
長谷川 智史
Hasegawa Satoshi- 職種
- コンサルタント
BtoBマーケティングや新規事業開発の経験を活かし、才流(サイル)で顧客支援に取り組んでいるコンサルタントの長谷川 智史(はせがわ さとし)。前職では取締役CMOとして東証マザーズ(現グロース市場)上場に貢献するなど、経営層としても豊富な実績を持つ。
しかし、45歳になった長谷川が選んだのは経営のポジションではなく、現場のコンサルタントという道だった。彼はなぜ、経営層から1人のプレイヤーへと転身したのか。
利害に左右されない立場で純粋に顧客の成功を追求したいと語る長谷川に、才流を選んだ理由や、コンサルタントという職業への想いについて話を聞いた。
経営層から現場へ。「生涯現役プレイヤー」を選んだ理由
ー長谷川さんのこれまでのキャリアについて教えてください。
ネット広告代理店で営業および広告運用マネージャーを経験した後、Webコンサルティング会社でマネージャーとして大手企業から成長企業まで幅広いクライアントのWebサイト改善に携わりました。
その後、マーケティング支援会社で取締役CMOとして事業成長を牽引しました。オウンドメディアの立ち上げやデジタルマーケティング戦略により、月間80万PV、月間200件のリード獲得を実現。東証マザーズ(現グロース市場)上場にも貢献し、新規事業開発やM&Aも推進してきました。
ー経営層としても豊富な経験をお持ちですが、なぜ今、現場のコンサルタントとして働くことを選んだのでしょうか。
前職は12年ほど在籍していたのですが、大手企業グループの傘下に入るという新たなフェーズを迎えました。私自身も「ひと区切りついたな」と感じるタイミングだったので、転職を検討し始めました。
実は前からずっとコンサルをやりたいと思っていました。Webコンサルティング会社に在籍していたとき、本当に仕事が楽しかったんです。それくらいコンサルに対する想いは強かったですね。
私、自分のことって本当にダメなんですよ(笑)。自分の利害が絡むと急に保守的になったり、逆に大胆になりすぎたりしてしまうんです。でも他人のことなら、わりと冷静に分析して最適解を見つけられる。
経営に携わっていたころは、自分の組織を保ちたいとか、給料への影響とか、保身や欲が出てしまい、意思決定が鈍りがちでした。その点、コンサルタントなら純粋にお客さまのためを思って、最善の判断ができる。この差は自分にとって大きかったです。

ーコンサルタント以外の選択肢は検討しなかったのでしょうか。
最初は事業会社やスタートアップなど、幅広く検討していました。転職活動を進める中で、自分の年齢になると経験の再現性を求められることが多く、未経験の挑戦は難しいという現実も見えてきて。そこで改めて自分が本当にやりたいことを見つめ直し、「コンサルタントとして生涯現役を目指そう」と決意しました。
ー「生涯現役」という表現が印象的ですね。
日本サッカー界のレジェンド、三浦知良選手の姿勢から、ここ数年大きな刺激を受けています。正直なところ、若い頃は「なぜまだ現役を続けるのだろう」と疑問に感じていました。
しかし、自分自身がキャリアの節目を迎えた今、50代半ばを過ぎても日々ストイックに体を鍛え、コンディションを整えながら挑戦を重ねるカズ選手の凄さを実感しています。指導者としての道を歩む選択肢も十分にあるはずなのに、ピッチに立つプレーヤーとして限界に挑み続ける——その覚悟に心を打たれました。
私もコンサルタントという現場で、生涯プレーヤーとして価値を出し続けたいと強く思うようになったんです。
顧客支援の最前線で、事業責任者と同等の熱量で関われる
ーコンサルティング会社は数多くありますが、なぜ才流を選ばれたのですか。
私はこれまで、営業からマーケティング、そして経営まで幅広い経験を積んできました。特に取締役として事業に携わってきた経験は、お客さまの事業の課題を深く理解し、本質的な解決策を見つけることに活かせると考えました。
大手コンサルティングファームという選択肢もありますが、それは最初から候補に入れませんでした。大手のコンサルティングファームに入ると、若いメンバーを従えてコンサルティングをするような立場になってしまいます。私はそれよりも、自分が現場の最前線に立って、全責任を負う代わりに全部自分でやりたいと考えていました。
才流のことは以前から知っていました。フルリモート、週4.5日、副業可という働き方の自由度はもちろん魅力的でしたが、それ以上に才流の支援スタイルに強く惹かれたんです。代表の栗原さんとも知り合いでしたが、あえてWeb申し込みをして選考に進みました。
ー才流の支援スタイルのどのような部分に魅力を感じたのでしょうか。
特定のソリューションに縛られることなくお客さまの事業に深く入り込み、事業責任者と同等以上の熱量と時間を投入して思考し、ファクトベースで客観的に議論できる点です。これが才流の支援スタイルの大きな魅力だと感じました。
外部の人間として純粋にお客さまの成功だけを考えて正しいことを実行し、結果を出す。これが実現できる環境には大きな価値があると思います。

ー実際に才流の選考を受けた際の印象はいかがでしたか。
才流のコンサルタントの採用選考プロセスの中に、才流社内メンバーに向けた勉強会があります。この勉強会のスライドを作成している時間がとても楽しかったですね。久しぶりに純粋にコンサルティングの仕事に向き合えた実感がありました。
※関連記事:採用選考プロセスで行う勉強会のねらい|才流で働こう
ー才流ではさまざまな年代のメンバーが活躍していますよね。
そうですね。才流では年齢を理由に特別扱いされることはありません。「経験があるから」と優遇されるよりも、純粋に実力で判断してもらえる今の環境が自分には合っています。
年下のメンバーのアウトプットから学ぶことも多く、常に現役感を感じられるのがとても良いですね。
議論を交わし、お客さまと熱量を分かち合いたい
ー入社から1年が経ちましたが、現在の業務内容について教えてください。
現在は、新規事業開発やBtoBマーケティングのコンサルタントとして大手企業さまのプロジェクトを中心にご支援をしています。
さまざまなプロジェクトを通じて新しい領域に挑戦できている現在、なんとなく寿命が延びたような感覚がありますね。新しい筋肉を鍛えられているような感覚とでもいうのでしょうか。
たとえば、これまでの経験を活かせる領域であれば、自分の持っているカードで戦えます。ですが、新しい筋肉を使うことはありません。才流の同僚たちの力を借りながら新しい挑戦をしている今、成長している実感があってとても充実していますね。
一方、心配性なのでプロジェクトの準備に時間をかけすぎてしまっている部分はあると思います。もう少し効率化したいですね。とはいえ、プレイヤーとしての生産性は、キャリアの中で今が最も高いのではないでしょうか。
ー成長を実感されているということですが、どのような時にそれを感じますか。
プロジェクトを重ねるごとに、新しいスキルや知識を身につけられていると感じています。45歳という年齢でも継続的に成長できているという実感があり、それが大きな充実感につながっています。

ーコンサルタントとして働く中で、どのような発見や楽しさがありますか。
お客さまのご支援を通じて、多種多様な業界・サービスに触れられるのが新鮮ですね。
これまで触れたことのない専門性の高いサービスを深く知ると、知識欲求が満たされます。その業界固有の力学があったり、ユーザーの行動や意思決定に基づく合理的な構造があったりする。それがわかると特に楽しいです。
特に好きなのが顧客インタビューです。インタビューを繰り返す過程で、それまで考えていた仮説が覆されるような新たな発見を得られることがあります。その瞬間はとてもやりがいを感じますね。
ーお客さまとの協働で大切にされていることはありますか。
単純に質問に答えるだけの関係ではなく、一緒に考えて議論できる関係性を大切にしています。一方通行ではなく双方向の議論ができることで、お互いに刺激を受けて、より良い成果につながりますから。
私たちコンサルタントは外部の立場として、組織内の利害関係に縛られることなく、純粋にお客さまの事業成果を追求できる立場にいます。私たちも忖度のない率直な提案をさせていただくので、お客さまも遠慮なくその熱量をぶつけてほしいです。そんな関係性が築けたら、成果を分かち合う際の喜びもひとしおでしょうね。
孤独ではない。でも自立しているのが才流の魅力
ー才流の働く環境について、どのような特徴があると感じていますか。
最も大きな特徴は、評価制度がないことでしょうか。評価がないと聞くと「サボる人もいるのでは?」と思われるかもしれませんが、真面目な人を採用することで成立しているのかなと感じています。
あと、才流の看板を背負っていることから、「最低でもこのライン以上のアウトプットは出したい」というこだわりがメンバーそれぞれにあるのかもしれません。
ー長谷川さんが思う、評価制度がないことのメリットを教えてください。
メンバー同士が協力しやすい環境が生まれていると感じます。情報共有やノウハウの共有が自然に行われていて、とても働きやすいですね。
私自身、これまでマネージャーとして他人を評価をする立場も経験してきたので、メンバーの成長を支援する仕事の素晴らしさももちろん知っています。そのうえで、才流では純粋にお客さまのために最善を尽くすことに集中できるため、マネージャー職とはまた異なるやりがいを感じています。

ーフルリモート環境で不安や孤独を感じることはありませんか。
才流では基本的にコンサルタント2人体制でプロジェクトに臨みます。各プロジェクトに、メインコンサルタントとサブコンサルタントがアサインされる仕組みです。
メインコンサルタントはプロジェクトの推進に集中しますが、サブコンサルタントは一歩引いて俯瞰的にプロジェクトを見ることができます。お客さまとのミーティングでは、サブコンサルタントが気づいたことをSlackで送り、メインコンサルタントがそれを参考にして提案に活かすといった連携も行われています。
評価制度はありませんが、こうした体制のおかげで孤独を感じることはありません。お客さまとのやりとりを客観的に見てくれて、気軽に相談にも乗ってくれる相手がいるので、安心して仕事を進められる環境です。
※関連記事:フルリモート、評価制度なし。異色の組織体制で働く才流コンサルタントのリアルを語る
ー才流の社内の雰囲気はいかがですか。
適度な距離感を保った、大人な環境だと感じています。過度な親密さを求められることもなく、ほどほどにドライな関係性ですが、困ったときには声を上げればしっかりと助けてもらえます。逆に言えば、自分から発信しなければサポートは得られない、自立した環境でもありますね。
一方で、メンバー同士の思いやりも感じられます。たとえば、相談や質問をSlackに投稿すると、多くのメンバーが回答してくれるんです。しかも、回答できない場合でもみなさんスタンプで反応してくれます。周囲への配慮が自然に行われていることに感動しました。
ー今後の抱負について聞かせてください。
さまざまな制約によって、最適な判断や施策の実行が困難になっている組織は少なくありません。そうした環境で、本来やるべきことを実現したいと考えている事業責任者の方々を支援していきたいと思っています。
私たちは外部のコンサルタントとして、組織内の利害関係に左右されることなく、純粋にお客さまの事業成果を追求できる立場にあります。そのメリットを活かして、事業責任者の方が孤独に悩むことなく、最適な解決策を実現できるよう伴走していきたいですね。
才流のような会社が増えれば、日本がより良くなっていくのではないでしょうか。自分にできる範囲で、才流という会社が持続するよう貢献していきたいと考えています。

(撮影:ヤマダヤスヒコ)