「正直、マーケティングに関しては素人だったんです。」リンプレス代表の三宮さんは、才流に依頼する前の状況をこう振り返る。たった一人のマーケ専任担当である森田さんは、フィールドセールス出身でマーケ経験はない。まさにゼロからのスタートだった。
そこから1年。リンプレスは、業界の中で「Webマーケに強い会社」という確固たるポジションを狙っている。なぜリンプレスは、苦手だったマーケティングを強みに変えることができたのか。
IT人材にフォーカスした教育・研修事業とデジタル化に向けたコンサルティング事業を展開するリンプレス。2017年にリンクレアから分社化後、要求分析・IT企画手法「CANVAS-SA®」をベースにした各種研修やワークショップを提供し、企業のデジタル変革を支援してきた。2019年から才流にコンサルティングを依頼し、マーケティング領域をどのように強化してきたのか。代表取締役社長 三宮 壮さんと、セールス&マーケティング事業部 森田 晋之介さんに話を伺った。(以下、敬称略)
「バケツに穴が空いている」的確な指摘に、プロの力が必要だと気づいた
ー 才流に依頼する前に、どんな課題がありましたか。
三宮 リンプレスを設立したときに、少数精鋭で営業活動を進めるためにSalesforceを入れました。また、新しいリード獲得のためにPardotを入れたり、日経クロステックに出稿したり。手探りで施策を打ち始めたんです。しかし我々はマーケティングは素人で、なかなかうまく実行できませんでした。ホームページ制作会社にWeb改善を依頼したこともありましたが、思うような提案がもらえずに、有効活用できていないと感じていました。
さらに担当の森田はもともとフィールドセールスの人間で、このままではマーケティングノウハウが蓄積しない。成長機会という意味でも、自分たちだけでは限界があると思いました。
― 才流に依頼することを決めた理由は何ですか。
森田 他にもBtoBマーケの会社を調べたりはしたんですが、才流さんの記事を読んで知っていたというのもあり、話を聞いてみようということになりました。
最初の打合せで、澤井さんから「バケツに穴が空いた状態ですよ」と言われたんです。せっかく問い合わせをくれそうなお客様を逃していると。自分たちはそこに気づけていなかったので、ハっとしましたね。
澤井 外から見て改善したほうが良いことは最低限わかりますので、Webサイトを見て「ここは改善したほうが良い」とか、そういうご提案をしましたよね。
三宮 非常に的確なアドバイスだと思いました。外の視点から学ぶことはとても多いので、やはりプロにお願いしたほうが良いということになりましたね。
Chatworkでいつでも相談、「コンサル」のイメージが変わった
ー ご相談から、現在まで。具体的にどんなことをしてきたのでしょうか。
澤井 最初に着手したのは、Webサイトの改善でしたね。
森田 そうですね。日経クロステックのリード施策はもともとやっていましたが、それに加えてWeb広告、Facebook広告の出し方などもご指南いただきました。
澤井 リンプレスさんの場合は、リソースが豊富にあるわけではないので、Web施策が中心になるというのが前提でした。その中で、まずは今サイトに訪問している人をきちんとリードにつなげること。ページの改善やサービスページの強化を、最初の2~3か月で集中的に行いました。その後は、広告による集客に着手したという流れです。
ー スケジュールや目標はどのように共有していますか。
澤井 最初にざっくりとスケジュールをご提案しますが、進めていく中で変わることもあるので、状況を見ながら変えることもあります。月に1回の打合せで「来月はこれをやりましょう」「3か月くらいでこういう施策をやっていきましょう」と翌月と、むこう3か月を見据えながら進めています。
三宮 一緒にやっていて思うのは、澤井さんはとにかくレスポンスがものすごく早いんです。僕が思いついたことは、森田を通して澤井さんに聞きますが、すぐに返答があるのでありがたいですね。
森田 私のイメージでは、いわゆる「コンサル」ってもう少し堅いものかなと思っていたんです。でも澤井さんとはChatworkでやりとりをしていますし、気軽に質問ベースでご相談できる。いつでもコミュニケーションをとれるので、やりやすいですね。
リードや問い合わせが増加、社内にも一体感が生まれた
ー 才流に依頼をして良かったことはありますか。
三宮 新規のリード獲得ができるようになってきたのは、大きいですね。澤井さんから「メール配信を週に1回やってください」とか、「ホワイトペーパーは2か月に1回作ってください」とか具体的にアドバイスをいただきながら実行しているんですが、新しいものを出すとお客様から反応がくるようになり、手ごたえを感じています。
森田 才流さんにお願いする前は、問い合わせはほとんどゼロに近かったんです。でも今は、定期的にリードを獲得できるようになりました。
三宮 あとは、組織としてのコミュニケーションが変わってきたと感じています。これまでセールスは個人で行うという色が強かったんですが、マーケティングに近い会話ができるようになってきている。どういう資料を出すとか、メールを配信するとか。営業担当者も考えるようになってきたと思います。
また我々は研修事業をやっていますが、研修スタッフも意見を出してくれるようになり、一体感が生まれつつあります。専任担当は森田だけですが、マーケティングによって成果が見えてきたからこそ生まれた、副次的な効果だと思いますね。
澤井 それは嬉しいですね。
三宮 マーケティング担当としての森田のスキルも、明らかに上がりました。親会社のリンクレアでは営業をやっていた人間ですし、Web広告とか、ホワイトペーパーを作るとか、当時では考えらなかったんですよ(笑)。「森田そんなことやっているの?」と社内でも驚いていますよ。
苦手だったマーケを強みに。これからも才流と一緒に進みたい
ー コロナ禍で支援体制に変化はありましたか。
三宮 才流さんとは、もともとChatworkとZoomを使ったオンラインでの打合せをしていたので、この状況でも支障は感じません。フィールドセールスが動けない分、Webには特に力を入れていこうと話をしています。事業としてオンライン研修もやっていきますので、これまで出会えなかった地方のお客様にもアプローチしていけるチャンスだと思っています。
ー これから才流に期待することは何ですか。
森田 我々の業界でWebマーケティングに専門性を持っている会社はあまりないと思うので、今のうちにどんどん集客をして、Webマーケに強い会社になっていきたいと思っています。そのために、他社や他業界の事例などをどんどんアドバイスをいただきたいですね。
三宮 短期的に結果が出ることだけではありませんし、まだまだやれていないことも多い。組織体制としても、森田以外にもメンバーを増やしマーケの体制を大きくしていきたいと思っています。苦手なマーケの部分を強くすれば、組織としても強くなれるので、才流さんには引き続きご支援いただきたいと思っています。
澤井 ありがとうございます。実はコンサルに入っていると、サービス自体、プロダクト自体に問題があるケースもあって、場合によってはそこからコンサルに入ることもあるんです。「この価格戦略じゃ売れない」とはっきりと言ったこともありました。
三宮 そうなんですね(笑)
澤井 その点、リンプレスさんのサービスはよくできていて、市場のニーズにマッチしていますし、競合も少ない。営業も強いので、あとはマーケティングを強化すればいい。弊社としても支援しやすいです。
森田 これから、新しいサービスを展開していく際にも、才流さんの支援に頼る部分は大きくなると思っています。今は私が一人でやっていますが、メンバーが増えれば成果が倍になる可能性がある。やれば成果が出るんだという手ごたえを感じていますので、マーケ領域をどんどん拡大し、強くしていきたいですね。
澤井さんは以前のインタビューで、次のように語っている。
「マーケがうまくまわっていないために、伸びていない企業やプロダクトがたくさんある。いいものを作っているのに、すごくもったいない。そこをきちんと伸ばしてあげたいんです。」
リンプレスも、まさにそんな会社のひとつだった。
しかし今、三宮さんと森田さんは変化を実感している。苦手だったWebマーケティングを強みに変え、次のステージへ。これからも才流と一緒に進んでいく。
(撮影/神 颯斗 取材・文/安住 久美子)