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BtoBマーケティング支援

業界の特性に合わせたマーケ戦略を立案。強みを伝える施策で受注に向けた基盤づくりを支援

シーオス株式会社

https://www.seaos.co.jp/

業種

物流・ロジスティクス

従業員数

100名〜499名

課題

業界の特性に合わせたマーケティング戦略を立案するため、プロのアドバイスがほしい

写真左から:シーオス株式会社 吉田 優太さん、柳沼 克志さん、清水 聡子さん、吉田 いずみさん、才流 加藤、​​石田
コンサルタント
加藤 真守
コンサルタント
石田 啓

シーオス株式会社様は、2000年の創業以来、デジタルテクノロジーを活用し、業界トップ企業のロジスティクス(原材料の調達から生産・在庫・販売までの一連の流れを最適化する仕組み)を支えるためのサービスを提供してきました。倉庫管理システム(WMS)をはじめ、ロジスティクスの分析・設計・運用からソフトウェア開発まで、幅広い領域でサポートを行い、複雑な課題にも柔軟に対応しています。長年の経験をもとに、顧客企業の効率化や最適化を支援し、ロジスティクス分野での貢献に尽力している企業様です。

これまで、物流・ロジスティクス業界で認知度の高い松島社長の引き合いで案件を受注することが多かった同社ですが、将来的な成長を見据えて1年ほど前からマーケティング活動を強化。しかし、特殊な業界でのマーケティング活動に確信が持てないという状況が続いていたそうです。方向性を模索するなか、才流(サイル)にご相談をいただきました。

才流では2024年2月から4月まで、マーケティング戦略立案プロジェクトを実行。シーオス様の強みを明確にし、見込み顧客からのリード獲得へ向けた基盤づくりを支援しました。

マーケ知識が足りず、プロのアドバイスを求める決断

吉田優 シーオス株式会社は、デジタルテクノロジーを活用し、ロジスティクスの分析、設計、運用からソフトウェア開発まで幅広いサポートを行っている企業です。効率的で持続可能なロジスティクス運用を実現するために、最適なソリューション提供に努めています。

また、3PL(サードパーティ・ロジスティクス)サービスも提供しており、物流業務の受託、この経験を活かした現場改善提案までエンドトゥエンドのサポートが可能です。

画像:インタビューに応じるシーオス吉田優太さん
吉田 優太さん/シーオス株式会社 営業部 マネージャー

吉田優 弊社は20年以上の歴史があります。これまでは社長の松島の業界認知度をいかし、紹介による受注をメインにしておりました。しかし、さらなる事業拡大を目指すためには、次の成長の柱となる新たな戦略が必要です。そこで2021年に営業部を、さらに2023年に営業部内にプロモーションチームを立ち上げました。

私は2023年1月に入社し、プロモーションチームのメンバー3人でさまざまなマーケティング施策を行ってきました。しかし、私はロジスティクス関係の営業出身でマーケティングに関する知識がなかったために、なかなか結果が出ない状態が続いていたんです。そこで、プロのアドバイスが必要だと感じました。

吉田優 比較サイトへの掲載やリスティング広告への出稿、セミナーの開催などです。結果としてリードは増えたのですが、商談につながるケースは多くありませんでした。

吉田優 才流の代表である栗原さんの書籍を読んで内容に共感し、こちらからお問い合わせをさせていただきました。

当時、4社ほどお声がけさせていただいたのですが、200社以上の支援実績があることと、見込み顧客へのインタビューを実施することが才流を選んだ決め手でした。既存顧客からのインタビューは我々にもできますが、見込み顧客へのインタビューはなかなかできませんし、我々が一番望んでいたことでした。

サービスの強みを伝えたい。3か月の戦略立案プロジェクト

加藤 今回のプロジェクトでは、マーケティング戦略立案を実施しました。大きく分けて前半と後半の2つのステージになります。

前半では、これまでのシーオス様の業績のデータ確認、見込み顧客へのインタビュー、競合他社やベンチマーク先の企業の調査・分析を実施。その結果から大まかな戦略の方向性を導き出しました。

後半は、分析結果をもとにマーケティング活動の全体像を定義していきました。そのなかで、フェーズごとに行う施策を定め、最終的なゴールを目指すロードマップや、施策の優先順位を決めていきました。

写真:インタビューに応じる才流の加藤
加藤 真守/株式会社才流 コンサルタント (https://sairu.co.jp/member/1513/

加藤 プロダクトの特性上、一般的なマーケティング手法では受注に結びつきにくいことです。

シーオス様のサービスは非常に高品質で、他社にはできない設計や実装、開発運用が可能です。その反面、コスト的な優位性はありません。インバウンドマーケティングやWebマーケティングなどの施策で、浅く広くリードを取りに行っても、サービスにマッチしなければ受注につなげるのは困難です。

シーオス様にマッチするロイヤルな顧客を見つけて、選んでいただくためにはどういう活動が必要なのか。そこを定義しなければならない点が、今回のプロジェクトのポイントでした。

石田 物流・ロジスティクスのシステムはとても複雑です。シーオス様の強みは明確で、自社で倉庫からシステムまでを所有し、実際の物流業務の経験も豊富。高品質の物流DXを実現するという裏付けがあります。ですが、それを伝える手段がなければ、他社に価格面で負けてしまいます。

こういった経験や能力という無形の価値を、どのように具体的にお客さまに伝えるかというところが難しかったのかなと思います。

写真:インタビューに応じる才流の石田
石田 啓/株式会社才流 コンサルタント (https://sairu.co.jp/member/1511/

加藤 だからこそ、我々が取り組むべき課題は、シーオス様の強みや利点をわかりやすく伝え、それを正当に評価してくれるお客さまを見つけることでした。

さらに、物流・ロジスティクスに関わるシステムの導入や変更を検討している企業の数が限られている、また、顧客の検討タイミングが限定され、かつ検討期間が長いというプロダクト上の性質もありました。受注につなげるためにも、お客さまが実際に検討を始めるタイミングを適切に把握しなければなりませんでした。

見込み顧客インタビューと調査で戦略に確証を得た

吉田優 才流に決めた大きな理由が、見込み顧客インタビューの実施だったので、とても期待していました。第三者視点から我々はどう見えているのかということが知りたかったんです。

具体的には、見込み顧客から見た当社の印象や、意思決定のタイミング、システムの検討をする際のチャネルなどについてヒアリングをしていただきました。

加藤 見込み顧客インタビューは、戦略立案プロジェクトの施策のひとつとしてほとんどのケースで実施しています。今回のプロジェクトでは、2つの方向からアプローチを行いました。

まず、倉庫管理システム「WMS」を導入されたことのある企業に焦点を当てて、物流部門でWMSの導入に関わる立場の方や、IT部門の方などにインタビューを実施しました。

また、シーオス様が自社のターゲットへの理解を深めたいという意識が高かったので、シーオス様のターゲットに近い企業や個人に絞った追加調査も行いました。

今回の見込み顧客インタビューでは、お客さまが購買に至るまでにどのようなフローをたどっていくのかという大きな傾向を把握できました。また、調査ではターゲット固有の特性を見極めることもできました。

写真:テーブルを挟み話し合うシーオス様と才流の6名

加藤 2つのことが明らかになりました。まず、シーオス様のターゲットとなる見込み顧客は、情報収集チャネルが限定されているということです。その限られたチャネルのなかに、どうやって入り込んでいくかというのが大きなポイントだと感じました。

次に、シーオス様のプロダクトは、お客さまの検討期間が長くなる性質を持っています。長い検討プロセスの初期の段階で候補に入っておかなければ、どんどんコスト勝負になってしまい、シーオス様の不得意な分野で戦わなければならない。

そこで、検討の初期段階で候補に挙がるために、マーケティング施策強化が急務ということがわかりました。

吉田優 この結果は、私たちの予想を裏付けるものでした。実は、こういった確証がほしかったんです。

支援を依頼する前も、社内でターゲットやペルソナについて議論は重ねてきました。しかし、本当に正しいのか自信がなかった。そこが才流の見込み顧客インタビューと調査で明らかになったので、自信を持ってアクセルを踏めるようになりました

ワークショップで部門内のコミュニケーションが活性化

加藤 プロジェクト後半では、ワークショップを実施しました。シーオス様のサービスは、高品質かつ複雑な設計で、専門性の高い要求にも対応できるのが特徴です。しかし、それがなかなか見込み顧客に伝わっていないという状態でした。

そこで、市場でどのようなポジションを取るべきか、どのように自社の強みを打ち出すべきかをテーマに、ワークショップを行いました。

石田 ワークショップは私が担当しました。通常、われわれがワークショップをやるときは、お客さまへの解像度を上げる目的で実施するんです。しかし、シーオス様の場合は別の目的で実施しました。

シーオス様は、すでに物流DXという分野で優れた実績を持っていました。そのため、このワークショップでは、自分たちの強みや武器を明確にしていくアプローチを取りました。

清水 今回のプロジェクトの一環として、まず才流のお2人と私ども4人でワークショップを実施。その後、社内の営業部のメンバーと別のワークショップを行いました。その結果、この2つのワークショップで異なる結果が得られたんです。

才流とのワークショップは、医療業界をターゲットとして行いました。一方、社内のワークショップでは業界を限定せず、「当社の強み」というテーマで議論をしました。このアプローチの違いが、異なる結果につながったのかなと思います。それがおもしろかったですね。

写真:インタビューに応じるシーオス清水さん
清水 聡子さん/シーオス株式会社 営業部 

吉田優 社内のワークショップで、今まで思いつかなかったアパレル業界をターゲットにすればいいのではという話が出ました。これは新しい視点でした。

吉田い 営業部でワークショップを行って、自分たちの悩みに対して、営業部全体で話すことができました。自分たちの強みに関する議論だけでなく、今後の方向性を営業部全体で考えられたのがよかったですね

写真:インタビューに応じるシーオス吉田いずみさん
吉田 いずみさん/シーオス株式会社 営業部 

吉田優 営業部はインサイドセールスとフィールドセールス合わせて10名のメンバーがいますが、ワークショップを行ってからコミュニケーションが活発になったと思います。われわれの課題を理解してもらえたようで、アドバイスを受ける機会も増えました。

石田 ワークショップは、参加者それぞれの考えを発散させるという重要な役割があります。今回のプロジェクトではワークショップを1回しか実施できませんでしたが、社内で自主的に何回かやってみて、そこからヒントを見つけてくださいと提案していました。

加藤 ワークショップの背景には、シーオス様の強みを明確にして、「◯◯ならシーオス」という専門領域を確立したいという思惑がありました。そのような専門領域が5個10個と増えていくことで、結果的にリーディングカンパニーになっていくのが理想ですね。

経営層に自社の魅力を伝えるための「手紙施策」

吉田優 手紙施策です。これは、企業のプレスリリースから物流・ロジスティクスに関する課題を見つけ、その解決策を提案する手紙を、経営層宛てに送付するというものです。

吉田い 「この手紙を読んだら、絶対声をかけてくれる」と自信を持って取り組んでいます。手紙が届いてさえくれれば、シーオスの魅力は伝わると思っていますので。

吉田優 実際、手紙施策を行って商談に至ったケースもあります。

加藤 シーオス様の場合は、これまでの経験から経営層の方がキーパーソンになっているプロジェクトとの相性がいいことがわかっていました。そのため、物流部門の責任者、役員の方などに向けたアプローチ方法として手紙施策を提案させていただきました。

写真:支援内容について語る才流の2人

吉田優 そのほかには、パートナー施策の強化にも着手しました。今回のインタビューで、見込み顧客は物流系のパートナー企業と関係を持っていることがわかりました。そこで、今までお付き合いのあったコンサルティングパートナーや、物流現場でよく使用される機器を販売しているパートナー企業に対して、われわれのことを知っていただく機会を設けました。

具体的には、当社のソリューションに関する勉強会を企画し、定期的にコミュニケーションをとることで、パートナー企業との関係強化を図っています。

柳沼 調査の結果、われわれの強みがパートナー企業にあまり伝わっていないことがわかったので、勉強会では具体的な事例を説明するようにしています。

写真:インタビューに応じるシーオス柳沼さん
柳沼 克志さん/シーオス株式会社 専務取締役 COO 

吉田優 業界の特性上、急に受注数が増加するようなことはありません。ですが、このプロジェクトを通じて、施策の実行スピードが向上したと感じています。

才流には「最終レポート」を提出していただきました。マーケティング活動を進めるなかで、判断に迷ったときはそのレポートを見返しています。レポートは説明書のようなものなので、一貫性のある施策を実行できるようになりました

何でも質問できて、同じ目線で寄り添ってくれる存在

吉田い 才流とのコミュニケーションはSlackとZoomを活用しました。質問をするとすぐにSlackで返事がいただけたり、Zoomで会議をしているときも、何でも聞ける雰囲気があってよかったですね

柳沼 一般的な戦略立案プロジェクトでは、コンサルタントが専門家としてアドバイスをするケースが多い印象です。しかし、才流のお2人は我々に寄り添ってくれる感じでした。質問がしやすく、ベースとなるメソッドがあるのでプロジェクトもスムーズに進められました。

吉田優 プロジェクト開始の際に全体スケジュールを提示していただきました。週1回の定例ミーティングの内容まで計画されていたので、準備もスムーズに行えました。現在は継続支援という形で、Slackを通してこちらの質問に回答していただいています。

清水 私は異動してきたばかりでわからないことが多かったのですが、細かい質問にもていねいにアドバイスをいただけるので助かっています。

加藤 この業界には2つの特性があります。1つは、検討タイミングが限定されていること。もう1つは、マーケティング活動が長期の取り組みになる傾向があることです。

そのような環境において、プロモーションチーム立ち上げからわずか1年という早い時期に外部の客観的な意見を取り入れ、自分たちの活動基盤を整えようと意思決定されたのは素晴らしいと感じています。

一緒に悩み考えながら、マーケティング活動の基盤の交通整理を進めたプロジェクトでした。今回の取り組みの本格的な成果が現れるのは数年後になると思いますが、結果が楽しみです。

柳沼 今回のプロジェクトでマーケティング基盤はできたと思いますので、その基盤に基づいて粘り強く、PDCAを回していき、細かい改善を積み重ねていきたいと思います。

みんなのベクトルが同じ方向に向くことがベストだと思いますので、そのようにメンバーの意識を変えていけるようにするのが次の課題です。

写真:談笑するシーオス様と才流の6人

(撮影/関口 達朗、取材・執筆/三浦 一紀、編集/河原崎 亜矢)

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