名生和史
Myo Kazushi- 職種
- コンサルタント
たまたま自分には環境や運があって、知識やノウハウを得ることができた。
だから、課題を抱える人に少しでも還元できたらいいなと思うんです。
そう思いながらお客さまに向き合う瞬間が、一番自分らしくいられる。
言い過ぎかもしれないけれど、自分の使命なのかなと思っています。
2023年に才流(サイル)に入社した名生 和史(みょう かずし)は、仕事についてそう語る。
大手企業で新規開拓営業や人事、インサイドセールスなどを経験し、才流ではコンサルタントとして活躍する。これまでのキャリアや自分自身を振り返りながら、仕事のやりがいや大事にしていることなどについて、話を聞いた。
「売り方がわからない」地方の中小企業で見た現実
ーこれまでのキャリアのなかで、今の自分にもっとも影響を与えたと思う経験について教えてください。
新卒で楽天グループ株式会社に就職し、数か月の研修を経て、中小企業の新規開拓営業として宮城の支社に配属されました。故郷で仕事ができることは嬉しかったのですが、はじめてビジネスという眼鏡をかけて見た地方の現実は、想像以上に厳しいものでした。
多くの経営者が、ITリテラシーや最新のビジネス情報へのアクセスに課題を抱えている。ECの領域だったので、年代によってはまったく知識がないという方もいました。素晴らしい商品を作っているのに、売り方がわからないために売れないのです。
そうした地方の現実を目の当たりにして、まるで殴られたような衝撃がありました。
私は東京に出て、偶然にも学ぶ機会に恵まれ、お客さまに提供できる知識やノウハウを得ることができました。しかし少し前までは同じ地方にいて、課題を抱える方たちと同じ情報のなかで生きていたわけです。情報や知識、ノウハウがないことで、ビジネスの成否に差が生まれてしまうことを、実感せざるをえませんでした。
そして、なんとか自分が提供できるものを、地方の経営者のみなさんに還元したいと思うようになりました。このときからずっと、私の仕事の根っこにあるのは、そういう想いなんですよね。
楽天からSmartHR、才流へ移り、今は東京で働いていますが、情報・知識・ノウハウの格差は、なにも地方だけの話ではないのだということがわかってきました。
ですから、課題を抱える方を、自分が持つ知見や才流のメソッドによってご支援できることは、やりがいのある仕事だと感じています。
コンサルタントの価値は、理想論を伝えることではない
ー才流に入社されて1年経過し、振り返って印象に残っていることはありますか。
社内には本当に優秀な方が多く、Slackというチャットツール上での発信や議論は、見ているだけでも勉強になります。先進事例や調査・分析、ユーザーインタビューからの示唆など、日々学ぶことが多いです。
案件としては、1年でBtoBマーケティングの戦略立案をはじめ、ABM(アカウントベースドマーケティング)、インサイドセールス、テストマーケティングなどのご支援を行いました。
お客さまの課題は幅広く、ときには自分自身が経験したことのない領域の案件も担当します。しかし、才流の社内にはさまざまな専門家がいて、多くのメソッドがあるので、自分は「それをどう活用してお客さまに提供するか」に集中できる。この環境は、コンサルタントとしてはありがたいですね。
お客さまにとってコンサルタントが介在する価値は、自分たちに合った方法を見極めてくれることだと思うんです。ただ理想論をお伝えするだけでは、お客さまにフィットしないですし、成果も出ません。星型のところに、丸型を無理やり当てはめようとしてもうまくいかないってことなんですよね。
ですから、お客さまが成果を出すために必要なことをしっかりと理解し、提供するのが、私の考える理想のコンサルタントです。これからも才流のアセットをうまく活用しながら、お客さまが最大の成果を得られるように、ご支援していきたいです。
「圧倒的な返信スピード」お客さまから見た “才流の名生”
ーこれまで名生さんが担当した案件の事例から、お客さまの声を引用してご紹介します。
加藤様:かゆいところに手が届くというか、必要なことを先読みして伝えてくれるので、純粋にすごいなって。本物のビジネスパーソンがここにいる…って思いました(笑)。
野田様:「この施策をやろうと思うんですけど、どうですか?」と相談すると、事例やおさえるべきポイントが書かれたメソッドをサッと共有してくれるんですよ。世の中の正解を教えてくれる感じで、信頼感がとてつもなく大きかったです。
加藤様:しかもレスが早いんだよね。
野田様:早すぎて、怖いくらいでした(笑)。あるときは、「社内に○○に詳しい人がいるので、聞いてみます」と言ってくれて、翌営業日くらいにポンとめちゃめちゃ長い回答がきて、ここまでやってくれるんだって驚きました。1を聞くと、3とか5とかが返ってくるイメージです。
鶴田様:私がとくに価値を感じたのは、名生さんの圧倒的にハイスピードなレスポンスです。何か質問すると、1分以内に返事がくる(笑)。当事業は社内でもかなりスピード感があると言われていますが、それを上回るスピード感。営業をしている身として、顧客にとってレスポンスの早さほど価値あるものはないと改めて感じました。
辻󠄀様:才流のコンサルタントのコミュニケーションは本当に素晴らしかったですね。とくに印象的だったのは、返事の速さです。質問をすると数秒で返事が返ってくることも。こんなに迅速なレスポンスは初めての経験でした(笑)。
高橋様:返事がすぐに返せないときも、スタンプで「見ました」という反応をくれる細やかな配慮もありましたね。
ーどの事例でも、「名生さんの返信が早い」とお客さまがおっしゃっていますね。これは意識して行っていることですか。
すべてを数秒で返せるわけではありませんが(笑)、返信の早さにはこだわっています。
疑問が湧いた瞬間に答えが出れば、お客さまはすぐに手を動かすことができます。でも答えが1時間後だったら、1歩目を踏み出す速度は確実に落ちてしまうわけです。たった1時間、されど1時間。考え方は人によって違うかもしれませんが、早く返信するという自分の小さな頑張りで、お客さまのプロジェクトが少しでも前に進むのであれば、自分としてはやらない選択肢はないですね。
代表の栗原さんも「1日早く実行すれば、1日早く儲かる」とよく言っているので、才流全体としても、この考え方は浸透していると思いますね。
また、マーケティングや営業を進めていると「本当にこれでいいのか」と迷うことは誰でもあると思います。お客さまが迷ったとき、相談したらすぐに返事がかえってくれば、安心して進めるのではないかなと。そういうところにも、コンサルタントとして価値を感じていただけたらうれしいです。
「すべてに即返信をしていたら、集中力が途切れてしまうことはありませんか」と社内の人から聞かれたこともありますが、お客さまからの連絡が少ない時間に思考の時間を設けるなど、時間の使い方は工夫しています。
最後の0.5%までやりきり、成果に貢献したい
ーご自身で評価すると、名生和史という人はどんな人だと思いますか。
最初に頭に浮かぶのは、やはり実行力ですね。何事も積極的に挑戦し、いったんやってみる。自ら手を動かしてみる。これに勝る学びはないんじゃないかなと思います。
そういうと何も考えずに走っているんじゃないかと思われそうなんですが、実は走りながらめちゃくちゃ考えています(笑)。いきなりゴールに到達しようとしているわけではなくて、ゴールの半分までとりあえず走ってみて、状況を把握しながらコースを修正していくような感じです。
そういう慎重さは持ち合わせているつもりで、そのほうが結果的に早く、より遠くのゴールまで到達できるんじゃないかと思っています。
それから、やりきる力というのも、自分らしい言葉だなと思っています。
私は楽天の三木谷さんが提唱されていた「三木谷曲線」の考え方を、今も大事にしています。三木谷曲線というのは、「最後の0.5%の差がクオリティを左右する」という考え方です。
楽天ペイや楽天市場の営業をしているとき、「最後の0.5%をやりきれているか」を自問自答しながら取り組んだことで、結果を出せるようになったと実感しています。
99.5%まではみんなが努力しているので、残りの0.5%をやりきれるかで成果に大きな差がつく。コンマ数%を高めると差が出るというわけだ。最後までやりきることで突き抜けた結果を得る。これが価格競争に陥らず、お客様に購入してもらえる「差」につながる。
※出典:ダイヤモンド・オンライン『ラスト0.5%をやり抜く「三木谷曲線」の教え』
仕事なので、当然うまくいかないこともありました。しかし、うまくいかないときにこそ最後までやりきることで、失敗から学ぶことも大きかったですね。
たとえば、リスクを最小限に抑える方法や、自身やメンバーの成長につながる方法など、次の成功へとつながる貴重な経験を得られます。失敗するからと途中で投げ出すのか、最後までやりきるのか。これによって、やはり差がついてしまうんです。
才流の案件でも、最後の0.5%までやりきり、お客さまに少しでも成果をお返しできるように、私らしく走っていきたいと思っています。
ー最後に、これからの抱負を聞かせてください。
実行力・やりきる力を大事にしていると話をしましたが、知識やノウハウがなければ、実行できない。結局そこに行きつくと思うんです。
ですから、これからも愚直に学び、自分の知識やノウハウの幅を広げていきたいです。
そして、知識やノウハウが不足していて課題を抱えている方に、自分が持っているものを少しでもお渡しすることで、貢献できればうれしいです。
才流のお客さまはもちろんですが、私の仕事の原点になった地方のビジネスや経営者の方に対する支援も、いずれやっていきたいと考えています。
(撮影/植田 翔、取材・執筆/安住 久美子)