言語が生まれた

枌谷 最大の成果は、注力すべき3つの顧客セグメントを定義できたことです。具体的には「エンタープライズ企業」「ITエンジニアの採用に課題を持つ企業」「採用難度の高い業種・業態の企業」。この3つに経営資源を集中させるという方針が定まり、現在の意思決定もすべてこの戦略をベースに進めています。

写真:インタビューに応じるベイジの3人

佐々木 この3つの顧客セグメントは、まさに社内の共通言語として機能しています。たとえば営業活動において、「このお問い合わせはこのセグメントなので、このように提案し、この事例を活用する」といった具体的な指針を示すことができる。実際、営業部門の新メンバーが加わって間もないのですが、指針があることで円滑なコミュニケーションが実現できています。

枌谷 もう1つの大きな成果は、意思決定のスピードです。自社だけで検討を進めた場合、結論を出すまでに2年以上かかり、しかも根拠に基づかないあいまいな方針になっていた可能性が高い。それが3か月で確かな根拠を持って戦略を定められた。このスピードの価値は非常に大きいと実感していますね。

佐々木 戦略の8割程度は社内でも検討できたかもしれません。しかし、外部の専門家からお墨付きをいただけた価値は非常に大きかった。「専門家の知見に基づく判断である」という事実が、全社的な合意形成と推進力につながりました

古閑 コンサルティングに求めるのは、失敗リスクを最小限に抑えた選択肢を、第三者の視点で提示していただくことです。才流は豊富な知見と体系化されたメソッドを持ち、それを実践的な提案として示してくれました。そのため、自信を持って進めることができましたね。

また、私たち自身のコンサルティング業務にも大きな学びがありました。たとえば、初期調査の徹底ぶり。現場の業務状況を深く理解し、一次情報をていねいに収集する。それによって、後工程での選択肢の取捨選択がより的確になっていく。このアプローチは、当社のお客さま支援にも取り入れ始めています。

枌谷 加藤さんは穏やかな人柄でコミュニケーションは柔軟なんですが、重要な判断のときは決して流されない。たとえば、ペルソナの議論で私たちの見解を伝えたとき、「いや、こうだと思います」とはっきり意見してくれて「なるほど、確かにそうだ」と納得したことがありました。こうした柔軟さの中にある芯の強さが、プロジェクトの質を高めてくれたと感じています。

古閑 私たちの中にはこれまでの経験則という名のバイアスがかかっている部分もあったと思うんです。その部分について、時には頑固なくらいにリードしていただいた。それが個人的にはとても良かったですね。

写真:インタビューに応じる才流の2人

佐々木 それと、驚いたのが才流が持つ組織的なナレッジの活用方法です。プロジェクトの過程で「BtoBマーケティングに関する疑問があれば、いつでもご質問ください」という提案をいただきました。

実際に質問すると、担当コンサルタントの加藤さんは「私の見解はこうですが、より適切な回答のために社内の専門家にも確認させてください」と対応してくれる。そして、才流社内の複数のコンサルタントの知見を集約した、より深い示唆をいただけるんです。

加藤さんにお願いしているのに、加藤さんを介して才流全体が支援してくれているようで。本当に贅沢な支援体制でしたね。

枌谷 まさに「ドラえもん」のような存在でしたね(笑)。何を聞いても、4次元ポケットから答えが出てくる。これまでさまざまなコンサルティングを受けてきましたが、こんなふうに社内の知見を総動員して支援してもらうのは初めての経験でした。

長谷川 才流のお客さま企業の多くは、マーケティングに課題を抱えている段階でご相談いただくことが一般的です。一方、ベイジ様の場合は、すでにマーケティングの知見や実績をお持ちで、さらにその先を目指そうとされている。そういう意味で、非常に高度な期待値に応えなければいけないというプレッシャーはあったと思います。加藤もかなり緊張感を持って取り組んでいましたよ(笑)。

写真:インタビューに応じる才流の長谷川
長谷川 智史/株式会社才流 コンサルタント(https://sairu.co.jp/member/61911/

その先の成長を求めるなら外部の知見は突破口になる

佐々木 事業ポートフォリオの見直しを検討している企業や、顧客基盤はあるもののクロスセル・アップセルでの単価向上を目指している企業には特におすすめですね。事業戦略が明確で十分なリソースを投下でき、業績も安定して成長している企業以外はすべて対象になり得ると思います。

古閑 組織の成長フェーズという観点では、転換期にある企業に適しているのではないでしょうか。事業の規模が拡大し、経営者による一元管理から、マーケティングやセールスの組織的な運営が必要になってくる。そういった段階で、チーム構築と併せて支援を受けることで大きな効果が期待できます。

枌谷 今回、才流の客観的な視点を取り入れることで、事業推進のスピードが大きく向上しました。この経験を踏まえると、市場の見極めや戦略の確度が重要になる新規事業開発でも同様の効果が期待できるのではないでしょうか。

いずれにせよ、ある程度の事業基盤があり、次の成長を目指す企業にとって外部の知見は非常に有効です。

加藤 ありがとうございます。ベイジ様のように、自社の持つ強みや方向性を客観的に検証し、より確かな戦略へと磨き上げたいという企業との協業でも価値を生み出せることを実感したプロジェクトでした。

写真:インタビュー中のベイジ様と才流

(撮影/慎芝賢、取材・文・編集/河原崎 亜矢)

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