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新規事業支援

オプトの新規事業開発を支援。「才流との壁打ちで、バリュープロポジションを言語化できた」

株式会社オプト

https://www.opt.ne.jp/

業種

マーケティング

従業員数

1000名以上

写真左から:株式会社オプト マーケティングコンサル統括部 部長伊藤 弘明さん、インハウス事業部 部長 宮崎 大央さん、株式会社才流 コンサルタント 高橋 歩、加藤 真守
コンサルタント
高橋 歩
コンサルタント
加藤 真守

顧客企業の事業成長に向けたマーケティング活動を支援する株式会社オプト様では、クライアントへのさらなる価値提供を目指し、2022年4月よりインハウス支援事業をスタートしました。サービス設計にあたり、壁打ち役を求めて才流(サイル)にご相談いただきました。

才流では2023年6月から4か月に渡り、新サービスの設計とマーケティング戦略立案の伴走をご支援しました。才流のコンサルティングによって得られた成果や新規事業のその後、第三者に相談することの意義について、同社の伊藤さん、宮﨑さんに伺いました。

才流の新規事業支援事例_概要/顧客:株式会社オプト様

新規事業開発の壁打ち役を求め、才流に相談

伊藤 当社がインターネット広告事業を屋台骨として成長をしてきた背景に、広告効果の計測ツール「ADPLAN(アドプラン)」の存在があります。ADPLANはブラックボックス化されてきた広告効果を見える化したツールで、当時の市場に選ばれていました。

AIの台頭など、様々な市場変化があった昨今。私たちは広告主の事業成長に最大限の価値提供ができているか?そんな問いから、新規事業の開発がスタートしました。

広告業界では資本主義の原理や規模の経済が働きやすく、有益なマーケティング情報が届いていない企業も多くいらっしゃいます。このような情報の非対称性を解消するためには、既存のビジネスモデルを大きく変革する必要があると考えました。

才流の新規事業支援事例インタビュー/伊藤 弘明さん/株式会社オプト マーケティングコンサル統括部 部長
伊藤 弘明さん/株式会社オプト マーケティングコンサル統括部 部長

伊藤 2022年4月に私とメンバー2名で組織を立ち上げ、私自身が関わりのあったお客様や、マーケティングのインハウスに興味のあるお客様を対象にニーズ調査を行いました。

同時並行でどのようなスキームの事業にするか、模索を続けました。より多くの企業に価値を提供するためには、どういったサービスに昇華させればいいのか。また、事業を客観的な視点で検討することは大きなテーマでした。

伊藤 そうです。才流のことは知っていました。発信しているナレッジやメソッドを参考にすることもありました。向き合うマーケットこそ違いますが、ビジネスモデルも近しい。一度相談したところ「マーケティングのインハウス支援というビジネスは今後、間違いなく市場からのニーズが高まると思います」と力強い言葉をいただき、取り組みがスタートしました。

調査フェーズでニーズを再認識。顧客の声が貴重な源泉に

高橋 プロジェクトは前半と後半、大きく2つのフェーズで進めました。前半はお客様から受け入れていただきやすいサービスの設計を支援しました。

才流の新規事業支援では、はじめにフィットジャーニー(※)に沿って現状を整理します。支援する企業様に課題はあるのか、解決策は何か、解決策をプロダクトとして実装できているか。オプトの皆さんのこれまでの取り組みを振り返りながら、支援先の企業様が抱える課題を整理することからスタートしました。

才流の新規事業支援事例/フィットジャーニー

※製品が市場に適合するまでの段階を示したフレームワーク。事業アイデアの立案からPMF、Growthまでを示す。
関連記事:フィットジャーニー|PMFを理解するために必要な用語

高橋 関わりのあったお客様や潜在的なお客様にインタビューを行い、インハウス化における課題がどこにあるのか、お金を払ってでも解決したいバーニングニーズは何かをヒアリング。課題の種類やインハウスの段階に応じて分類した「インハウス化課題マップ」を作成しました。

才流の新規事業支援事例/才流コンサルタント高橋 歩
高橋 歩/株式会社才流 コンサルタント(https://sairu.co.jp/member/17799/

伊藤 今までお取引のあったお客様へのインタビューは非常に印象的でした。3社にお話を伺ったのですが、3社とも、私たちのインハウス支援スキームに大きな価値を感じてくださっていたのです。当時は具体的な関わり方こそまだ言語化できていませんでしたが、この事業が間違いなく、これからの市場に必要だと実感することができました。

宮崎 より多くのお客様の声をお伺いしたかったので、才流にインタビューの設計から実行までをお願いできたのは非常に助かりました。集まった多くの一次情報が、課題整理やサービス設計といった要所要所で貴重な源泉となりました。

才流の新規事業支援事例インタビュー/宮崎 大央さん/株式会社オプト インハウス事業部 部長
宮崎 大央さん/株式会社オプト インハウス事業部 部長

高橋 プロジェクトの後半では、新サービスのマーケティング戦略立案を支援しました。バリュープロポジション(※)、ペルソナ、売れるロジックを作成。新サービスがどのようにお客様に伝わるといいのかを整理しました。

才流の新規事業支援事例/想定成果物

※企業が顧客に提供する価値を表したもの。才流では「自社が提供できて、競合他社が提供できない、顧客が求める独自の価値を表したもの」と定義している。
関連記事:バリュープロポジションとは?作り方と事例~テンプレート付きで解説~

無形サービスを設計する難しさ。才流の壁打ちが役立った

宮崎 私は才流とのプロジェクトがスタートしたタイミングでこのチームにジョインしました。前の部署でも事業開発を担当していたのですが、異動して感じたことは、コンサルティング事業特有の難しさです。

お客様に合わせて柔軟なサービスを提供しやすいからこそ、バリュープロポジションやサービスの定義がブレるんですよね。そこでお客様インタビューと、才流との壁打ちが非常に役立ちました。

例えば私たちがサービスとして向き合う顧客課題の支援範囲はどの粒度まで絞り込めばいいのか。自分たちが整理した粒度では粗いのではないか。壁打ちを通してだんだんとクリアになっていきました。

また一次情報をたくさん拾えていたからこそ、「これだとまだ、本当にお客様が求めているサービスにしきれていない」とお客様の声と照らし合わせながら考えを深めることができました。

加藤 宮崎さんのおっしゃる通り、無形商材は無限にカスタマイズできるので、「これもあった方がいい」「あれもあった方がいい」と議論が広がりやすい。最初の起点を決めようにも、「本当にこれでいいのか」と絞り込むことへの怖さもあり、意思決定に度胸が必要なんです。でも決めないことには始まらない。

とくにオプトのようにスピーディーに事業を展開している会社では、しっかりと材料を揃え、皆で納得のいく決断ができる状況をつくらなければなりません。そしてその時点で一番確からしいスタート地点を決めて、迷ったときには初心に戻る。そんなスタンスだからこそ、「この事業の原点は何なのか」「そもそもインハウス事業を通して実現したいことは何なのか」をしっかり議論をしたプロジェクトでした。

そしてこのプロセスは、社内だけで完結するのが一番難しい。難しさを乗り越えるために、皆さんが才流をうまく使ってくださったからこそ、私たちも良い立ち位置で貢献できたのだと思います。

才流の新規事業支援事例/才流コンサルタント加藤 真守
加藤 真守/株式会社才流 コンサルタント(https://sairu.co.jp/member/1513/

宮﨑 才流と作ったサービス設計の骨子とマーケティング戦略をもとに一部のお客様へプレリリースを行いました。

結果、上期と下期で比較すると粗利は178%アップ。導入社数も173%アップしました。人員が増えたりと、他の要因もあっての結果ではありますが、PMF(※)できるのではないかと判断。今年(2024年)から本格的に提供することを決めました。

サービス名称を『co-marketer(コ・マーケター)』とし、商標登録も済ませています。社内だけでは共通認識の取りづらかった問題点について、才流を交えて皆で議論を重ねたプロセスがあったからこそ、『co-marketer』という1つのサービスに落とし込むことができました。

※Product Market Fitの略。商品が顧客のニーズを満たし、正しい市場に提供されている状態を指す。
関連記事:PMFとは?読み方と定義、PMFしている状態のシグナルを解説

才流の新規事業支援事例インタビュー風景/顧客:オプト様

第三者の客観的でブレないスタンスに助けられた

伊藤 コンサルティングビジネスでは、一人ひとりの活動が事業の原動力になります。プロジェクトを通じてチームのベクトルが1つに向かい、バリュープロポジションを言語化できたことが何よりの成果だと思います。

そのプロセスには顧客インタビューや課題整理がありました。そして当社の主要事業である広告事業と利益相反する可能性があるなか、インハウス支援を推し進めることで創出できる提供価値の本質についてしっかりと議論を重ねたことで、より血の通ったものとなりました。

伊藤 おふたりの「ブレない」姿勢にいつも助けられました。

私たちも日々、お客様と向き合っていますが、時として「お客様のおっしゃることが正解」と思ってしまうことがどうしてもあります。でも果たして本当にそうなのか。本質は違うのではないか。今まで培ったメソッドを使うと違う考え方もできるのではないか。

ブレずに向き合い続けてくださったおふたりに感謝していますし、尊敬しています。

才流の新規事業支援事例インタビュー/伊藤 弘明さん/株式会社オプト インハウス事業部 部長

宮崎 私も同意見です。おふたりはブレない。ブレないからこそ、私たちが自信を失ったときは勇気をくれるし、逆に自信を持ちすぎて走りすぎたときは客観的な意見で調整をしてくれる。ペースメーカーのような存在でした。

伊藤 ナレッジができ、共通言語を持つことができたのはもちろんですが、心理的な側面でも価値を感じました。

事業責任者として、いつ事業がなくなるかわからない、いつ解散してもおかしくないという危機感は常にありました。そんななかで「この事業はお客様に求められている」という空気感や力強い言葉は私の原動力になりました。

宮崎 そうですね。第三者だからこそ客観的な視点で時に勇気を、時にブレーキを踏んで調整してもらえるのは大きな価値だと思います。また個人的には、才流も含め、多くの人を巻き込んだからこそ「絶対に形にしないといけない」という覚悟もつきました。

全てを内製化することは難しい。パートナーとともに自走する

宮崎 サービスの方向性はある程度でき上がっているものの、どう形にしていくかを模索している組織には非常にフィットすると思います。才流の力を借りることでより市場に求められるサービスへとブラッシュアップできるのではないでしょうか。

一方、「才流に決めてもらえばいい」というスタンスの会社にはおすすめしません。

目指すべきゴールは「依存」ではなく「自立」です。主体性のある事業活動が大切だと思います。

伊藤 全てを自社の中で内製化することは極めて難しいことだと考えています。今回、才流との取り組みを通じて改めて感じたのは、パートナーと協力をしながら、自分たちのビジネスをより良くしていくことの大切さです。

私たちもコンサルティングビジネスをしているからこそ、そもそも自分たちだけでできるのではないか、才流にお願いをするのが果たして良いことなのか、正直迷いもありました。

ただ第三者であるが故の客観的な視点、さまざまな会社を支援しているからこそ得られたメソッド、多様な考えが持ち込まれることでイノベーションはつくりやすくなります。ここにこそ、才流や私たちのような支援会社の価値があると感じています。

高橋 素晴らしいお話をたくさん聞かせていただき、ありがとうございます。『co-marketer』のこれからを楽しみにしています。

才流の新規事業支援事例インタビュー/顧客:オプト様

(撮影/矢野 拓実 取材・執筆・編集/藤井恵)

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