「自社ならではの強みが、表現できているかわからない」「エレベーターピッチを試みたが、手応えがなかった」。そんなご相談を、マーケティングや新規事業担当者の方からよくいただきます。
自社の訴求が顧客に響いていないと感じたら、顧客が困っていることや競合が打ち出していることなどを調査し、事実をふまえて訴求を見直すことをおすすめします。
本記事では、競合が公開している「導入事例」を分析し、強い訴求の仮説をつくる方法を解説します。生成AIを活用すれば、数十から数百の事例を短時間で読み解けます。分析で使用できるシートとプロンプトもありますので、ぜひ取り組んでみてください。
本記事で得られる知見
・ベンチマーク競合の決め方
・生成AIで競合の導入事例を集めて読み解く手順
・分析結果を訴求仮説や対抗ストーリーに落とし込む考え方
なお、本記事をまず生成AIに読ませて「手順どおりに進めたいので、ナビゲートして」と伝えると、対話形式で進められます。ご自身の生成AI活用の状況に応じて、記事やテンプレートをうまくご活用ください。
競合の導入事例分析シートテンプレート(Excel形式)をダウンロードする※個人情報の入力は必要ありません。クリックするとダウンロードされます。
進め方
まずは数ある企業のなかでもベンチマークすべき競合(以下、ベンチマーク競合)を決め、生成AIを活用しながら競合の導入事例を収集します。集めた事例を分析し、顧客の課題や導入きっかけなどを特定できたら、最終的に訴求の仮説に落とし込んでいきます。ステップは7つです。

ステップ1:ベンチマーク競合を決める
まず、成果を上げている営業担当者にヒアリングし、ベンチマーク競合候補のリストを作ります。現場で実際にコンペになっている企業や担当者が競合と認識している企業は、マーケティング部門が考える競合とずれることがあるためです。
余裕があれば見込み顧客にもインタビューし、「導入前に検討した商品・サービス」を聞くと、社内の議論だけでは出てこないような企業名が挙がることもあります。また、失注した案件や、自社へのリプレイスが起きた案件の記録も、競合候補を挙げる手がかりになります。
ベンチマーク競合リストのひな型は、テンプレートの1シート目にあります。
競合の導入事例分析シートテンプレート(Excel形式)をダウンロードする※個人情報の入力は必要ありません。クリックするとダウンロードされます。

候補が出そろったら、次の3つの観点で評価します。
| 観点 | わかること |
|---|---|
| 自社のお客さまが過去に使っていたベンダー(リプレイス前の相手) | 「なぜ乗り換えてもらえたか」のヒント |
| コンペで自社が勝てている、または勝ち筋がある相手 | 訴求の方向性の近さと、自社が比較検討される理由 |
| コンペでよくぶつかる相手 | 現在進行形の競合関係と、市場での競い合いの実態 |
1つでも当てはまる企業を候補に残し、そのなかから最初に導入事例を分析する5〜10社を決めます。

対象を広げるかどうかは、導入事例の分析を進めてから判断します。「事例の傾向が読み切れない」「想定していた競合と顧客層が違った」と感じたときが、広げるタイミングです。SaaSや人材サービスのようにプレイヤーが多い業界では候補が数十社に膨らみがちですが、最初から全社を分析する必要はありません。
コンサルタントの実践アドバイス

実際のところ、対象業務や規模、求める機能の組み合わせごとに競合の顔ぶれが変わり、数えあげると数十社に見えてしまう業界もあります。ただ、ある人材派遣業界のマーケティング担当者は「最初に35社まで広げて分析したが、振り返ると10社で十分だった。営業に早く聞けばよかった」と話していました。広げてから削るのではなく、先に営業へのヒアリングで「本当にぶつかっている相手」を確かめてから決める。この順番が結局は近道となります。
ステップ2:導入事例リストをつくる【生成AI活用】
ステップ1で決めたベンチマーク競合が公開している導入事例を、AIを使って収集します。件数の目安は競合5〜10社で、1社あたり10〜20本。全部で50〜200本ほどです。
2-1 導入事例のURLを収集する
まず、Web閲覧ができる生成AI(ChatGPTやClaude、Geminiなど)に、「ベンチマーク競合リスト」を渡し、プロンプト①を貼り付けます。
プロンプト①
添付のExcelテンプレートの「ベンチマーク競合リスト」で「分析対象にする」を選んだ各社について、導入事例一覧ページを探し、掲載されているすべての導入事例記事のURLをリストアップしてください。
条件:
・一覧が複数ページに分かれている場合は、すべてのページを確認すること
・実際にアクセスして表示を確認できたURLだけを載せること(推測でURLを組み立てないこと)
・導入事例以外のページ(プレスリリース・ブログなど)は含めないこと
分析対象にした各社の導入事例記事のURLリストを、生成AIが作成してくれます。1社ずつ指示を出す必要はありません。
競合の商品・サービスを導入している企業のなかには、従業員規模や業界が自社の想定ターゲットから外れる先もあります。そうした事例は分析対象に含めないよう、プロンプトにNG条件を指定しておくと、そのあとの分析作業の工数が膨らむのを防げます。NG条件の例は、「従業員100名未満の事例は除く」「自社がターゲットにしていない業界(官公庁・自治体など)の事例は除く」などです。
2-2 生成AIに導入事例分析シートを作成させる
次に、導入事例分析シートと次のプロンプト②を貼り付けます。作成したURLリストを生成AIに分析させ、「導入事例分析シート」の形式で抽出するためです。
プロンプト②
添付のExcelテンプレートの「導入事例分析シート」に、競合の導入事例を集約します。これから渡すのは、競合各社の導入事例ページのURLリストです。1事例を1行として、テンプレートの列のとおりに表形式で抽出してください。
条件:
・記述は要約せず、事例本文の表現に近い形で抜き出すこと
・該当する記述がない項目は「記載なし」と記入すること
・本文にない内容を推測で補わないこと
・「当初の課題」には、導入前に使っていた商品・サービスや運用への不満も含めて抜き出すこと
・「導入後に残る不満や残課題」には、導入した商品・サービスに対する不満のほか、導入後も残っている手作業・業務、今後の要望を抜き出すこと
*成功事例では率直な不満はほとんど書かれないため、「今後の展望」「今後の期待」「さらに改善したいこと」といった記事末尾の項目や、「〜の手間は残る」「引き続き人が対応している」といった表現に注目すること。それでも該当する記述がなければ「記載なし」と記入し、無理に読み取らないこと
・きっかけタグ・課題タグ・残課題タグの列と備考列は、空欄のままにすること(タグ付けはこのあとのステップで行うため)
導入事例分析シートは、生成AIに「この形式で書き出してほしい」と伝えるための指示書として、プロンプトに加えて添付しましょう。テンプレートの2シート目です。

「導入後に残る不満や残課題」は、競合の成功事例からは取得しづらい項目です。公開事例は顧客が同意したうえで載っている成功談なので、率直な不満はほとんど書かれません。記事の後半で触れる「成功談バイアス」が、この列にもっとも強く出ます。それでもここで項目として入れておくのは、ステップ7で扱う問い「競合の解決策で残る課題は何か」に直結する、価値の高い情報だからです。事例のなかで語られる「今後の展望」「これから」などといった話から、課題を拾えることがあります。
ただし、ここで集まる情報はあくまで参考程度と考えてください。この列が薄いままなら、レビューサイトの低評価口コミや商談情報で補うべきというシグナルです。補い方は「②「成功談バイアス」を見落とす」で解説します。
2-3 URLリストと内容の不一致を確認する
最後に、返ってきたファイルを開いて2点確認します。
- 最初に出させたURLリストの件数と、ファイルの行数がそろっているか
- 数行分のURLを開き、記述が元の事例ページと食い違っていないか
この段階では、自分で分類項目を作ったり、要約したりはせず、事例の記述をそのままシートに残してください。先に分類を決めてしまうと、そこからはみ出す事例に書かれた現場の知見が抜け落ちてしまうからです。分類は、次のステップで生成AIに提案させれば十分です。
まとめると、ステップ2での工程は次のとおりです。

ステップ3:タグ候補をつくる【生成AI活用】
次に、ステップ2で作成した導入事例分析シートとプロンプト③を、生成AIのチャット欄に貼り付けます。生成AIに事例のタイプを分析させ、タグ付けを提案させるためです。
タグとは、事例の自由記述を仕分けるための短いラベルのことです。列ごとに5〜10個のタグ、各タグの定義、分類の根拠を出すところまでを行います。
たとえば「手作業の集計が月末に集中していた」という記述に「業務パンク・効率化」というタグを振り、集計しやすくします。分類の根拠まで出させるのは、次のステップで分類の正しさを人がレビューしやすくするためです。
プロンプト内の「N本」は実際の件数に置き換えてください。
プロンプト③
あなたはBtoBマーケティングのリサーチャーです。添付のシートには、競合の導入事例をN本、列ごとに抜き出したデータが入っています。「検討のきっかけ」「当初の課題」「導入後に残る不満や残課題」の各列について、記述内容を集計するための分類タグを、列ごとに5〜10個提案してください。
条件:
・各タグには、タグ名と定義(1文)をつけること
・そのタグに分類した根拠となる代表的な記述例を2つ以上添えること
・どのタグにも当てはまらない記述は、無理に分類せず「分類不能」として残すこと
・タグ名は、事例の原文で使われている言葉に寄せること
タグ一覧(タグ名・定義文・代表的な記述例)は、生成AIのチャット欄に回答されます。シートに転記する必要はなく、次のステップでそのまま使います。
たとえば、タグの1つは次のような形で返ってきます。
【回答例】
タグ名:業務パンク・効率化
定義:業務量や手作業の負荷が処理能力を超え、効率化が検討のきっかけになっているもの
代表的な記述例:「手作業の集計が月末に集中し、担当者が残業続きだった」「残業時間の集計とチェックに毎月3日かかっていた」
これが列ごとに5〜10個並んだものが、タグ一覧です。

ステップ4:タグの種類と定義を決める
前のステップで生成AIが提案したタグを、人が確認して確定します。
「AとBは同じ意味として束ねてよいか」「1つのタグを分けるべきか」といった判断には、実際にその事業を動かしている人にしかない知識と判断軸が必要だからです。具体的な作業は、生成AIの提案に対するタグの統合・分割と、定義文の追記です。
進め方としては、きっかけタグ・課題タグ・残課題タグのそれぞれについて、生成AIが提案したタグ一覧を次の3つの問いで見ていきます。
- 重なっていたら統合する
- 1つのタグに違う話が混ざっていたら分割する
- 定義文だけを読んで、自分以外の人でも同じ分類ができるか確認する※迷いそうなら、定義に「含むもの・含まないもの」を書き足す

判断に迷ったときの拠りどころは、「そのタグは、訴求づくりの判断に使える粒度か」です。細かすぎると集計しても上位のパターンが見えず、粗すぎると訴求の手がかりになりません。1列あたり5〜7個に収まる程度が目安です。
ステップ5:全事例に確定タグを割り当てる【生成AI活用】
人が確定したタグを、生成AIにプロンプト④とともに貼り付けます。テンプレートで自由記述列の隣に用意されているタグ列に、生成AIがタグを振っていく形で、シート全体を仕分けさせるためです。
プロンプト④
確定した分類タグの一覧と定義を渡します。添付のシートの各行について、「検討のきっかけ」「当初の課題」「導入後に残る不満や残課題」の記述に、該当するタグを1つずつ割り当ててください。
条件:
・タグの定義に当てはまる場合のみ割り当てること
・記述が「記載なし」の場合は、タグ列にも「記載なし」と記入すること
・判断に迷う場合と、どのタグにも当てはまらない場合は「要確認」と記入し、理由を1文添えること
・すべての行の割り当てが終わったら、「要確認」の行だけを一覧にして出力すること
・割り当て結果は、シートと同じ列構成のExcelファイルで出力すること
生成AIが「どのタグにも当てはまらない」と判断した事例は、人が必ずレビューしてください。例外のなかに、新しいタグが必要だというシグナルが隠れていることがあります。

ステップ6:競合ごとの傾向を読み解く【生成AI活用】
プロンプト⑤を貼り付け、生成AIに2種類の集計表を作らせます。集計結果から、競合の訴求傾向を読み解くためです。
プロンプト⑤
タグ付けが終わった添付のシートについて、次の集計表を作成し、Excelファイルで出力してください。
条件:
・きっかけタグ・課題タグ・残課題タグそれぞれの単純集計(件数と構成比)
・ベンダー×各タグのクロス集計(件数と各ベンダー内の構成比)
・各集計について、件数の多い上位3タグの一覧
・構成比は「記載なし」の行を除いて算出すること
1つ目の集計表は、タグごとの件数と構成比を出す単純集計。「業務パンクがきっかけの事例が全体の4割弱」のように、ボリュームの大きい悩みがわかります。
もう1つは、ベンダー×タグのクロス集計。どのベンダーがどの悩みの事例を多く出しているかがわかり、競合ごとの訴求の軸が見えてきます。事例の公開数はベンダーごとに差があるため、件数だけでなく各ベンダー内の構成比でも見ます。

Excelのピボットテーブルに慣れている方は、シート上で自分で組んでも構いません。まず上位3つのタグを見ると、全体の傾向をつかみやすくなります。
ステップ7:自社の訴求仮説をつくる
ここが本メソッドのゴールです。集計結果を眺めながら、次の5つの問いを順に埋めていきます。このステップは必ず人が行ってください。自社が勝てそうな組み合わせを選ぶ、事業判断そのものだからです。
- 誰に起きている課題か(顧客企業名・従業員数と、事例本文に書かれた業種・部門から)
- どのような状況やきっかけで課題が顕在化するか(きっかけタグの上位から)
- 競合は何を解決策として訴求しているか(ベンダー×タグのクロス集計から)
- 競合の解決策では残る課題は何か(残課題タグ・具体要望から)
- 自社のどのアセットなら、その残存課題を解決できるか(自社の強みと照合)
5つが埋まったら、次の文型にあてはめてみましょう。
〇〇という状況にある△△部門に対して、競合は□□を提供している。
一方で××という課題が残っているため、自社は◇◇によって解決する。
できあがった仮説は、そのまま確定させず、顧客インタビューや商談での反応を通じて検証します。そこからさらに、バリュープロポジションやエレベーターピッチに仕上げる手順とテンプレートは、以下の記事で解説しています。


また、集計結果は、営業現場での競合バッティングへの「対抗ストーリー」としても使えます。
- 競合ごとの想定される提案ストーリーと、自社の打ち返しを1枚にまとめる
- 競合がどの顧客と太いコネクションを持っているかを、営業部長クラスに共有できる形にする
- 失注した案件のリプレイス再獲得を狙うとき、競合バッティングの想定を渡す
また、作った対抗ストーリーを営業現場に浸透させる取り組みの例として、ある企業のマーケティングディレクターの方のコメントを紹介します。実際に生成AIを活用しながら精度の高い競合分析を行っている方は、作ったあとのフォローも忘れていません。
【例】マーケティングディレクターの工夫
営業は、初回訪問でニーズが見えてきた時点で、相見積もりでぶつかる競合を予測できます。そこで、競合名を選ぶと「他社はおそらく安さとスピードで訴求してくる。うちは別のストーリーをぶつける」といった対抗方針が表示されるExcelとPowerPointの資料を用意しました。
ただし、いきなり営業に配っても使われません。まず営業部長クラスに説明して「これはいい」と思ってもらう。そのうえで営業ポータルに置き、ブックマークまで徹底してもらいました。現場が毎日見る場所に置かないと、せっかくの資料も読まれないからです。
作って終わりでは意味がありません。営業現場で活用してもらうためのコミュニケーション設計もあわせて検討しましょう。
※関連記事:
導入事例分析を進めるうえで注意すべき3つのポイント
この方法で導入事例分析を行う際に、注意したい点を3つ紹介します。どれも、知っていれば避けられるものです。
①「事例数の多さ=シェア」ではない
公開事例の件数は、各社の事例化方針や営業戦略に左右されます。「事例数が多い=市場で売れている」とは限りません。集計を見るときは件数の絶対値ではなく、分布のパターンを読んでください。
たとえば「どのベンダーも製造業の事例が多い」なら各社が製造業向けの訴求を重視している可能性があること、「特定のベンダーだけ情報システム部門の事例に偏っている」なら、そのベンダーの訴求の軸が見えてきます。
②「成功談バイアス」を見落とさない
公開事例は、顧客が同意したうえでWeb上に掲載されている、成功したケースです。失敗した事例や、他社サービスへ乗り換えて離脱した事例は、公開事例にはほぼ出てきません。
偏りへの対応は必須ではありませんが、次の2つで補うと「競合への不満や乗り換えの理由」まで押さえられ、訴求仮説が実態とずれにくくなります。
- ITreviewやG2などのレビューサイトで、低評価の口コミを集める
- 商談で顧客から出た競合比較の発言を営業経由で集める
まずは公開事例の分析だけで訴求仮説を作り、検証の段階でこれらを足す進め方で十分です。
③分類の確定を生成AIに丸投げしない
本メソッドは生成AIを多用しますが、集計から示唆を読み取ってまとめる作業と、分類の確定、訴求への接続は、必ず人間がやってください。
業界の文脈と自社の状況、その両方を知っている人にしか書けないからです。生成AIが書いた示唆をそのまま社内に出すと、ファクトと推測の境界が曖昧になり、議論の質が落ちます。
先述したマーケティングディレクターは、次のように話しています。
生成AIは情報収集と前段の整理までは優秀だが、最終的に「この会社を分析対象に入れるか」「このタグはこう束ねるべきか」の判断は、自社で20年やってきたベテラン営業の暗黙知に頼った部分が大きい。
事例|SaaS×BPO事業の訴求づくり
競合の導入事例分析から訴求づくりを進めた実例を紹介します。
ある企業では、ITカテゴリーのSaaSを、自社のBPO事業と掛け合わせて売るために、訴求方法を模索していました。
競合の導入事例の収集では、まず20本に絞って集めています。タグ付けの結果、検討のきっかけは「業務パンク・効率化」「セキュリティ・統制強化」「組織成長・変化への対応」などに整理されました。顧客の不満で多かったのは「機能追加要望」「旧ツール・旧運用への不満」「運用上の課題・限界感」の3つです。
| 検討のきっかけ | 顧客の不満 | |
|---|---|---|
| タグ① | 業務パンク・効率化 | 機能追加要望 |
| タグ② | セキュリティ・統制強化 | 旧ツール・旧運用への不満 |
| タグ③ | 組織成長・変化への対応 | 運用上の課題・限界感 |
また、顧客はツールを導入したあとも、アカウント削除、台帳メンテナンス、申請承認対応などといった業務をやらなければならないことも見えてきました。
「ツールでは完結しない実務を、BPOで埋められる余地があるのではないか」という仮説を立てる根拠が、集計から得られたのです。
最終的には、顧客インタビューを掛け合わせて、3つのターゲットペルソナを確定。「ツール単体ではなく、自社のBPO事業と組み合わせることで、独自のバリュープロポジションが立つ」という方向性を導いています。
各ペルソナに対して、想定する課題・差別化の決定的な特徴・代替手段との違いまで言語化したエレベーターピッチを作り、営業現場で使える形まで落とし込みました。
まとめ
競合の公開導入事例は、顧客の課題や選定理由、導入後の変化がまとまった有力な公開情報です。一方で、各社の事例化方針や成功談バイアスを含むため、市場全体を表すデータではありません。生成AIで横断的に整理することで、訴求仮説をつくるための材料を効率よく取り出せます。
分析を進める際は、「これは自社でもできるか」を問い続けることが大切です。他社がうまくいっているからといって、自社にもできるとは限らないからです。自社のアセット・組織・規模感に合うかどうかを、シートを眺めながら自問する習慣をつけると、絵に描いた餅にならずに済みます。ぜひ取り組んでみてください。