ダイレクト採用支援やLinkedInの採用ソリューション・オンライン学習・広告支援を行う株式会社ダイレクトソーシング。日本の採用市場ではメディアやエージェント経由の採用が一般的な中、企業と候補者を直接つなぐダイレクトソーシングを提供。LinkedInの日本初のビジネスパートナーとして業界をけん引している。
2015年の設立当初から自社でデジタルマーケティングを地道に続けてきた同社。さらなる事業成長の加速と、日本でダイレクトソーシングを文化として定着させるという大きなミッションに向かい、デジタルマーケティングの強化に乗り出している。
才流は2020年5月からサイトリニューアルやコンテンツ制作など、約1年支援を行った。代表取締役社長 竹村さんとマーケティング担当 安井さんに、才流の支援で得られた成果や率直な感想を伺った。
紹介経由の顧客獲得から、デジタルマーケティングによるリード獲得強化へ。
ー 才流に依頼する前のマーケティング課題や組織の体制について教えてください。
竹村 弊社は設立当初から、デジタルマーケティングを中心にリードを獲得する戦略を立てていました。でも、デジタルマーケティングは着手してすぐには成果が出ませんよね。
そこで、最初はLinkedInとパートナー契約を結び、紹介によって顧客を獲得しながら、同時並行で進めてきたんです。
SEOのブログ記事を作ったり、リスティング広告を打ったり。マーケティング専任担当者もいなかったので、セールスメンバーやカスタマーサクセスのメンバーが持ち回りで担当していました。
その結果、2020年からデジタル経由での契約が紹介経由を逆転したので、ここからさらにデジタルマーケティングを強化していきたいと考えました。
また、弊社が提供する「ダイレクトソーシング」は、海外では採用の3~4割を占める一般的な手法なのですが、日本ではまだ定着していません。
3年ほど前からブームになり、外資系企業やベンチャーは取り組んでいるものの、採用の成功実績を出せている会社はなかなか増えていないんです。実際の採用経路でいうと、5%にも満たないのではないでしょうか。
デジタルマーケティングの強化と、ダイレクトソーシングを文化にしていく。2つの課題があったので、マーケティングとPRの会社を探し、話を聞くことにしました。
ー 才流に依頼を決めた経緯を教えてください。
竹村 マーケティングやPRの会社を探していたときに、HubSpotのカスタマーサクセスの方に「マーケティングでいい会社を知らないか」と尋ねたところ、名前が上がったのが才流でした。
弊社の役員も栗原さんのTwitterをフォローしていて、以前からBtoBマーケティングの情報を収集していたようです。
実際に最初にお会いしてセールスを受けた段階で、信頼感を持ちました。他の会社はサービスベースで話をされるんですが、才流は我々の課題ベースで解決策を考えてくれていると感じました。
サイトリニューアルやコンテンツのリライトで、
SQL件数は4倍、検索流入は5.8倍に増加。
一 才流と取り組んだプロジェクトについて教えてください。
竹村 デジタルマーケティングを強化し、SQL(Sales Qualified Lead)を安定的に月50件獲得することをゴールに置いていました。
そこから逆算して、コンバージョン率やアクセス数はどのくらい必要かと考え、ブログコンテンツを中心に手を加えていこうと考えました。
才流には2020年5月からサイトリニューアルで入っていただき、その後コンサルティングをしていただきました。
黒須 以前のサイトの状態は、トップページがナビゲーションの役割を果たしているページで、下層に各サービスページが展開される構成だったんです。
売上のメインを占めているサービス案内をトップページで表示すれば、リードや商談化率を引き上げられると思いました。
また、ブログがサブドメインになっていたので、一緒のドメインにして検索流入を伸ばすようにしました。
私は全体像の設計を行い、コンテンツ施策やサイト制作の実行部分には金森に入ってもらいました。ブログ記事のリライトやSEOの注意点などを共有し、かなり細かい部分まで行ったので、才流の中でも珍しい案件だったと思います。
安井 弊社では2017年からブログコンテンツを制作し始め、人事や採用に関する記事を出していました。ただ、そこからリードにつなげるという発想や仕組みは持っていなかったんですよね。
才流に入っていただいてから、「記事はこういうストーリーで組み立てる」「こういう導線を作ればリードになる」といった細かなノウハウを教えていただきました。
実際に施策を行い、SQLは月30件から130件、検索流入数は5.8倍に伸び成果を実感しています。
竹村 SEOは一気に成果が出るわけではないですよね。ちょっとずつタイトルを変える、リライトをする、コンバージョンポイントを増やしていくとか。細かいところの積み重ねで結果が出てきたので、面白いなと思いました。
また、ペルソナを明確にするために行ったユーザーインタビューも、初めてだったので新鮮でした。実際に目に見えるものに対しどう感じるのか。ユーザーさんの視点がよくわかるので、非常に参考になりました。
ー 才流とのコミュニケーションはどのように行っていましたか。
安井 月に1回定例のミーティングをして、そのほかに何かあればSlackで気軽にコミュニケーションをさせてもらっていました。
竹村 正直、大変だったんじゃないかなと思います(笑)。我々もサービスを提供する側として見たときに、お客様とのコミュニケーションが多いと工数を割かれてしまいますから。でも、細かくコミュニーションをとっていただけたので、ありがたかったですね。
才流の支援開始から1年。
メンバーに知見が蓄積され、自走できる状態が整った。
ー 才流との仕事を振り返り、数字以外の成果はありましたか。
安井 マーケティングの仕事って、やったほうがいい施策はいろいろ思いつくんですが、実際に設計から実行までやり通すのが難しいんですよね。1個1個が重かったり、途中で問題が起きたり。でも、才流は設計から実行までしっかりとやってくださったのでありがたかったです。
他社の成功事例や自分が知らなかった施策のご提案もいただいたので、とても勉強になりました。さまざまな情報を自分の知見として貯められたのは良かったと思います。
竹村 私は、外部のサービスを利用する中で大事だと思っていることが3つあります。きちんとプロジェクトマネジメントをしてくれること、データに強いこと、マーケットの情報に強いことです。
黒須さんは特にマーケットの情報に強いと思います。黒須さんは、まわりから得た知見を上手く自分の提案に盛り込んで、実行までサポートしてくれたと思います。
デジタルマーケティングの仕事は、セールスのスキルとITリテラシーの両方が必要だと思うんです。掛け算の分野でもあるので、面白くもあり難しいですよね。
黒須さん、金森さんのおかげで、メンバーはたくさんのことを学びました。私もマーケティングに詳しくなりましたし、これまで触っていなかったものを触れるようになりました。支援に入っていただいてから約1年で、自走できる知見が貯まったと思います。
金森 ありがとうございます。もともと知識や戦略を社内でお持ちだったので、我々はさらにそれを強化するために具体的なメソッドをご提案してきました。これからもご活用いただけたら嬉しいです。
安井 これからはマーケティング担当者として、経営課題や全体像を見た上で施策を見出していかなくてはならないと思っています。才流から得た知見を活かしながら、マーケティングを強化していきたいです。
ー才流の支援は、どのような会社におすすめしたいですか。
安井 我々もそうでしたが、設立当初からマーケティング戦略があっても、コンテンツができていない、予算があまりないというベンチャーは多いと思います。
そこから自力で積み上げていくことになると思うんですが、例えば3年くらい経っても、最初の時点でできることを継続していると思うんです。
正解を確認する機会がないので、間違った方法でそのまま進んでいても、自社だけでは気づかないんですよね。ですから、ある程度やってきた段階で、別の視点からの正解を見つけてもらって、ベクトルを修正していきたい会社には良いんじゃないかと思います。
竹村 才流は課題ベースの提案をしてくださるので、私はどんな規模や業界の会社でもおすすめですね。
(撮影/矢野 拓実 取材・文/安住 久美子 編集/中島 孝輔)