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BtoBマーケティング支援, 法人営業支援

技術力をいかしたビジネス構築を支援。パートナーセールスでアポ率20%達成

株式会社Prazto

https://prazto.com/

業種

ITサービス

従業員数

1〜49名

課題

自社の強みをいかして新たなビジネス展開を模索するため、専門家の協力を得たい

写真左から:Prazto井内様、芳賀様、才流 藤原、野田
コンサルタント
藤原 健
コンサルタント
野田 拓志

2019年の創立以来、Salesforceの導入・開発支援の分野で順調に成長してきた株式会社Prazto(プラート)様。少人数のエンジニア集団でありながら確かな技術力をいかして、大きな売上を実現しています。

これまで100%自社での直接受注とプロジェクト運営を行ってきた同社。しかし、受注案件の変化によって高度な技術力をいかしにくくなっていました。エンジニア集団としての強みを最大限に発揮できるビジネスモデルへの移行を模索する必要性を感じ、才流(サイル)にご相談いただきました。

才流では2024年2月から7月にかけて、Prazto様の新たなビジネスモデル構築をご支援。具体的には、第三者のパートナー企業(代理店)と協業し、自社のサービスを顧客に提供するパートナー戦略の策定と実行をサポート。同時に、それに適したマーケティング戦略の立案・実行支援も行いました。

少数精鋭の営業スタイルを構築した約半年間の取り組みについて、代表取締役の芳賀さんと、シニアセールスの井内さんにお話を伺いました。

より技術力をいかした新しいビジネスモデルを模索したい

芳賀 株式会社Praztoは、Salesforceを中心としたSaaS製品の導入支援やBI構築を行うシステム開発会社です。高い技術力をいかし、顧客のニーズに合わせたソリューションを提供しています。

当社は創立6期目になりますが、昨期の売上が3.7億円と順調に成長しています。これまでは主にSalesforceの導入支援事業を展開してきました。

売上は伸びていたものの、受注する案件がSalesforceの基幹システム構築へとシフトしていきました。このまま自社のみでの直接受注とプロジェクト運営に100%依存し続ければ、基幹システム構築がメイン事業になることは明白。ただ、われわれはそのような方向性を望んでいたわけではありません。

なぜなら、われわれはエンジニア集団であり、常に技術的な専門性を持つ集団でありたいと考えていたからです。

基幹システムの構築において、先進的な技術力は必ずしも重要ではありません。そのような状況下では、われわれの強みである技術的な専門性がいかしにくくなるという懸念がありました。また、案件獲得のために多くの営業担当者を抱える組織体制にはしたくなかったんです。

そこで、技術力をいかした新たなビジネス展開を模索する必要があると判断しました。ですが、われわれは技術的な専門性と実績はあっても、現在の事業展開以外に関しては経験がなく、知見が不足していました。そこで、外部の専門家に相談しようと思ったんです。

写真:インタビューに応じるPrazto芳賀社長
芳賀 怜史さん/株式会社Prazto 代表取締役

芳賀 才流は、SNSやインターネットを通じて知っていました。ビジネス戦略について相談するなら才流一択だと思っていましたので、他社という選択肢はなかったですね。

われわれはコンテンツマーケティングやSEOでリードを増やしたいというよりは、自社がどこまで成長できるのかを戦略的にアドバイスしてほしいと思っていました。そのお話を才流にしたときに、階段設計の話があったんです。いきなり受注を狙わずにステップを踏むべきだという話を論理的に説明してくださり、まさにそのとおりだなと思って。

リード獲得のテクニックなどの表面的な話ではない、本質を捉えたアドバイスがわれわれのニーズに合っていたので、才流に支援をお願いすることにしました。

※関連記事:階段設計とは?BtoBマーケティングで商談・受注数を最大化するポイントを解説【ワークシート付き】

エンジニア集団の強みをいかし、パートナー戦略を展開

画像:プロジェクトの全体像を図解したスライド

藤原 今回の支援は、パートナー(代理店)戦略の策定と実行支援を中心に、Webサイト改善などコンテンツまわりの整備を実施しています。プロジェクト期間は6か月、大きく分けて2つのフェーズで進めました。

まず最初の2か月間で戦略策定を行いました。情報整理や、市場調査のためのインタビュー、パートナー候補の情報インプットなど、パートナーセールス開始に向けた準備に充てました。Prazto様は、エンジニア集団というシャープな強みがあったので、そこをいかに伝えていくかという点に注力しました。

その後、実行支援のフェーズに移りました。3か月目からはパートナー候補の検討やリスト作成、営業資料の整備、Webサイトの改修などを実施。4か月目からパートナーへのアタックと商談を開始しました。商談の内容を精査し、Prazto様の強みがより伝わるよう訴求に磨きをかけていきました。

藤原 実は当初、本プロジェクトは自社でエンド顧客を獲得するための、マーケティング支援として開始しました。才流にはCRM(※1)やSFA(※2)に詳しいメンバーがいるので、協力を得ながら戦略仮説の検討を進めました。その過程で、パートナーセールスを通じた事業拡大という新たな可能性が早い段階で見えてきたのです。

パートナーセールスを活用すれば、Prazto様の技術力という強みをいかしつつ、新たな顧客層にリーチできる可能性があります。また、自社で大規模な営業部門を抱える必要がなく、開発に集中できるというメリットもあります。そこで、最初の芳賀社長との打ち合わせで、パートナーセールスでの拡販についてご提案させていただきました。

芳賀社長にこの利点をご理解いただき、プロジェクト開始から1〜2週間というかなり早い段階で、自社によるリード獲得からパートナー開拓の方向にシフトしていったんです。

野田 通常、戦略的な決定には時間がかかることが多いのですが、芳賀社長のスピーディーな意思決定もあって、Prazto様の場合はわずか2週間程度で方向性が決まりました。その結果、本来3か月かかるはずの戦略策定が2か月で完了し、その後すぐに実行フェーズに移ることができました。

写真:インタビューに応じる才流の野田
野田 拓志/株式会社才流 コンサルタント (https://sairu.co.jp/member/1515/

芳賀 私たちにない知見を持つ方々の提案なので、パートナービジネスをやってみる価値は十分にあるだろうと考えました。自社の技術力が最大限にいかせるのであれば、どのような形態のプロジェクトでも積極的に取り組もうと思っていましたね。

企業規模別のパートナーアプローチでアポ率20%を達成

藤原 とくに成果があったのが、パートナー候補へのアプローチです。

工夫したのは、パートナー企業の規模に応じて2段階のアプローチをした点です。パートナーを大企業と中小企業の2段階に分けて、課題の仮説解像度が高い中小企業からアプローチを開始。その反応を見た後、大企業にアプローチしました。これによって、大企業のアプローチ時には実際に商談で刺さっているポイントを持って臨むことができました。

芳賀 2段階に分けたのはよかったですね。まず中小企業からアプローチすることで、必要な説明やコンテンツを肌で感じることができました。

また、自社の強みを再認識する機会にもなりました。当社ではSalesforceに加え、BIツールのTableau導入支援も行っています。パートナー企業との商談を通じて、Salesforce導入支援はもちろん、Tableau導入支援が顧客に刺さっていることがわかりました。Tableauへのデータ連携やビジュアライズはわれわれの強みだと自負はしていましたが、改めて商談を通してパートナー企業からも高く評価いただけることには驚きましたね。

井内 2か月間で約40社と商談ができました。1日5件の商談があった日もありましたね。

写真:インタビューに応じるPrazto井内さん
井内 駿佑さん/株式会社Prazto シニアセールス

藤原 一般的な商談のアポイント率は平均1〜1.5%程度。アライアンス先へのアプローチでも、平均で10%を下回るのが通常です。しかし、今回は20%近くという驚異的なアポイント率を達成しました。

当初10〜20社程度の商談を予想していましたが、結果的に約40社と商談ができました。現在、そのうち10社弱をパートナーとして選定し、具体的な案件紹介やパートナー企業の既存取引先からの受注が発生している状況です。

芳賀 私が代表でありながらエンジニアでもあることがよかったのだと思います。私自身が商談の場に参加し、その場で技術的に踏み込んだシステム構成の提案ができる。これは、普通の営業担当者にはできないことです。

藤原 パートナー企業から見たら、とても頼りがいがある存在に感じられるのでしょう。実際、今のパートナー企業も営業部長やトップに近い方などが多いですよね。そこからご紹介につながっていくのも、芳賀社長がエンジニアであることが大きな理由ではないでしょうか。

芳賀 私は、専門的な話を商談の場でどれだけできるかが、プリセールス(製品やサービスの技術的な説明や導入前のコンサルティング担当)やパートナー紹介においても重要だと考えています。反対に、その場にあまり詳しくない人がいたら、受注率が下がるのではないかと感じています。

藤原 実際に商談を見させていただいて、営業の時点で課題解決が始まっているのだと感じました。これには二つの側面があります。1つは技術者同士で深い会話ができること。もう1つは、技術に詳しくない方にも具体的な解決策を提案できることです。まさにエンジニアである芳賀社長だからこそできることですよね。

“刺さる”Webサイトに改善して問い合わせが増加

藤原 もともとPrazto様のWebサイトは、さまざまなニーズに対応するため汎用的な情報で構成され、具体性に欠けていました。そこで、改めて自社の強みについて話し合い、開発会社としての特徴を際立たせて強みを打ち出す方針に変更しました。

パートナーになる可能性のある企業は必ずWebサイトを確認します。そのため、Webサイトを通して一貫したコミュニケーションができるように内容を整えていきました。デザインだけではなく、CMSも入れ替えています。

芳賀 Webサイトがうまく機能していないという認識は以前からありました。見た目のきれいなWebサイトは作れても、マーケティングの視点が欠けていた。われわれの強みやサービスを効果的に伝えるための構成ができていませんでした。

そこで才流のお2人に、何をどう配置すべきかという戦略的な視点を取り入れたワイヤーフレームを作っていただきました。

写真:Prazto井内さんと芳賀社長

藤原 もともとはトップページだけをリニューアルする予定でした。ですが、自社の強みをより明確に打ち出すために、下層ページや提供サービスの内容まで見直しました。

芳賀 通常、Webサイトのリニューアルをする際には、SEOのために流行りのキーワードを散りばめたブログを作るような方向性になると思います。ですが、才流は「技術に興味がある人や具体的な課題を抱えている人に響くコンテンツを作りましょう」と、真逆の提案をするんですよ。そこが才流らしいというか(笑)。

野田 一般的なSEO記事ではPrazto様の強みが薄れてしまうため、より専門性の高いコンテンツ作りに注力しました。具体的には、Tableauのポートフォリオを増やしたり、技術解説を充実させたり。SEOでの上位表示よりも、検索エンジン経由の流入を重視しています。

芳賀社長のSNSで記事を紹介したところ、ビュー数も増加。SNSのフォロワーは見込み顧客といえるので、そこに刺さるものが提供できているのは成果といえるのではないでしょうか。

藤原 Webサイトをリニューアルした結果、そこにたどり着いた方からの問い合わせ率が向上しました。Prazto様の強みがより明確に打ち出されたことで、競合との差別化が図れたと考えられます。

写真:才流の藤原、野田

実践的なスキルを蓄積。新しい視点で成長戦略を描けるように

井内 とても有意義で実践的な支援を受けられたと感じています。とくに印象深かったのは、パートナービジネスの横展開に関する知見をいただいたことです。メールの文面やメッセージの内容といった細かいテキスト部分など、具体的な実行部分まで一緒に作成していただきました。この過程で、私たちも実践的なスキルと知見を蓄積できました。

芳賀 ビジネスに対する考え方が大きく変わりましたね。まず、コンテンツ戦略の重要性を認識し、また、既存のリストに対する効果的なアプローチ方法やノウハウを習得できました。

現在、次のステップとしてDXコンサルティング企業様との協業案件を受注するためのコンテンツを拡充しているんです。ベースとなる知識とスキルが身に付いたので、より戦略的かつ効率的に仕事を進められるようになったと感じています。

井内 半年ほど支援をいただいて、たくさん気づきを与えていただきました。そして現在、その成果として商談数や受注数の増加につながっています。今後は、得られた知見を体系化し、顧客アプローチの方法や提案の質を向上させることで、成約率を高めていきたいです。

従来の営業は個人の努力や経験に頼る部分が大きかったんです。才流のメソッドによって営業活動が効率化され、最短距離でゴールに到達できるようになったのがうれしいですね。

芳賀 期待どおりでした。ビジネスの本質的な部分を教えていただいたし、実務もサポートしていただいた。臨機応変に幅広く対応していただけました。

才流には幅広い領域の専門家がそろっています。マーケティングだけではなく営業やプロダクトまで網羅的に、戦略から実行まで支援してくれました。

井内 打ち合わせのときに膨大な量のデータをさらっと持ってきたときは驚きましたね(笑)。ビジネスニーズの調査でも、インタビューで深い洞察を引き出していて。ここまで徹底した調査と分析をやってくれるのかと、われわれの期待をはるかに超える支援を提供してくれました。

藤原 お客さまのことを深く理解しないと適切な回答ができませんよね。才流のコンサルタントは皆そうですが、表面的な対応ではなく、本質的な部分で返答するよう心がけています。

芳賀 まず、才流とのプロジェクトで構築したパートナー戦略をさらに強化したいです。具体的には、当社の強みであるシステムインテグレーションと開発の専門性をさらに磨き上げ、パートナー企業との協業をより深化させたいと考えています。とくにシステム連携に対するニーズが高まっていますので、そこに注力してパートナー企業と協業していきたいです。

また、SalesforceとSnowflakeを活用したデータ分析サービスの開発に注力していきたいと思っています。 このサービスを起点にパートナーとの連携を築いて、コンテンツを作り、マーケティングを行うという好循環を作り出したいです。

このように、パートナー戦略を軸に、高度な技術力をいかしたコンテンツ戦略を展開することで、当社の成長を新たなステージへと押し上げていきたいと考えています。

写真:談笑するPraztoと才流の4名

(撮影/植田 翔 取材・文/ 三浦 一紀 編集/河原崎 亜矢)

※1 :シーアールエム/Customer Relationship Managementの略。日本語では「顧客関係管理」と訳される。顧客の情報や行動、顧客とのコミュニケーション履歴などを一元管理することで、顧客との最適な関係を構築すること。ツールそのものを指す場合もある

※2:エスエフエー/Sales Force Automationの略。営業活動の記録、進捗状況、顧客情報などを管理するシステムのこと

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