2000年に創業した株式会社ネットプロテクションズ様。BtoC向けに提供する「NP後払い」とBtoB向け「NP掛け払い」の両方で国内シェアナンバーワン(※)を獲得している、BNPL(Buy Now Pay Later)のリーディングカンパニーです。
同社は、2021年に上場した株式会社ネットプロテクションズホールディングスの主要事業会社です。さらなる成長を目指し、マーケティングのテコ入れを検討していたといいます。
「これまで社内で行ってきた施策を改善すれば、もっと成果が出る」という確信はあったものの、最短で成果が出るベストプラクティスがわからない。成功の型を組織として持っておきたいと考え、才流にご相談をいただきました。
3か月のプロジェクトを振り返り、執行役員の田中様、マーケティンググループの平井様に率直なご感想を伺いました。
※「NP後払い」:矢野経済研究所「オンライン決済サービスプロバイダーの現状と将来予測2022年版」P86より、後払い決済サービス市場のシェア(2020年度)を参照。「NP掛け払い」:デロイトトーマツミック経済研究所調べ「ミックITリポート2022年10月号 BtoB決済代行サービス市場調査(https://mic-r.co.jp/micit/2022)」を参照。
非連続的な成長へ、組織に成功パターンをインストールしたい
ー 現在の「NP掛け払い」のフェーズと、マーケティングのご状況を教えてください。
田中 「NP掛け払い」は、2011年にサービスをスタートしました。2021年には累計利用企業が100万社に達し、現在は国内のBtoB決済代行サービス市場でシェアナンバーワンというポジションをいただいております。
2021年にネットプロテクションズホールディングスは上場し、「NP掛け払い」はマーケットからも期待されていますし、期待値を超える変化を起こすべき時期にいると認識しています。
これまで培ってきたセールスやマーケティングもさらに強めていかなくてはならないフェーズであり、昨年から投資を進めています。
平井 会社としてはBtoCの「NP後払い」がメイン事業という位置づけだったため、数年前まで「NP掛け払い」には大きなマーケティング投資をしておらず、最低限のお客様にリーチする方針で進めてきました。
昨年からマーケティングを強化することが決まり、改善すれば成果が出る部分は見えていたので、実行部分をどうするか検討を進めていました。
ー そこで、外部の支援会社に依頼することを決めたわけですね。
平井 そうですね。改善をスピーディーに、効率的に進めるためには、成功パターンに当てはめていくのがいいと思ったからです。
これまでは内製で施策を進めてきましたし、若いメンバーも多いチームなので、「これをやれば大丈夫」という成功の型を持っていなかったんです。
スピーディーに改善を進めるためには、しっかりと知見を持った支援会社に依頼し、組織に成功パターンをインストールしたいと思いました。
「最初から、すぐに実行できる改善案を提示してくれた」
ー 才流を選んでいただいた理由は何だったのでしょうか。
平井 才流は、書籍やブログなど、さまざまなコンテンツを出していますよね。いろいろ調べたり、聞いたりする中で「才流が業界ナンバーワンだろう」と感じていました。
田中 私も3年前ぐらいに代表の栗原さんの書籍を拝読し、参考にさせてもらったことがありました。才流の特徴は、BtoBの事業課題を端から端までご支援いただけることだと思います。
例えばSEOだけ、広告だけではなく、施策を包括的にレビューしていただける。セールスイネーブルメントもご支援されていますよね。
BtoBのセールス&マーケティング課題といわれるものを、横断的にご支援いただけるのではないかと思っています。
われわれが、かなりスコープの広い課題をご相談したいと思ったときに、お願いできる会社は限られてくる。才流以外に、他に思い浮かばなかったというのが実態ですね。
ー 最初の打ち合わせでは、どのような印象を持たれましたか?
平井 プロジェクトのスタート前は、3か月でちゃんとやりきれるのか、正直なところ不安もあったんです。ただ、1回目の提案で「まずは、クイックにできることをやりましょう」と言っていただき、不安はなくなりました。
すぐに着手できる施策と、時間はかかるけれども絶対にやったほうがいい施策の両方をご提案いただけたのも、ありがたかったですね。
資料には、着手すべき優先度や実行した際のインパクトや実行例まで書いてあり、このまま進めればスムーズに進められそうだと感じました。
田中 私も、初回の提案をいただいたときのことはとても印象に残っています。
当社のランディングページやサービスページの課題をすべて洗い出し、さまざまな事情を考慮したうえで、「こうするべき」というカスタマイズされた提案だったからです。
もうすこし一般的な、教科書的な内容を提案されるものと想像していたので驚きましたし、アクションが明確で素晴らしいと思いました。
ただ、全体の提案については、プロジェクト開始から1か月は「待つ時間」でしたね。
どのコンサルティング会社もそうだとは思うのですが、プロジェクト開始から最初の1か月はアセスメントのプロセス。とにかく腹をくくって待つしかないんです(笑)。才流さんにお願いした以上、信じようと……。
結果、1か月待ったら期待値を超える提案をいただいたので、信じて待って、本当によかったと思いました。
「施策の検証・改善を自社で行える仕組み」を作った3か月
ー 3か月の伴走支援プロジェクトは、どのようなプロセスで進めましたか。
中島 伴走支援の目的は、数値分析と実行管理の体制づくりをサポートし、施策の検証と改善ができる仕組みをつくることです。
社内の実行リソースは限られていますので、施策実行のプランニングが「絵に描いた餅」にならないように、お客様の状況や事業フェーズに合わせて施策の優先順位をつけていきます。
中島 ネットプロテクションズ様の場合、マーケティングの基礎は十分にできていると感じました。
とはいえ、ディテールを見ていくと改善すべき点もありましたので、才流のメソッドに基づいたテクニカルな施策の改善案を提案いたしました。
中島 次に行ったのは、施策の全体整理です。
ネットプロテクションズ様がこれまで実施してきた施策の背景を確認し、一般的に有効だといわれているBtoBマーケティング施策と照らし合わせ、抜け漏れをチェック。顧客・競合調査をもとに、大きな改善インパクトが期待できる施策をピックアップしました。
限られたリソースの中で、今何に注力すべきなのか。今後どういう動きが必要なのか。リソースと成果のバランスを評価しつつ、優先度をつけていく工程です。
さらに、優先度をつけた施策を実行した場合、どの程度の成果が得られるのか。市況をベースに成果シミュレーションを作成。現時点とシミュレーションのギャップを把握したうえで、注力するアクションを絞り込みました。
今後、目標に対する振り返りや効果測定などをネットプロテクションズ様の社内で行えるように、ダッシュボードも整備しましたね。
中島 営業に関する課題もお伺いしていたので、営業プロセスやインサイドセールスの勉強会も2度実施。3か月目には営業課題を解決するために、必要なことをディスカッションもしました。
BtoBマーケティングの伴走支援プロジェクトは3か月で終了ですが、セールスイネーブルメントと他事業部でのマーケティング戦略立案プロジェクトが新たにスタートします。
才流としてこれからもご支援させていただけるので、大変嬉しく思っています。
黒須 ネットプロテクションズ様は、われわれがご支援に入る前から自社でマーケティングに取り組み、成果を出していました。今回のプロジェクトで、基盤をさらに強固なものにできたので、今後ますます楽しみですね。
3か月で才流がやったことは少ないですが、きちんと数字の成果を出せたのは良かったです。メソッドを知っているか、知らないかで結果は大きく変わってしまう。あらためて、メソッドの重要性を私自身も実感しました。
定量成果だけではなく、組織や個人のマインドセットも変化
ー 3か月の中で一番の「成果」はどのような点でしょうか。
平井 才流の提案だけではなく複合的な要因があるものの、リード数は月に100件以上増えました。
また、自分自身のマインドにも変化があったと感じます。短期でしっかりと成果を出せることがわかり、「先人から学ばないといけない」「学んだことをいかし、ダイナミックに変えていかなければ、大きな成長はない」と実感しました。
田中 私は、メンバーのマインドセットも変わったと感じています。
われわれのマーケティングチームには、意欲のある若い人たちがたくさんいます。
これまでも頑張ってマーケティングに取り組んできましたが、自分たちの頭の中だけで、ベストプラクティスの理解が足りないままに進めてきた部分がありました。
頑張っていてもなかなか成果が出ないと、それ以上何をしたらいいかわからない。そのうち、「そういうものなのかな」くらいに諦めてしまうこともあったと思うんです。
ですから、今回のプロジェクトで問題の本質に迫り、問題を解決すると実績がついてくるという体験をできたのは大きいと思います。
「自分たちも、まだまだ起こせる変化があるんだ」というマインドセットに変わったんじゃないでしょうか。
平井 営業部からは、リードが増えてすごく喜ばれました。「NP掛け払い」のマーケティングチームのメンバーからも、「まだまだできることがある」「どんどんやってみよう」という前向きな声がありました。
他の事業部を担当するマーケターも、「NP掛け払い」を真似してやってみようと、今動き始めています。
才流とのプロジェクトは、期待値を超えて120%の成果でした。ヒアリングを重ねて、われわれの課題をしっかりとご理解いただいたからこそ、結果につながったのだと思います。
才流のコミュニケーションは「組織として効果的だった」
ー プロジェクト中、才流のコンサルタントとのコミュニケーションはいかがでしたか。
平井 週1回の定例ミーティング以外でも、気になることは何でもSlackで相談できるのはありがたかったですね。
マーケティング施策のことに限らず、質問をすると「持ち帰って社内で相談します」と言ってくださって。あとから、しっかりとした資料にまとめて返してくださることもありました。
しかも、才流が出してくださる情報は一般的なセオリーだけではなく、われわれが課題に感じている部分や状況、背景を加味したうえでの資料や提案なんです。
「そうそう、そこなんだよね」というような、納得感がありましたね。
田中 私は、最初から数字で語っていただいたところが良かったと思います。
「こういう解決策があります」「やりきると、このくらいまで数字上がります」とハッキリ言っていただけるので、こちらも「やります」という気持ちになれる。そして実際にやってみたところ、想定通りの数字が出てきました。
組織が動く上で、効果的なコミュニケーションをとっていただいたと思います。
外からの知見を取り入れることは、個人の成長支援にもなる
ー 最後に、プロジェクトの総括と、今後の支援に期待することを教えてください。
平井 今回のプロジェクトは、会社としても、マーケティンググループとしても、個人としても本当に良い機会になりました。
会社としては、「マーケティングに注力すれば、きちんと成果が出る」ことが、社内に伝わるようになりました。
マーケティンググループとしても、「成果を上げるために何かを変えていかなきゃいけない」という認識ができ、個人としてもキャリアの中で大きな出来事だったと思います。
学ばせてもらうことが多い3か月でした。
田中 私は、一言でいうなら「幸せになりました」ですね(笑)。
依頼をする前は、リードの獲得件数が頭打ちになっている時期が続いていて、なにかいい突破口はないかと模索をしていたんです。その壁をぶち破れて、枕を高くして寝られる日が増えたので、幸せになりました。
平井 これから、セールスイネーブルメントのご支援にも入っていただきますし、他の事業部でもマーケティング戦略立案のご支援をいただく予定です。成果が出るご提案をいただける実感を持っていますので、引き続き期待しています。
また、当社はティール組織なので、個人の成長機会は自ら動き、求めていく必要があります。今回のように外からの知見を取り入れるのは、個人の成長支援にもつながると実感しました。
才流のご支援で、チームも個人も成長し、より大きな成果を狙える状態にしていけたらと思っています。
田中 これからセールスイネーブルメントのプロジェクトでもご一緒させていただきますが、セールスの領域はデジタルな施策の改善よりも「人」がプロセスに深くかかわります。
世の中にあまり例がないティール組織の中で、一人ひとりに変化を起こしていくのは、ある意味チャレンジだと思うんです。
世の中のベストプラクティスでは、われわれの組織には当てはまらないかもしれない。けれども、われわれのチャレンジは、才流と一緒ならできる気がしています。
引き続き、ご支援をお願いしたいです。
(撮影:矢野 拓実 執筆・編集:安住久美子)